働く人の賃金の低下と労働条件の悪化に歯止めがかかりません。昨年の勤労者の平均賃金は、1990年代以降で最低となり、ピーク時の1997年より年収で約70万円も減っています。非正規雇用が、労働者3人に1人、若者と女性では2人に1人まで広がり、年収200万円にも満たない労働者が1000万人を超えています。こういう状況ですから、学校を卒業しても就職がままなりません。
港区奨学金は多くの学生に利用され、喜ばれています。経済的な理由で学生が学ぶ機会を奪われるのは社会の損失で、奨学金制度は極めて重要です。港区奨学金を高校、大学と借りると国公立で318万8千円(自宅通学の場合)、私立では420万2千円(同)にもなります。大学を卒業と同時に「ローン返済」に追われることになります。
私たちは給付型奨学金制度を創設するよう、何度も質問してきました。答弁は、「現行の奨学金との整合性や財政負担を伴う」からと、まじめに答えていません。新たに創設するのですから、当然財源の手当をしなければなりません。 給付型奨学金制度を創設すべきです。また、現在の奨学金制度を利用している人については、港区奨学資金に関する条例、条例施行規則に従い、返還免除制度を積極的に活用すべきです。あわせて、無事に卒業された暁には、卒業をお祝いし、「社会人としてがんばって」との気持ちで返済を免除する仕組みを構築すべきです。 (13 2定 風見議員)