安倍政権が実施しようとしている来年4月の消費税率10%への増税にはまったく道理がありません。
安倍首相は「増税分は全額社会保障の充実・安定化に充てる」と言っているものの、やっていることは逆です。
2013,14,15年度と3年間、単年度で8000億円から1兆円近くと見込まれた社会保障費の自然増を毎年5000億円まで抑制。この間、生活保護の改悪、介護報酬の引き下げ、年金の削減、国保料の連続値上げ、医療の改悪等々、社会保障の改悪が行われています。
また、「軽減税率」導入についても、税負担が軽くなるかのような大宣伝が行われていますが、食料品などが8%に据え置かれるだけで、下がるわけではありません。麻生財務相は10%に増税した場合の家計への負担増を、1世帯当たり62、000円程度、1人当たり27、000円程度と述べ、大きな負担となることを認めました。(衆院では、一人当たり1万4千円程度、一世帯当たり3万5千円程度と説明していた)しかも消費税の最大の問題である所得が低い人ほど負担が重くなる逆進性は、食料品などの税率を据え置いたとしても強まることを認めており、アベノミクスのもとで深刻になっている貧困と格差に追い打ちをかけるものです。
6人に1人が貧困ラインを下回る社会、とりわけひとり親家庭の貧困率は5割を超え、OECD加盟34カ国で最悪となっている貧困大国の現状ではくらしが成り立たなくなる危険があります。
しかも庶民増税の一方で大企業には減税の大盤振る舞いです。復興特別法人税の1年前倒し廃止や法人税率引き下げなどで3兆円、来年度以降はさらに1兆円加わります。ところが、もうけは一向に賃金に回らず、実質賃金は4年連続マイナス、大企業の内部留保は300兆円を超えました。このため個人消費が落ち込み、地域経済を冷え込ませています。
区内の中小企業の景況は、消費税率5%から8%に引き上げられた一昨年4~6月期以降、昨年1~3月期を除き業況DIは2桁のマイナスで、 業況は「悪い」が続いています。 消費税増税実施の道理も環境にもないことは明らかです。区民のくらし、地域経済を守るため消費税率10%への大増税を中止するよう国に申し入れるべきです。 (16 1定 風見議員)