先日「読書時間ゼロ、大学生の4割」と報じられたように、年齢が上がるほど読書離れが顕著になってきており、子どもの時から本に親しむ体験をしっかりとつけておくことが大事になっています。
区内の小・中学校において読書の楽しみ、魅力を高めるうえで大きな役割を果たしているのがリーディングアドバイザリースタッフ(RAS)です。その役割については、これまでの議会答弁でも高く評価されています。 RASの配置は、平成14年度に週3日に始まり、平成25年度には週5日、各学校に2名以上の配置に拡大されました。しかし、児童の多い学校も少ない学校も同じで、今年の児童数が最も多い港南小学校は27学級941名、最少は神応小学校6学級87名で児童数で10倍以上の差があってもRASの配置は2名です。しかも1人あたり週18時間を活動上限にしていますので実際の活動は1人で行っています。
児童数の多い学校の事例をあげれば、ラーニングセンターが2カ所あっても、RASが一人のため、貸し出し・返却は1カ所だけです。パソコン入力は図書委員の児童が行いますが、貸し出し・返却だけでなく、予約の入力や返却の督促、児童の読みたい本の相談やアドバイスも行うため1カ所でしか対応できません。休憩時間は何冊もの本を抱えた子供たちでカウンター前に列ができています。また、本の読み聞かせや、学校にない図書は公立図書館に借りに行きます。古くなった本は廃棄し、選書の提案や課題図書をそろえるなどの提案を行い、本が入れば配架も工夫して行います。学級文庫への配架は年度初めに1000冊になったこともあるとのこと。
RAS2人の間での引き継ぎは基本的にノートで行いますが、時には直接意見を交わすため残ったり、仕事が終わらなく上限時間を超えてしまうなどサービス残業になるときもあります。時間があれば、もっと子どもたちの喜ぶ学校図書館にしたいとの思いを高めています。また、交通費が出ないため近くの人しか応募できません。こうしたことから司書や教員免許状取得などの資格者や意欲を持って仕事をしようとする人が、活動条件の良い自治体に移ってしまうことを危惧する声が出ています。
学校図書館を充実していくため ①リーディングアドバイザリースタッフは制限時間付きの有償ボランティアでなく、職員待遇とすること。 ②配置人数は、施設や児童数に見合ったものにすること。を求めます。
(14 2定 沖島議員)