政府は生活保護費のうち生活費に当たる生活扶助を3年間で段階的に引き下げることを決めました。生活保護受給者の96%の世帯が引き下げられ、中でも子どもの多い世帯が一番の打撃を受けることになります。日本は生活保護水準以下の世帯で生活保護を利用しているのはわずか15%で、ヨーロッパ諸国に比べ低くなっています。保護基準以下で生活せざるを得ない人が多い状況をそのままにして、保護基準を引き下げればますます貧困が拡大することになります。厚労省の社会保障審議会の委員からも引き下げには慎重であるべきとの意見が出されました。生活保護基準は、労働者の最低賃金や就学援助などを決める基準にもなっています。港区でも保護費を算定基準としている制度は修学援助や成年後見審判申し立てにかかる費用の免除、保育料の減免など16事業にも及んでいます。保護基準が下がれば、就学援助を受けられない世帯や、軽減措置を受けられない世帯が増え、生活保護世帯以外の貧困を拡大することになります。長引く不況や、非正規労働者の増加など貧困を生む社会構造や原因をそのままにして、受給者の増加や財源の増加だけを問題にして、弱者にしわ寄せするやり方は止めるべきです。生活保護基準の引き下げを行わないよう国に申しいれるべきです。 (13 1定 熊田議員)