日本共産党 港区議団
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日本共産党港区議員団の代表質問と答弁


質問者 熊田 ちづ子 議員


 日本共産党港区議団を代表して質問します。
 日本共産党は先の都議会議員選挙で8議席から17議席に、参議院選挙では3議席から8議席へと大きく躍進することができました。
 暴走する安倍内閣の政治姿勢に対して、不安感や危機感を持つ国民が広がる中で自共対決を鮮明に打ち出したことが評価をいただけたと思います。
 日本共産党は、どんな問題でも抜本的対案を示すという立場をつらぬいてきました。
 多くの国民が政治の行き詰まりの打開の道を求めているもとで、大きな役割を果たすことができました。

 「消費税増税」「憲法問題」「原発問題」「TPP問題」「社会保障の改悪」など多くの問題で、政治的立場の違いを超えた「一点共闘」で国民のみなさんと共同して運動を広げ、国民の願いを1歩でも2歩でも前に動かすために、私たちも全力で取り組む決意を述べて質問に入ります。


1. 来年4月からの消費税増税中止を国に求めることについて

 安倍首相は、来年4月からの消費税増税を予定通り実施する意向を固めたと報道されています。しかし、参院選挙後の世論調査でも、増税を予定通り実施すべきという意見は2~3割しかなく、「中止すべきだ」や「先送りすべき」という意見が7~8割と圧倒的です。これまで増税を主張してきた大手新聞の中からも「見送るべき」「増税の環境にない」などの論調が出されています。
 9日に内閣府が4~6月期の国内総生産(GDP)改定値を発表し、年率換算で3,8%増と速報値から大幅上方修正しました。一方GDP全体の6割を占める個人消費は速報値の0,8%増から0,7%増へ下方修正されました。個人消費が低迷している背景には長期にわたる賃金の落ち込みがあります。1997年をピークに労働者の平均年収は70万円も減少しました。こうした中で物価だけが上がり始め、暮らしはますます大変になっています。区内の商店からは「アベノミクスでは売り上げは増えていない」「消費税増税になれば店をたたむしかない」との声が上がっています。
 さらに史上空前の大増税で所得を奪えば、区民の暮らしと営業を破壊するだけでなく、日本経済をも奈落の底に突き落とすことになることは明らかです。
 しかも、消費税増税しても財政はよくなりません。1997年に消費税を2%、約5兆円増税したさいにも、消費税以外の税収は「大不況」により大きく落ち込んだうえ、「景気対策」として法人税・所得税を減税したため、増税後3年目には11.4兆円も税収が減っています。
 安倍政権は「消費税増税で景気が悪化するのを防ぐため」として、5兆円規模の経済対策を合わせて実施するとしていますが、3%の増税分のうち約2%分を使うことになり、それでも景気の腰折れとなればさらに減収となり、今度も過去の失敗を繰り返し、財政をさらに悪化させることは明らかです。

 国民・区民の多数の声に応えて「4月からの消費税増税中止」を国に求めるべきです。
答弁を求めます。

【区長答弁】
 最初に来年4月からの消費税増税中止を国に求めることについてのお尋ねです。
 消費税率の引上げにつきましては、経済状況を好転させることを条件としており、これまでの経済指標を含め、総合的に勘案して判断することとされております。
 区といたしましては、消費税増税の実施を中止するよう、国に申し入れることは考えておりませんが、区民生活や区政に与える影響等の情報収集に努めるとともに、今後も国の動向を注視してまいります。


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2. 「原発ゼロ」の実現について

 原発は、ひとたび事故を起こせば、制御不能になることが、福島第1原発の事故で明らかとなりました。
 東日本大震災による東京電力福島原発の爆発事故から2年半経つのに、収束どころか、高濃度放射能汚染水(以下「汚染水」という)が漏れつづけ、海洋に流出し続けています。国も東電任せで、無責任きわまりない態度です。
 いま急がれるのは、政府の責任で内外の英知を結集し、汚染水の対策を行うことです。
 東電は8月31日、福島原発敷地内の汚染水を保管しているタンクから300トンが漏れた問題で、タンク群4カ所で高線量を確認したと発表しました。このうち2カ所についてはこれまでも高い線量が確認されていた場所ですが、さらに値が上昇し、最大毎時1800ミリシーベルトでした。この値は、4時間浴び続ければ死亡する線量に当たります。汚染水をめぐる状況は危機的状況です。
 この状況を放置したまま再稼働だ、原発の輸出だなどとんでもない話です。
 
 原発を稼働させることは、人類を破滅の道に導くことになります。地球環境を預かっているだけで、破壊してはならないのです。このまま未来を担う子どもたちに渡す責任があります。
 エネルギー政策は国の責任などと、はぐらかさず、区長の考えを明らかにすべきです。
 人類の未来のために、原発の再稼働反対、「原発ゼロ」を決断するよう、国に申し入れるべきです。
 答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、「原発ゼロ」の実現についてのお尋ねです。             
 国は、東日本大震災及び原発事故を受けて、国のエネルギュ政策の基本的な方向性を示すエネルギー基本計画を、国民の幅広い意見を踏まえ、年内をめどに見直す予定です。
 我が国のエネルギー政策は、国民的議論を踏まえ、国の責任において取り組むべきものであると考えております。
 そのため、区は、国に原子力発電所の再稼動をやめ、原発ゼロを決断するよう申し入れることは考えておりませんが、今後ともエネルギー消費量の抑制や、再生可能エネルギーの利用促進を積極的に推進してまいります。


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3. 関連して、東京電力(株)への放射能汚染対策費用の賠償請求について

 福島原発の爆発事故によって生じた対策に要したすべての費用は、東電の責任で全面賠償させるべきです。
 東電は、当初、食品検査だけに限定し、空間放射能線量測定や水質検査などは、対象から除外していましたが、各自治体などからの要求もあり空間放射能線量測定にかかった費用については追加請求を認めることになりました。(7/11)。加害者である東電が、被害者の請求を制限するなどとんでもないことです。
 原発事故がなければ、放射能対策などやらなくてすんだのです。
 福島原発の事故に伴う放射能関連施策に要した費用、すべてを対象にするのは当然です。

 いい加減な請求は、福島県民をはじめ、風評被害も含め、放射能の影響による賠償請求をすすめている人たちに、多大な影響を与えることになります。
 港区は、放射能線量測定器の購入や給食の食材検査、空間線量測定、砂場の検査等等、様々な対策を行っています。2011年度(平成23)は2,200万円、2012年度(平成24)は1,950万円と、2年間だけで4千万円もの税金が使われています。
 ところが、港区が請求したのは2011年度(23年度)分として、8,639,806円にしか過ぎません。
 東電の言いなりの請求ではなく、福島原発の爆発に伴う、放射能対策に要したすべての経費、人件費も含めて厳密に計算し、早急に追加の賠償金の請求を行うべきです。
 答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、東京電力株式会社への放射能汚染対策費用の賠償請求についてのお尋ねです。
 区は、平成24年12月及び平成25年2月の東京電力からの通知に基づき、平成23年度の学校給食等に係る検査費用及び避難者受入れに伴う家電等の購入経費について、昨年度末に賠償請求を行いました。
 その後、本年5月10日に特別区長会として、東京電力に対し、損賠賠償に関する申し入れを行った結果、新たに空間線量検査費用を対象に加えるとともに、学校給食等の検査費用についても賠償対象期間を平成24年度まで拡大するなど、具体的な回答がありました。            
 この、新たに追加された項目について、現在、賠償請求の準備を進めております。
 今後の賠償請求につきましては、国や東京都及び他団体の動向を注視し、適切に対応してまいります。 

《再質問1》
 東京電力株式会社への放射能汚染対策費用の賠償請求について
《質問要旨》
 自治体が要した費用を認めさせることは重要。港区としても積極的にかかった費用について賠償請求するべき
《区長答弁要旨》
 今後、賠償請求に対しては、国や都、他団体の動向、また、全体的な状況等を勘案しながら適切に対応する。


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4. 公契約条例について

 公共工事、公共サービスの品質確保と生活できる賃金への底上げを定める公契約条例が、千葉県野田市で2009年9月に制定以降、条例を制定する自治体が各地で広がりました。都内では多摩市、国分寺市、渋谷区で制定され、新たに足立区が、第3回定例会に条例提案を予定しています。
 条例制定した各自治体は、「公契約条例に係る業務に従事する労働者等の適正な労働条件の確保」、「事業の質の向上」、「区民が安心して暮らすことができる地域社会の実現」を基本としていますが、足立区ではさらに「地域経済の活性化に寄与する事業者を適正に評価し、区内業者の育成を図ること」を掲げ、地域経済を活性化したいと新たな視点に立っています。
 区長はこれまでの答弁で「区が発注する契約において適正な履行を確保するためにも、下請けを含め従事する労働者の労働条件が守られることが重要」といいながら、「労働条件は、本来、事業主と労働者との間で決められることが基本」と、現状を一歩も踏み出そうとはしません。
 区の発注する契約で、低入札価格でしわ寄せされ、低賃金に苦しむ下請業者や労働者を地方自治体がつくり出すことがないよう、早期に公契約条例を制定すべきです。
 答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、公契約条例についてのお尋ねです。
 区が発注する契約における適正な履行の確保のため、従事する労働者の労働条件が守られることが重要であるは認識しております。
 区は、請負事業者に対し、契約の都度、法令遵守と適正な下請契約の確保を指導しております。
 引き続き、条例を制定した自治体や制定を検討中の自治体の取組について、情報収集し検討してまいります。


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5. 熱中症対策について

 東京都観察医務院によると8月の熱中症による死亡者は23区内で64人。そのうち9割以上が60歳以上でした。多くの高齢者がエアコンがないかエアコンを使わず、なくなるという深刻な事態です。日本救急医学会「熱中症に関する委員会」はこの数年の実態調査を踏まえ「夏の災害とも呼べるほどの熱中症患者の大量発生の危険性がある」と警告を発しています。

 8月12日に高輪で起きた熱中症での死亡事故は、私たちに大きな衝撃を与えました。家族4人のうち2人が犠牲になり、しかもそのうちの一人は、死後1週間が経過していました。
 プライバシーに配慮しつつ地域のコミニティーをどう作り上げていくのか、行政として何をやらなければいけないのか、あらためて問題点が突きつけられました。
 今回の事故を受け、区としても、これ以上の犠牲者をださないために。
1.介護、医療の専門家や区民から熱中症対策、孤立死対策等の意見を聞く機会を設けること。
2.生活保護を受給していない所得の少ない世帯に、補助金を支出し、エアコン設置を促すこと。
3.ふれあい相談員の訪問対象を高齢者だけにとどめず、拡大すること。
4.訪問電話の体制を強化し、対象を拡大し、PRすること。週1回ではなく、回数をふやすこと。
 答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、熱中症対策についてのお尋ねです。
 まず、介護、医療の専門家や区民から熱中症対策、孤立死対策等の意見を聞く機会を設けるごとについてです。
 これまでも、区や区民などで構成する港区高齢者地域支援連絡協議会や港区保健所運営協議会などの会議体において、介護、医療の専門家や民生委員の皆さん、警察、消防などから、高齢者の安心な生活や介護等に関する多くの貴重なご意見をいただき、緊急時に必要な関係機関の連絡先一覧表の作成やクールスカーフの配布などの施策に生かしてまいりました。
 引き続き、こうした機会を積極的に活用し、熱中症対策、孤立死対策等について、専門家や区民の方からのご意見や助言をいただき、施策に反映させてまいります。

 次に、生活保護を受給していない所得の少ない世帯へのエアコン設置についてのお尋ねです。              
 生活保護を受給していない所得の少ない世帯の方が、エアコンを設置する際は、港区社会福祉協議会の生活福祉資金を利用することができます。区は、生活福祉資金の活用について周知に努めてまいります。

 次に、ふれあい相談員の訪問対象を高齢者以外に拡大することについてのお尋ねです。
 ふれあい相談員は、介護保険や区の高齢者サービスを受けていない、ひとり暮らし等の高齢者を、福祉の専門家が訪問し、相談を受け、生活実態に即した支援につなげることを目的としております。
 区は、平成23年6月にひとり暮らし高齢者を対象に事業を開始し、本年4月からは75歳以上の高齢者のみの世帯にも対象を拡大し、高齢者の見守りの充実を図ってまいりました。
 また、この夏は、ふれあい相談員と警察・消防が連携し、熱中症で倒れている高齢者を救出したケースもありました。
 今後も、区は、ふれあい相談員の活動について、見守り対象者への訪問のほか、緊急的、突発的な事態への迅速な対応も行うなど、さ
らなる充実を図ってまいります。
 ふれあい相談員は、増加する高齢者と区をつなぐ担い手として、引き続き高齢者を訪問対象に、見守りに努めてまいります。

 次に訪問電話の充実についてのお尋ねです。
 訪問電話は、あらかじめ登録された、ひとり暮らし等の高齢者世帯に対し、区の電話相談員が定期的に電話することによって、安否を確認するとともに各種の相談に応じる事業です。
 現在、2名の職員が、平成24年度には、登録された152人に対し、原則週1回の安否確認を行っており、必要に応じて回数を増やす対応をしております。
 訪問電話の周知については、広報みなど特集号や高齢者サービス案内冊子「いきいき」に掲載するほか、ふれあい相談員による訪問の際にもPRに努めてまいります。


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6. 生活保護制度について

 生活保護基準が今年の8月から大幅に削減されました。生活扶助費の削減では過去最大の削減額です。生保受給者の就労を奨励しながら、収入年額の1割を支給していた特別控除は全廃。年末に支給していた期末一時扶助も家族の多い世帯ほど大幅に削減されました。子どもの多い世帯など直撃です。生活用品が値上がりする中、生保受給者は、これ以上どこを削ればいいのかと深刻です。7,000円削減された母子家庭の方は、私たちの1週間分の食費です。「辛いです」と話しています。全国で不服審査請求が広がっているのは当然です。生存権を脅かす今回の削減についての区長の認識について答弁を求めます。

 国が3年間かけて実施している生活保護基準の削減を止めるよう国に申しいれるべきです。答弁を求めます。

 生活保護費とは別に、港区が独自で支給している法外援護があります。夏季・冬季の見舞金や入浴券(60枚)の支給です。区ができることとして。入浴券の増や収入認定の範囲内で夏季・冬季の見舞金の増額など、法外援護制度の充実を図るべきです。答弁を求めます。


 生活保護受給世帯へのエアコン設置についてです。
 我が党の田村議員の質問で、エアコン設置のために社会福祉協議会から生活福祉資金を借りても、収入認定されないように改善されました。貸付け制度を受けられる方は、年金や就労収入のある世帯だけで、収入のない世帯は受けることができません。今年のような猛暑ではエアコンは必需品です。港区の生保の受給世帯でエアコンの未設置世帯は2011年度調査で112世帯にも上ります。熱中症による事故を防ぐためにも、
1. 年金や就労収入がある世帯については、改めて生活福祉資金貸付け制度の周知を図ること。
2. 他の収入のない世帯については、東京都が2011年度に実施したエアコン設置の助成を実施するよう求めること。
3. 厚労省にたいして、家具什器費を増やしてエアコンの費用に充てられるよう改善を求めるべきです。答弁を求めます。

 生活保護受給者は、受診をする際は、事前に医療券を発行してもらいます。急な場合などは、電話で連絡し、区から医療機関に電話で連絡してもらい受診しています。しかし区役所が開いていない、夜間や土・日・祭日など、急病で受診の必要がある場合、被保護者の証明ができないため、医療機関からは全額支払いを求められ、それができなければ受診できません。
 Aさんは、窓口で説明してもわかってもらえず、全額負担などとてもできないために、受診をあきらめざるを得ませんでした、病院からの帰り道、悲しくて泣きながら帰宅したと言います。
 休日や夜間など、役所の閉庁時の医療を安心して受けられるように、受給証明書の発行など、改善を図るべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、生活保護制度についてのお尋ねです。
 まず、生活保護基準の削減に対する認識についてです。          
 今回の生活保護基準の見直しは、国の社会保障審議会の生活保護基準部会において、一般低所得世帯の消費生活水準等との均衡に留意し、検討された結果を踏まえ、国がその責任において、決定したものです。

 次に、生活保護基準削減の中止を国に申し入れることについてのお尋ねです。
 今回の生活保護基準の見直しでは、その影響を一定程度に抑える観点から、生活扶助基準額を3年間かけて段階的に引下げるなどの激変緩和措置が講じられています。
 区として、生活保護基準の削減を止めるよう、国に対して、申し入れをすることは考えておりませんが、区では、生活保護基準の見直しに伴う他制度への影響について方針を定め、できる限りその影響が及ばないよう対応しております。 

 次に、法外援護についてのお尋ねです。
 今回の生活保護基準の見直しは、生活保護世帯と一般低所得世帯の消費水準の均衡を図るとともに、前回の保護基準の見直し以降の物価動向を反映したもので、国において、現在の最低生活水準として決定されたものです。      
 港区独自で実施している、生活保護世帯の自立更正を支援する法外援護については、変更することは考えておりません。

 次に、生活保護受給世帯へのエアコン設置についてのお尋ねです。
 これまでもエアコンの設置を必要としている年金や就労収入のある生活保護受給世帯に対しては、エアコン設置のため港区社会福祉協議会の生活福祉資金が利用できる場合のあることを案内してまいりました。今後も引き続き、チラシの配布や家庭訪問の機会を活用して周知してまいります。
 また、平成23年度に東京都が実施をいたした、収入がないため、生活福祉資金を利用することができない生活保護受給世帯に対するエアコン設置費用の助成につきましては、今後、東京都に対し、再度実施するよう働きかけてまいります。
 家具什器費を増やし、エアコンの設置費用に充てられるようにすることにつきましては、東京都を通じ、国に対して、改善を求めてまいります。

 次に、閉庁時における医療機関の受診についてのお尋ねです。
 あらかじめ医療券に代わるものとして受給証明書を発行しておくことは、受診に必要な情報が記載されていないため困難ですが、医療券を国民健康保険などと同様の「保険証」形式の「医療証」に変更するよう、引き続き東京都を通じて、国に要望してまいります。
 これまでも、生活保護受給者が休日や夜間の急病時に、医療券を持たずに医療機関に来院した際には、まず診察をしていただき、後日、区は医療機関からの連絡を受け、医療券を発行するなどの対応を行っております。今後も受給者が、休日や夜間にも安心して、医療を受けられるよう各医療機関には、協力をお願いしてまいります

《再質問2》
 生活保護制度について
《質問要旨》
 生活扶助費削減について、区長自身の認識を
《区長答弁要旨》  
 生活保護は、国民生活のナショナルミニマムであり、国がその責任に基づき定めるものと考える。今回の基準の検討は、一般低所得世帯との均衡が適切に図られているかを定期的に見極めるため、5年に1度の検証結果に基づき改定されたものと認識している。


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7. 公的保育を中心に待機児問題の解消を行うことについて

 港区は増え続ける待機児にたいし、認可保育園を誘致し、開設の前倒しなどに取り組んでいます。
 しかし誘致される保育園は認可保育園でも株式会社立や、ビルのフロワーを利用した保育園がほとんどです。当然園庭もなく、定員いっぱいになったら、子供達が思い切り体を動かして遊べないなど、保育にも影響が出ます。近くの公園などを利用するとしても今年の夏のような猛暑ではなかなか外に連れ出すことも困難になるのではないでしょうか。
 株式会社の目的は利益を生み出して株式配当することです。保育園で利益を上げようとすれば、人件費を削ることになります。
 民間の調査では民間保育士の平均年齢は30歳で、平均給与は22万円。港区の保育士の平均年齢は38.3歳で給与は(期末手当など除く)369,745円です。給与月額を比較しても平均年齢の違いはありますが、民間保育士の給与がいかに低く抑えられているかは明らかです。

 待機児童解消の基本は、区立認可保育園をきちんと整備して、子ども達の育ちを保障すべきです。答弁を求めます。

 民間企業の保育所参入を積極的に取り入れた横浜市の例を見ても、政府の外郭団体「独立行政法人福祉医療機構」の2009年度の調査では、保育所運営費に占める人件費の割合は、平均で71、7%に対して、横浜市の民間企業が運営する保育園2園の人件費の割合は44%と人件費の占める割合がいかに低いかが明らかになっています。
 成長著しい子供達にふさわしい保育を提供するためには、専門的知識と経験豊かな保育士がいることが最低条件です。そのためにも保育労働者の賃金をきちんと保障することです。
 私立認可園の運営経費については、私立保育園委託費(国1/2、都1/4、区1/4)、区の単独補助、私立保育園事業収入でまかなわれています。現状では、私立認可保育園の指導機関は東京都の役割と言うことで、区には決算報告すらありません。保育運営費は公的支金です。保育園を運営する設置主体を問わず運営費については、透明性が求められることは当然です。

 保育運営費が株式配当や本部経費等に使われていないか。補助金支出する区として、きちんとチェックする基準とチェック体制を確立させるべきです。答弁を求めます。

 民間保育園、緊急暫定施設や区立保育園の指定管理の事業者について、昨年1年間の(24年4月~25年4月)の職員離職率と保育士の経験年数について調査をして頂きました。調査した16施設中、常勤者で1年間10人以上が退職した企業は3施設あります。保育士の通算経験年数は、一番低くい園で2.5年、平均年数が5年以下という園が16園中、7園もあります。
 こうした状況を放置すべきではありません。保育の質を確保するためにも、安定した職員の確保、経験豊かな職員の確保は重要です。離職の理由などもきちんと調査し、民間職員の処遇改善に区が責任をもつべきです。運営事業者に対しても職員の定着と、処遇改善についてきちんと指導すべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、公的保育を中心に待機児童解消を行うことについてのお尋ねです。
 まず、区立認可保育園の整備についてです。                
 区は、本年9月の伊皿子坂保育園の開設をはじめ、平成26年度に、芝公園、本村、西麻布、麻布保育園の4園の改築により、区立認可保育園で合計194名の定員拡大を図ります。       
 また、平成26年4月に向けて、13園の私立認可保育園の誘致により、合計762名の定員拡大を図ります。   
 さらに、平成27年度には、田町駅東口北地区に定員200名規模の区立認可保育園を新設し、定員拡大を図ります。
 今後とも、待機児童解消策として、区立認可保育園の整備、私立認可保育園の誘致や緊急暫定保育施設の整備、みなと保育サポートの充実などの様々な手法により、保育定員の拡大を図り、待機児童解消に向けて取り組んでまいります。

 次に、私立認可保育園に対する運営費のチェック体制の確立についてのお尋ねです。
 私立認可保育園の運営費は、主に区独自の補助金と国、東京都、区の負担による委託費により賄われております。
 区の補助金につきましては、毎年、私立認可保育園に対し、事業の実績報告の提出を求め、清算を行っております。
 また、区としては、委託費を支出する立場で、東京都が行う指導検査に必ず立ち会っており、引き続き適切な経理が行われるよう、努めてまいります。
 今後とも、保育の実施状況を確認し、必要な助言を行うことにより、施設の適正な運営やサービスの質の確保、利用者支援の向上を図ってまいります。

 次に、運営事業者に対する職員の定着及び処遇改善の指導についてのお尋ねです。
 今定例会に提出した補正予算において、待機児童解消加速化プランが掲げる「保育士等処遇改善事業」に取り組むための経費を計上いたしました。
 この事業によりまして、私立認可保育園は、保育所職員処遇改善計画を定め、保育士等の賃金改善に取り組むことになります。
 国の通知では、私立認可保育園への指導検査の項目として「必要な職員の確保と職員処遇の充実」について、指導検査することとされております。
 区といたしましても、東京都と連携しながら、運営事業者に対する職員の定着及び処遇改善について、働きかけてまいります。

《再質問3》
 私立保育園に対する運営費のチェック体制の確立について
《質問要旨》
 国と東京都が委託費として出している費用について、区が独自にチェックする体制と基準をつくるべき
《区長答弁要旨》
 区、都それぞれの立場で役割分担をしながら私立認可保育園に対する運営費のチェックも含めた指導をしている。これからもそれぞれの役割を担いながら、区としても区民の通う私立認可保育園で質の高い保育が行われるよう努めていく。



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8. 寡婦(寡夫)の「みなし控除」について

 新宿区が10月から、婚姻歴のない一人親家庭に対しても税制上の「寡婦(寡夫)控除」をみなし適応すると発表しました。23区では初めてで、都内では八王子市に次いて2例目になります。対象になるのは保育料や区営住宅の家賃、学童クラブの利用料など6事業です。
 婚外子については、遺産相続を巡って9月4日の最高裁判所は民法が「法の元の平等」を定めた憲法に違反すると、初めて「違憲判決」を出しました。
 「子供にとっては婚外子という自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されず、子供を個人として尊重し、その権利を保障すべきである」という考えが確立してきていると述べています。
 母子・父子家庭が婚姻関係があるかないかで、差別されていることについて、早急に改善し、みなし控除を適応し、保育料などの改善に取り組むべきです。
 答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、寡婦(寡夫)の「みなし控除」についてのお尋ねです。
 非婚のひとり親家庭に対する保育料などへの寡婦控除のみなし適用につきましては、受益者負担の観点や他自治体の動向を踏まえ、検討してまいります。


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9. 介護保険の改悪について

 厚生労働省が、介護保険の改悪で要支援者への保険給付(介護予防給付)を廃止する方向を明確に打ち出しました。全国で150万人にも上ります。港区では要支援1が1,313人、要支援2が914人で2、227人(認定者総数の27%)に大きな影響が出る事になります。国は新しい地域支援事業に移行するとしていますが、サービスの内容は市町村の裁量任せで人員や運営基準もありません。
 ボランテイアやNPO法人、民間企業など、退職後の高齢者を生活支援の担い手として想定しています。
 現在要支援者の方は、専門家による生活援助や通所サービスなどを利用しながら、介護度が重症化しないよう、事業者も、家族も、そしてご本人も頑張っています。こうした方達の期待を裏切るようなことがあってはなりません。

 日本経団連は昨年(2012年11月20日)「これ以上の社会保険料負担の増加に耐えることができない」と介護予防給付を保険の対象から外すよう要求。財務省の諮問機関である「財政制度等審議会」も「要支援1・2と要介護1・2に対するサービスは保険給付の対象から外すよう」求めていました。今回の厚労省の方針はこうした財界などの意向を受けたものです。こうしたことを許すとさらに要介護者にまで拡大する危険があります。
 利用者や自治体に負担を押しつける要支援者の介護保険給付外しはやめるよう国に申しいれるべきです。答弁を求めます。

 港区は独自サービスとして、利用者負担を1割から3%に軽減する「ホームヘルプサービス等の利用者負担の助成」を行っています。私たちはこれまでも在宅サービスすべてを対象にするよう取り組んできました。その結果、今では訪問介護サービスなど(訪問介護予防サービス)10事業に拡大されました。大変喜ばれています。
 利用料金の1割を最初に支払って、後で7%を港区が本人に返す償還払いになっています。
 Aさんは(86歳)今年に入って体調を崩し、入退院を繰り返して、8月末に退院しました。これまでの要介護Ⅱから要介護Ⅴに一気に介護度が進みました。介護者である奥さんの体調を気遣って介護サービスも増やさざるを得ません。水分も食事もすべてにとろみをつけないと飲み込めないためにその準備も大変です。医師や介護事業者などの関係者の方も介護者である奥さんが倒れてしまうのではないかと気遣っています。年金生活でぎりぎりの生活をされているAさん夫婦にとって、介護サービス費の増額は大きな負担です。費用負担を考えると不安でたまらないと奥さんは訴えます。
 港区独自の利用者負担の助成制度を、償還払いから、福祉用具購入費や住宅改修費用と同様、受領委任払い制度に改善すべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、介護保険制度についてのお尋ねです。
 まず、要支援者を介護給付の対象から外さないよう国に申し入れることについてで
す。
 本年8月6日に首相に提出された社会保障制度改革国民会議の報告書では、持続可能な社会保障制度の実現に向けて、すべての世代が相互に支え合う全世代型の社会保障制度への改革を掲げております。
 介護保険の分野については、要支援者に対する介護予防給付を段階的に区市町村事業に移行することや所得の多い利用者の負担割合の引き上げ、所得の少ない高齢者の保険料の軽減などを挙げております。
 現在、この報告書を受け、国の社会保障審議会介護保険部会で、法改正に向けた広範囲で具体的な議論が行われているところです。
 このため、要支援者を介護給付の対象から外さないよう申し入れをする考えはありませんが、国での議論の動向を注視してまいります。
 最後に、「ホームヘルプサービス等の利用者負担の助成」を償還払いから受領委任払い方式に変更することについてのお尋ねです。
 区独自のホームヘルプサービス等の利用者負担の助成制度である「介護保険ホームヘルプサービス等利用者負担金助成事業」は、高額介護サービス費等の介護保険給付の後に、利用者負担の一部を助成するものです。
 介護保険制度上、サービス利用月の翌々月以降でないと、保険給付の合計額やこの事業の助成額の確定ができない等の課題があり、この事業に受領委任払い方式を導入することは困難と考えております。


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