安倍首相は、来年4月からの消費税増税を予定通り実施する意向を固めたと報道されています。しかし、参院選挙後の世論調査でも、増税を予定通り実施すべきという意見は2~3割しかなく、「中止すべきだ」や「先送りすべき」という意見が7~8割と圧倒的です。これまで増税を主張してきた大手新聞の中からも「見送るべき」「増税の環境にない」などの論調が出されています。
9日に内閣府が4~6月期の国内総生産(GDP)改定値を発表し、年率換算で3,8%増と速報値から大幅上方修正しました。一方GDP全体の6割を占める個人消費は速報値の0,8%増から0,7%増へ下方修正されました。個人消費が低迷している背景には長期にわたる賃金の落ち込みがあります。1997年をピークに労働者の平均年収は70万円も減少しました。こうした中で物価だけが上がり始め、暮らしはますます大変になっています。区内の商店からは「アベノミクスでは売り上げは増えていない」「消費税増税になれば店をたたむしかない」との声が上がっています。さらに史上空前の大増税で所得を奪えば、区民の暮らしと営業を破壊するだけでなく、日本経済をも奈落の底に突き落とすことになることは明らかです。しかも、消費税増税しても財政はよくなりません。1997年に消費税を2%、約5兆円増税したさいにも、消費税以外の税収は「大不況」により大きく落ち込んだうえ、「景気対策」として法人税・所得税を減税したため、増税後3年目には11.4兆円も税収が減っています。
安倍政権は「消費税増税で景気が悪化するのを防ぐため」として、5兆円規模の経済対策を合わせて実施するとしていますが、3%の増税分のうち約2%分を使うことになり、それでも景気の腰折れとなればさらに減収となり、今度も過去の失敗を繰り返し、財政をさらに悪化させることは明らかです。国民・区民の多数の声に応えて「4月からの消費税増税中止」を国に求めるべきです。 (13 3定 熊田議員)