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区は、様々な問題点を含む「子育て新システム」の導入を止めるよう、国に求めるべき!

 先の国会で、民主党・自民党・公明党3党の暴挙により、子ども・子育て支援法など子ども・子育て関連3法が改正されました。問題となっていた児童福祉法第24条「市町村の保育実施義務」は、関係者の共同で運動が広がり、24条1項として残されましたが、実施範囲の責任は認可保育所のみです。認定こども園や保育ママ、小規模保育園などの整備は、自治体は計画を立てるなどすればいいというもので、新システム導入は「待機児童解消のため」といっていますが、これでは公的保育の放棄に他なりません。

 新システムのモデルは介護保険です。国会や先の決算委員会での質疑からさまざまな問題点が浮き彫りになっています。

 先ず認定制度です。保護者の申請に基づき自治体が保育の必要性と必要量を認定します。保護者の就労が基本とされていますから、保護者がパートの場合、短時間利用の区分と認定され、その人が長時間保育を希望する場合、保育料が別に徴収されるということにもなりかねません。

 さらに契約の問題です。今は区と保護者との契約になっていますが、事業者と利用者との直接契約になる場合「園が決まるまで、何園も申し込みをしなければならないのではないか」との決算委員会での私の質問に、「保護者がいくつも園をまわらなくてもいいように、調整を行う。一人親家庭や虐待の恐れのあるケースの子どもについては、優先利用の認定を行い優先的に保育園と契約を結んでもらうようにする。利用可能な園のあっせん、利用の要請をおこなう」との答弁でした。区は優先利用の認定を行い、優先的に施設と契約を結んでもらうよう要請はするが、困っている人が優先的に必ず入所できるという保障はありません。例えば、子どもが障害を持っている場合、園側にその受け入れの意思が無ければ、立場の弱い子どもと保護者にしわ寄せがいくのはあきらかです。

 保育園の運営上の問題もあります。認定制度が導入されることにより短時間保育と長時間保育が混在する。そのため、集団保育が難しくなり、園の行事にも支障が生じかねません。さらに、保育の必要量の長短が、そのまま保育園の収入に影響し、経営を圧迫しかねません。働く人達の賃金など労働条件にも大きく影響し、派遣やパートの保育士がふえることになります。国の財政的支援も今後どうなるか分かりません。だからこそ、「財政的支援がなければ、震災後の不安のなか、老朽化施設の改修も困難」と、全国1万カ所以上の私立保育所をになってきた社会福祉法人が「全てつぶれてしまう」と強く危惧しているのです。さまざまな問題点を含んだ新システムについて、区は国に対してやめるよう求めるべきです。 (12 4定  沖島議員)

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