建設現場で必要な技能労働者が集まらない。そのために入札不調などが起きていますが、労働者の賃金は引きあがっていません。国が公共工事の人件費の積算につかう「公共工事設計労務単価」は、1年間で約10%程度引き上げていますが、建設労働者の労働組合である全国建設労働組合総連合(全建総連)の調査では、昨年に比べ2%程度しか上昇していないといいます。
港区でも、入札不調の数は今年度11月までで、工事で17件、業務委託で17件もあります。インフレスライド条項適用の請負契約変更の議案も第3回定例会で4件、契約金額が増額されています。しかし増額された分が、下請け労働者にきちんと支給されているか、区は調査しないといいます。
建設技能労働者の大幅な減少は賃金の低さが大きな要因で、建設産業従事者の確保のためには、働く人たちに人間らしい労働条件を保障すべきであり、そのための賃金確保が必要です。
住民の税金を使う公的事業で利益を得ている企業に対し、発注者の公的機関は人間らしい労働条件を確保するための責任を負う必要があります。10月に公契約条例を施行した千代田区に続き、世田谷区は第3回定例会で公契約条例を可決しました。公共工事、公共サービスの品質確保と生活できる賃金への底上げを定める公契約条例を制定すべきです。 (14 4定 沖島議員)