厚生労働省は2012年9月28日、利用者の意見をまったく聞かないまま、「老朽化」と「全国に児童館が整備された」ことを「理由」に、子どもの城及び青山劇場、青山円形劇場を2014年度末で閉鎖すると発表しました。これを知った利用者から存続を願う運動が大きく広がっています。
こどもの城は、首都圏唯一の大型児童館として、多くの子ども、父母が利用しています。子どもたちが楽しみながら主体的に参加できる、音楽コンサート、様々な工作、スポーツ、キャンプ活動など工夫された多彩なプログラムがあり、子どもの豊かな成長に大きな役割を果たしています。保育施設もあり、父母の子育ての手助けにもなっています。東京都児童館が2012年3月末で閉館しており、こどもの城が閉館になれば、首都圏の大型児童館はゼロになってしまいます。また、こどもの城で生み出されたプログラムが全国に普及されており、全国の児童館のセンターとして、日本の児童館全体をレベルアップするという他にない役割を果たしています。
小児保健部は発達障害のケア、ダウン症のケア、心のケアなどの専門的なケアを行っており、利用者のかけがえのないよりどころとなっています。
青山劇場、青山円形劇場は、文化を発信、創造する拠点となっています。稼働率も約90%あります。青山劇場は開設時に東洋一といわれたすぐれた舞台機構があり、ミュージカルなどに愛用されています。円形劇場は、完全円形の舞台を備え、「ここでしか成立し得ない表現ができる」といわれる全国的にも貴重な劇場です。両劇場では、コンテンポラリー・ダンスの国際的祭典やこどもの城ならではの子ども向けオペレッタなど、すぐれた自主企画が催されています。閉館は、表現の場を奪い、ひとつの文化を喪失させるものです。6月に施行された「劇場、音楽等の活性化に関する法律」の精神にも反します。
これらの施設は、年間80万人の利用があり、厚生労働省の行政レビューシートでも「優先度の高い事業」とされてきました。築後27年、厚労省の調査でも、建物本体の耐震性は十分あり、大規模改修を行えばこれから30年間使える施設です。「広報東京都」にレギュラーで執筆している水道橋博士も「11月号」で「消えゆく夢の城を想う」とこどもの城の存続を訴えているのをはじめ、多くの著名人が「存続を」の声をあげています。このような貴重な施設は、充実こそ必要で、廃止などとんでもありません。国に存続するよう申し入れるべきです。また区議会議長に、議会として国に「廃止しないことを求める」意見書の提出をお願いします。(12 4定 風見議員)
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