民主党政権は「子ども・子育て新システム」を、2013年度から導入しようとしています。「待機児童解消の切り札」として打ち出した幼稚園と保育所の「一体化」は、関係団体のつよい反対をうけ、幼稚園は当面存続させることになりましたが、その一方で、公的保育を解体しようとする考えは変わっていません。 市区町村は、現制度では保育サービスを提供する義務を負っていますが、新制度では、市区町村の実施義務は無くなります。保護者は市区町村に入所を申し込む方法から、自分の責任で保育所を探し、事業者との直接契約になります。自治体は待機児童の人数を把握する必要もなく、待機児童の解消にも責任を負わなくなります。新制度は保育士の待遇にも影響します。保育所運営費のほとんどを占めるのが人件費で、新制度ではこの運営費は保障されません。また、株式会社などの参入を促進し、保育料などの収入を株の配当や他の事業に回せる規制緩和を推進する方向で、儲けのため、人件費を切り縮めようとする動きも考えられ、儲からなければ、撤退も自由です。OECDからも、日本の保育の「市場化」に警鐘が鳴らされています。「新システム」検討は中止するよう国に求めるべきです。子どもの命を守り、幼児教育を担い、健やかな成長を促すためにも、公的保育制度を守るべきです。国と自治体の責任で保育・子育て支援を抜本的に拡充すべきです。 (11 3定 熊田議員 代表質問)