68年前の8月6日、広島に、8月9日に長崎に原爆が投下されました。 今年4月、ジュネーブで開かれた核不拡散条約(NPT)再検討会議準備委員会で提出された核兵器の非人道性を訴える共同声明に、80カ国が賛同しました。南アフリカなどの提案国は、日本にも賛同を求めましたが、日本政府は拒否し、世界の期待を裏切りました。
8月9日、長崎市主催の平和式典が開かれました。田上富久長崎市長は、「平和宣言」で、共同声明への署名を拒否したことをあげ、「二度と、世界の誰にも被爆の経験をさせないという被爆国としての原点に反する」と強く批判しました。NPT未加盟の核兵器保有国であるインドとの原子力協定交渉の動きについても、「保有国をこれ以上増やさないためのルールを定めたNPTを形骸化することになる」と指摘。政府に対し、「被爆国の原点に返ることを求める」と2回繰り返し訴えました。それだけに、核廃絶に向けて、日本国民の果たす役割は極めて重要になっています。
8月5日に区長も加盟している平和市長会議の第8回総会が開かれました。港区からは、担当課長が出席しています。平和市長会議には、157カ国・地域の5,712都市が参加しています。核廃絶の地道な活動が世界を動かしています。 総会で採択された決議(ヒロシマアピール)は、「平和市長会議が現段階で優先するのは、核兵器禁止条約または『核兵器のない世界』に向けたその他の有効な取り組みを促進することである。」と述べ、行動計画(2013年~2017年)は、「核兵器廃絶に向けて各国政府に具体的な行動を促す市民の声をさらに大きくし、核兵器廃絶の国際世論を拡大することである。そのためには、一人でも多くの人に広島・長崎の被爆の実相を理解してもらい、核兵器廃絶を願う被爆者の切実な思いが世界中の人々と共有できるようにする」と提起しています。
被爆者の多くは高齢で、被爆の実相を多くの区民に知ってもらう機会は、ますます狭くなっていきます。被爆70周年の2015年に核廃絶に向けての大きな催しを計画し、そこに向けて、区内の原爆被爆者団体の港友会のみなさんや、区内の平和団体等の協力を得るなどして、被爆体験者のDVDの作成、被爆体験を聞く会、被爆2世・3世の方々のお話を聞く会等々、二度とヒロシマ・ナガサキを繰り返さないという思いを、区民共通の思いにする取り組みを計画すべきです。被爆70周年、NPT再検討会議が開催される2015年、港区平和都市宣言30周年は、その良い機会ではないでしょうか。 (13 3定 大滝議員)