日本共産党 港区議団
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 2010年区議会第4回定例会での質問を掲載しました

2010年区議会第4回定例会

日本共産党区議団質問

日本共産党区議団の代表質問
2010年11月25日

質問者 大滝 実 議員


日本共産党区議団の一般質問
2010年11月26日

質問者 風見利男 議員


2010年港区議会第4回定例会での代表質問

2010年11月25日
質問者 大滝 実 議員

1.雇用を守るための区政の役割について
2.保育園の待機児ゼロを目指するために
3.75歳以上の医療費負担をゼロにするために
4.特別養護老人ホームの待機者をゼロにするために
5.幼保一体・新システムについて
6.シルバー人材センターの仕事確保について
7.税制改定に伴う区民への影響を軽減するために
8.国民健康保険について
9.介護保険の改悪を許さないために
10.後期高齢者医療制度の廃止について
11.医療費の無料を高校卒業世代まで拡大することについて
12.「ちぃばす」の改善について
13.まちづくり、建物の高さ制限について
14.森ビルなどへの再開発補助金の中止について
15.白金6丁目共同住宅新築工事について
16.TPPに参加しないことを求める

 日本共産党港区議員団を代表して区長、教育長、議長に質問します。

 まず最初に、北朝鮮による韓国・延坪島(ヨンピョン島)への砲撃について、昨日の志位和夫委員長の談話をもとに、日本共産党の見解を表明します。
 北朝鮮は23日、韓国の延坪島に対して砲撃をおこない、韓国軍との間で交戦状態となった。これにより、韓国軍兵士だけでなく、同島の民間人にまで死傷者が出て、住民1600人が緊急避難する事態となりました。
 民間人が居住する島への無差別の砲撃は、朝鮮戦争の休戦協定はもとより、国連憲章にも、北朝鮮自身が当事者である南北間の諸合意にも反する、無法な行為です。日本共産党は、北朝鮮の軍事挑発行動を厳しく非難するものです。
 北朝鮮は今回の行為を、韓国軍が「北朝鮮の領海」で軍事演習をおこない砲撃したことへの反撃だとしています。この海域における境界線については、韓国と北朝鮮の主張が異なっているが、それを武力攻撃の理由にすることは、断じて許されるものではありません。しかも、砲撃を受けた延坪島と同島への航路が韓国側に属することは、北朝鮮自身も認めていることであり、北朝鮮の言い分はまったく成り立ちません。
 日本共産党は、北朝鮮が、攻撃とそれによる被害の責任をとり、挑発的な行動を繰り返さないことを厳重に求めます。
 韓国をはじめ関係各国が、事件をさらなる軍事的緊張や軍事紛争につなげることなく、外交的・政治的な努力によって解決することを要請するものです。

私たちは、9月から区民の意見、要望を区政や都政、国政に反映させるため、区民アンケートを行ってきました。既に2000通を超える回答が寄せられ、昨年春に行ったアンケートの2倍近くになります、これまで以上に広範な区民の声がアンケートに託されたものであり真摯に受け止め、答弁されるようお願い致します。


1.はじめに雇用を守るための区政の役割について質問します。

 アンケートでは、「ここ数年」の暮らし向きについての問いに「良くなった」が4%の一方、「悪くなった」が55%、今後の暮らしについては、「不安」と答えている人が、74%にもなっています。勤労者にとっての不安、不満の内容は、第1位が「給料が安い」、次に「仕事が見つからない」と答えており、「給料が減らされ、いつリストラになるか不安」「失業中。正社員の道がない」「1年契約のため来年度の更新が不安」「仕事がない。給料が減った」など切実な声が紙面いっぱいに書かれています。こうした声に答えるためには区民の雇用を守り、暮らしを守るための区政の積極的な役割が求められています。
 政府が国会に提出している労働者派遣法改正案では、製造業への派遣を原則禁止するとしながら常用型派遣を除いたり、登録型の派遣も原則禁止としながら専門業務を例外と定めるなど大穴だらけです。
 労働者派遣法の改正にあたっては、 製造業派遣の全面禁止、専門業務の抜本見直しなど「雇用は正社員が当たり前の社会」となるよう国に求めるべきです。答弁を求めます。

 一昨年と昨年末に「年越し派遣村」が設置され、失業によって住居を失った多くの派遣労働者に食事と寝場所を提供してきましたが、今年は石原都知事が派遣村の設置を拒否しているため、政府は年越し前に再就職や住居の確保を進めるとしています。
 しかし、自動車の「エコカー補助金」や家電「エコポイント」の終了により、駆け込み需要が無くなり生産縮小で大手製造業は、いっそうの「非正規切り」「下請け切り」を強行しようとしており雇用不安は拡大しています。
 東京都に今年も「年越し派遣村」の設置をするよう求めること。答弁を求めます。

 区としても、職を失った人たちに住居や生活、就職への迅速な支援を行うことができるよう、窓口を一本化して総合相談窓口を設置すること。年末年始の休み中も相談に対応できるよう体制を取ること。
 官製ワーキングプアを生み出す指定管理者制度の導入をやめること。区の直接雇用を拡大すること。
 それぞれ 答弁を求めます。

【区長答弁】
 最初に、雇用を守るための区政の役割についてのお尋ねです。
 まず、労働者派遣法改正に係る国への要望についてです。
 いわゆる労働者派遣法については、公益、労働者及び使用者の代表で構成される労働政策審議会の答申に基づく改正法案が国会に提出され、現在、審議されております。
 区といたしましては、労働政策審議会の審議結果を尊重すべきものと認識しており、改正内容の見直し等を国に求めることは、考えておりません。
 次に、東京都に「年越し派遣村」の設置を求めることについてのお尋ねです。
 住居や生活に困窮している求職者の方々への支援は、自治体が年末年始に一時的に対応するのではなく、国の責任において全国的に通年で実施すべきものと考えております。
 区として昨年末のような、いわゆる「公設派遣村」を再度設置するよう東京都に求めることは考えておりません。
 次に、総合相談窓口を設置することについてのお尋ねです。
 区は、福祉全般にかかわる相談をお受けするため、5つの総合支所それぞれに相談窓口を開設し、相談者の置かれた状況に応じた的確な情報の提供や必要な支援を行っております。
 特に本庁舎におきましては、失業等により住まいを失った方への生活費や住居の確保など、複雑な相談に廼切に応じる体制を整えております。
 今後ともこの総合的な相談機能の充実に努めてまいります。
 次に、指定管理者制度についてのお尋ねです。
 今後とも、指軍管理者に対しましては、労働関係法令の遵守をはじめ、施設の安全・安心の確保や区民サービスの向上等について、適切に指導してまいります。
 次に、区の直接雇用の拡大についてのお尋ねです。
 区では、雇用環境の悪化により、職を失った方や就職ができない方を対象に、平成21年3月から若者の就業体験を含む緊急不況対策臨時職員の募集を行い、応募者の中から区民を優先して採用しております。
 今年度は、延べ31人の方を緊急不況対策臨時職員として採用いたしました。
 今後も就労を目指す区民等に対し、雇用の場の提供と就職支援を行ってまいります。


 私たちは区政転換の重点施策として3つのゼロを掲げています

2.ひとつめのゼロ、保育園の待機児ゼロを目指す質問をします。

 アンケートでは、「必要と思われる子育て支援は」の質問に「保育園の増設」が圧倒的でした。「急に職を失った」「正社員から契約社員になって収入が減った」など夫婦で精一杯働かなければならない家計状況が痛いほど伝わってきています。こうした中で保育園の要望が高まっているのです。待機児童は1000人前後にふくれあがっています。
 区は、前定例会のわが党の質問に相変わらず「認可保育園3園の建設整備と5園の改築」を繰り返していますが、新設計画は旧神明運動広場は来年度、港南4丁目は再来年度、田町駅東口に至っては3年後、5園の改築も3園が3年後、1園は4年後です。しかも、その間に次々と、今ある緊急暫定保育室の期限が来て閉園にする計画です。
 入園希望者がさらに増える中、現在の計画で、どうして待機児童の解消になるのか。
 早急に公立保育園の建設を行うべきです。答弁を求めます

 入園希望者は、今すぐに保育園に入れてほしいと願っているものであり2年先、3年先の計画では何の解決にもなりません。一刻も早く待機児童を解消するためには、国公有地等を活用して緊急暫定保育室を建設すべきです。
 緊急暫定保育室は、わが党の提案で実現しました。4年前、2006年10月4日の決算特別委員会で「待機児童解消のため仮設保育園を継続して使用すること」を求め、区長は「他の利用計画などの課題を整理します」と前向き答弁があり、私どもは、直後の10月23日に、助役以下担当理事者に対し、本園の建て替えのため仮設として使用している飯倉保育園、南青山保育園の仮園舎を暫定施設として使用するよう申し入れました。助役は、提案の方向で検討すると答えました。区は私たちの提案を受け入れ第1号として東麻布保育室が開設、現在5園で定員605人になっています。その後、保護者の運動もあり、東麻布保育室の5年延長、高輪保育園仮園舎の活用が決まりました。暫定保育室がなかったら待機児童は1500人余りとなり大変な状況となったでしょう。
 前定例会でも国公有地等を活用し緊急暫定保育室の建設を求めましたが「国公有地を調査しておりますが現段階では適当な用地がありません」と答弁していますが、関東財務局東京財務事務所からの「未利用国有地等の情報提供」によれば3件有ります。
 また三田2丁目の法務省三田分室跡地。衆議院高輪議員宿舎跡地。さらに赤坂、青山、三田2丁目の都有地など、空いている国公有地等を調査し強力に働きかけて土地の確保を行い建設すべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、保育園の待機児ゼロを目指すことについてのお尋ねです。
 まず、早急に公立保育園の建設を行うことについてです。
 現在、旧神明運動広場、港南四丁目、田町駅東口北地区の認可保育園3園の整備に着手しております。
 また、認可保育園5園の改築や認証保育所2か所の誘致により、今後、合わせて約700名の定員拡大を図る計画です。
 一方で、認可保育園の建設には、一定の時間がかかることから、待機児童解消のため緊急暫定保育施設を整備し、約600名の定員拡大を図ってまいりました。
 また、来年度(仮称)桂坂保育室の整備や平成24年度からの東麻布保育室の延長など、さらに約400名の定員拡大を実施し、待機児童解消を図ってまいります。
 今後とも、待機児童解消を目指し、区立認可保育園のみならず、緊急暫定保育施設の継続や増設の検討、認証保育所のさらなる誘致など、多様な手法により定員拡大を図り、待機児童の解消を目指してまいります。
次に、国公有地等を活用して、緊急暫定保育施設を建設することについてのお尋ねです。
 国公有地等を活用して緊急暫定保育施設を建設することにつきましては、地域の待機児童の状況や用地環境等を踏まえ、検討してまいります。


3.2つめに、75歳以上の医療費負担をゼロにするために質問します。

 アンケートでは高齢者から高い医療費に怒りの声が寄せられています。
 「長年働いて、社会に貢献してきた高齢者こそ大切にしてしかるべき。安心して老後を暮らしたい」「何十年も働いて給料から高額の保険料を支払ってきた。年をとったらお世話になると思って支払ってきたのにひどい」「75歳を超した国民に、国からの温情を希望します」「戦争で苦しみ生き残ったのが悪いのかと言いたい」「私たちは若い頃は高齢者の分を払ってきたのに自分たちが高齢者になったら払えと言うのは全くもってけしからん」などなど。若いときから保険料を払い続け、高齢になって病気になったら医療費を払えでは保険とは言えません。
 全国保険医団体連合会が今年5月から10月に行った全国調査によると「経済的理由で治療を中断または中止した事例がある」医療機関は4割近くになり、「医療費負担を理由に検査や治療、投薬を断られた」が43%もあったと発表しました。保団連の会長は「必要なときに十分な医療が受けられることが求められる。患者の窓口負担の大幅軽減が必要だ」と述べています。
 1983年に老人保健法が施行されるまで70歳以上の窓口負担はありませんでした。当面、75歳以上の医療費負担をゼロにするよう国、および東京都後期高齢者医療広域連合に求めるべきです。
 国が実施するまで港区として75歳以上の医療費をゼロにする助成制度を実施すべきです。 それぞれ答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、75歳以上の医療費負担をゼロにすることについてのお尋ねです。
 まず、国や東京都後期高齢者医療広域連合に求めることについてです。
 国は現在、「高齢者医療制度改革会議」のもと、後期高齢者医療制度廃止後の持続可能な医療保険制度の構築に向けて、負担や給付の水準など、世代間や保険者間で、より多くの人が納得できる仕組みを導入するため、新たな高齢者の医療制度の検討を進めております。
 少子高齢社会が進行するなかで、世代間の負担の公平性を図るためにも、医療費の本人負担を無料にすることには、慎重に対応するべきと考えております。
 このことから、75歳以上の医療費負担をゼロにするよう、国や東京都後期高齢者医療広域連合に求めることは考えておりません。
次に、区として医療費の助成制度を実施することについてのお尋ねです。
 負担と給付の関係からも医療費の本人負担を無料にする助成制度を実施することには、慎重に対応するべきと考えております。このことから、区として医療費の助成制度を実施することは、考えておりません。


4.3つめに、特別養護老人ホームの待機者ゼロにするために質問します。

 アンケートでは、介護サービスについての要望に対し「特養ホームを増設してほしい」が最も多く、寄せられた意見では「特養ホームを増設してほしい。待っている老人が多い」「両親の介護のため仕事を5年もしていません」「望めば誰でも入れることが大原則だと思う」などの声が寄せられています。特養ホームの申込者で入居待ちは360人ですが、「どうせ申し込んでも入れない」と、申し込みをせず家族が犠牲になって介護している例など潜在的ニーズは予想がつきません。
 厚生労働省は要介護以上の人のうち施設に入所する人の割合を2014年までに1割減らす(41%から37%に)として、特養ホームなどの整備を抑制してきた国の「参酌(さんしゃく)標準」を撤廃したと発表しました。特養ホームの待機者が増える中で必要な整備量を確保するためのものであり区は待機者ゼロをめざして直ちに増設の計画をたてるべきです。答弁を求めます

【区長答弁】
 次に、特別養護老人ホームの待機者をゼロにすることについてのお尋ねです。
 区は、特別養護老人ホームを計画的に整備したことにより、現在、711床のベッドを確保し、23区では一番の整備率となりました。
 今後の建設計画につきましては、入所希望者の状況や、要介護認定者数の推移を見定め、保健福祉基礎調査の結果等を踏まえ、在宅福祉施設の拡充やケアハウスやグループホームなどの住宅系施設の整備なども含めた、高齢者の多様な住まいについて高齢者保健福祉計画の中で検討してまいります。


5 次に幼保一体・新システムについて質問します。

 政府は、子育ての制度を全面的に変える幼保一体「新システム」を検討しています。 児童福祉法第24条は、乳幼児が保育に欠ける場合は、「保育所に置いて保育しなければならない」と、市区町村に保育の実施を義務づけています。ところが、新システムは、国や自治体の責任を放棄するばかりか、保育をもうけの対象へと産業界へ売り渡すことをねらっています。
業界向けのコンサルタント会社が、7月に全国で開催した「保育事業新規参入セミナー」での呼びかけは、「保育業界の市場化(競争原理)が推進される」、「保育の受け皿として民間企業を活用し、競争を可とした業界構造に変化する」、「民間企業にとって追い風になる」、「これから民間市場はますます拡大する。みなさん保育市場に参入しませんか」と、新制度の本質をずばりいいあてています。
国と地方自治体の責任を放棄し、子どもをもうけの対象にする「新システム」検討は中止するよう国に求めるべきです。答弁を求めます。
 議会としても、「新システム」検討は中止するよう国に意見書を提出すべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、幼保一体・新システム検討の中止についてのお尋ねです。
 本年11月、国は、幼稚園と保育所を平成25年度から一体化し、幼児教育・保育を共に提供する新たな「こども園」を創設する制度案を示しました。また、国は、年内に最終案をまとめ、23年の通常国会に関連法案を提出する予定と聞いております。 区といたしましては、都心港区特有の子育て支援に関する様々な課題を解決するためにも、国の検討状況を注意深く見守っていく必要があると考えており、国に「新システム」検討を中止するよう求めることは考えておりません。


6.次に、 シルバー人材センターの仕事確保について質問します。

 アンケートへの意見として、「指定管理者制度の導入により配分金が時給900円から840円になり、交通費も出なくなって困っている。老人いじめの制度はやめてほしい」「指定管理者制度の導入により、シルバー会員の働く場所が減り困っています」 などの声が寄せられています。シルバー人材センターの仕事確保について、私たちは、度々取り上げてまいりましたが指定管理者制度の導入により仕事が減ったり、時給が下がったりしています。シルバー人材センターが区から業務を受託する場合随意契約ができることになっています。また高齢者支援課と契約管財課長連名でシルバー人材センターへの優先発注のお知らせも出しており、シルバー人材センターに仕事発注となるよう全庁的取り組みにすべきです。答弁を求めます。

 また、仕事を確保するためシルバー人材センター自身の努力も必要です。長い人生経験を持つ会員の皆さんには豊かな経験や技術とともに様々な考えもありますが、意見・要望が取り入れられ意欲を高める民主的運営や、技能力を向上させ発注者の要望に応える仕事を行うことが必要です。そのため区として援助すべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、シルバー人材センターの仕事確保と支援についてのお尋ねです。
 区は、指定管理者制度導入に当たり、4月に実施した、いきいきプラザ指定管理者の公募においても、公募要項にシルバー人材センターの活用について明記するなど、シルバー人材センターへの影響を最小限にとどめるよう努めてまいりました。
 また、8月には改めて庁内各課に対し、シルバー人材センターへの受注拡大が図れるよう徹底いたしました。
 今後も、区として、シルバー人材センター自身の受注拡大に向けた努力、会員の技術向上などをはじめ組織のより一層適正な運営に向け、指導監督するとともに引き続き支援してまいります。


7.次に、税制改定に伴う区民への影響を軽減するため質問します。

 民主党政権は、こども手当や高校無償化の財源確保のため、扶養控除や同居特別障害者控除を廃止しました。
 所得税や住民税をもとに費用などが設定されている施策は、収入が増えないのに税金が増えたうえに費用負担が増えることになり、影響は深刻です。
注...(所得税は2011年分から適用、住民税は2012年度分から適用)
 15歳以下を対象とした「年少扶養控除」は所得税で38万円分、住民税で33万円分の廃止。同居特別障害者の「年少扶養控除」は73万円が35万円に。16歳以上19歳未満に上乗せしてきた「特定扶養控除」25万円分が廃止されます。
 国や都の制度もありますが、区の制度でいえば養護老人ホームの費用負担、障害者支援法に基づく福祉サービス等、心身障害者福祉手当、日常生活用具の給付、住宅設備改善費の給付、障害者住宅運営事業、保育料、認証保育所入所者への助成、区民向住宅家賃、私立保育園就園費補助金・私立幼稚園等園児保護者への補助金、幼稚園就園奨励事業などです。
 例えば保育料は、住民税、所得税をもとに決められるので、保育料が値上げ、区営住宅や特公賃住宅など区民向住宅は、入居基準を超えるため申込みできなくなり、家賃も上がります。収入基準オーバーで「高額所得者」とされ、退去の対象に、等々、大きな影響がでます。
 国や、東京都に負担増にならない対策を行うよう、要請すること。港区の施策については、負担増にならない対策をとること。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、税制改正に伴う区民への影響の軽減についてのお尋ねです。
 まず、国や東京都への要請についてです。
 国は、今回の扶養控除の見直しにより、所得税・住民税の税額等と連動している医療・福祉制度等への影響をできるたけ及ぼさないことをめざし、対応を検討していると聞いております。
 こうしたことから、現時点で国や東京都に要請を行うことは考えておりませんが、引き続き国や東京都の動向を注視してまいります。
 次に、区の対策についてのお尋ねです。
 今回の税制改正こより、扶養控除の一部が廃止されることで、福祉、教育、住宅など税額等と連動している制度の受給者に影響が生じる可能性があります。
 区といたしましては、国や東京都の動向についての情報収集と併せ、今回の税制改正による影響について実態把握に努めてまいります。


8.次は国民健康保険について質問します。

 来年度、賦課方式がこれまでの「住民税方式」から「旧ただし書き方式」に移行する方向で検討が進められています。
 いまでも、健康保険料は毎年上がり続け、港区の滞納者は37、66%と依然と多く、高い保険料が払えないため短期証や資格証になって、医者に安心してかかれないなど深刻です。
 「旧ただし書き方式」では、基礎控除しかできないので、家族の多い方や、扶養控除のある方、障害者控除など、地方税法で認められている控除が認められないため、所得が増えることになります。これまで均等割のみの負担だった方が、収入は変わらないのに控除がなくなることで所得が増え、所得割もかかることになります。武蔵野市の例では、障害者控除、寡婦控除、扶養控除がなくなったために、保険料が4倍になった方も出るなど、深刻です。
 保険料が増えると払えない人が増え、保険料を払えないと、保険証の取り上げ。こうした悪循環になってしまいます。本来国の負担が1984年には49.8%だったのが、25%にまで引き下げられたことがそもそもの問題です。
 11月16日開催の区長会で、大筋合意がされたとのことですが、算定方式の変更や、低所得者への負担増など区民に大きな影響がある内容が、区民や国保運営協議会、議会などの意見も聞かずに進めているのは大問題です。
 私たちはこの間、区長や副区長に対し、負担増を辞めること、区民の意見を聞くことなど、2回の申し入れを行ってきました。
 多くの区民に負担を押しつける国保料の値上げ、算定方式変更に伴う保険料の値上げはやめるべきです。
 区民への負担を軽減するために、国の負担を元にもどすよう求めるべきです。東京都に対しても、負担を増やすよう申し入れるべきです。それぞれに答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に国民康保険についてのお尋ねです。
 まず国民康保険料の値上げをやめることについてです。
 特別区区長会では、統一保険料方式のもと、平成23年度から旧ただし書き方式へ移行することを申し合わせております。
 現在、特別区では、旧ただし書き方式に円滑に移行するため、軽減措置として、所得に応じて三段階の軽減措置を講じるとともに、均等割額を据え置くなど、保険料の上昇を抑制するよう努めております。
次に、国や東京都に負担を増やすよう求めることについてのお尋ねです。
 区は、国に対して、本年10月の厚生労働省主催の都道府県ブロック会議において、地方への定率国庫負担割合の増や財政調整交付金の交付基準の見直しなど、財政負担を含む持続可能な医療保険制度に改善するよう、要望いたしました。
 東京都の負担割合は、国民健康保険法で定められているため、東京都に対し要望することは考えておりません。
 今後も、国に対し、さまざまな機会をとらえて要望してまいります。


9.次は介護保険の改悪を許さないため質問します。

 導入から10年たった介護保険では、2012年度の見直しに向け検討が始まっています。10月28日開催の社会保障審議会介護保険部会では、厚生労働省が示した見直し案は、負担増、給付減で、介護を受ける方や、家族など介護者に負担を押しつける内容です。掃除や買い物などの生活援助の縮小、高所得者と軽度者の利用者負担割合の引き上げ、被保険者の40歳未満への拡大、施設サービスでは、4人部屋などの大部屋に新たに部屋代の徴収、低所得者の食費居住費の軽減対象のハードルの引き上げ、ケアプランの有料化が検討されています。
 介護保険部会でも「認知症は早期発見、早期治療が重要、軽度者への給付の削減、負担増は論外」「ケアプラン作成に負担が導入されたらケアマネージャーを利用しなくなり、適切なサービス利用ができなくなる」「施設の大部屋の居住費をあげれば、個室に入れない低所得者が大部屋にも入れなくなる」など反対意見が続出しました。
 自公政権のもとでの社会保障の相次ぐ改悪への怒りが政権交代に繋がったのに、政権についたら、自公政権を引き継ぐ、これでは何のための政権交代だったのか、国民が怒るのは当然です。
 社会保障を自公政権のように痛めつければ、国民生活の困難と不安を拡大させることになります。
 国民にこうした負担を押しつける改悪はやめるよう国に申し入れるべきです。また、区としても介護保険外の独自施策を増やすべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、介護保険制度についてのお尋ねです。
 まず、介護保険制度の見直しに係る国への申し入れについてです。
 区はこれまでも、利用者本位の介護保険制度の実現のため、特別区長会などを通じ、機会を捉え国に対して提言してまいりました。
 現在、介護保険制度改正に向けた検討が国によって進められており、その動向を注視しつつ、制度が改善されるよう、今後も、必要に応じて国に対して意見を出してまいります。
次に、区として介護保険外の独自施策を増やすことについてのお尋ねです。
 区はこれまでも、介護保険外の通院支援サービスや家事援助サービスなど、一区独自のサービスの充実に努めてまいりました。
 介護保険外の独自施策につきましては、今後の介護保険制度改正の内容を注視しつつ、必要に応じて検討してまいります。


10.次は後期高齢者医療制度の廃止について質問します。
 国民の不満が大きい後期高齢者医療制度に変わる新制度が検討されています。前定例会でも2010年8月20日、高齢者医療制度改革会議が決定した、「新制度」の中間のまとめを元に、国へ申し入れるよう質問を行いました。区長は「区長会で緊急の申し入れを行ったので廃止をもとめることは考えていない」との答弁でした。
 新たに厚生労働省が明らかにしたのは(11/16)、75歳未満が入る国民健康保険(国保)を現行の市町村単位から、都道府県単位に広域化する時期を新制度の法案に明記することが明らかになりました。「国保の広域化は」一般財源を投入できなくし、際限ない国保料の値上げに繋がっていきます。サラリーマンとして働く高齢者やサラリーマンの家族に扶養されている高齢者を除く8割強の方は都道府県単位で運営する国保をつくって加入させる仕組みです。これでは、後期高齢者医療制度の根本問題は改善されません。
 さらに年齢を65歳に引き下げる案も検討されています。
区長は国の動向を見守って適切に対応するとしていますが、それでは高齢者の命を守ることはできません。国に対して制度を改悪する新制度への移行の検討は止め、後期高齢者医療制度の廃止を求めるべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、後期高齢者医療制度の廃止を国に求めることについてのお尋ねです。
 国は現在、最終報告に向けて、新たな高齢者の医療制度の検討を進めております。
 これに対し、11月18日に、全国後期高齢者医療広域連合協議会は、現行制度における課題を解消し被保険者等に不安や混乱を与えることなく、公平で分かりやすく、幅広い国民の納得と信頼が得られる制度となるよう要望いたしました。
 このことから、国に制度の廃止を求めることは考えておりません。


11.医療費の無料を高校卒業世代まで拡大することについて質問します。

 子ども手当や高校無償化の実施にともない、その財源確保のため扶養控除を廃止するため増税となります。15歳以下を対象にした「年少扶養控除(所得税38万円、住民税33万円)」、16歳以上19歳未満に上乗してきた「特定扶養控除(所得税25万円、住民税12万円)」が廃止されます。(特定扶養控除は所得税で63万円が38万円に、住民税が45万円から33万円に減額されます。)
 特定扶養控除は、高校や大学、専門学校などに通う世代を扶養する世帯の経済的負担軽減のためです。
 高校無償化といっても、私立高校に通う家庭では完全無償化にはなりません。東京都の高等学校就学計画では、私立高校に通う生徒は、高校生全体の約40%(港区では約50%)とされています。大学などの現役進学率をみると、東京都は65%と、全国平均に比べ11.1%も高く、学費の他にも公立、私立を問わず、大学受験等の進学を控えての塾代や通学交通費などが必要となります。
 厚生労働省の国民医療統計では、15歳~19歳までの一人当たりの医療費は他の年齢階層と比較しても小額となっており、財政負担もそれ程とは思えません。
(15~19歳の一人当たりの医療費...9,028円、15~19歳の区民は...5,778人、年間5216万円)
 いま、貧困と格差の拡大で区民生活は大変になっています。12年間にわたって働く人の賃金が下がり続けています。民間の給与は、1997年(平成9年)の年収が平均467万円から、2009年(平成21年)には406万円へと、61万円も下がりました。中小企業・商店は、景気の後退・円高による影響をもろに受け深刻な事態です。貧富の差によって医療に差別が生じることがあってはなりません。高校生世代を抱える世帯の負担軽減を図り、安心して子育てできるよう、高校卒業の年代までの医療費を無料にすべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、高校卒業世代までの医療費の無料化についてのお尋ねです。
 子ども医療費助成は、子育て支援策の一環として、子どもの保健の向上と健やかな育成を図ることを目的とし義務教育就学児までを対象としております。18歳まで助成対象を拡大することにつきましては、現在のところ考えておりません。


12.次に、「ちぃばす」の改善について質問します。

 3月24日に新5路線の試行運行が開始され、利用者は順調に増え、10月現在7ヶ月間で100万人を超えました。区が7月に行なった「移動実態調査」、「利用満足度調査」では、多様な年齢層が満遍なく利用し、通勤・買い物・通院などに多く利用され、約4割の利用者が外出機会が増えたと回答しています。区民の身近な足として多くの区民から歓迎されています。私どもが行なった区民アンケートにも、1,000人を超える方々から、ちぃばすについての歓迎の声、意見・要望が寄せられています。
 「とても感謝しています。便利になってよかった」(70代女性)、「7路線になって良く利用するようになった。区民の声に応えようとする姿勢、努力、行動力は素晴らしい。共産党のみなさんも声を大にして下さったのだと思う。女性のドライバーは気遣いがあって老人や子連れには安心感がある。いろいろなルートをのってみて何か気づけば意見をしたいと思う」(30代女性)、「港区は坂や階段のある地域が多いためとても助かっています」(70代男性)、「便利で運賃も安いのでよく利用している。細かいところを通っていただけるので大変ありがたい。今後とも継続して欲しい」(50代女性)等々の声です。
 その一方で、台場・白金・白金台などの地域からは「なぜこの地域には走らないのか、走らせて欲しい」、「バス停が分りにくい」、「早朝・夜間の便を増やして欲しい」、「乗り継ぎ・乗り換えも100円にして欲しい」、「本数が少なく待ち時間が長い」、「六本木ヒルズ近辺が多すぎる。ヒルズを回るコースは時間の無駄」「反対側にバス停がない」等々、切実な要望・意見も多くあります。区民から寄せられている要望は、早く改善の手だてを尽くすべきです。 答弁を求めます。
 請願が全会一致で採択された台場など、早期に運行を具体化すべきです。 答弁を求めます。
 区は「区の調査から見えてきた課題」を短期、中期、長期的課題として改善を計る計画ですが、必要な改善策は、前倒して解決すべきです。 答弁を求めます。
 区民要望の強い回数券、乗り継ぎ券の発行は早急に実施すること。また、利用者を増やし安定した運営ができるためにも、観光協会などとも相談し、観光名所巡りなどを企画すべきです。各地域の商店街など地域の活性化にも大いに貢献します。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、「ちいばす」の改善についてのお尋ねです。
 まず、区民要望への迅速な対応についてです。
 麻布ルート、高輪ルートにおきましては、終点で一旦降りることなく乗り越しができるよう、6月に改善を図りました。
 バス停留所の追加につきましては、今後、国土交通省等への申請を行い、今年度内の設置に向けて手続きを進めております。
 その他の要望につきましても、移動実態調査や利用満足度調査結果、いただいた様々なご意見、ご要望等を踏まえ、収益性や運行経費への影響、関係機関との合意形成を総合的に検討し、実現可能な項目から、港区地域公共交通会議に諮り対応してまいります。
次に、台場地域への早期運行についてのお尋ねです。
 コミュニティバスの新規5路線につきましては、平成21年3月に策定した「港区地域交通サービス実施計画」に基づき、地域特性、事業採算性や定時性の確保など総合的な視点に立って路線を選定いたしました。
 現在、地域の皆さんとの意見交換会を通じて、台場地域の地域特性を考慮した交通手段について検討しております。
 次に、コミュニティバス新規5路線の課題の改善についてのお尋ねです。
 本年7月に実施しました、移動実態調査や利用満足度調査の調査結果、区民の皆さんや区議会各会派からの改善要望を基に、コミュニティバス新規5路線の課題を整理いたしました。
 これら課題につきましては、計画的に改善を図るため、短期、中期、長期的課題に分類して検討を行いながら、実現可能な項目から港区地域公共交通会議に諮り、改善してまいります。
次に、回数券、乗り継ぎ券の発行についてのお尋ねです。
 回数券や乗り継ぎ券の発行につきましては、実証運行期間中に、利用状況や事業の採算性を検証し、その結果を踏まえ、検討してまいります。
 次に、観光名所巡りなどを企画することについてのお尋ねです。
 区では、観光情報誌「ハレノヒ」の中で、「ちいばす」による観光案内のコラム欄「ちい旅」を設け、区内のパワースポットやミュージアム巡りを掲載し、好評をいただいております。
 また、12月には、区内の七福神や神社を「ちいばす」で巡る記事を掲載する予定です。
 今後も、「ちいばす」利用者を増やしていくため、港区観光協会と連携するとともに、利用促進PRの強化等、利用者サービスの向上に努めてまいります。


13.次に、まちづくり、建物の高さ制限について質問します。

 「もうこれ以上の高層ビルは要らない」この区民の声を無視してきた結果、区内の60M超~100Mのビルは144棟、100M超の超高層ビルは115棟、港区は23区で最も多い高層ビルが林立する区となりました。
 区民アンケートでも、「高層ビルは要らない」「開発をコントロールすべき」を含めると85%に上り、高さ制限を求める声は76%に上っています。
 「高さ制限は設けるべき、建築物をニューヨークにまねるのが文明国と勘違いしているのでしょうか。歴史の古いパリやロンドン落ち着きがありますね。香港のように東京はなりたいのでしようか」、「ビル風のひどさを区長は知っているのか」、「防災面で不安。火災とか地震のときにどうなるのか」、「自然を人間が壊している」、「ヒートアイランド現象がこれだけ騒がれてる中にありえない。また、何の外観の統一性もない。ただ高いだけ」等々、景観、防災、環境、またコミニテイ-などの面からも高さ制限を望む多くの意見が寄せられています。
 現行基本計画策定時に、「高さ制限を設定すべき」という区民参画会議での意見に対し、区は「高さ制限を設定していく」と述べてきました。にもかかわらず、議会での答弁は、「区内一律に決まった数値で高さ制限を行うことは考えていない」というものです。
これでは、再開発事業や総合設計制度を活用すれば、区内どこでも高層ビルを作る事が出来、抜け穴だらけのまやかしの「高さ制限」となってしまいます。
 区民の声を真摯に受け止め、絶対高さ制限を設けるべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、絶対高さ制限についてのお尋ねです。
 港区は、東京の都心を形成する区として、居住機能、業務機能、商業機能、臨海部の港湾機能など多くの機能が存在し、地区ごとに個性や多様性を備えております。
 したがって、一律に決まった数値で高さ制限を定めるのではなく、それらの地域特性を考慮する必要があると考えております。
 また、絶対高さ制限については、日影規制や斜線型高度地区などの既存の高さ制限制度との調整や、規制値を定めることによって既存不適格となる建築物の建替えとの調整、安全で安心できる街づくりや良好な市街地環境の形成に寄与する建築計画との調整など、様々な課題への慎重な対応が必要です。
 今後、区民との合意形成を図りながら、港区にふさわしい高さ制限のあり方を検討してまいります


14 次に、森ビルなどへの再開発補助金の中止について質問します。

 アンケート調査では、「こんなに補助金が出ている事は一般の人は知りません」、「知りませんでした。驚きです」などの声と、「森ビルと補助金の関係で、高層ビルができている事を知り憤慨しております」、「民間企業の乱開発を助長する」「もっと他に使うところがあるだろう」、「介護や福祉に支出増額すべき」、「もっと福祉や教育関連に税金を使うべき」等、驚きと怒りの声がいっぱいです。再開発への補助金支出はやめるべきは71%になっています。
 森ビルや三井不動産など大企業が行う再開発に、いままで27年間に238億円を支出、今後はその規模とスピードを大幅に引き上げ、9年間で280億円も支出しようとしています。だからアンケートでも「港区ではなく、森区といわれるくらい莫大な税金が使われているのはおかしい」という声があがるのです。
 区が再開発への補助金を支出し続けた結果、住み続けたいと願っていた区民は追い出され、大企業の儲けだけを保障する港区になってしまいました。
 なぜ、森ビルなどの再開発補助金をやめようとしないのか、区民の理解は得られません。
 森ビルなどの再開発補助金は中止すべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、市街地再開発事業の補助金の中止についてのお尋ねです。
 市街地再開発事業は、防災性の向上や公共・公益施設の整備、さらには商業、業務や住宅などの都市機能が調和した、将来にわたり安全・安心なまちを実現する、都市計画法に基づく事業です。
 区は、事業規模や権利者数の大小を問わず、事業内容などを適切に評価した上で、再開発事業を支援しております。
 今後も、権利者の方々が協同してまちづくりに取り組み、合意形成に基づいて事業を進めていく市街地再開発組合等に対しての補助金は、必要と考えております。


15.次に、白金6丁目共同住宅新築工事について質問します。

「白金6丁目共同住宅新築工事」なる計画の標識が11月1日に突然設置されました。住民には、説明会は10日に行なうと知らされましたが、会場は計画地近辺からほど遠い場所です。事前に関係住民から計画地近くの会場を紹介されても事業者は強行しました。当日は開始時間になっても事業者側の準備が整わず、住民は会場の外で待たされました。会場が遠いことについて住民が改善を求めても、事業者は「歩いてこれないほどか」など冒頭から出席者の気持ちを逆なでする言動です。建築主が出席してないことを住民にただされると、不動産業と自称する司会役が「私は建築主代理だ」と平然と答え、事業者側は「話しを聞く耳がありますか」、「計画に反対ですか」、「なにしろ説明させて下さい」と暴言を続ける始末です。当日会場で配布された資料も不備なものでした。住民から「区の条例に沿って行なわなければ説明会とはいえない」と指摘され、やっと「改めて行なう」と答えざるを得ませんでした。「区の条例は熟知している」といいながら全く理解していない態度です。しかも、その後、事業者側は、建築主を不動産業の人物に変更したと、標識を書き換えるという考えられない行動に出ました。区の条例を守る立場も、住民に丁寧に説明する姿勢が一切ありません。
 さらに、当日配布された計画概要図によれば、住居数は16.95~16.99平米が6戸、37.05平米が1戸の計7戸、その他に事務所として16.95~16.99平米2戸となっています。間取りの狭い典型的な単身者向け共同住宅です。しかし、区の「単身者向け共同住宅の建築及び管理に関する条例」でその対象となるのは「37平米未満の住戸が7戸以上の共同住宅」となっています。基準を僅か0.5平米上乗せし37.05平米を1戸配置することで、37平米未満を6戸にし条例対象を避けている形です。条例が適用される単身者向け共同住宅に設置が義務づけられている管理人室、駐車施設、駐輪施設、廃棄物保管施設は計画概要図に明記されていません。住宅の質の低下、建物管理の不安、地域コミュニティーへの悪影響をなくし、良質な住宅の供給を促す目的の「条例」のがれと言わざるを得ません。
 区は、本来の建築主、事業者が区の条例を遵守し、必要な説明資料を整え、近隣の住環境を損なわないよう、相互理解の立場に立った上で説明会を開催するよう強く指導すべきです。また、計画変更または増築、改築、事務所を住宅にするなどの用途変更により、条例適用となる場合には厳正に対処をすること。 答弁を求めます。

【区長答弁】
 まず、建築主、事業者に対する説明会開催の指導についてです。
 区は、これまでも建築紛争予防に関する条例に基づき、建築主や事業者が自ら、分かりやすい資料により丁寧な説明会や話し合いを行うよう指導しており享す。
 しかしながら、ご指摘の工事計画については条例の趣旨が理解されていない説明会の内容も見受けられます。そのため、必要な説明資料を整え、近隣の住環境を損なわないよう、相互理解の立場に立った説明会を、改めて開催するよう強く指導してまいります。
次に、単身者向け共同住宅の建築及び管理に関する条例の適用についてのお尋ねです。
 計画の変更又は用途の変更等がある場合には、本条第3条第2項及び第3項により、変更後の建築物を単身者向け共同住宅とみなし、本条例が適用されます。
 本条例の適用となった場合には、適正に対処してまいります。


16 最後に、TPPに参加しないことを求める質問をします。

 政府は、11月9日に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、「関係国との協議を開始する」と明記した「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定しました。
 TPPは関税を原則撤廃し、農産物の輸入完全自由化をすすめるものであり日本農業と地域経済に深刻な打撃となります。大規模化している北海道農業でさえ、壊滅的な打撃を受けることになります。農水省は、食糧自給率は40%から13%へ低下し国内総生産も8兆4千億円減ると試算しています。
また、TPPへの参加は日本農業を破壊するだけでなく、疲弊している地域経済の破壊を進め雇用を破壊するものとなります。農水省の試算では350万人の雇用が減るとされています。菅首相は「第三の開国」と、日本の貿易が農林水産物を中心に鎖国状態であるかのように言っていますが、日本の農産物の平均関税率は11,7%で主要国の中ではアメリカに次いで2番目に低く十分すぎるほど開かれています。
 日本経団連などは「乗り遅れるな」などと、あおり立てていますがTPPへの参加は、自動車、電気などの一部の輸出大企業だけが恩恵を受けるものであり、そのために日本農業を破壊し国民生活に多大な犠牲を負わせることになります。
 11月10日に「TPP交渉への参加に反対し日本の食を守る緊急全国集会」が日比谷野外音楽堂に3000人を集めて開かれたのをはじめ、全国で怒りの行動が広がっています。
 区長は、日本農業と地域経済、国民生活を土台から破壊するTPPに参加しないよう国に求めるべきです。答弁を求めます。
 議会としても、参加しないよう国に意見書を提出すべきです。答弁を求めます。

【答弁】
 最後に、TPPに係る国への要請についてのお尋ねです。
 今月9日、国は環太平洋戦略的経済連携協定、いわゆるTPPについての取組みを明記した「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定いたしました。
 その中で、TPPへの参加については、関係国との協議を開始し、今後、情報収集や国内の環境整備を進めながら、交渉の参加を判断するとしております。
 こうしたことから、区といたしましては、今後も国の動向等を注意深く見守ってまいります。

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2010年港区議会第4回定例会での一般質問

2010年11月26日
質問者 風見 利男 議員
1.精神障害者にも心身障害者福祉手当を支給することについて
2.難聴者への磁気ループの設置について
3.生活困窮者への電気・ガス供給について
4.区民の健康を守るために、脳ドック健診、マルチスライスCTの実施について
5.ヒブ・子宮頸がん・小児用肺炎球菌ワクチン接種、ヒトT細胞白血病ウィルス1型(HTLV-1)の抗体検査について
6.ものづくり、商業観光フェアの改善について
7.区の観光資源を活かした組織改正と企画立案について
8.区民向け住宅の修繕負担の改善について
9.奨学金の返済免除と、給付型奨学金の創設について
10.赤坂図書館利用者、働く人たちの安全を守るため

日本共産党港区議団の一員として、区長、教育長に質問します。


1.精神障害者にも心身障害者福祉手当を支給することについて質問します。

 心身障害者福祉手当は、①身体障害者、②知的障害者、③特殊疾病者 ④その他脳性まひ、進行性筋委縮症の人たちに支給されています。精神障害者は除外したままです。
 障害者基本法は、障害者を「身体障害、知的障害、精神障害のある方」と定めて、第3条第3項では「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。」と定めています。
区の施策である「障害者タクシー利用券給付」、「ちぃばすの無料乗車券の支給」、区立駐車場、駐輪場の無料、スポーツセンターの利用を無料にするなど、法改正に沿って対応したり、党区議団の指摘で精神障害者を対象に加え、障害による差別をやめています。
これまで「手当を支給すべき」との質問に、区長は「遅れている精神障害者の施策をすすめるので手当支給はしない」と答弁しています。遅れている施策をすすめるの当然で、手当支給とは別次元のことです。
 精神障害者への差別はやめ、大至急、心身障害福祉手当が支給できるよう、条例改正を行うべきです。条例改正までの間、要綱で対応すべきです。
 答弁を求めます。
 障害者(知的・精神)のグループホームの早期建設について質問します。
区は「 地域保健福祉計画」の障害者の重点目標で、住み慣れた地域で安心して、暮らせる社会の実現を目指します。そのために、ケアマネージメントの整備や地域生活への移行支援、日中活動の場の確保、グループホーム・ケアホームの設置支援など、障害者が自ら望む生活のあり方を選択できる仕組みを作りますと掲げています。
 しかし現状は、前期計画に掲げた精神障害者のグループホームの1施設やケアホームの2施設も実現できないままです。
 今期計画で、計画目標を上乗せして計上したのに、計画予定地での一部の住民の理解を得るのに時間を要し、計画が進んでいません。
区内には1カ所の入所施設(はつらつ太陽)がありますが、自立支援を行って、地域での生活が可能になっても、グループホームなどの受け皿が不足している状況では、地域に生活の場を移すことができません。これでは入所施設への新規入所もままならない状況です。障害児の保護者にとって、親亡き後の問題は深刻です。自分たちが年をとって介護ができなくなる前に入所できる施設を作ってほしいと言う声は多くの保護者の声です。
 障害者が、地域で安心して生活できるようにするために、
①グループホームの建設を急ぐこと。
②親亡き後の対策として、入所施設の建設計画を早急に作ること。
③計画を進めるためにも、今後の対策として、これから建築予定の区の施設との合築も検討すべきです。
答弁を求めます。

【区長答弁】
 最初に、精神障害者への心身障害者福祉手当支給についてのお尋ねです。
 区は現在、精神障害者が地域の中で自立した生活ができるよう、地域生活支援セシター「あいは一と・みなと」の機能の充実や、来年度開設予定のみなと保健所新庁舎に精神障害者が働く喫茶コーナーを開設する準備を進めるなど、精神障害者から要望の強い施策の充実に優先して取り組んでおります。
 精神障害者を心身障害者福祉手当の支給対象とすることにつきましては、今後の検討課題と考えております。
 次に、障害者のグループホーム等の早期建設についてのお尋ねです。
 まず、グループホームの建設を急ぐことについてです。
 現在、南青山二丁目において障害者のグループホームの設置に精力的に取り組んでおります。 今後も、地域の皆さんのご理解を得て、早期の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。 また、地域保健福祉計画に計上しているケアホームにつきましても、早期に実現できるよう、積極的に取り組んでまいります。
 次に、入所施設の建設計画についてのお尋ねです。
 区は、平成18年に新橋はつらつ太陽を整備し、障害の種別や重さにかかわらず、住み慣れた地域で安心して暮らすための支援を行ってまいりました。
 今後の入所施設の建設計画につきましては、重度心身障害児・者の人数の推移や、入所希望者数を見定めながら、「保健福祉基礎調査」の結果等を踏まえて、地域保健福祉計画の改定の中で検討してまいります。
 次に、区施設との合築についてのお尋ねです。
 地域保健福祉計画に計上したグループホームやケアホームの着実な実現に向けて、地域で自立した生活を支えるための施設の有無や、医療機関との連携など、地域の特性を踏まえて、区施設との合築の可能性について検討してまいります。


2.難聴者への磁気ループの設置について質問します。

 年とともに起こってくる老人性難聴は、70歳以上で約半数といわれていますから、港区では約12,900人と想定されます。高齢になって聞こえないままでいると、コミニケーシヨンがうまくできなくなり、家族や社会からだんだん孤立し、閉じこもりがちになり、認知症や要介護状態になってしまう場合も多くなってきます。難聴者は一般的に補聴器で聴力を補っていますが、騒音の多い屋外や人の集まる場所では音声を正確に聞くことが困難です。そこで役立つのが磁気ループです。
 私たちは、「高齢者の社会参加を促すため、公共施設に磁気ループ設置を」と、度々質問して来ました。答弁は「持ち運びが可能な機器の導入を予定している」と答弁しています。
 高齢者の社会参加を促すため、持ち運びが可能な機器の早期導入を含め、全施設に磁気ループの設置を行なうべきです。
 答弁を求めます。

【答弁】
 次に、難聴者のための磁気ループの設置についてのお尋ねです。
 現在、磁気ループは、障害保健福祉センターの多目的体育室に整備していますが、計画中の田町駅東口公共公益施設の文化芸術ホール等には、音質や受信安定性を考慮して、FM電波方式の集団補聴設備を整備する予定です。
 また、年内には、持ち運び可能な磁気ループを障害保健福祉センターで購入し、今後、いきいきプラザの主催行事等の際に貸出し、難聴者や高齢者の社会参加の一層の促進を図ってまいります。


3.生活困窮者への電気・ガス供給について質問します。

 今年の猛暑で、熱中症による緊急搬送は全国で4万8千人におよび、死亡者が500人にもなりました。この中には公共料金などを払えず、電気・ガスなどの供給を止められて、死亡するという事態がおきました。
厚生労働省が10月1日付で、都道府県、政令指定都市、中核市の担当者あてに、生活困窮者に対する電気などの供給停止には事業者と連携を取り、柔軟な対応を取るよう通知を出しました。この中では「生活困窮者が公共料金等を滞納し電気・ガス等の供給が止められ、死亡に至るという事案が発生しました。」「事業者が生活困窮者と把握できた場合に供給停止に関し柔軟な対応がとれるよう、事業者と認識を共有する等、必要な措置を講じていただくようお願いします」「猛暑日等には必要に応じて、特に高齢者等に対する訪問、電話かけ等を行い、安否、健康状態の確認に努められるよう管内実施機関に対し周知していただく」と具体的な指示をしています。全国生活と健康を守る会連合会などが8月に熱中症対策として、公共料金滞納者に対し、機械的に電気などのライフラインを止めることのないよう要求していたものです。
 厚労省の通知は連絡・連携体制の強化とともに、生活保護受給中の高齢者等には安否、健康状態の確認を行って痛ましい事件の防止を求めたものであり、区として厚労省の通知に基づく対策をとるべきです。答弁を求めます。
 また、生活困窮者とわかった場合、電気・ガス等の供給を止めることがないよう事業者に申し入れるべきです。
 答弁を求めます。

 わが党議員団は前定例会で総合的な熱中症対策を区に求めました。これから冬を迎えますが今年の冬は例年より厳しいとの予報がされています。電気の供給を止められたためろうそくを使用していて火災発生の事故もおきています。生活保護受給者や低所得者に熱中症対策と合わせてエアコンの設置費、電気代、ガス代、灯油代に助成を行うべきです。答弁を求めます

【区長答弁】
 次に、生活困窮者への電気・ガス等の供給についてのお尋ねです。
 まず、厚生労働省通知に基づく対策についてです。
 区は、これまでも電気・ガス等の事業者から生活困窮者の情報が寄せられた場合には、生活保護の相談を始めどして適切な対応に努めております。
 また、今年の連日の猛暑の折には、生活保護受給者に対する家庭訪問の際、熱中症対策のチラシを配布するなど注意喚起に留意してまいりました。
 今後とも、厚生労働省通知の趣旨に即した対応に努めてまいります。
 次に、事業者への申し入れについてのお尋ねです。
 区として、港区を管轄する電気・ガス等の事業所に対し、厚生労働省通知の趣旨を踏まえた要請を行ってまいります。
 次に、エアコン設置費、電気代などの助成を行うことについてのお尋ねです。
 生活保護受給者に対しましては、冬の問の暖房費を考慮し、毎月の保護費に「冬季加算」が行われております。
 生活保護受給者や低所得者に対して、区独自にエアコン設置費、電気代などの助成を行うことは考えておりませんが、今後、寒さが厳しくなる時期を迎えることから、家庭訪問の際には、寒さ対策やインフルエンザ予防の注意喚起などに努めてまいります。


4.区民の健康を守るために、脳ドック健診、マルチスライスCTの実施について質問します。

 脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などは、生命を一瞬にして奪ったり、言語障害や麻痺などの重い後遺症をもたらすことも少なくありません。長島茂雄氏が倒れたのも脳梗塞です。最近ではジャイアンツの木村拓也コーチがクモ膜下出血で亡くなりました。
 これらは「発症してから」では遅く、「予防」が重要です。そこで、脳の病気を未然に発見するために1980年代の後半にスタートしたのが、「脳ドック」です。
 検査は、MRIやMRAなどの画像検査です。自覚症状のない脳梗塞(無症侯性脳梗塞)をはじめ、未破裂動脈瘤、脳腫瘍、脳動脈奇形、「もやもや病」、認知症など多岐にわたります。
 区民の健康を守るためには、早期発見、早期治療こそ必要です。そのことが医療費の節減にもつながります。全国各地で人間ドックや脳ドック検診が広がり、東京では立川市はじめ10市で実施し、インターネットで調べても110市町以上の自治体で実施しています。節目の年齢で脳ドック健診費用の助成行うべきです。
 答弁を求めます。
(職員共済ではすでに人間ドック・脳ドックを実施しています。...職員は、給料の15%、期末・勤勉手当総額の12%分。港区(区民の税金)が給料総額の19%分、期末・勤勉手当総額の15%分を負担している。)

 また、日本人の3大死因のひとつに心臓病があります。毎年約15万人が亡くなっています。この心臓の具合を調べるのにマルチスライスCTが力を発揮します。例えば、大動脈瘤では瘤の大きさ、破裂しやすさなども簡単にわかります。形の異常の発見だけでなく、狭窄部を広げる風船療法やステント留置、バイパス手術の経過をみるのにも最適といわれています。心臓の拍動に合わせた画像にすることもできます。また、心拍数が不整であったり、脈が速すぎたり遅すぎたりしても、ほぼ正確に冠動脈の狭窄度を検出することもできます。
 先天性の心臓病、心臓弁膜症、狭心症、心肥大、心筋症、心不全、不正脈などの発見に役立ちます。
 区民の健康を守るためには、節目の年齢でマルチスライスCTによる健診費用の助成行うべきです。
 答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、脳ドック検診及びマルチスライスCT検診費用の助成についてのお尋ねです。
 まず、脳ドック検診費用の助成についてです。
 脳ドックは、脳及び脳血管疾患の早期発見が可能である一方、個々の検診施設での検査精度が必ずしも十分ではありません。
 また、発見後の対処方法の長期的な有効性については、慎重な経過観察がされている段階であり、脳ドックの費用対効果については不確定要素が大きいのが現状であるため、脳ドック検診費用の助成は考えておりません。
 次に、マルチスライスCTによる検診費用助成についてのお尋ねです。
 区の平成21年度特定健診等の受診者総数は23,306人です。その85.6%にあたる16,950人の方に心電図検査を受診していただいており、区は心臓疾患の早期発見に努めております。
 一方、マルチスライスCT検査は診断確定後の病態変化や術後の経過観察に適しているため、治療の一環として保険診療で受診していただくものと考えております。
 このため、マルチスライスCTによる検診の助成は考えておりません。


5.ヒブ・子宮頸がん・小児用肺炎球菌ワクチン接種、ヒトT細胞白血病ウィルス1型(HTLV-1)の抗体検査について質問します。

 ヒブ・子宮頸がん・小児用肺炎球菌ワクチン接種については、政府が年度内実施を決め、補正予算に組まれています。すぐ実施できるようにすべきです。 また、HTLV-1抗体検査については、10月6日厚生労働省から、妊婦健診に追加、公費負担するとの通達がきており、すでに12月1日の検診から実施するところもでています。すぐ実施すべきです。
 それぞれ答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、ヒブワクチン等接種費用助成及びHTLV-1抗体検査の早期実施についてのお尋ねです。
 まず、ヒブ・子宮頸がん・小児用肺炎球菌ワクチン接種費用助成の早期実施についてです。
 10月6日に国の予防接種部会は、3ワクチンの定期接種化を急ぎ検討するべきとの意見書を国に提出しました。
 これを受け、国は臨時国会に、区市町村への3ワクチンの接種費用助成に関する補正予算案を提出しております。
 区といたしましては、こうした国の動向を踏まえ、関係機関との調整や接種対象者への通知システムの改修を進め、来年度から、3ワクチンの接種費用の助成を実施してまいります。
 次に、HTLV-1の抗体検査の早期実施についてのお尋ねです。
 妊婦健診は、利用者の利便性を最大限考慮して、東京都内どこでも受診できる広域的な制度として、東京都、特別区、市、町村および東京都医師会の5者間で協議して決定しております。
 現在、国が妊婦健診の検査項目にHTLV一1すなわちヒトT細胞白血病ウイルス1型の抗体検査を組み入れる決定をしたことを踏まえ、東京都が健診項目に追加する方向で、詳細の検討を進めております。
 区といたしましては、5者間の協議の結果を踏まえて、実施してまいります。


6.ものづくり、商業観光フェアの改善について質問します。

11月5日、6日に開催された「第3回港区ものづくり・商業観光フェア」に携わった方々から、お話しを聞いたところ、いくつかの改善要望がありました。
 今中小企業と個人商店は売り上げの大幅減少で先行きも不安だらけの状況です。区の企画や行事に出店・参加するのも大変です。要望の一つは、個人商店として出店するような方式だとなかなか難しく、業種別の組合で受け持つとか、商店街でブースを受け持つなど区内商店が参加しやすい工夫をすべきです
二つ目は、会場、場所の問題です。「産業文化展」は、産業貿易会館で開催されていました。この間、東京タワー、汐留、そして赤坂サカスです。フェアの参加者が減っているというのです。産業貿易会館での開催に戻すことも含め、場所の検討が必要です。
 こうした要望について、企画に携わった方や出店した方々が意見を出す場が無いというのが、3つ目の要望でした。区が中心となった行事に参加した方々の意見を聞く場を設定するとか、アンケートで意見を聞くなど、関係者の声を聞き改善を図るべきです。
 それぞれ答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、ものづくり・商業観光フェアの改善についてのお尋ねです。
 まず、区内商店が出店しやすい工夫についてです。
 本年開催をいたしました第3回ものづくり・商業観光フェアでは、港区商店街連合会、港区産業団体連合会等のブースを設け、多くの加盟商店や事業所に出店いただいております。
 今後も、区内商店等が出店しやすい仕組みづくりにつきまして、ものづくり・商業観光フェア実行委員会と協議し検討してまいります。

 次に、東京産業貿易会館での開催など開催場所の検討についてのお尋ねです。
 赤坂サカスで開催した今年の第3回ものづくり・商業観光フェアは、出展団体が前回の10団体から12団体に、参加商店等は27件が54件となっております。
 また、2日間の延べ来場者数も前回の約4千700人に対し本年は約4万7千人を数え、多くの方にご覧いただくことができました。
 開催場所につきましては今後も、ものづくり・商業観光フェア実行委員会と協議し、東京産業貿易会館を含めた適切な場所を検討してまいります。
 次に、参加者や出展者の意見を聞く手立てについてのお尋ねです。
 第3回ものづくり・商業観光フェアの事業を検証するため、実行委員及び各出展者には、良かった点や改善点についてアンケート調査を実施する予定でおります。
 また、12月17日に開催されますものづくり・商業観光フェア実行委員会総会においても、参加者から直接ご意見・ご要望等を伺い、次回のものづくり・商業観光フェアの運営に有効に活かしてまいります。


7.関連して区の観光資源を活かした組織改正と企画立案について質問します。

 この間私たちが提案してきたように、港区には、文化と観光の宝庫があります。しかし、この資源を生かした行政展開の努力はしてるが、不充分です。
 区の組織の中に、観光課をつくり、観光発展を図るべきです。それが、商店街やものづくりなど商業発展・活性化にもつながります。来年度立ち上げられるよう、準備すべきです。

 観光資源をいかす、一例を上げると、忠臣蔵です。12月14日の討ち入りの日が近づいてきました。忠臣蔵サミットには港区も参加していますが、最近は開催されていません。赤穂市が忠臣蔵にゆかりのある場所を調査した結果、当然ですが赤穂市が31カ所でトップ、港区で18カ所で2番目で、3番目の米沢市の倍です。
 港区が主体となって、忠臣蔵サミットを呼び込んではどうでしょうか。港区で開催し、企画・イベントなども考案するなど、具体化をはかれば、商業発展にも役立つと思います。是非検討して頂きたい。
 それぞれ答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、区の観光資源を活かした組織改正と企画立案についてのお尋ねです。
 まず、観光課の設置についてです。
 現在、区は、産業振興課において、観光振興、商店街振興及び中小企業振興等を所掌させることにより、情報共有や調整を迅速・円滑に進めながら効果的に施策を展開していると考えております。
来年度につきましても、現行の執行体制のもと、港区観光協会や港区商店街連合会等との緊密な連携を図りながら、観光による商店街のにぎわい創出や中小企業の活性化に取り組んでまいります。
次に、忠臣蔵サミットの開催についてのお尋ねです。
忠臣蔵サミットは、「赤穂義士ゆかりの地」の所在する全国33自治体が親善と友好を深めながら情報交換し、地域活性化等のために相互協力していくことを目的に、例年、主催団体を換えながら開催されております。
 区が忠臣蔵サミットを開催し、関連イベントを企画・実施することにつきましては、すでに忠臣蔵サミットを開催した自治体の取組みの状況や効果等を見極めるとともに、加盟している他の自治体の意向も確認しながら、今後、港区観光協会や港区商店街連合会等と協議してまいります。


8.区民向け住宅の修繕負担の改善について質問します。

 先日、区民向け住宅にお住まいの方から相談がありました。「玄関のカギがぶらぶらして壊れてきたので、カギを取り替えて欲しい」と区に頼んだら、「本人負担で取り替えて下さいと言われた」という相談です。
 住宅担当に問い合わせたら、区のルールとしてドアのカギ交換は、本人負担と取り決めています。との返事でした。
 この区のルールについて、弁護士や不動産の仕組みに詳しい方に、聞いてみたところ、民法や住宅の賃貸借契約では、経年劣化によるドアのカギ変更、修理は家主責任。との確認です。
 住むために当然必要な設備について貸す方が責任をもつとの判断です。例えば雨漏りがしたり、ドアのカギがかからないなどは、貸す方の前提の責任なのです。
 区民向け住宅の修繕負担のルールを変更し、一般社会常識に合わせるべきです。
 答弁を求めます。
 関連して、区民向け住宅のドアノブをレバー式に変更することについて質問します。
リュウマチの方や高齢者は、ドアノブを回すのが大変です。こうした方がレバー式ノブへの交換を希望した場合は、区の責任で行うべきです。
 答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、区民向け住宅の修繕負担の改善についてのお尋ねです。
 まず、カギの修繕費用についてです。
 区では、「区民向け住宅すまいのしおり」を入居時に配布し、入居者の修繕範囲について予めお知らせしています。
 その中で、カギの緩みやがたつき、破損等の修繕、取替えは,入居者負担としております。
 この修繕範囲につきましては、公的なもの、民間を問わず広く賃貸住宅に係わる紛争防止を目的として、平成16年9月に東京都が作成した「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」に則して定めたものです。
 最後に、ドアノブのレバー式への取り替えについてのお尋ねです。
区民向け住宅では、東京都から移管を受けた区営住宅シティハイツ白金:、六本木、一ツ木、芝浦がドアノブ仕様となっております。
 ドアノブは、取り扱う方の身体の状況によっては、開閉に困難を伴う場合もあります。今後、レバー式への取り替えについて、対象とする住宅等を調査研究してまいります。


9.奨学金の返済免除と、給付型奨学金の創設について質問します。

 働く人たちの収入が減り続けている実態は、昨日大滝議員が紹介したとおりです。高校、大学を卒業しても就職先がない、深刻な事態です。文部科学、厚生労働両省は、来春卒業予定の大学生の就職内定率(10月1日時点)が57.6%と発表。(前年より4.9ポイント低く)「就職氷河期」と言われた2003年の60.2%を下回り、最悪の就職戦線となっています。短大生(女子)は22.5%で過去最低。高校生の内定率は(9月末時点)40.6%という状況です。
 奨学金を借りて卒業しても、就職できなければ、返す当てのない大きな借金を抱えることになります。
 奨学金がなければ高校、大学に行けない人に対しては、給付型の奨学金が必要です。貧困と格差が広がっている社会で、貧富の差によって教育を受ける権利を制限してはなりません。
 現在、奨学金制度を受けている人に対しては、卒業したら返済を免除する。早急に給付型の奨学金制度をはじめるべきです。
 それぞれ答弁を求めます。

【教育長答弁】
 ただいまの、共産党議員団の風見利男議員のご質問に、順次お答えいたします。
 最初に、奨学金の返済免除と給付型奨学金の創設についてのお尋ねです。
 まず、返済の免除についてです。
 区の奨学金:制度は、卒業後に返還していただく資金を原資として、次の世代の学生を支援するという基本理念と仕組みで運営しております。
 このため、卒業することで返済を免除することは困難と考えておりますが、現在、港区奨学資金運営協議会のご意向を踏まえ、事務局において成績優秀者に対する返済の免除等について課題の整理を進めております。
 なお、現行の制度におきましても、返済が困難な方につきましては、ご事情によって、返済の猶予もしくは返済額の減額などきめ細かな対応を図っております。
 次に、給付型の奨学金制度の創設についてのお尋ねです。
 区独自に給付型の奨学金制度を創設することについては、慎重な検討が必要と考えております。
 現在、国において、いわゆる高校の授業料無償化制度に加え、来年度から給付型の奨学金制度の導入を検討していると聞いております。
 こうした国の動向を注視してまいります。


10.最後に、赤坂図書館利用者、働く人たちの安全を守るため質問します。

 赤坂図書館は南青山1丁目、三井不動産を中心にした南青山アパートメント(株)が都市再生の名のもと、都有地を定期借地権で借りて建てた超高層ビルの3階にあります。
 図書館の出入りはエレベーターを使わなければなりません。建築基準法施行令では、赤坂図書館の用途、規模からして、避難階段と特別避難階段を設けなければなりません。2つの階段があるのに、避難階段は、カギがかかっていて使えません。特別避難階段は、どこにあるかわかりません。「非常時以外立ち入り禁止」の張り紙が貼ってありますから、その先にあることが推測されます。
 区の施設で建築基準法に違反するようなことがあってはなりません。災害の時には「開きます」からでは通用しません。
 区民の安全を守るために、避難階段を常時使えるようにすべきです。
 答弁を求めます。

【教育長答弁】
最後に、赤坂図書館の避難階段についてのお尋ねです。
 赤坂図書館には災害等に備え、避難階段と特別避難階段を設けております。階段出入口のドアは、通常は防犯等の観点から施錠されており、非常時には火災感知機との連動や防災センターによる一括操作により開錠される仕組みとなっております。
 しかしながら、非常時において、図書館の利用者や職員が自ら開錠できない不適切な状態となっていることが判明いたしました。
 教育委員会といたしましては、利用者の安全安心の確保を第一と考え、事業者と早急に改善にむけた協議を行い、適切に対応してまいります。

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