高校の授業料無償化に所得制限が設けられました。ますます奨学金制度の充実が求められます。
港区の奨学金制度は卒業後に安定した雇用があることを前提にした制度です。ところが現状は、大学を卒業してもなかなか就職できない。就職ができても正社員になれない。正社員になっても給料は下がる一方。年収200万円以下のワーキングプアと言われる人が1000万人を超える状況です。親の年収も減り続けているため、支援もできない。こういう社会ですから返したくても返せないのが実態です。奨学金の返済が滞っている人については、実情を良く聞き、免除、一部免除、返済猶予、返済方法の変更など、きめ細かく相談にのることが必要です。
港区奨学資金の目的は、大学や高校への修学が「経済的理由により困難な者に対して、奨学資金を貸し付け、もって将来社会のための人材を育成する」(港区奨学資金に関する条例第1条)ことです。この目的を本当に達成しようとするのであれば、経済的理由で修学をあきらめることがないようにするため、給付型奨学金がどうしても必要です。
国は国民の運動に押され、高校生を対象にした「奨学給付金」制度の創設を予算案に盛り込みました。しかし、財源は高校授業料の無償化をやめて浮いたお金をまわすというもので、生徒間に分断を持ち込むことになります。
国に対し、大学生を含め、だれもが学ぶ機会を保障される給付型奨学金制度を創設するよう要求すべきです。港区として、給付型奨学金を制度化すべきです。 (14 1定 大滝議員)