日本国内に住民登録している人全員に12桁の番号を割り振り、国が情報を一元管理する「マイナンバー(社会保障・税番号)」が施行され、10月末から番号を通知するカードの発送が始まっています。配達間違いなどの事故が相次ぐ一方、住民が希望していないのに自治体がマイナンバーを住民票に記載したりするなどのミスも起きています。
厳重管理が必要な個人のプライバシーを扱う仕組みなのに、始動したとたんにトラブル続きでは国民の不安は募るばかりです。来年1月からの本格運用に突き進むのはあまりにも危険です。
自治体窓口でマイナンバーを間違って発送したケースは10市区町村以上あります。第3者の手に渡った事例もあります。マイナンバーの仕組み自体が、ちょっとした操作ミスによって容易に他人に番号を知られるリスクと一体であることを浮き彫りにしています。
さらに重大なのは、自分の番号を受け取れない人が多発する恐れがあります。職場に提示が求められることもある通知カードに性別記載があることに、心と体の性が異なる性同一性障害の人たちからは「職場にいられなくなる」と不安の声が上がっています。通知カードが点字表記でないため1人暮らしの視覚障害者らは「だれに番号を教えてもらえばいいのか」と困惑しています。多様な国民の実情を無視し、一方的に番号を割り振るやり方の、どこが「国民の利便性向上」なのか。乱暴な推進はやめるべきです。
大企業などは数兆円規模のマイナンバー市場に沸き立っています。厚生労働省の担当職員が収賄で逮捕されたことは、マイナンバーが利権・癒着まみれである実態を示しています。大企業のもうけのために個人のプライバシーを危険にさらすなど、国民に不利益をもたらすマイナンバーは凍結・中止することが必要です。国に凍結・中止を求めるべきです。
港区はマイナンバーの安全管理を徹底しているといいますが、システム上いくら漏えい防止をしても、それを扱うのは人ですから、漏えいの危険はなくなりません。この間、各部署で発送間違い等々がおきています。それは二重三重にチェックをすれば防げることです。マイナンバーの扱いに当たっては、一人だけではパソコンを扱わない、一人では部屋に入らない、民間への委託はやらない等々、考えられる限りの漏えい防止対策を実施することを求めます。 ( 15 4定 大滝議員 )