日本共産党港区議員団を代表して、総括質問を行います。
1. 「原発ゼロ」の決断について
最初の質問は、区民の生命と健康を守るため、「原発ゼロ」の決断についてです。
代表質問で国に「原発ゼロ」の決断を要求するよう提案をいたしました。区長は「エネルギー問題は国の責任なので意見をいうことは考えていない」との無責任な答弁でした。
福島原発の事故は、国に任せっぱなしにしてきた結果ではないでしょうか。
1年半経つというのに、依然として福島県民16万人が県内外に避難を余儀なくされているという、深刻な事態です。
野田政権の関係閣僚がまとめた「エネルギー・環境戦略」は、国民の声に押されて、「原発ゼロ」を口にしましたが、その実現を先送りし、原発に固執するものとなりました。「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」という一方で、「再処理」をすすめて新たな核燃料をつくり、中断している原発の建設を再開するという、まったく矛盾した姿勢です。しかも、野田政権は、財界、米国からの圧力を受けて、この「戦略」を閣議決定することすら見送りました。
そもそも政府自身が戦略策定に向けて行った世論調査で「再稼働反対、即時ゼロとの意見が8割を占めている」(パブリィックコメント)という結果となりました。ところが国民の声は無視し、国民の命より、財界、米国の利益優先なのです。
福島原発の事故は、原発と人間社会は共存できないことを明らかにしました。また、使用済み核燃料(核のゴミ)を安全に処理する技術はありません。各原発が再稼働すれば、プールは数年で満杯になり行き場はありません。
これからの日本の明日を考えたとき、「原発ゼロ」以外に選択肢はありません。
福島原発の事故をうけて、原発についての区長の認識をお伺いします。
【区長答弁】
国は、先月の19日に、今後のエネルギー・環境政策について、内閣官房国家戦略室に設置された、エネルギー・環境会議で策定した、「革新的エネルギー・環境戦略」を踏まえて、関係自治体や国際社会等と責任ある議論を行い、国民の理解を得つつ、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行するとの閣議決定をしました。
我が国のエネルギー政策は、国民的議論を踏まえ、原子力発電を含め、国の責任において取り組むべきものであると考えております。引き続き、この閣議決定に基づく国の動向を注視してまいります。
《再質問》
原発ゼロについて
《質問要旨》
国民の多くが反対を表明し、毎週金曜日の運動も広がっている中、港区の子どもたちや区民の安全に関わる問題でもあるので、区のトップとしての区長の考えをお聞きする。
《区長答弁要旨》
広く我が国のエネルギー政策に関わる問題であることから、引き続き国民的議論を踏まえて国の責任においで取り組むべきものであると考える。
2. 宝くじ基金の五輪招致への拠出について
東京都市区町村振興協会(理事長:西川太一郎荒川区長)が、市町村振興宝くじ(サマージャンボ)の配分金から約10億円を2020年の五輪招致事業などに拠出を決めたことに、都民から「無駄遣いだ」と批判があがっています。
都区市町村振興協会は8月、東京都区市町村の意向を受け、五輪招致機運醸成事業などの名目で特別区長会(西川太一郎会長)に5億円、都市長会に3億3000万円、都町村会に1億6500万円を助成することを決定しました。23区に各1000万円、26市13町村に各500万円を補助します。今回の補正予算の1000万円がこれです。残額分は区長会が2億7,000万円を五輪招致委員会に助成し、市長会と町村会はそれぞれ2億円、1億円をスポーツ祭東京2013(東京国体)実行委員会に助成し、バスの車体広告など五輪招致PRとあわせて委託する予定です。
区長会事務局は、都が招致予算を大幅削減したことについて協議され、振興協会に助成を申請したと説明しているとのことです。
都区市町村振興協会は「都民福祉の増進」を目的に、宝くじ収入を区市町村の貴重な財源として活用しており、五輪招致への支出が都民の理解を得られるのか、大きな問題があります。
宝くじの収益の使い途は地方財政法に規定され、公共事業をはじめ高齢者・少子化対応、芸術・文化の振興、災害対策、地域経済の活性化、環境保全などに活用されています。
都は湯水のように税金を使った2016年招致の批判を受け、今回の招致委員会分の活動費はすべて民間資金でまかなうと説明してきました。民間資金が集まらず6億9000万円の赤字を出した16年招致で17社あった協賛企業は、今回はまだ5社だけ。国民に呼びかけたインターネット募金もわずか23万円余(9月26日現在)と不人気です。だからといって市区町村の財源である宝くじ基金をというのは筋が通りません。いま都民は大変な生活を強いられています。また、住民の生命を守るための震災対策は待ったなしです。そこにこそお金を使うべきです。
任意団体にすぎない区長会が、宝くじ基金から5億円を五輪招致事業に拠出、流用するのは、地方財政法上も大問題です。区長の認識を伺います。
【区長答弁】
2020年オリンピック・パラリンピックの東京への招致につきましては、平成23年11月に、特別区長会として市長会等と連名で東京招致を求める旨の決議を行いました。スポーツを通じて国際理解を含め、国際平和に貢献するとともに、障害者を含むすべての人々が結びつき、互いに支えあう社会を実現する世界最大の祭典である、オリンピック・パラリンピック競技大会の2020年東京招致に向け、区として、地域と連携し、東京都が推進する招致活動を全面的に支援・協力するものです。
助成金は、特別区が2020年オリンピック・パラリンピック東京招致に向けた活動に取り組むことにより招致気運の醸成を図るため、活用されるものです。
3. 公契約条例について
総務費で、課長は「公共工事や公共サービスにおける品質確保は、区民サービスの向上、区民の安全安心の確保の観点から重要なことと認識している」と
述べ、さらに「区が発注する契約において、労働者の労働条件が守られていることは重要であると考えている」と述べています。
公契約条例の目的は、労働条件の確保と品質の向上です。
野田市で条例を制定後、全国でも渋谷区を含め、条例制定は6市区に広がり、
あらたに神奈川県が、「年度内に方向性を見定めていきたい」と実施の動きを見せています。
港区でも、先進自治体の例にならい、公契約条例の制定に踏みきるべきです。答弁を求めます。
【区長答弁】
区が発注する契約において、品質の確保は区民サービスの向上につながり、重要なことと認識しており、現在、入札・契約制度全般について、様々な角度から検討を進めているところです。
公契約条例につきましては、今後も、条例を制定した自治体や制定を検討中の自治体の取組みについて、情報収集するなど引き続き研究をしてまいります。
《再質問》
公契約条例・指定管理者制度について
《質問要旨》
区の仕事をする方の労働条件を確保していくという視点で、公契約条例については早急に実施をする方向で取り組むべき。
《区長答弁要旨》
区が発注する事業について、従事する労働者の皆さんの労働条件を適正なものとすることは大変重要なことである。契約にあたっても、諸法規を遵守するよう指導している。
公契約条例については、引き続き他団体の状況を調査する中で検討していく。
4. 指定管理者制度について
指定管理が導入されている施設は、現在97施設です。
指定管理制度の問題では、これまでもたびたび指摘してきました。その中でも雇用の不安定は大きな問題です。たとえばリーブラでは、職員18名中、正規職員は4名、他の14名は正規外職員で、契約期間は6ヶ月。エコプラザの指定管理業者も、正規社員は一人だけで他の9名は正規外職員です。正規外職員の方は短期の契約が繰り返され、場合によっては雇用期間を一方的に短くした雇用期間を提案されるなど、不安定な雇用を繰り返しています。
監査からも、人件費等の問題点については「協定書に定められた。職員を確保せず、その分の人件費や社会保険料が指定管理者の利益になっている事例や契約落差金の執行残による剰余金も見受けられた」(2012年3月19日公報)、障害児対応職員のための人件費を次年度に繰り越すやり方が繰り返され、収支差額の累計が多額になっている。(2012年8月3日公報)等、たびたび指摘されています。
区は総務費の質疑で「雇い主である指定管理者との合意の元で就業している。」とまったく設置者としての責任を放棄した答弁でした。
雇用を守るためにも、区民サービスを継続的、安定して提供するためにも、不安定雇用につながる指定管理は止めるべきです。答弁を求めます。
【区長答弁】
区は、平成18年度に指定管理者制度導入して以来、数次にわたり運用に関する改善を実施してまいりましたが、財政援助団体等監査結果などを踏まえ、制度運用における公平性・公正性・透明性の確保など、一層の改善を行う必要があると考えております。
こうしたことから、本年4月に指定管理者制度の専管組織を設置するとともに、より一層の運用改善を行うため、副区長の下に検討組織を設置し、制度全般について改めて点検・検証を行い、必要な改善に取り組んでおります。今後も指定管理者制度を活用しながら、区の責任のもと、安全で安心できる施設の運営と区民・利用者サービスの維持、向上に努めてまいります。
5. 委託調査の成果品の議会への送付について
今決算に提出された「2011(平成24)年度調査委託一覧について」は54あり、約3億円です。その内議会に送付されたのは36だけです。成果品については必ず議会に送付することになっています。ところが最近曖昧になっています。
成果品は必ず議会に送付すること。また、今回わが党の要求で提出された「委託調査一覧」は、作成部数、議会送付の有無、成果品の所在を加え、「決算参考資料」に加えること。
それぞれ答弁を求めます。
【区長答弁】
調査委託の成果品につきましては、議会図書室へ送付することを原則としております。
今後も引き続き、職員へ周知徹底してまいります。
また、決算特別委員会からの要求に基づき、庁内各課における調査委託を取りまとめた一覧を資料として提出しておりますが、今後は、決算関係参考資料として提出をいたします。
6. 要綱改正と議会への報告について
要綱が改正されても議会に報告されません。そのため、事業概要の冊子の内容と要綱集が違っていても、それに気づかなければ間違ったまま理解をし、議会でも質疑をすることになります。
区民、行政、区議会議員が区の事業を正確に捉えるためにも、要綱の制定、改正、廃止については、その都度議会に報告をすべきです。答弁を求めます。
【区長答弁】
要綱につきましては、毎年度4月1日現在で、制定、改正及び廃止した内容の港区要綱集をその年の9月に発行しております。
また、港区ホームページでは、年2回データを更新し、デジタル版の要綱集を公開しております。
しかしながら、更新のタイミングによっては、改正された要綱が反映されない場合もありますので、今後とも最新の要綱が掲載されるよう努めてまいります。
なお、要綱の制定、改正等につきまして年間2 0 0件ほどあり、軽微な改正もあります。その都度ご報告することは考えておりませんが、各常任委員会で報告案件としている事業等については、要綱に基づき実施しているものも多く、今後も事業等に係る報告の中で、適切に対応してまいります。
7. 避難所となる学校に夜間・休日に人を配置することについて
度々、質問してきましたが「防災住民組織に事前にカギを預け、住民の方が開設する体制となっている」「迅速な避難所の開設は、近隣に住み、避難所となる施設を熟知している防災住民組織が中心となって主体的に行うことが、より実効性がある」と答弁していますが、しかし常に人が配置されていれば施設を最も熟知し、どんなときでも直ちに避難所を開設できます。早急に人の配置を行うべきです。答弁を求めます。
【教育長答弁】
現在、災害が発生した時の避難所の開設は、職員が避難所へ向かいその業務に当たるほか、避難所開設・運営訓練を終了した、防災住民組織に事前に鍵を預け、住民の方が開設する体制となっております。
迅速に避難所を開設し、運営に移るためには、近隣に住み、定期的に避難所の開設および運営訓練を積み重ねている防災住民組織が、共助の精神で主体的に行うことが、より実効性があるものと考えております。
教育委員会としましては、今後とも、各防災住民組織が学校と連携し、円滑な避難所運営ができるよう支援してまいります。
したがいまして、避難所となる学校に、夜間・休日に人を配置することは考えておりません。
8. 区施設の利用の改善について
区民ホールの利用をめぐって、会場変更に伴い、「使ってもいない会場費や付帯設備の使用料も返還しない」のは「おかしい」との苦情が区民から寄せられ、2009年度(平成21年度)の決算委員会(2010年9月29日)で、寄せられた苦情の具体的な内容を示し、区の対応は条例違反であることを指摘しました。スポーツ施設では使用料の当日払いが認められているため、還付の問題が生じません。使用料を事前に支払う施設については、「一律に還付しない」となっている運用を見直すよう提案しました。
現在、使用料の還付を含め、利用者の立場にたった施設の利用方法の改善の検討がすすめられています。
実施は来年7月の予定ですが、検討を急ぎ、前倒しすべきです。
また、それまでの間、やむを得ずキャンセルする事態になった場合、利用者の立場に立った柔軟な対応をすべきです。
それぞれ、答弁を求めます。
【区長答弁】
施設の予約の取消しに際し、既に支払われている使用料の取扱いについては、現在検討中でございます。これは、来年7月に予定している新たな施設予約システムの導入にまして、多くの施設で、常時、部屋の空き状況の確認や予約が可能となり、予約の取消しによる稼働率の低下を防ぐことができるなど、施設予約の仕組みが改善されることを受けての検討でございます。
実施時期につきましては、新施設予約システムの導入時期を踏まえまして、適切な時期を検討してまいります。
また、それまでの間の対応についてですが、使用料の還付は、全ての利用者に対する公平性・透明性の観点から、区として統一的な考え方に基づき対応する必要があると考えております。
多くの利用者に納得していただけるものとなるよう、課題の整理を十分に行うなど、引き続き検討を進めてまいります。
9. 認証保育所の保育料の助成について
認可保育園に入園できないために、やむなく認証保育所を利用している人は多数です。こうした待機児に対し、前年の所得課税額が21万円未満は4万円、21万円以上は2万円の補助金を支給しています。2011年度は4万円の助成は363人、2万円の助成は462名の方が受けています。
認可保育園の場合は所得に応じて、保育料は26区分に分けられており、合理性があります。認証保育所を利用せざるを得ない待機児への保育料の助成の区分を所得に応じて細分化すべきです。答弁を求めます。
【区長答弁】
認証保育所の保育料助成につきましては、前年度の所得に応じて、2万円または4万円としております。現行の助成額は、他区と比較して高水準にあるため、細分化につきましては現在のところ考えておりませんが、今後の待機児童の状況を見ながら、制度の見直しも含め検討してまいります。
10. 国民年金保険料の後納制度について
今年10月1日から、国民年金の未納期間がある人は、10年前にさかのぼって払えるようになります。
この制度を利用することで、年金見込額を増やすことができ、無年金の人や無年金になる可能性がある人は、年金の受給権が得られる場合があります。
後納分を支払った場合、25年に達する分を支払ったその日付で受給権が出来、翌月分から年金が支払われます。できるだけ早く納付した方が有利です。後納する保険料は、当時の保険料額に加算額がつき、年度が変わるとさらに加算額が増えるので、まとめてでもできるだけ早く払った方が有利になるので、多額のお金を用意しなければなりません。
期間は2015年度までの3年間です。
日本年金機構は、過去10年以内に未納がある1,700万人に、「後納制度」のお知らせを郵送していますが、全ての人が対象とはならないので、注意が必要です。
・区に相談窓口を設けること。
・「貸付制度」を設けること。それぞれ答弁を求めます。
【区長答弁】
対象者には、8月以降、順次、日本年金機構から事前お知らせが送付されております。 後納制度についての手続きは、政令により、日本年金機構が行うものと定められており、特別に相談窓口を設置する予定はありませんが、区民の方への制度についてのご案内は、国保年金課及び各総合民課の窓口でていねいに対応してまいります。
次に、貸付制度を設けることについてのお尋ねです。
今後、受給資格の期間短縮により、ほとんどの方が受給資格を得られると見込まれております。
保険料相当額の貸付については、支給される年金が返済に充てられてしまうなど、課題が多いことから、現在のところ考えておりません。
11. 古着(衣類)のリサイクルについて
集められた古着は、ほとんどが海外で再使用、再利用されます。
エコプラザでは月1回、回収が行われていますが、それ以外では総合支所ごとに1カ所、年1回行われているのみです。
総合支所ごとに1カ所、年1回では回収日に都合がつかない人、遠くてなかなか持って行けないなど、リサイクルの意義は感じても実行しづらくなってしまいます。
誰でもが参加しやすいように、古着の回収を、いきいきプラザなど常設の拠点回収をふやすべきです。
答弁を求めます。
【区長答弁】
古着の資源回収については、各地区総合支所の管内毎に年1回、港区立エコプラザにおいて毎月1回実施しており、平成23年度の回収量は合計で約26tとなっています。区民の皆さんが持ち寄られる古着の量が大変に多いことから、回収については、十分なスペースの確保が可能な会場で、日時を特定して実施しております。
乾電池や使用済み小型家電製品のように区有施設での回収を常時行うことは、保管場所の確保等の課題があり、困難と考えております。
しかしながら、古着の資源回収は、区民の皆さんからの要望が多いことから、今後もより身近な場所で利用できるよう、回収場所の拡大や実施回数の増加など、充実策を検討してまいります。
12. 住宅リフォーム助成制度について
住宅リフォーム助成制度の実施を求める質問は、今年の第1回定例会でもしました。
建物の耐震化、高齢者住宅のバリアフリー化、地球温暖化対策機器の設置などで助成しているので建築関係事業者の活性化に繋がると答弁されています。しかし、高齢者住宅のバリアフリー化であれば65歳以上などの制約があります。全国で広がっている住宅リフォーム制度は、誰でも住宅リフォームを地元事業者に発注すれば、費用の一定割合を助成することで、住民も地元事業者も喜び、地域経済の活性化になる仕組みです。早急に、住宅リフォーム助成制度を実施すべきです。答弁を求めます。
また地球温暖化対策機器助成については、消費電力が少なく寿命が長いLED照明の導入及び器具設置工事を加えるべきです。答弁を求めます。
【区長答弁】
全国的に住宅リフォーム制度を設けている自治体を見ますと、木造住宅の多い地域で主に活用されている実情がございます。
区といたしましては、現在、住宅リフォームの助成制度を創設することは考えておりませんが、安全・安心なまちの実現にむけての、耐震改修事業あるいは、バリアフリーのための改修の助成事業など、こうした事業を促進することで、一方で住宅関連産業の振興にもつながるものと考えております。
区では地球温暖化対策を推進するため、初期投資が多額で区民負担が大きい、太陽光発電システム等について、普及促進を目的に助成を行っております。
LED照明については、販売価格が下落していることなどにより、各家庭への導入が拡大しつつあることから、助成の対象に加えることは考えておりません。
《再質問》
住宅リフォーム制度の実施について
《質問要旨》
住宅リフォーム制度は、耐震改修や高齢者のバリアフリー改修などのような限定、制約のない中で、誰でも改修工事を地元の業者に発注することによって、区民の利便性向上と地域の活性化につながる制度なので実施するべき。
《区長答弁要旨》
住宅リフォーム制度に限った検討はしていないが、区が実施している事業を活用していただくことで住宅関連事業の発注にもつながるものと考えている。様々な観点から事業者の皆さんの事業の安定化のために努めていく。
13. 学校選択希望制の見直しについて
昨年の区民世論調査では、学校選択希望制を続けてほしくない理由として「学校を基盤とした地域づくりができない」「学校間の競争をあおり、学校規模に偏りが生じる」「災害時において地域との連携が図れない」などの意見が多く、学校を中心とした地域コミュニティづくりや、児童生徒の安全確保のためには制度に問題があります。
また、人口推計では、年少年齢の子どもたちは6年後まで増え続けます。
学区域だけで定員一杯になり、区域外から選択しても入れないという制度破綻も予想されます。
小学校の学校選択希望制は廃止すること。答弁を求めます。
悲しい現実も起きています。麻布区域の子どもが、隣接校の赤羽小学校に6年間通い、友達と一緒に三田中学校に行こうとしたら、三田中の学区域でないため抽選枠となり、外れたため、友達とは別の中学校に行かなければならなくなりました。隣接校の選択を認めているのであれば、こうした生徒はたとえ抽選になっても、抽選枠から外すべきです。
制度の矛盾、問題点が出ており中学校の選択制についても見直しが必要です。答弁を求めます。
【教育長答弁】
まず、小学校の学校選択希望制の廃止についてです。 港区の学校選択希望制は、学区域の学校へ入学することを原則に、受け入れ人数に余裕がある範囲で、学区域外からの受け入れを行う制度です。
学校選択制の実施に当たっては、制度の内容をご理解いただきながら、また、保護者アンケート等の結果を踏まえ、適切に実施してまいります。
次に、中学校の学校選択希望制の見直しについてのお尋ねです。
港区の学校選択希望制は、小・中学校のそれぞれの入学時において、学区域の学校へ入学することを原則に、受け入れ人数に余裕がある範囲で、学区域外からの受け入れを行う制度です。
今後とも、選択希望で入学した小学校から中学校に進学する際は、改めて選択希望をする必要があることを十分に周知してまいります。
《再質問》
学校選択希望制の見直しについて
・小学校の学校選択希望制の廃止について
・中学校の学校選択希望制の見直しについて
《質問要旨》
小学校においては、学区域内児童の増加により、定員を超える学校が増え、選択希望を受け入れられない状況になる。また中学校においては、選択希望により当該学区域外の小学校から、その小学校区域の中学校を選択希望しても、抽選に落ち、友達と同じ中学校へ行けない子どもがいる。小学校選択希望制の廃止、中学校選択希望制の見直しを求める。
《教育長答弁要旨》
質問にあった事例に関しては、気持ちとして理解する。 しかし、区の学校選択希望制は、学区域の学校へ入学することを原則に、受け入れ人数に余裕がある範囲で、学区域外からの受入を行う制度である。今後とも、選択希望で入学した小学校から中学校に進学する際は、改めて選択希望をする必要があることを充分に周知していく。
また、制度の見直しについては、必要に応じて随時、検討していく。
14. リーディングアドバイザリースタッフの充実について
学校図書館法は、学校図書館について「学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童又は生徒の健全な教養を養成することを目的」(学校図書館法第2条)とし、「学校教育において欠くことのできないもの」(同法第1条)と規定しています。
学校図書館法第4条1項は、学校図書館がやるべき内容を1号から5号まで定めています。このことをきちっとやるためには、司書の常駐が不可欠です。
私たちの長年の提案で、現在すべての小・中学校にリーディングアドバイザリースタッフが配置されています。
「来年度の予算要望」の中で、リーディングアドバイザリースタッフについては、小学校長会からは「常駐を」、中学校長会からは「5日間の配置に」、教職員組合からは「選任の図書館司書の配置、制度の拡充」を求める要望書がでています。
児童・生徒の教育の向上のため、リーディングアドバイザリースタッフの配置日数を増やすべきです。また、報酬を増額すべきです。
答弁を求めます。
【教育長答弁】
リーディングアドバイザリースタッフは、読み聞かせやブックトーク、学校図書館の季節に応じた飾り付けなど、児童・生徒の読書意欲を引き出す工夫を行っております。 有償ボランティアであるリーディングアドバイザリースタッフの配置条件等については、小学校校長会、中学校校長会の要望を踏まえ、検討課題としてまいります。
15. AED(自動体外式除細動器)を使った中学校での救命救急講習について
もし、突然目の前で人が倒れたら・・・。あなたはどうしますか。「心臓突然死で亡くなる人は年間6万人。いつ誰がどこで倒れてもおかしくありません。救急車が着くまでの間、そばにいた人が心臓マッサージやAEDを使い、心肺蘇生を試みると救命率は4倍にも増えます。
AEDは至るところに普及していますが、一方でAEDを正しく使えるか不安を抱える人は多く、使うことに躊躇するあまり、救えるはずの命が助からないケースもでています。
先日、NHKのTVで京都大学の教授が「3つのPUSH」を提唱し、AEDの「積極的活用を」について話していました。1つ目は呼吸がおかしいと思ったら胸をPUSHして、心臓マッサージを行うこと。2つ目はAEDのボタンをPUSHすること。AEDは初めての人でもわかりやすく手順を音声で説明し、電気ショックが必要かどうかも判断してくれるので、迷わず、一刻も早く行うことが重要です。3つ目は自分自身の気持ちをPUSHすること。自分から何かをする勇気が一番大切です。とのことです。
大阪ではNPO法人が、AEDの設置が広がっても、使える人が増えなければ、救命率の向上は期待できないことから、中学校などでの講習を重視しています。25.7センチ×55センチ、高さ約4センチの箱のふたをあければ心臓マッサージができる装置を使っての講習ですから、広い場所でなく、教室の机の上でもできる装置とのことです。
一般的な救命救急講習も大切ですが、中学校で講習ができれば、心肺蘇生、AEDを使える人が飛躍的に増えます。
大阪での取り組みを調査し、港区でも実施すべきです。
答弁を求めます。
【教育長答弁】
毎年、全ての区立中学校では、各消防署のご指導を得て、生徒を対象としたAEDを用いた救命体験活動を実施しております。
普通救命講習を実施している中学校では、救急救命の講義とAEDを含めた心肺蘇生法の実習を受講し、救命技能認定証を取得しております。
また、地域防災訓練で、生徒・保護者・地域の方々が連携して、AEDの操作方法の技能をさらに深めている学校もあります。
今後、AEDを使った心配蘇生法の体験が、より一層深められ、実際の場面で自信をもって実践できる力が身につくよう、関係諸機関との連携に努めてまいります。
16. 東京海洋大学のグランドの使用について
東京海洋大学との連携がすすむ中で、グランドの使用について、港区と中央区の子どもたちの利用に便宜を図ることになりました。しかし、ほとんど実績がありません。
スポーツふれあい文化健康財団主催の「小・中学生野球大会」が夏場に行われています。特に中学生は広いグランドが必要です。海洋大学のグランドは最適です。
この大会は毎年ほぼ日程が決まっていますから、海洋大学にお願いしやすいはずです。
来年の大会の会場としての利用を申し入れるべきです。
答弁を求めます。
【教育長答弁】
これまでも東京海洋大学とは、グランド等の地域開放に向けて協議を行ってまいりました。
協議の中で、東京海洋大学には、小学生以下のグランド等の利用について使用料を4分の1に減額するなど、着実に区民の利便性の向上に取り組んでいただきました。
今後も、小・中学生の大会の使用も含め、スポーツ施設の地域開放に向けて、東京海洋大学と引き協議を続けてまいります。
17. 都立芝公園運動施設の港区への移管について
この問題については多くの会派が提案しています。区民、在勤団体が利用できる区立の運動施設(グランド)は、麻布・青山グランドしかありません。港区は河川敷がないだけに広いグランドの確保は簡単ではありません。
芝公園は区内にある貴重なグランドです。一日も早い区への移管を実現させるべきです。
答弁を求めます。
【教育長答弁】
教育委員会では、これまで、都立芝公園運動場の区への移管を目指す取組みの一環として、区民利用枠の拡大に努めてまいりました。
野球場については、年間で1日3面9日間、テニスコートについては、年間で1日3面13日間を確保し、大会や地域スポーツ教室などのために、区民利用枠の拡大を図ってまいりました。
今後も、こうした実績を積み上げるとともに、都立芝公園運動場の区への移管が実現するよう、引き続き東京都に対し働きかけてまいります。