芸能人の母親のケースに乗じて、生活保護の改悪がすすめられようとしています。生活保護は、憲法25条に基づき、国民の生存権を保障する最後のセフティーネット(安全網)です。生活保護法上、親族による扶養は生活保護の要件ではありません。「扶養しなければ生活保護を受けさせない」というものではありません。
自民党は、基礎年金とのバランスなどの口実で生活保護費の10%引き下げを求めています。厚労相も「検討」することを表明しました。基礎年金が低いことが問題であって、生活保護費の10%引き下げは、保護受給世帯の生活を困難にするだけでなく、住民税などの非課税基準の引き下げ、保育料や各種減免制度の切り下げ、最低賃金や年金の引き下げ、就学援助の引き下げなど、国民全体に波及し、「負のスパイラル」を招くことになります。 生活保護の受給者の割合は、欧州先進諸国に比べても低く、貧困水準未満の世帯のうち生活保護を受けている世帯の割合(捕捉率)は、日本が2割程度なのに、欧州は5~8割と大きな差があります。生活保護制度の見直しや、生活保護費の引き下げを行わないよう、国に要請すべきです。
いま生活保護の相談が増えています。それは、非正規労働者のまん延による低賃金労働者や失業者の増大、脆弱(ぜいじゃく)な社会保障が原因です。相談内容も複雑になり、時間もかかります。相談者に寄り添い、懇切、丁寧に相談にのり、きちっと対応するためには、一人のケースワーカーが受け持てる限度があります。ケースワーカーの人員を増やすべきです。当面、法定配置基準、ケーワーカー一人当たり80世帯を超えている高輪総合支所への人員配置をすぐに実施すべきです。職員の中には、社会福祉士の資格を持っている職員がいます。その方は福祉の仕事をめざしてきたはずです。また、生活保護の相談経験が豊かな職員がいます。職員の希望を聞き、適材適所の人員配置を行うべきです。 (12 2定 風見議員)