日本共産党 港区議団
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2017年第3回定例会 日本共産党港区議団の一般質問


質問者 大滝 実 議員




1. 核兵器禁止条約について

核兵器禁止条約が7月7日、国連本部で加盟国193カ国の63%にあたる122カ国の賛成によって採択されました。この条約の最も画期的なことは、核兵器を歴史上初めて条約によって違法化したことです。条約前文(まえぶん)には「ヒバクシャ」をはじめとする市民的良心の役割が強調されており、日本の被爆者をはじめ「核兵器のない世界」を求める世界各国と市民社会の長年にわたる共同のとりくみが結実した歴史的壮挙とも言えるものです。
条文では、法的禁止の内容として核兵器の「開発、実験、生産、製造、取得、所有、貯蔵」 とともに「使用の威嚇の禁止」が明記されたことは核抑止力論を否定したのものとして大きな意義をもつもので、まさに核兵器に「悪の烙印」を押し、全面的に違法化するものとなりました。
 核兵器禁止条約は核兵器完全廃絶へのスタートとなるものですが条約に参加していない核兵器保有国とその同盟国をも政治的道義的に拘束するものです。また核兵器保有国とその同盟国の条約参加が不可欠ですが、条約はそれに門戸を広く開けているとともに、ヒバクシャ国際署名を全世界で数億人規模で集め包囲していくことを中心に、圧倒的な国際世論で参加させる運動を提起しています。
 特に日本政府が唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず核兵器禁止条約に背を向ける態度を取っていることは国内国外の強い失望と批判を招いています。
162の国、地域から7417の都市が加盟する平和首長会議の第9回総会が8月8~10日に長崎市で開かれました。国連で核兵器禁止条約が採択された歴史的情勢を受け、「核兵器のない世界の実現をめざして~2020年にむけて今、私たちができること」 がテーマで議論されました。採択された「ナガサキアピール」では「条約への参加を全加盟都市から自国の政府に働きかけていく。特に核保有国と核の傘にいる国々の政府には強く働きかけていく」としています。
区長は平和首長会議に加盟する責任としても、港区平和都市宣言で「核兵器の廃絶を訴え」る区長としても ①核兵器禁止条約に支持表明を行うこと②国に対し核兵器禁止条約に署名・調印するよう要請すること。③「ヒロシマナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」に署名するとともに区民へのよびかけを行うこと。
 答弁を求めます。

【区長答弁】
最初に、核兵器禁止条約についてのお尋ねです。
まず、支持表明を行うことについてです。
本年8月10日、区が加盟する平和首長会議の第9回総会において、核兵器禁止条約の採択を歓迎し、核兵器のない世界の実現に向けて邁進する趣旨の「核兵器禁止条約の早期発効を求める特別決議」と「ナガサキアピール」が採択され、区も賛同いたしました。
引き続き、平和都市宣言をしている区として、平和首長会議に加盟する全世界の都市と連携し、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を訴えてまいります。

次に、国に対し署名・調印するよう要請することについてのお尋ねです。
第9回平和首長会議総会の決議を受け、本年8月23日、平和首長会議国内加盟都市会議は、国連で採択された核兵器禁止条約が、実効性のある条約となるように、日本政府に対し、核兵器廃絶に向けた取組の推進を求める要請文を提出いたしました。

次に、「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」に署名し、区民へのよびかけを行うことについてのお尋ねです。
お尋ねの署名については、核兵器廃絶を目指した「ヒロシマ・ナガサキ議定書」に平成22年に首長として賛同署名をしていることから行うことは考えておりませんが、区民へのよびかけにつきましては、本年8月10日に区が加盟する平和首長会議の総会で、平和首長会議による「核兵器禁止条約の早期締結を求める署名」と市民団体による「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」とが連携して取り組むことが2017年から2020年までの「行動計画」の中にも盛り込まれました。
区のホームページで、「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」について区民に紹介してまいります。


《再質問1》
核兵器禁止条約について
《質問要旨》
  平和首長会議としてではなく、区長として、核兵器禁止条約に支持表明を行うことや、国に対して核兵器禁止条約に署名・調印することを要請するよう、申し上げておきたい。
《区長答弁要旨》
  これまでも区は、平和首長会議に加盟する全国の自治体と連携し、核兵器廃絶と平和の恒久平和の実現を訴えてきた。今後とも、全市区町村の96.6%に当たる国内の加盟自治体とともに世界の恒久平和と核兵器廃絶の実現に取り組んでいく。


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2. 築地市場の豊洲移転中止について

小池都知事が6月20日に発表した市場移転問題に関する「基本方針」は、「食の安全・安心」に責任を負い、「築地ブランド」を守るというものでした。しかし、7月の都の関係局長会議で土壌も地下水も環境基準以下とする「無害化」方針を撤回し、「無害化に変わる新たな方針を定めた」として、都議会と市場業者、都民との約束を反故にしたのです。8月28日からの臨時都議会では、豊洲移転を急ぐための追加対策として、盛り土がなかった地下空間にコンクリートを敷設することや、地下水管理システムの増強などを行うものですが、土壌汚染の専門家からも「実効性がない」と厳しい批判がされており、食の安全・安心を放棄したことの目くらましとしか言いようがありません。また、「築地ブランドは守る」と約束していたのに、都議会本会議での答弁では、「築地の再開発」が強調される一方、築地ブランドを守る約束を事実上投げ捨てたのです。
豊洲移転に何の道理もありません。区長は区民の食の安全を確保するため、豊洲への移転は中止し、築地市場を現在地で再整備するよう要請すべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、築地市場の豊洲市場への移転中止についてのお尋ねです。
築地市場から豊洲市場への移転につきましては、東京都が、本年6月に市場移転問題に関する基本方針を発表し、築地市場を再開発するとともに、安全対策を講じた上で豊洲市場を活用するとしています。
市場移転問題については、設置主体である東京都が主体的に取り組んでおり、区として移転中止の申し入れを行うことは考えておりませんが、区民の消費生活や区内企業の事業活動に対する食の安全、地域経済への影響などにつきましては、引き続き、注視してまいります。



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3. アスベスト対策について

発がん物質・アスベスト(石綿)が、全国の公共住宅(32都道府県の都営・県営・市営、UR団地)の少なくとも2万2000戸で使われていたことが、被害者団体などの調査で明らかになりました。調査に協力した東京工業大学の村山武彦教授によると石綿を吸い込んだ可能性のある人は約23万人に上るとの試算を明らかにしました。不安が広がっています。
石綿はこれまで石綿工場などの労働者や工場周辺の住民が主だったが、公営住宅住民にも広がる可能性が出てきました。村山教授は「必ず健康被害が起きるわけではないが、対策前の住宅に住んでいた方は、どの程度触れていたか当時の生活状況などを確認してほしい」と呼びかけています。
調査は「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」が実施。自治体への聞き取りなどにより、全国の公営住宅や都市再生機構(UR)の住宅、都営住宅の2万2千戸超で石綿が吹き付けられていることが判明しました。すでに大半で対策が施されていますが、それまでは居住者が長年石綿にさらされる環境にあったということです。
同会は、天井に石綿が吹き付けられていた横浜市の神奈川県営住宅に約20年間住んでいた女性が、中皮腫を発症した例を確認。他にも同様の被害がないか実態調査をすすめています。
村山教授は「調査で把握できなかった住宅もあるとみられる。国や自治体は全国的な調査や使用状況などのデーターベース、居住者に対する相談体制などを構築する必要がある」と指摘しています。
石綿の健康被害については、2005年に兵庫県尼崎市の旧クボタ工場周辺で多数の健康被害が発覚したことを受け、2006年に石綿健康被害救済法が施行されました。労災の適用外でも、中皮腫や石綿による肺がんなど特定の疾病にかかれば、患者や遺族が救済される制度になっています。
調査結果の団地には港区内はありませんが、建て替えのため解体が始まった「都営青山北町アパート(通称:北3団地)」では、吹き付けアスベストがあることが判明しています。

国や東京都にしっかりとした調査と、居住者に対する相談体制をとるように要請すること。併せて、北3団地のアスベストが見つかった団地居住者への情報提供と健康診断を実施するよう要請すること。
答弁を求めます。
 
環境省から「石綿含有仕上塗材の除去等作業における石綿飛散防止対策について」との通達(平成29年5月30日付)が、東京都を通じて届きました。
 いままでは、届出のいらなかった建築物等の内外装仕上げに使われた建築用仕上塗材に、石綿を含むものがあるため、法的手続きが必要になったというものです。 
港区のホームページによると、「石綿含有仕上塗材の除去等作業における石綿飛散防止対策について(平成29年6月9日更新)」で「過去に建物の内外装に用いられた建築用仕上塗材(リシン、スタッコ等)は、アスベストを含有している場合があります。これまでは、吹き付け工法による石綿含有仕上塗材(石綿を含有する建築用仕上塗材)を除去・補修する作業については、大気汚染防止法及び環境確保条例に基づく届出が不必要なものとして取り扱ってきましたが、平成29年5月30日付で環境省から発出された通知により、これらの届出が必要な作業として取り扱うこととなりました。」と周知し、環境省の「通知」が見られるようになっています。
 今までは届出なしに行われていた解体工事が、大気汚染防止法に基づく届出が必要となりました。
石綿による区民等の命と健康を守るうえで被害防止対策は大事です。
 一方、一区民が戸建て住宅を建て替える際、仕上塗材の検査費用、検査によって石綿が含まれていれば、密閉による解体の費用など多額な費用がかかります。
 新たな対策が必要になったのですから、対策費用の助成を新設すべきです。
 答弁を求めます。

 区内各地の再開発、前段の質問のように新たな仕事、オリンピックを前にしたビルの建て替えなど、環境課・環境指導、環境アセスメント担当の仕事は増える一方です。
 再開発に於いては、古い住宅の解体などによるアスベストの飛散防止対策は重要な課題です。
 当面、東京2020オリンピック・パラリンピックまでの間、臨時職員の雇用も含めて、職員の増員を行うべきです。
答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、アスベスト対策についてのお尋ねです。
まず、国や東京都に調査と相談体制を要請することについてです。
国は、本年6月に都道府県等に対し、公営住宅等における吹付けアスベスト等の使用実態に関する住民への情報提供と居住者や元居住者からのアスベストによる健康被害の問合せ窓口の紹介を行うよう通知しました。
この通知を受けまして、区及び東京都は、区民向け住宅については使用実態がなかったことを、都営住宅については使用箇所についての除去対策が完了していることをそれぞれホームペ
ージで公表しております。
また、居住者に対する相談体制についても、区は、既に保健所や専門医療機関の紹介などを行っております。
そのため、改めて国や東京都へ要請することは考えておりませんが、今後もアスベスト調査や届出等に対しては、事業者に適正な処理をするよう、指導を徹底するとともに、住民の不安の払しょくに向けて丁寧に対応してまいります。

次に、建物管理者に対し情報提供と健康診断の実施を要請することについてのお尋ねです。
都営青山北町アパートの建物管理者である東京都住宅供給公社は、建替えや改修工事の他にアスベストの有無や健康不安などに関することも含めた相談窓口を設け、居住者へのきめ細かなサービスを提供しております。
区は、アスベストに関する健康被害について、保健所を窓口として相談を受け、必要に応じて検診も実施しております。
東京都住宅供給公社に対しては、アスベスト含有(がんゆう)建材(けんざい)の使用に係わる情報提供など、居住者への丁寧な対応に努めるよう要請してまいります。

次に、対策費用の助成を新設することについてのお尋ねです。
区では、「港区アスベスト対策費助成要綱」に基づき、区内に対象建築物を所有する個人や中小企業者等に対し、吹き付け材等のアスベスト含有(がんゆう)検査や除去等工事に要する費用について助成を行っております。
アスベスト含有(がんゆう)仕上(しあげ)塗材(とざい)の除去工事等に要する費用についても、この制度の対象となります。改めて制度の周知に努めてまいります。

次に、職員の増員についてのお尋ねです。
区は、これまでも、アスベストにかかる指導業務につきましては、届出等の増加に対応し、専門的知識を持つ事業者への業務の一部委託や臨時職員の配置により、迅速かつ適切に対応しております。
今後も届出件数などの推移を見ながら、業務の進め方の見直しや職員の専門性向上を図り、効果的かつ効率的に業務を進めてまいります。




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4. 都営住宅の空いている部屋の募集について

「何度都営住宅に応募しても当たらない」「どこの団地も空き部屋がたくさんあるのに、どうなっているのか」「何年も、空き家のまま。もったいない」など、区民からたくさんの声が寄せられています。
確かに空き部屋が目立ちます。
調べてみると、北青山1丁目は1~4号棟で79戸、南青山1丁目では18戸、北青山1丁目も南青山1丁目も、北3団地の建て替えの仮移転先でつかっていますから、完成後に戻る世帯があり、さらに空き部屋が増る可能性があります。
比較的大きな団地の空き部屋を見ると、港南4丁目第3アパート…85戸、港南4丁目第2アパート…18戸、高輪1丁目アパート…55戸、芝5丁目アパート…36戸、などです。これだけでも291戸の住宅が空いています。規模の小さな都営でも空いているところがありますから、300戸以上が空いていることになります。
今年度の区内の都営住宅の5月の空き家募集の状況を見ると、最高で662倍、次が624倍、軒並み40倍以上です。区営住宅も138倍を最高に狭き門です。都営住宅、区営住宅など、低廉な家賃の住宅を必要としている人がたくさんいるということです。
東京都に対し、空き部屋を放置せず、入居者募集を行うよう要請すべきです。
答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、都営住宅の空き住戸の募集についてのお尋ねです。
住宅は、区民の健康で文化的な生活にとって不可欠な基盤であることから、区は国や東京都と連携し、真に住宅に困窮する区民に対して、居住の安定の確保に努める必要があります。
区は、都営住宅の既存ストックを有効に活用するよう、利用可能な空き住戸の迅速な募集を東京都へ要請してまいります。


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5. 神宮外苑に計画されている(仮称)神宮外苑ホテル計画の見直しについて

明治神宮外苑アイススケート場の隣、フットサル場がある場所に、高さ50メートルのホテルを建設する計画です。
この計画に対して、国際記念物遺跡会議(イコモス)の国内組織「日本イコモス国内委員会」が、周辺の景観に配慮してホテルの高さを計画の50メートルから引き下げるよう、事業をすすめる明治神宮などに、「重要文化財絵画館への眺望を損なう神宮外苑ホテル計画に関する提言」(2017年6月29日:以下「提言」という。)をしました。
ホテルは地権者の明治神宮と三井不動産が国の重要文化財である聖徳記念絵画館の北西に計画しているものです。2019年に完成後は、ホテルの上部が絵画館の背後に突き出して見えることになります。東京都は絵画館の眺望を守るため、背後に建築物が突き出して見えないように周辺の建築物を制限しています。ホテルはその規制線のすぐ外側で、法的にはクリヤしていますが、提言は「青山通りから2列のイチョウ並木でヴィスタラインが強調され、明治神宮が設計された当初からランドマークとしての絵画館が中心に見えるように明快に意匠されたもので、神宮外苑ホテルが建設されることになれば、イチョウ並木が終わるところにある噴水からは、左側に絵画館のドームより高くホテルが現れ、国の重要文化財である絵画館への眺望の価値が大きく損なわれることになります」と指摘し、高さへの配慮を求めています。
提言は明治神宮、三井不動産、東京都、新宿区宛に出されたものです。

港区には東京都から2016年(平成28年)11月8日に「東京都市計画地区計画神宮外苑地区地区計画の変更について」の意見照会がありました。
建設委員会には11月18日に報告があり、わが党委員は「明治神宮外苑の環境保全からあってはならない(計画)」と指摘しました。
2017年1月16日に港区都市計画審議会が開かれ、わが党委員は「景観上も環境上も問題」と指摘し反対しました。
港区は、東京都の「意見照会」に「異議ない」との回答をしました。

今回の日本イコモスの提言は、私たちの指摘が的を得たものであることが明らかとなりました。
今からでも遅くありません。聖徳記念絵画館をめぐる景観を守るためにも、神宮外苑の緑の環境を守るためにも、神宮外苑一帯をスポーツの一大拠点と位置付けていることを真に活かすための土地利用をすすめるためにも、事業者や関係機関にホテル計画の見直しを要請すべきです。
答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、神宮外苑に計画されているホテル計画の見直しについてのお尋ねです。
このホテルは、新宿区内に計画されているものであり、区が定めた景観計画区域外となりますが、区は、神宮外苑銀杏並木が演出する風格ある眺望景観の保全を重視しており、青山二丁目交差点を眺望点とした景観保全に影響がないことを確認いたしました。
このことから、区から事業者や関係機関に対し、計画の見直しを要請することは考えておりません。


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6. 民泊について

マンションの空き室などを宿泊施設として提供する「民泊」を、事業として認める「民泊新法」(住宅宿泊事業法)が成立し関連企業の動きが強まる中で住民の不安と懸念が広がっています。旅館業法の許可を得ない違法「民泊」が急増し、騒音やゴミ出しなどのトラブル、防犯や安全・衛生、管理者不在で運営者も不明な施設が問題になっています。
港区でも、2015年度は18施設への苦情でしたが、2016年度は80施設と急増しています。「民泊」に関する保健所への相談件数も2016年度637件と前年比で6倍と急増しています。 苦情の内容は、不特定多数の外国人が出入りしている。大きな声で騒ぐのが聞こえることがある。(民泊をやっていると思われる)家の場所を頻繁に尋ねられる。ゴミの出し方(日時、場所等)が決められたとおり行われず、放置される等々、近隣住民は迷惑千万です。区では苦情があると住まいの持ち主を捜し、住民の苦情を伝え善処をお願いしていますがなかなか解決には至りません。苦情が寄せられたら、現地調査、実態調査(使われ方)を行い、持ち主に改善を行うよう強く要請すること。不法な「民泊」であれば、撤去するよう申し入れること。
 民間の調査・情報によれば港区内の物件数は今年3月時点で1308件となっています。既に違法物件が犯罪の温床となる事件も発生しています。 厚生労働省で民泊実態調査が行われたとしており、区として「民泊」の実態をつぶさにつかむ必要があります。「民泊」が何件あって、そのうち「営業許可」や「旅館業法」の許可を得ている「民泊」が何件あるのか至急調査すること。
 また、分譲マンションで「民泊」が増加している問題への対応として国土交通省はマンション管理規約の変更などで「民泊禁止」を決めてほしいと「標準管理規約」改訂作業を進めていますが、来年6月の「民泊新法」施行までに間に合わないところや、管理組合の実態が無くなっているところもあり、区として啓発・支援を行うこと。
 こうした取り組みを強化していくためにも、保健所の体制強化と関連部署との連携を図ること。
 それぞれ答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、民泊についてのお尋ねです。
まず、現地調査し、改善要請や撤去を申し入れることについてです。
区では、許可を得ずに民泊を行っているとの情報を寄せられた物件について、実態を詳細に把握し、指導の効果を高めるため、所有者や民泊仲介サイトへの掲載状況等の調査とともに、現地確認や関係者への聞き取り調査を行っております。
現行の旅館業法では、許可を得ていない事業者に対する報告徴収、立入検査等の権限がありませんが、無許可営業が判明した場合には、事業者に対し許可の取得、又は、事業の中止を強く申し入れております。このような取組の結果、平成28年度において、9件が無許可営業を取りやめました。

次に、実態調査の実施についてのお尋ねです。
民泊施設の実態を効率的に把握する方法として、民泊仲介サイトの調査がありますが、住所が掲載されていないことから、物件を特定することは非常に困難です。
区に寄せられた民泊に関する情報は、平成28年度は80件、平成29年度は7月末までに新たに30件あり、調査を行いましたが、許可を得ている物件はありませんでした。
引き続き、消防署や警察署等の関係機関とも連携しながら、可能な限り実態把握に努めてまいります。

次に、分譲マンションの「標準管理規約」改訂作業を啓発・支援することについてのお尋ねです。 
区は、住宅宿泊事業法(民泊新法)の成立を踏まえ、本年6月下旬に分譲マンションの管理組合を対象に民泊等を制限するための管理規約の紹介や法制度の仕組みについて、専門家を講師に招き、わかりやすいセミナーを開催いたしました。
今後も東京都や国の動向に迅速に対応するとともに、本年10月にはホームページに掲載し、また来年2月にはセミナーを開催することなどにより、多くの分譲マンションの管理組合に対し、きめ細かい情報提供に努めてまいります。

最後に、保健所の体制強化と関連部署との連携を図ることについてのお尋ねです。
区では、観光客の来訪及び滞在の促進を目的とした住宅宿泊事業法の公布を受け、庁内の関連部署で準備を進めております。区の特性を踏まえた民泊のあり方や観光振興、生活環境の悪化に関する苦情、防犯・防災等の多岐にわたる課題について検討するとともに、庁内の連携強化を図っております。
今後、無許可営業者に対する指導監督権限や罰則を強化する旅館業法の改正も予定されております。区は、住宅宿泊事業法の施行とともに、区民の安全・安心が確保されるよう適切に対応してまいります。


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