2013年5月に発表された港区政策創造研究所の「75歳以上高齢者を含む2人世帯の生活に関する調査報告書」では、住宅の困りごとで、「老朽化している」が19.7%、「家賃・税金の負担が大きい」16.5%、「階段の昇り降りが大変」とつづき、「いつまでここに住めるか不安」が1割を超えています。一方、家主側も深刻で、孤立死などから高齢者の入居を制限するというものです。国土交通省が2010年、日本賃貸住宅管理協会の協力を得て実施した「民間賃貸住宅の管理状況調査」によると、複数回答で「単身の高齢者は不可」が40.6%、「高齢者のみの世帯は不可」が34.9%となっています。港区の都営住宅の高齢者用の地元割り当ての応募状況は、募集1戸に対し83倍から102倍、区立の高齢者集合住宅(ピア白金、フィオーレ白金、はなみずき白金、はなみずき三田)の空き家登録数8名に対し抽選倍率は約15倍、入居できるのは年間で2名から4名です。昨年10月に行われたシティハイツ芝浦(区営)は、21戸の募集に対し、370件の応募、350人に近い人たちが入れなかったことになります。 私たちは、今までも高齢者住宅の必要性を述べ質問してきましたが、区は「民間事業者の参入を促進し、サービス付き高齢者向け住宅やグループホームの設置を進めてまいります」と答弁するのみです。サービス付き高齢者向け住宅やグループホームを否定するものではありませんが、低所得者には家賃が高すぎて入れません。高齢者の置かれている実態をふまえ、いきいき計画で中断した高齢者集合住宅を建設すること。答弁を求めます。文京区は、来年度から高齢者の入居を受け入れる家主さんへの支援を打ち出しました。月最大2万円を補助するというものです。しかもシルバーピア住宅に配置されている生活協力員のような方(生活援助員)を登録物件の高齢者宅に派遣をするというものです。高齢者を受け入れる家主さんへの支援策を行うこと。高齢者世帯等居住安定支援事業を復活させること。高齢者の民間賃貸住宅家賃助成を行うこと。それぞれ求めます。 (15 1定 熊田議員)