区長は26年度予算に特養ホームありすの杜(定員200名)に18床増やす計画を明らかにしました。これまで、私たちは、待機者をなくすために早期に特養ホームの建設を求めてきました。今回の18床の増床は1歩前進といえますが開設はH27年4月でまだ入所できるまでは1年以上も待たなくてはなりません。H22年にありすの杜が開設しても待機者は解消できていなかったわけですから、待機者解消についての決断が遅きに失したといわざるを得ません。(5年ぶりの増床、7施設で729床) 区は18床の増床で、優先度の高い要介護Ⅳ・Ⅴの申込者は原則入所可能になると判断しているようですが、これには医療的処置が必要な重度の方(約70名ぐらい)は含まれていません。
H25年後期の申込者は400名でした。入所期限である今年の3月まで入所可能な方は(2月13日現在)約140名で、260名は待機者となってしまいます。この中には要介護ⅣやⅤの方も含まれます。
港区は裕福な区なのに、何で特養ホームを作ってくれないのかという区民の声は多く聞かれます。入所申し込みをしている方にとってはさらに切実です。認知症の母親を働きながら介護していた方は、結局入所できないままお母さんをなくされたそうです。ひとり暮らしの女性は骨折を機に在宅での生活ができなくなり、現在老健施設に入所して、特養ホームの入所を待っています。特養に入れなかったらどうしようと不安になっています。
高齢者介護の多くは突然にやってきます。必要としている方が、希望する介護サービスを受けられるようにするのが保険者としての区長の責任です。
1月31日に来年度前期(4月から9月まで入所)分の入所申し込みが締め切られました。申込者は437名です。前回と比べ37名の増となっています。区長は特養ホームを作らない理由に「在宅での介護を希望している方が8割を超えているから」といいますが、在宅での介護を希望するのと、現実に在宅介護が可能かどうかは別問題です。だからこそ入所希望者が増えているのです。
今回の調査で、既存施設での増床が可能な施設はありすの杜だけということも明らかになりました。待機者をなくすために特養ホームの建設計画を早急に作るべきです。 (14 1定 熊田議員)