港区は増え続ける待機児にたいし、認可保育園を誘致し、開設の前倒しなどに取り組んでいます。しかし誘致される保育園はお認可保育園でも株式会社立や、ビルのフロアーを利用した保育園がほとんどです。当然園庭もなく、定員いっぱいになったら、子供達が思い切り体を動かして遊べないなど、保育にも影響が出ます。近くの公園などを利用するとしても今年の夏のような猛暑ではなかなか外に連れ出すことも困難になるのではないでしょうか。株式会社の目的は利益を生み出して株式配当することです。保育園で利益を上げようとすれば、人件費を削ることになります。民間の調査では民間保育士の平均年齢は30歳で、平均給与は22万円。港区の保育士の平均年齢は38.3歳で給与は(期末手当など除く)369,745円です。給与月額を比較しても平均年齢の違いはありますが、民間保育士の給与がいかに低く抑えられているかは明らかです。待機児童解消の基本は、区立認可保育園をきちんと整備して、子ども達の育ちを保障すべきです。
民間企業の保育所参入を積極的に取り入れた横浜市の例を見ても、政府の外郭団体「独立行政法人福祉医療機構」の2009年度の調査では、保育所運営費に占める人件費の割合は、平均で71、7%に対して、横浜市の民間企業が運営する保育園2園の人件費の割合は44%と人件費の占める割合がいかに低いかが明らかになっています。成長著しい子供達にふさわしい保育を提供するためには、専門的知識と経験豊かな保育士がいることが最低条件です。そのためにも保育労働者の賃金をきちんと保障することです。私立認可園の運営経費については、私立保育園委託費(国1/2、都1/4、区1/4)、区の単独補助、私立保育園事業収入でまかなわれています。現状では、私立認可保育園の指導機関は東京都の役割と言うことで、区には決算報告すらありません。保育運営費は公的支金です。保育園を運営する設置主体を問わず運営費については、透明性が求められることは当然です。保育運営費が株式配当や本部経費等に使われていないか。補助金支出する区として、きちんとチェックする基準とチェック体制を確立させるべきです。
民間保育園、緊急暫定施設や区立保育園の指定管理の事業者について、昨年1年間の(24年4月~25年4月)職員離職率と保育士の経験年数について調査をして頂きました。調査した16施設中、常勤者で1年間10人以上が退職した企業は3施設あります。保育士の通算経験年数は、一番低くい園で2.5年、平均年数が5年以下という園が16園中、7園もあります。こうした状況を放置すべきではありません。保育の質を確保するためにも、安定した職員の確保、経験豊かな職員の確保は重要です。離職の理由などもきちんと調査し、民間職員の処遇改善に区が責任をもつべきです。運営事業者に対しても職員の定着と、処遇改善についてきちんと指導すべきです。 (13 3定 熊田議員)