建物の解体は、騒音、振動、粉塵、工事車両の出入り等々、近隣住民に多大な迷惑をかけます。特に解体を請け負った業者は、短期間に終わらせようと、近隣住民の迷惑などお構いなしで進めることによる紛争が絶えません。建物の解体の発注者は、元請け業者や下請け業者任せにして無責任な態度に終始するため、隣接住民、近隣住民の怒りは収まりません。
「解体工事等の事前周知等に関する要綱」第9条は「説明会の開催又は戸別説明により説明しなければならない。」と定めているにもかかわらず、近隣住民が説明会の開催を求めてもやろうとしません。住民が建築課に「事業者に、説明会の開催をするよう指導してほしい」とお願いしても、「(要綱では)説明会の開催を義務づけていない」からと近隣住民の願いに応えようとしません。
要綱では「説明会の開催」を定めています。住民から開催要求がある場合には「説明会を開催する」、住環境に多大な影響がでる問題ですから、求められた以上は説明会を開催するように要綱を改正すべきです。合わせて、解体工事にあたっては、(個人も含めて)工事協定書を締結した上で工事に着手するように、指導すべきです。
解体工事途中でアスベスト(石綿)が見つかった場合は、すぐに港区に連絡し、石綿撤去の計画書を提出させると同時に、近隣説明会等を行わせるべきです。
「(仮称)南青山5丁目計画」(事業主:三菱地所レジデンス㈱、三菱倉庫㈱、施工者:東急建設㈱)の場合、当初、石綿がないとの報告書が提出されました。とこが解体途中で石綿が見つかりましたが、区にも近隣にも連絡せず、石綿を撤去した後に連絡するという悪質なやり方です。石綿の除去工事は2月12日から20日まで。港区への標識設置届けは撤去から4日後の24日。近隣住民が知らされたのは撤去工事が終わった5日後の25日です。「石綿除去計画書」の提出は3月3日と11日後です。近隣住民も通行人も港区も石綿の撤去工事をやっていることを知らずにいたのです。これは「解体工事等の事前周知に等に関する要綱」の目的を無視する極めて悪質なやり方です。事業者に厳重に抗議するとともに、近隣への謝罪を求めるべきです。さらに、こういう悪質なことができないよう、要綱を改正すべきです。また、悪質な事業者には、口頭だけでなく文書で厳重に抗議し、近隣住民に文書で謝罪させるべきです。 ( 15 4定 風見議員 )