初夏に運動会を行うところが増え、熱中症事故も少なくありません。初夏に熱中症になりやすいのは暑さに慣れていないためです。
春、秋の学校での熱中症死亡事故は、持久走やマラソン大会、登山など長時間にわたるきつめの行事で起きています。
夏の死亡事故は、屋外での野球、ラクビー、サッカーなどの部活で、屋内でも柔道や剣道などの部活で多く起きています。事故の約半数はダッシュの繰り返しや持久走など走るだけの練習中です。
熱中症になるのは環境条件・運動の程度・個人差という3つの要因があります。炎天下の屋外や風通しの悪い体育館は熱中症になりやすい環境です。日本での真夏の日中は摂氏35度を超えることも少なくありません。気温だけでなく、湿度にも気を付けなければなりません。皮膚の表面は、汗が蒸発するときに熱が奪われる気化熱の作用で冷やされます。しかし、湿度が高いと熱が蒸発せず、熱が体内にこもります。そのまま運動を続けると体温が上昇し熱中症になる危険があります。運動すると体内ではものすごい熱が出ます。激しい運動では30分で体温が4度上昇するのに相当する熱が発生します。この熱の発散がうまくいかないと熱中症につながるのです。
熱中症予防の運動指数ではWBGT(湿球黒球温度)という温度と湿度、輻射熱を測定して算出した数値を環境の評価に使っています。国も「東京2020オリンピック・パラリンピック」で懸念される暑さ対策として、開催期間と同じ7月~9月、競技場周辺などで「暑さ指数」(WBGT)の測定を始めると発表しました。
児童生徒・スポーツに取り組む子どもたちの生命と健康を守るため、学校や屋外スポーツ施設にWBGTの測定器を設置することを求めます。
(16 2定 いのくま議員)