東京公害患者と家族の会が11年にわたって闘った公害裁判で勝利し、和解してから5年が経過しました。1月26日、原告団のみなさんは裁判の「和解条項」にもとづいて、自動車排ガスによる大気汚染対策、公害対策・環境再生の実地調査として港区の道路環境を巡るバスツアーを行いました。和解条項で国や東京都は、国道15号線、日比谷通り、外苑東・西通り、海岸通りなどの街路樹の充実、歩道上の中木植栽、中央分離帯への植栽などを約束しています。しかし当日回って確認した限りでは、街路樹の多くは銀杏や柳、ハナミズキなどと言った落葉樹がほとんどで、歩道上の植栽もムクゲなどの落葉樹がほとんど、中央分離帯なども多くの場所がコンクリートで固められている状況です。街路樹による環境保全効果は、言うまでもなく大気の浄化やCO2の吸収、延焼遮断、ヒートアイランド緩和など多数あります。しかしながら現状のように、街路樹のほとんどが落葉樹だと1年の半分は落葉しているため、こうした環境保全効果がないことになります。区としても、国道や都道の植栽については常緑樹を主体として、高木、中木・低木混合の植栽となるよう要望すべきです。区道への植栽も常緑樹を主体とした混合植栽とすべきです。
和解条項の一つであるぜんそくの医療費助成制度については、昨年の第4回定例会でも取り上げ継続を求めるよう区長に質問し、議会としても意見書を提出しました。東京都の2013年度予算に8月以降も継続する予算が計上されたことは、患者さんにとって、ほんとうにうれしいことです。この間ぜんそくの治療を受けながらこうした制度があることを知らない方もいます。医師会等の協力を得て、改めて周知を図るべきです。 (13 1定 熊田議員)