2020年東京オリンピック・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場は最初、国際デザインコンペで英国建築家のザハ・ハディド氏の案である、屋根の高さ約70メートル、延べ床面積約29万平方メートルという壮大なもので、建築費の試算では3000億円ともなるものでした。建設地は明治神宮外苑の景観が100年近く保存されている風致地区にあり、1970年に制定された都条例によって15メートルの高さ制限がかかっているところですから、都市計画の見直しがはじめから予定されていたのです。昨年4月に開かれた港区都市計画審議会に建築物等の高さの最高限度を75メートルに定める「東京都市計画地区計画の決定」(神宮外苑地区)の審議が行われ共産党委員である私以外の賛成で可決されました。その後6月に東京都都市計画審議会で決定されています。 しかし、この巨大な計画に大きな批判があり、昨年11月に基本計画が変更されました。 見直し案でも、延べ床面積が約25%減となるものの8万人収容、開閉式屋根の設置方針は維持されることとなり問題です。 常設8万人収容がなぜ必要なのか。国際オリンピック委員会が定める陸上競技場の基準は6万人であり、ロンドン五輪のメインスタジアムは現計画の半分の床面積で、8万人のうち3分の2以上の55000人分が仮設席でした。 なぜ開閉式屋根の設置が必要なのか。可動式の屋根をつけると建設費増に加え莫大なランニングコストがかかります。さらに大地震などでは屋根の落下の危険性があります。また、国立競技場近くの都営霞ヶ丘アパートの住民に立ち退きが求められていますが、現在案でも都営住宅の敷地には競技場がかからないようになっており、さらなる縮小の見直しを行えば立ち退きの必要がなくなります。 巨大さと、明治神宮外苑の景観を破壊する新国立競技場の計画は再検討すべきです。 そのため、関係機関に新国立競技場の計画の再検討を申し入れること。建築物等の高さの最高限度を緩和した都市計画決定は見直すこと。 等、求めます。 (14 1定 大滝議員)