子どもの貧困状況は、社会問題になっています。マスコミでも特集報道がおこなわれています。特に深刻なことは、親の働き方と収入の厳しさによって貧困が子どもへも連鎖していくことです。これらのおおもとには、正規社員が大幅に減らされ非正規社員が全体で4割と急増したことが一番の原因といわれています。様々な事情で母親一人で子育てをする方の中には、派遣やバイトでダブルワークして必死で子育てするケースも多々あります。そうなると、子どもが一人で栄養バランスが整わない食事をとったり、母親との会話が減って子どもの心の問題にもなる場合もあります。経済的に厳しい中では、行き届いた学習の環境も整えないこともあります。こうして学力の問題にもつながってしまうのです。
第三回定例会の本会議や決算委員会では、監査委員の「審査意見書」で、「全庁を上げて取り組むべき課題」と指摘もありました。私たちも含めて多くの会派から子どもの貧困対策をどう具体化するのかが質問されました。これに対しての区の答えは、今年8月に「子どもの貧困対策検討専門部会」を設置し、子育て、教育、就労支援、生活福祉など、関係部署が連携を強化し、来年3月のとりまとめに向けて取り組んでいくとするものでした。来年度の予算に反映するための具体化を検討するということであり、大事な課題となります。
区の検討にあたっては
1、実態をできる限り正確につかむこと。区も実態把握を位置づけており、旺盛に調査を進めること。
2、経済的な支援を特に重視すること。①安心して生活ができるためにも、世帯への経済的支援の具体化、②安心して学べるためには、奨学金制度の改善です。返済期間の延長や返済免除、給付型奨学金制度を創設すること。
3、食事への支援も大事です。子どもだけで食事をとるケースが増えているので、栄養バランスや食費の負担軽減と食を通じての発達を支え、また居場所の提供にもなる、いわゆる「子ども食堂」を具体化すべきです。
4、学習支援として、児童館や中高生プラザなど区施設を活用し、大学生などのボランティアも含めた学習支援を具体化すべきです。
5、子どもの貧困対策を継続して推進し、より効果的に機能させるために、①「子どもの貧困対策検討専門部会」を来年度以降も継続していくこと。合わせ、②個別具体的な対応をとるためにも関係部署が横断的に対応できる「(仮称)子どもの貧困対策相談室」を設置して迅速で小回りのきく体制をとること。
以上求めます。 ( 15 4定 大滝議員 )