学校選択希望制が導入されて10年目になります。これまでも制度の問題として、学校と地域の希薄化、学校間格差を激しくする、そして東日本大震災の教訓に基づき、防災上の子どもの安全確保などから学校選択希望制の見直しを求めてきました。多摩市では緊急時などの児童・生徒の安全確保の対応が困難になるなどから来年度から中止の方針です。杉並区では校舎の新しさなど、教育内容と関係ないことで学校が選ばれることや、東日本大震災を機に登下校時の安全を重視する声の高まりから、2016年度に廃止する方針を決めました。江東区でも見直しの議論がされています。
教育委員会は、これまで小学校の選択希望制は、隣接する学区域の学校を選択の対象としているから、安全や地域とのかかわりに問題がないような答弁をしていますが、隣同士で子どもが違う学校に行っていれば災害時の連携、学校との関わりには違いが生じてきます。 文部科学省のまとめた学校選択制に関する意見でも「地域と学校のつながりが希薄になり、自分たちの生活拠点に密着した題材を扱う学習指導を行うことに支障を生じたり、地域住民が通学の安全確保に協力してくれることなどが行いにくくなる」ことなどがあげられています。
改めて、児童・生徒の安全、学校と地域の関わりなどの観点から、保護者だけでなく地域の意見を踏まえて見直しを図るべきです。 (12 3定 大滝議員)