白ガス管は、亜鉛メッキをした旧式のガス管で、土中に埋設すると次第に亜鉛メッキが溶け出し、鋼管の腐食でガス漏れが起こる危険性があります。
「白ガス管」は、東京ガス管内の個人住宅敷地の途中に48万9千本(2012年)も残されています。東京ガスは各家庭に交換を促す通知を届けていますが、高額な利用者負担が足かせになって、進んでいないのが実態です。首都直下地震が切迫する中、地中にある腐食したガス管は、火災の要因ともなる危険な存在です。ひとたび地震によってガス漏れが発生したら取り返しがつきません。個人任せでなく、東京ガス、国、自治体の責任で対策を進めるべきです。
1994年に都内で白ガス管のガス漏れによる爆発・死傷事故が相次いだことで大きな問題となり、「ガス事業法」の「技術基準」が改正され96年から埋設部の新規使用が禁止されました。その後、ガス事業者が責任を負う本管や供給管については2020年までの対策完了が目標として打ち出されています。一方、家庭敷地内の管については、ガス事業者が個人資産だとして交換費用の全額負担を要求していることから難航しています。
2003年度(平成15年度)から「経年埋設内管対策補助金」事業が始まり、当初は大規模地下街やショッピングセンターのみが対象でしたが、その後、集合住宅まで拡大されました。しかし、民主党の時代に、事業仕分けで仕分けされ、現在は、材料費、切断費、溶接工事は補助対象とせず、経年ガス管の掘り起こし等の土木工事費等のみになってしまいました。事故が発生してからでは取り返しがつきません。国に対し、「経年埋設内管対策補助事業」を事業仕分け前に戻すとともに、個人住宅に拡大するよう要請することを求めます。また従来は個人住宅の敷地内のガス管の管理は東京ガスが委託業者を使って行っていましたから、個人資産との理屈は成り立ちません。東京ガスにも事業者としての責任を果たさせること。東京都にも補助制度の創設を要請するとともに、港区として、区民の安全、まちの安全のため、補助制度を創設すること。等を求めます。
(13 2定 風見議員)