国土交通省が計画している羽田空港国際線増便の新航路案の撤回については議会ごとに質問してきました。
都心区上空を通過する案は、騒音や大気汚染、落下物、事故などへの不安が強く、計画を知った区民から撤回を求める声が広がっています。
問題は
第1に、今回の飛行計画がほとんどの区民に知らされていないことです。
今年になってから計画を知った方々が飛行計画に反対する会を立ち上げて運動を進めていますが、「計画を知って驚いた」と異口同音に述べています。
第2に住民に納得のいく説明がされていないことです。
オープンハウス型の説明会では、羽田空港の国際線増便の必要性を押しつけるだけで、質問し、問題点を明らかにすることができません。また4月19日に発表した騒音軽減策と称した修正案も、港区上空では変わりがありません。
第3に国交省が歴史的経緯を簡単に反故にしたことです。
1960年代から80年代にかけての羽田離発着便の増加や飛行機の大型化で飛行機騒音に悩まされた住民と自治体が一体となって運動し、当時の運輸省が海上経路を約束したものです。その経過をなにも考慮せず、今回、国交省が大転換しようというのです。
国交省は、こうした問題に正面から答えるどころか強引に進めようとしており、住民の反対の声を無視して飛行計画に関わる誘導装置の建設費などを盛り込んだ概算要求をおこない、原案どおり8月までに決定しようとしています。
区長は施政方針で「安全・安心をすべての施策の基盤として堅持し、区民の生命と財産を守り、誰もが安心して暮らせる港区を実現していく」と述べています。この立場から (1)飛行経路案の下に居住する住民や、保育・教育・医療・介護などの施設に対し計画案を知らせる措置をとるよう国に求めること。 (2)説明会を細かく開催すること。説明会はオープンハウス型でなく責任者が応答する教室型の説明会にするよう求めること。 (3)区民の安全安心を確保するため、区として飛行経路案の撤回を国に求めることを要求します。
また、説明会が開催されない、あるいは1度か2度の開催で理解が得られたなどと、住民・区民の合意が得られないまま新航路を決定することがないよう国に強く要望してもらいたい。 (16 2定 いのくま議員)