安倍政権は7月1日、国民多数が「反対」や「慎重に」の声を上げるなか、強引に集団的自衛権の行使容認の「閣議決定」を行いました。この中では、自衛隊が活動する地域を「非戦闘地域」に限るという従来の枠組みを廃止し、支援活動ができるとしました。その場合、「後方支援」であっても相手からの攻撃を受け、応戦し武力行使となります。アフガン戦争では米国以外のNATO軍の犠牲者は戦争開始以来、21カ国で1、035人です。 安倍首相は「明確な歯止めがある」「限定的なもの」と強調していますが、集団的自衛権行使の要件である「日本の存立や国民の権利が脅かされる明確な危険があるとき」という判断を行うのは政府です。「政府がすべての情報を総合し判断する」としていますが、秘密保護法が定める特定秘密となり、国民にも国会にも明らかにされません。しかも地理的な限定がありませんから、地球の裏側で起きた他国への武力行使を「明白な危険」と判断すれば、日本が海外で武力行使することになります。
安倍政権がやろうとしているのは、憲法9条のもとで「海外で戦争しない」という戦後政治の原点を覆し、国のあり方を根底から変えるものです。 「閣議決定」後も国民の反対世論は高まるばかりです。安倍政権は「閣議決定」を具体化する法案の提出については、来年に先送りし、怒りの「沈静化」を図ろうとしています。
区民アンケートでは集団的自衛権の行使容認に賛成は14%であり、反対は71%となっています。「戦争する国にしないでください」「このままでは日本はいつかきた道を再びたどることになる。暴走を止めてください」などの悲痛な叫びが紙面いっぱいに書かれています。区民のこうした願いに区長は真摯に耳を傾け、戦争する国造りを止めさせ区民が安心して暮らしていけるよう、集団的自衛権の行使容認の「閣議決定」は撤回すること。また、集団的自衛権行使のための立法措置を行わないよう国に要請すべきです。 (14 3定 熊田議員)