昨年12月に自民、維新、生活の3党がカジノ解禁をめざす「カジノ設置の推進法案」(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案)を国会に提出しました。
カジノ推進法案は、経済効果のみが喧伝され、推進勢力も、海外から観光客を呼び込むことができ、地域経済を活性化させ、雇用も税収も増えるとしてバラ色の未来を振りまいています。
しかし、実態は全く逆であることを示すのが韓国の事例です。14年前に、かつての炭坑のまちに開業したカジノリゾート「江原(カンウオン)ランド」には中毒管理センターが設置され、利用者は開設から13年間で5万人に上っています。カジノで財産を失った「カジノホームレス」も問題になっています。詐欺、盗難、放火なども発生し開業後、ランド内で自殺した客は48人にもなっています。町では人口流失に歯止めがかからず、開業した年に約2万5千人いた人口は約1万5千人になっています。
厚労省によれば、日本のギャンブル依存症の有病率は男性9.6%、女性1.6%と、諸外国が1%台にとどまっていることからも異常です。患者は約560万人になり、その何倍もの家族が泣かされているのです。 突出したギャンブル依存症大国の日本では、対策こそとらなければならないのに、規模とスピードが桁違いなカジノを解禁すれば依存症の増加は計りしれません。 また、暴力団がカジノへの関与に強い意志を持つことは容易に想定されます。さらにカジノ法案が想定しているのは、レクリェーション施設や宿泊施設などと一体となって設置するようになっており、家族で出かける先に賭博場があることから、青少年に賭博に対する抵抗感を喪失させることになります。 こうしたことから、カジノ法案が成立すれば、刑事罰をもって賭博を禁止してきた立法趣旨が損なわれ、ギャンブル依存症の増加や青少年の健全育成の阻害、さらには治安の悪化により地域の衰退を招くおそれがあります。
1999年に、石原慎太郎都知事(当時)が「お台場にカジノを」と打ち上げたことが、全国にひろげる引き金となりました。お台場をはじめ、日本のどこにもカジノを作らせないため、カジノ解禁推進法案に反対を表明すべきです。
(14 2定 風見議員)