日本共産党 港区議団
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日本共産党港区議員団の一般質問


質問者 沖島 えみ子 議員




1. 原発推進から撤退への転換を求めることについて

 最初に、原発推進から撤退への転換を求める質問です。
 福島原発事故は原発の危険性について世界の人々の前に事実を持って明らかにしました。
第一に、現在の原発技術は本質的に未完成で危険なものであるということです。
原子炉で核エネルギーを取り出す過程で生み出される莫大な放射性物質を、内部に完全に閉じ込めておく技術がないこと。また100万キロワットの原子力発電一基を一日運転するたびに広島型原発3発分の放射性物質(死の灰)を生み出しますが、廃棄物の処理方法が決まってなく、莫大な量の使用済み核燃料が発電所内に蓄積されていることが明らかになりました。使用済み核燃料の中には放射能が極めて強く、半減期が万年単位と長いものも含まれています。ひとたび大量の放射性物質が外部に放出されれば抑える手段がなく、地域社会全体の存続そのものを危うくする危険があることを示しました。
第二に、危険な原発を世界有数の地震、津波国である日本で集中して建設することは危険きわまりないものです。「安全な土地」は存在しないのです。
第三に、歴代政府が「日本の原発では重大な事故はおこらない」とする「安全神話」にしがみつき、繰り返しの警告をも無視して安全対策を取らなかったことが深刻な被害を生んでいるのです。「安全神話」のもとでは政府の審査体制も形だけであり、災害対策もなく避難計画すらありません。事故が起きたらどうなるのかの想定もなければ、対応する備えも専任の専門家もいない国など日本以外にありません。
こうした危険性を踏まえるならば原発推進から撤退への転換を図るべきです。
福島原発事故を受けて、ドイツ政府は2022年までに原発17基の全廃を柱とする原発撤退法案を決定しました。
 日本ほど水力、風力、地熱など多様な再生可能エネルギーを持っている国はありません。環境省が試算した「再生可能エネルギーの導入可能量」は、日本全国の発電総量の2倍を超えます。
 現在、国内の原発54基中稼働しているのは17基です。総発電量のうち原発分は10%にすぎません。 
国に対し原発推進から撤退への転換をめざし次のことを求めること。
①政府が原発からの撤退を決断するとともに、原発をゼロにする期限を決めたプログラムを作ること。
②原発ゼロにいたる期間に、原発事故の危険を最小限にするため、可能な限りのあらゆる安全対策を取ること。
 ③ 原発推進機関から完全に分離・独立した原子力の規制機関を緊急に確立すること。
答弁を求めます

【区長答弁】
 ただいまの共産党議員団の沖島えみ子議員のご質問に順次お答えいたします。
 最初に、原子力発電についてのお尋ねです。
 まず、原子力発電からの撤退を国に求めることについてです。
 わが国のエネルギー政策につきましては、原子力発電も含め、国の責任において取り組むべきものと考えております。
 本年6月港区も加盟しております全国市長会を通じて、将来にわたるエネルギー政策の有り方について、国民的議論を尽くした上で必要な措置を講ずるよう要請を致しました。また、港区といたしましては、引き続き自然エネルギーの普及促進について取り組んでまいります。
次に、原子力発電から撤退するまでの間に十分な安全対策を講じることを国に求めることについてのお尋ねです。
 原子力発電所の安全対策等については、本年6月に、全国市長会を通じて、既に国に要請いたしました。
 次に、原発推進機関から分離・独立した原子力規制機関の確立を国に求めることについてのお尋ねです。
 本年6月、国は国際原子力機関(IAEA)に対し、今後、原子力安全・保安院を経済産業省から独立させ、原子力安全委員会も含めて原子力安全規制行政等の見直しの検討に着手すると表明しております。
 こうしたことから、区といたしましては、国に対して原発推進機関から独立した原子力規制機関の確立を求めることは考えておりませんが、独立した安全規制機関の確立には区として大きな関心を持っており、今後も、国の動向等を注視してまいります。


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2. 保育園の待機児解消について

 次は、区民の暮らしを守るための質問です。
 最初は、保育園の待機児解消についてです。
 保育園の増設は子育て支援の一番の要求です。私達はこれまでも待機児解消については毎回取り上げてきました。私たちの提案で暫定保育室の増設や私立の認可園の増設など実現していますが、待機児は解消していません。この4月、公立保育園の申し込みをし、保育園に入園できなかった方は893名で、昨年の待機児童率は23区中ワーストワンでした。今回の選挙でも待機児解消を掲げて当選した議員が多数います。私たちは一日も早い解消にこれからも全力で取り組む決意です。
 待機児解消は区長の公約でもあります。しかしこれまでの質問でも、いつまでに解消するのか時期を明確にするよう求めても明確な答弁が得られていません。 
あらためて、いつまでに待機児を解消するのか、明確な答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、保育園の待機児童解消の時期についてのお尋ねです。
 区はこれまで、待機児童解消に向け、区立認可保育園の整備や改築、・緊急暫定保育施設の整備や定員の見直し、東京都の認証保育所の誘致、さらに私立認可保育所の誘致など様々な手法により定員拡大を図ってまいりました。4月1日現在の待機児童は、265名で前年同月より9名の減少、また、5月1日現在では前年同月より47名減少し、202名となりましたが、未だ待機児童解消に至っていません。
 本年度さらに、大規模な緊急暫定施設桂坂保育室、東町小学校や港南一丁目の私立認可保育所の開設などにより、608名の定員を拡大し待機児童解消を図ってまいります。
 待機児童解消については、出生、転入や共働き世帯の増加など、様々な要因により変化しており、その予測は困難な状況もありますが、今後とも、待機児童の解消に向け定員の拡大を図ってまいります。


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3. 特養ホームの待機者をなくすことについて

 2つ目は、特養ホームの待機者をなくす問題です。
 特養ホームの待機者は407名、何年待っても入れない。在宅での介護は、先に自分が倒れてしまうのではという不安の中で、介護を続けておられる方が多数です。区長はありすの杜が開設したら、待機者は大幅に減少するといっていましたが、ありすの杜が開設しても待機者は減っていません。
 私達が6月9日に行った緊急要望でも、区長は、「本年度改訂する地域保健福祉計画の中で幅広く検討する」という回答で、区民の願いに応えるものではありません。特養の建設は計画から開設まで最短でも3~4年はかかります。私達が行ったアンケート調査でも介護サービスについての問いに一番多かったのが特養ホームの建設です。
 一日も早く区民の希望に応えるよう、具体的な建設計画を作成し、建設に着手すべきです。その際、多床室を含めた計画とすべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、特養ホームの待機者をなくす問題についてのお尋ねです。
 区では現在、特別養護老人ホーム8施設、711床を整備しております。
 特別養護老人ホームの建設計画につきましては、入所申込者の調査分析の結果等を踏まえ、今後の要介護認定者数の推移を見定めながら、多床室の整備も含め、在宅介護施策や小規模多機能施設、サービス付き高齢者向け住宅など、高齢者の多様な住まいについて、地域保健福祉計画の改定の中で幅広く検討してまいります。


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4. 75歳以上の医療費の無料化について

 3つ目は75歳以上の医療費の無料化です。
 国は増え続ける医療費の削減のために、社会保障の改悪を進めてきました。その結果、お金が心配で我慢をし、医療にかかる時期を遅らせている方が多いのも実態です。医療費の削減にとって、早期発見、早期治療が有効であることはすでに明らかです。区長は「負担と給付の関係からも慎重に対応すべきで、区として助成はしない」と回答(6月9日要望書)しています。
 しかしすでに日ノ出町など、独自に無料化を実施している自治体があり効果を上げています。高齢になれば医療を必要とする方が増えるのは当然です。
 安心して医療にかかり重症化を防ぐためにも、区独自の支援を行うべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、75歳以上の医療費の無料化についてのお尋ねです。
 少子高齢社会が進行するなかで、世代間の負担の公平性を図るためにも、医療費の本人負担を無料にすることには、慎重に対応すべきと考えており、75歳以上の医療費につきましては、無料化することは考えておりません。


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5. 介護保険について

 次は介護保険についての質問です。
 2012年度実施の介護保険法改正案では、介護給付費の削減のために、介護保険給付の対象となっている要支援者を外す方向で審議されています。前回(2006年)の改正でも要支援者を対象に新予防給付を創設し、要支援1・2が作られました。要支援1・2の方の費用負担もサービス利用実績に関係なく月単位にし、要支援者のサービス利用を大幅に削減しました。そして今回は介護保険の対象外にするという本当にひどい内容です。
 具体的には市町村が実施している地域支援事業の中に「介護予防・日常生活支援総合事業」を新設し、対象にするかどうかも市町村の判断とする考えです。
 港区の2011年3月末の要介護認定者は7,022名、うち要支援1・2の1,784名が影響を受けることになります。区長も、2011年度予算特別委員会での我が党の質問に「利用者本位の介護保険制度の実現のために必要に応じ国に要望する」と答弁しています。
 介護保険制度は見直すたびに改悪され、介護を社会全体で支えるという当初の理念と切り離され、老老介護の改善や特養の待機者解消、介護職員の処遇改善や人員不足といった問題の改善につながっていません。今回の改悪が実施されると軽度者の切り捨てが進むことになります。
 保険者として、国に対し改悪を許さないために意見をあげるべきです。
 議会としても意見書をあげるべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、介護保険制度の改正に向けて国に意見をあげることについてのお尋ねです。
 次期介護保険制度の改正に向け、軽度者へのサービスを保険給付対象から外す等の変更を行わないよう、本年1月に国に要望いたしました。
 今後、国の動向を注視しつつ、保険者として国に要望してまいります。


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6. 精神障害者にも心身障害者福祉手当を支給することについて

 最後に、精神障害者にも心身障害者福祉手当の支給について質問します。
 この手当は、①身体障害者 ②知的障害者 ③特殊疾病者 ④その他各号に準ずる者に支給されています。
 精神障害者だけを除外し、なんと言い訳しても差別しているとしか言えません。
 障害者基本法は、障害者を「身体障害、知的障害、精神障害のある方」と定めています。そして、第3条第3項では「何人も、障害者に対し、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない」と定めています。
 区は精神障害者への施策が遅れているから、遅れている施策に力を入れていく。精神障害者の方もそれを望んでいるから、だから「手当」は検討課題だと、言い訳にならない答弁を繰り返し続けています。施策が遅れてきて責任を感じるなら、謝罪した上で、手当も遡及する、これが当然やるべきことなのです。
 先日各会派に届けられた「港区保健福祉基礎調査」(2011年3月)の精神障害者の調査結果を見ると、「家族全体の年収は」の問いに、「300万円以下」が今回は51.6%で、調査毎に収入が下がっています。
「生活の中で困っていることは何ですか」との問いに、「生活費など経済的なこと」と答えた人が、今回58.9%、2007年(平成19年)は42.9%、2001年(平成13年)は33.9%と、「経済的に困っている人」が急激に増えています。「手当の支給を」と口には出しませんが、大変な生活を強いられていることが明らかになりました。
 精神障害者をこれ以上差別することをやめ、大至急条例改正すべきです。それまでの間、「心身障害者福祉手当」を支給するよう要綱で対応すべきです。
 答弁を求めます。

【区長答弁】
 最後に、精神障害者への心身障害者福祉手当の支給についてのお尋ねです。
 区では現在、精神障害者が地域の中で自立した生活ができるよう、地域生活支援センター「あいはーと・みなと」の機能の充実など、精神障害者が安心して暮らせるような施策を推進しております。
 精神障害者を心身障害者福祉手当の支給対象とすることにつきましては、今後の検討課題と考えております。


《再質問》
精神障害者への心身障害者福祉手当の支給について

《質問要旨》
精神障害者へ心身障害者福祉手当をすぐに支給すべきである

《答弁要旨》
 引き続き精神障害者の方の実態を把握し、施策の充実に努めていく。


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