日本共産党 港区議団
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2016年第1回定例会日本共産党港区議員団の代表質問


質問者 風見 利男 議員

  1. 戦争法=安保関連法について
  2. 消費税大増税の実施中止について
  3. 青山北町アパート(通称:北3団地)の建て替えについて
  4. 災害時避難行動要支援者登録制度について
  5. 特別養護老人ホームの待機者をなくすことについて
  6. 未来を担う子どもたちのために、園庭のある保育園建設について
  7. シルバ-カ-の支給について
  8. ベンチのあるまちづくりについて
  9. 精神障害者にも心身障害者福祉手当を支給することについて
  10. 「ながら見守り連携事業」への参加について
  11. 服部時計の創業者、服部金太郎氏が所有していた大邸宅の保存方について
  12. どの子も教育を受ける権利を保障するため、給付制奨学金制度創設について
  13. 学校トイレの改善について
  14. 学校プールへの温水シャワーの設置について



1. 戦争法=安保関連法について

安倍首相は、「緊急事態条項」を口実にしたり、憲法9条2項を変えると改憲発言を繰り返しています。
日本共産党は、解釈改憲とともに、あらゆる明文改憲に反対し、「憲法の平和主義、立憲主義、民主主義を貫く、新しい政治、すべての国民の個人の尊厳を守り、大切にする社会の実現」のため奮闘することを述べ、質問に入ります。

安倍政権は昨年9月19日未明、多くの国民、圧倒的多数の憲法学者、歴代の内閣法制局長官、元最高裁長官と判事らが、憲法違反と指摘した戦争法案(安保関連法案)を強行しました。(実際は委員会で採択されていない)
戦争法=安保法制はまず、内容の面で、憲法9条を踏みにじって自衛隊の海外での武力行使を行う仕組みが幾重にも盛り込まれている違憲立法です。さらに、やり方の面で、戦後60年余にわたる「憲法9条のもとでは集団自衛権を行使できない」という政府の憲法解釈を、一内閣の勝手な判断で180度覆すという、立憲主義の破壊が行われました。戦争法は、内容も、やり方も、二重に憲法違反であり、廃止するしかありません。
 日本国憲法第99条は、国務大臣や公務員の憲法遵守義務を定めています。区長も憲法99条で定める「憲法を尊重し擁護する義務」を負っていると思いますが、区長の認識についてお伺いします。
 
安保関連法案=戦争法案は、すでにある法律を10本まとめた「平和安全法制整備法案」と、新法の「国際平和支援法案」の2本です。
 「武力攻撃事態法」に追加されたのが、「存立危機事態」という規程です。存立危機事態とは、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」のことを指しますが、「存立危機事態」と認定するのは時の政府ですから歯止めがありません。「我が国と密接な関係にある他国」とはアメリカですから、米軍と一緒に自衛隊が地球の裏側までも出動できる根拠になるもので、集団的自衛権を行使するものです。 
 「正月になって餅を食えば忘れる」と言った自民党の議員がいたそうですが、国民は忘れるどころか、戦争法=安保法制の廃止を求める運動は、ますます広がってきています。世論調査でも戦争法反対は過半数を超えています。
 憲法前文には、国民主権、人権保障、平和主義などの諸原理の宣言に続き、「(これらは)人類普遍の原理であり…われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」と明記しています。「憲法改正禁止規範」と言われています。
 集団的自衛権の行使は、憲法上許されないこと。戦争法=安保関連法は憲法違反であることは明白です。
区長として、どう認識されているのか、明確にお答えいただきたい。

昨年の第4回定例会で、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」など29団体が取り組んでいる2000万人を目標にした「戦争法の廃止を求める統一署名」への賛同を求めましたが、区長は、「特定の法律に対する賛否を表す署名をすることは考えていない」と拒否しました。
 今まで、介護保険はじめ、声をあげてきたことをお忘れですか。
 戦後60年余、自衛隊員が殺されたり、他国の人を殺したことはありません。この法律によって、殺し殺される危険が広がりました。また、日本国民がテロに巻き込まれる危険がでてきます。
 区民の生命と財産を守るべき区長として、非核平和都市宣言をしている港区の長として、率先して署名し、区民に憲法を守る立場を発信すべきです。
 答弁を求めます。

【区長答弁】
最初に、安全保障関連法についてのお尋ねです。
まず、憲法第99条の認識についてです。
憲法第99条は、公務員の憲法を尊重し、擁護する義務を規定しています。区長である私も当然にその義務を負うものです。
次に、安全保障関連法に対する認識についてのお尋ねです。
安全保障関連法が、憲法に反するかどうかについて、私が判断すべき事柄ではないと考えております。
次に、安全保障関連法の廃止を求める署名についてのお尋ねです。
私といたしましては、特定の法律に対する賛否を表す署名をすることは考えておりませんが、平和都市宣言をしている区として、引き続き毎年、憲法週間記念「講演と映画のつどい」など憲法を考える機会を設けるとともに、平和展を始めとした平和事業を通じて、恒久平和について区民に発信してまいります。


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2. 消費税大増税の実施中止について

安倍政権が実施しようとしている来年4月の消費税率10%への増税にはまったく道理がありません。安倍首相は「増税分は全額社会保障の充実・安定化に充てる」と言っているものの、やっていることは逆です。2013,14,15年度と3年間、単年度で8000億円から1兆円近くと見込まれた社会保障費の自然増を毎年5000億円まで抑制、この間、生活保護の改悪、介護報酬の引き下げ、年金の削減、国保料の連続値上げ、医療の改悪等々、社会保障の改悪が行われています。
また、「軽減税率」導入についても、税負担が軽くなるかのような大宣伝が行われていますが、食料品などが8%に据え置かれるだけで、下がるわけではありません。
麻生財務相は10%に増税した場合の家計への負担増を、1世帯当たり62、000円程度、1人当たり27、000円程度と述べ、大きな負担となることを認めました。(衆院では、一人当たり1万4千円程度、一世帯当たり3万5千円程度と説明していた)
しかも消費税の最大の問題である所得が低い人ほど負担が重くなる逆進性は、食料品などの税率を据え置いたとしても強まることを認めており、アベノミクスのもとで深刻になっている貧困と格差に追い打ちをかけるものです。
6人に1人が貧困ラインを下回る社会、とりわけひとり親家庭の貧困率は5割を超え、OECD加盟34カ国で最悪となっている貧困大国の現状ではくらしが成り立たなくなる危険があります。
しかも庶民増税の一方で大企業には減税の大盤振る舞いです。復興特別法人税の1年前倒し廃止や法人税率引き下げなどで3兆円、来年度以降はさらに1兆円加わります。ところが、もうけは一向に賃金に回らず、実質賃金は4年連続マイナス、大企業の内部留保は300兆円を超えました。このため個人消費が落ち込み、地域経済を冷え込ませています。
区内の中小企業の景況は、消費税率5%から8%に引き上げられた一昨年4~6月期以降、昨年1~3月期を除き業況DIは2桁のマイナスで、 業況は「悪い」が続いています。
消費税増税実施の道理も環境にもないことは明らかです。区民のくらし、地域経済を守るため消費税率10%への大増税を中止するよう国に申し入れるべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、消費税増税の中止を求めることについてのお尋ねです。
平成29年4月の消費税率10%への引き上げに当たっては、国は、軽減税率制度の導入を盛り込んだ、税制改正関連法案を今月5日に閣議決定しております。
区といたしましては、消費税増税の実施を中止するよう、国に申し入れることは考えておりませんが、区民生活や区政に与える影響等の情報収集に努めるとともに、今後も国の動向を注視してまいります。

《再質問1》
 消費税増税の中止を求めることについて

《質問要旨》
消費税が8%から10%に上がる際に、低所得者負担軽減の簡素な給付制度が廃止されてしまい、増税とあわせて2重に負担を強いられることになる。また、この増税を許すと今後も税率が上がることが予想される。現在、国民の生活が大変になっているこのようなときに消費税を増税すると更に景気が悪化することは目に見えているため、区民の生活や中小企業の経営を守る立場である区長としては消費税増税中止を求めることが当然だと思うがいかがか。

《区長答弁要旨》
消費税率の引き上げに際しては、中小企業や小規模事業者の円滑かつ適正な価格転嫁が図られるように特別な立法措置も取られている。また、国においても軽減税率制度の導入を盛り込んだ関連法案を閣議決定している。区としては、このようなことを含めて区民生活や、区に与える影響等の情報収集に努めるとともに、今後も国の動向を注視していく。



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3. 青山北町アパート(通称:北3団地)の建て替えについて

 東京都は1月19日、北3団地全体の建て替え計画(「北青山3丁目まちづくりプロジェクト」)を発表しました。23日には、居住者説明が行われました。
 建て替え計画は、敷地の4分の3を民間の開発に提供、都営住宅の敷地は4分の1にしかすぎません。居住者や都営住宅に住みたいと願う人たちのためではなく、大企業のための計画といっていいものです。
 私の提案もあり、区長は東京都への回答で「従前の戸数(586戸)を確保されたい」と要請しました。区内の都営住宅の空き屋、直近の応募は277倍(2015年8月募集)ですから、当然の要請です。 
ところが東京都の計画は、現在住んでいる約300戸しか建てようとしません。(今までさんざん移転を推奨してきた結果)
 団地の真ん中の通路の南側の敷地(1号館~13号館・25号館)の一番南に20階建ての都営住宅を建て(保育園、児童館を含む)、残る半分を民間に貸し付ける計画です。
 民間に貸すのでなく、そこにもう1~2棟の都営住宅を建設するよう、実現まで粘り強く要請すべきです。
 答弁を求めます。
 
区長名で提出した東京都への要求を実現するため、議会として東京都に意見書を提出するよう、議長にお願いします。
 
入居者のほとんどが高齢者のみの世帯や、一人暮らし高齢者です。引っ越しが現実のものとなり、「らない家具をどうする」、「引っ越しの準備などできそうもない」等々、高齢者の悩みは深刻です。
 移転に関する様々な心配事に親身になって相談する、相談窓口を設置すべきです。
 答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、都営青山北町アパートの建替えについてのお尋ねです。
まず、従前の戸数の確保についてです。
区は、都営青山北町アパートの建替えに際し、従前戸数の確保を要望していますが、東京都からは、港区内における都営住宅の総戸数を確保するという内容の回答を得ております。
また、現在、都営青山北町アパートに、現在居住されている皆さんの住宅は確保されていることを確認しておりますが、従前の戸数まで増やすことにつきましては、港区内全体での都営住宅の充実を含め、引き続き、東京都に要望してまいります。
次に、相談窓口の設置についてのお尋ねです。
住宅移転及び引っ越しに関する様々な相談については、東京都の都営住宅を所管する組織が責任を持って対応いたします。
現在、区においても、都営青山北町アパートの居住者から寄せられた、移転先への引っ越しの手配や費用などの相談に応じております。
今後も、居住者からの様々な心配事に対しては、東京都との連絡調整も含め、きめ細かく丁寧に対応してまいります。

《再質問2》
 都営青山北町アパート等の建て替えに関する戸数確保について

《質問要旨》
東京都から、区全体での戸数は減らないと回答を受けているとのことだが、この間、区内での空き家の募集に対して、90倍、100倍、直近では200倍を超えている。現在住んでいる人は当然だが、更に入りたいという人がたくさんいるわけであるため、それに答える、そのために区長が東京都に対して少なくとも586戸の戸数は確保してほしいと要請したわけであるので、東京都に引き続き強く申し入るべき。

《区長答弁要旨》
従前の戸数まで増やすことについては、区全体の都営住宅の充実も含めて、引き続き東京都に要望していく。


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4. 災害時避難行動要支援者登録制度について

 昨年10月から従来の「災害時要援護者登録制度」にかわって、「災害時避難行動要支援者登録制度」が始まりました。
 87才の一人暮らしの方の例を紹介します。この方は、足が不自由で買い物もままならない状況ですが、要介護1のため新しい制度では対象外になってしまいます。
近くに身寄りもいないため、登録者からはずれると困ることから、区に電話しました。担当者からは「要介護1・2では対象になりません」との返事でした。
「いざ災害があったら」と、心配で夜も眠れないと相談がありました。(要介護1とは思えない状態なので、私のすすめで介護認定の再申請中ですが、)
 新しい制度では要介護3以上が対象で、「65才以上の高齢者のみの世帯」は対象外となりました。
 対象外になる方に郵送した案内には、「登録要件の(1)~(6)に該当しない方についても、登録要件に準ずる状況にある場合には、お手数ですが、…お問い合わせください。」となっています。相談があった場合には「該当しません」ではなく、相手の立場にたって相談にのるべきです。
そして、その方の状況、生活実態をみた上で「準ずる状況にある」との判断を柔軟に行うことが必要です。
 それぞれ答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、災害時避難行動要支援者登録制度についてのお尋ねです。
まず、相手の立場に立った相談についてです。
区は、昨年10月、避難行動要支援者登録事業を開始し、「港区災害時避難行動要支援者登録名簿」の登録要件に該当しない方についても、特別の理由がある場合は個別に相談を受け、登録をしております。
現在、区民の皆さんからの相談があった際には、相手の立場に立って充分な説明を行い、適切な対応を心がけております。
今後も、相談に訪れた方々の個々の事情や生活状況を充分にお伺いしながら、丁寧で細やかな対応をしてまいります。
次に、「登録要件に準ずる状況」についての柔軟な判断についてのお尋ねです。
現在、名簿の登録要件に該当しない方についても、特別の理由があり、登録要件に準ずる方として、13名が登録されています。
今後も、区民の皆さんの不安を招かないよう、相談に訪れた方の個々の事情や生活状況を充分に把握した上で、登録について柔軟に判断し、災害時の安否確認や避難行動が確実に行えるよう取り組んでまいります。


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5. 特別養護老人ホームの待機者をなくすことについて

特別養護老人ホームの2016年度(28年度)前期入所申し込みが1月末で締め切られました。入所希望者は393名もいます。要介護5の方が106名、要介護4の方が128名と、重度の方が多数です。
区長は、介護度の高い方は1年以内には入所できると言いますが、本人や家族にとっての1年間は、転院先を探したり、入退院を繰り返したりと非常に深刻です。
私どもに相談にきた方で、特養に申し込んでも入所できないため、病院を転々としながら結局入所できないまま亡くなられた方が3人います。こうした状況を放置すべきではありません。

区は、南麻布4丁目に特養ホーム100床を含む複合施設を計画していますが、開設時期は2020年(平成32年)3月と4年も先になります。入所を待っている方や家族の希望に応えることになりません。港区の地域保健福祉計画策定時の人口推計でも、75才以上の高齢者は増え、また港区の特徴として65才以上のひとり暮らしの割合は、全国平均24.8%と比べ、港区では40.2%と非常に高くなっています。
特養ホームの待機者をなくすために
① 南麻布4丁目の計画を前倒しすること。
② 今回購入予定の南青山1丁目用地を活用し、青山地域初の特養ホームを建設すべきです。
答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、特別養護老人ホームの待機者をなくすことについてのお尋ねです。
 まず、南麻布四丁目計画の前倒しについてです。
区は、南麻布四丁目第二用地において、定員100床の特別養護老人ホームを、平成32年3月の開設を目指し、現在、事業者公募に向けた準備を進めているところです。
引き続き、可能な限り早期に開設できるよう努めてまいります。
次に、南青山一丁目用地での特別養護老人ホームの建設についてのお尋ねです。
現在、当該用地は、取得に向けて手続きを進めており、赤坂地区での行政ニーズなどの動向を踏まえ、保育需要等に対応するための活用を予定しております。


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6. 未来を担う子どもたちのために、園庭のある保育園建設について

4月には私立認可園が33園になりますが、そのほとんどが園庭のないビルの一室を利用した保育園です。
園庭やプール遊びのできない私立認可保育園にたいし、プール遊びや外遊びができるよう区有施設を提供し、支援をしていく事業を行っていますが、利用時間が重なったり、炎天下子どもを連れて移動しなければならない。等々、課題が出ています。
「港区の今後の保育行政のあり方について」の中でも保育環境の充実では、プール遊びや外遊びの場の支援の実施状況を踏まえ「運用の改善を図り、利用可能な区有施設の拡大を検討」するとしていますが、根本的解決にはなりません。
 保育環境の改善が必要な園は、認証保育園も同様です。外遊びや体を使った遊び、プール等は子どもたちの育ちにとってきわめて重要です。
保育園の整備については、園庭のある認可保育園とすべきです。
答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、園庭のある認可保育園の整備についてのお尋ねです。
認可保育園の整備にあたり、子どもが安心してプール遊びや外遊びができる園庭を確保することは、保育環境の充実を図る上で望ましいことと考えております。
区はこれまで待機児童解消に向けて、私立認可保育園の誘致などにより、保育定員の拡大に積極的に取り組んでおりますが、都心区ならではの地域性から、園庭を確保することが難しい状況もあります。
このことから区は、園庭のない私立認可保育園に対する支援策を全庁的に検討し、区有施設を活用したプール遊びや外遊びの場所を提供し、支援しております。
引き続き、私立認可保育園と利用状況を踏まえた意見交換を行い、さらなる保育環境の充実に向けて支援してまいります。


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7. シルバ-カ-の支給について

 高齢者が買い物や散歩などで外出することは、健康維持にとって大事なことです。その際、買い物したものを運ぶための利用、また途中で休憩するためのイスとして利用ができる、優れものがシルバーカ-です。
 介護保険では、健康維持のために「福祉用具の貸与」制度があります。健康維持といいながら外出の際の重要な支えとなる「シルバ-カ-」は入っていません。「シルバ-カ-」を「福祉用具」に加えるよう国に要請すべきです。 
高齢者の健康維持のための支援策として、現物支給や、購入費用の助成を行なうべきです。
 答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、シルバーカーの支給についてのお尋ねです。
まず、介護保険の対象とするよう国に申し入れることについてです。
介護保険の対象となっている「福祉用具貸与」は、要介護認定者が日々の生活の質を向上させることや、低下した心身の機能を維持、改善させるための用具を貸与するもので、外出等の移動については、「歩行器」が対象となっています。
区としましては、まず、主な用途が荷物運搬のシルバーカーを、高齢者がどのような目的で使っているのか、また、介護保険の対象となっている「福祉用具」としての機能を備えているものか等を調査し、利用実態の把握をしてまいります。
 このことから、シルバーカーを介護保険の対象となっている「福祉用具貸与」に加えるよう国に申し入れることは、現在考えておりません。

次に、現物支給や購入費助成の実施についてのお尋ねです。
シルバーカーについては、高齢者の利用の実態や機能・効果を把握することが、まず必要と考えております。
その上で、シルバーカーの支給や購入費助成について、高齢者の日常生活を充実させる支援策としての必要性や効果性を踏まえ、検討してまいります。

《再質問3》
 シルバーカーについて

《質問要旨》
答弁にあった「歩行器」については、部屋の中で歩くときに補助になるもので、外に持っていけない。高齢者が自ら買い物に行ったり散歩したりすることは、介護保険の仕組みから見ても、元気な高齢者をなってほしいという考えにつながるため、外出する手助けになる仕組みは大事だと考える。
区としてシルバーカーの助成を行うべき。

《区長答弁要旨》
高齢者がシルバーカーをどのような用途で使用しているか、また、その機能等について、実情を把握する必要があると考える。まず実情を把握した上で、その後の適切な対応を図っていきたい。


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8. ベンチのあるまちづくりについて

  高齢者が外出する際、「所々にベンチがあると外出しやすい」のでベンチを設置してほしいとの声が寄せられています。
 今までも機会ある毎に質問してきました。そのこともあり、高輪地区総合支所の地域事業として「止まり木」のある道路づくりが行われてきました。2015年度(27年度)からは基本計画事業に位置づけられました。全地区的に設置がすすむことを期待しています。
バリアフリー推進の観点から、坂道に限定せず、「ベンチのあるまちづくり」として推進していただきたい。
 国道、都道にも設置するよう要請すること。全国の75自治体と結んでいる「間伐材を始めとした国産材の活用促進に関する協定」を生かし、高齢者や交通弱者に喜ばれる施策と、地球環境を守る施策と一緒にすすめることができます。
 「ベンチのあるまちづくり」を積極的にすすめるべきです。
 答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、ベンチのあるまちづくりについてのお尋ねです。 
まず、「ベンチのあるまちづくり」の推進についてです。
区は、「港区バリアフリー基本構想」に基づき、急こう配の坂道に、ベンチなどの休憩施設や手すりを設けてまいりました。
今後も、歩道幅員や地形状況に応じ、ベンチや手すりなどを積極的に整備してまいります。

次に、国道、都道へのベンチの設置を要請することについてのお尋ねです。 
区は、今後も、国や東京都に対し、ベンチや手すりの設置について、「港区バリアフリー基本構想特定事業計画」に基づき、整備を実施するよう要請してまいります。

次に、協定木材の活用についてのお尋ねです。
歩道上にベンチを設置する際には、協定木材を使用した製品を使い、協定木材の活用につなげて、地球温暖化の防止、国内の森林整備の推進に役立つよう努めてまいります。


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9. 精神障害者にも心身障害者福祉手当を支給することについて

 今まで機会あるごとに質問してきました。
区長の答弁は、「(精神障害者への施策が遅れていたので)地域で自立し、安定した生活を営むために必要なサービス水準の向上に、重点的に取り組んでいる」だから「福祉手当は支給しない」というものです。遅れていた施策の充実は当然のことであり、手当を支給しない理由にはなりません。
 障害者権利条約第4条は、「障害者に対する差別となる既存の法律、規制を修正する」ことなどを規定しています。憲法第14条は、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分及び門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と定めています。
 今年4月には、障害者差別解消法が施行されます。港区では、障害のある人も、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるように」と、「障害者福祉推進基金」をつくります。実施のいい機会です。
 これ以上精神障害者への差別はやめ、福祉手当を支給すべきです。
 また、65歳以上で新たに心身障害者福祉手当に該当する場合も対象にすべきです。
 それぞれ答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、心身障害者福祉手当についてのお尋ねです。 
まず、精神障害者への心身障害者福祉手当の支給についてです。
区では、障害者の支援に際し、障害の種類や等級に応じて、それぞれの障害に合った適切なサービスを提供しております。
その中で、精神障害者に対しては、一人ひとりが地域で自立し、安定した生活を営んでいけるよう、就労の場の確保や地域での居住の場の整備に重点的に取り組んでおります。 
みなと保健所の喫茶・軽食コーナーや高輪地区総合支所の福祉売店などを就労の場として確保するとともに、本年4月には、南麻布五丁目に区内2か所目となる精神障害者グループホームを開設いたします。
また、事業の継続性を高め、安定的に、より充実したサービスを提供するため、本年4月にあいはーと・みなとを区立施設とし、新たに開設をいたします。
区では、こうした精神障害者を対象とした様々な取組を今後も積極的に実施していくことから、現時点では、精神障害者へ心身障害者福祉手当を支給することについては、検討課題の一つと考えております。 

次に、障害者となった年齢が65歳以上の人に心身障害者福祉手当を支給することについてのお尋ねです。
心身障害者福祉手当の制度は、国の社会保障制度が必ずしも十分ではない時代に開始されたものです。その後、年金等による所得保障の充実とともに、福祉サービスにおいて、経済的給付から現物給付への転換が図られ、平成12年4月から開始された介護保険制度により、65歳以上の障害の方にも必要な介護サービスが提供されることになりました。
さらに、現在、介護保険制度は、法改正を重ねる中で、障害福祉制度と同様の質や量の在宅サービスが提供されるとともに、区においては、通院時の病院内の介助や住宅設備の改修費の助成などの独自の高齢者施策の充実にも取り組んでおります。
こうしたことから、障害者となった年齢が65歳以上の人に心身障害者福祉手当を支給することは考えておりません。

《再質問4》
 精神障害者への心身障害者福祉手当の支給について

《質問要旨》
区長の所信表明でも、障害の有無や国籍等の理由にかからわらず差別は決して許されないと述べているので、この際に精神障害者にも心身障害者福祉手当を支給するという決断を区長にしていただきたい。

《区長答弁要旨》
区では当然あらゆる差別の解消に向けて様々な取組を進めているし、これからも進めていく。障害者のための施策については、障害の種類や等級等に応じて、それぞれの障害者にあった適切なサービスを引き続き提供することができるよう、努めていく。


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10. 「ながら見守り連携事業」への参加について

 東京都は、昨年(2015年:平成27年)7月21日都庁で、東京都信用金庫協会、日本郵便東京支社と「ながら見守り連携事業に関する協定」を締結。12月18日には、セブンイレブンージャパンと「協定」を締結しました。
 これは、昨年、奈良県で小学生の女の子が連れ去られる事件が発生した他、都内の交通事故死傷者数に占める高齢者の割合が高止まりの状況にあるなど、子どもや高齢者が被害者となる事件・事故が多発していることから、地域に密着した事業者に、「日常業務をしながら子どもや高齢者等の弱者を見守ってもらうことで、安心して暮らせる地域づくりを」、という目的で協定を結んでいます。
 市区町村については、「市区町村と協議し、各店舗で実施できるように」となっています。
 港区では多くの事業者と「高齢者の見守り協定」を結び、戸別訪問等を通じて、高齢者の見守りをすすめていますが、「ながら見守り」は日常生活という広い見守りです。
 港区も「高齢者の見守り」に加えて、「ながら見守り協定」締結に向けた協議を早急に行うべきです。
 答弁を求めます。

【区長答弁】
最後に、「ながら見守り連携事業」についてのお尋ねです。
東京都は、平成27年、地域に密着した事業者である一般社団法人東京都信用金庫協会、日本郵便株式会社東京支社及び株式会社セブン‐イレブン・ジャパンと、日常業務をしながら子どもや高齢者等の見守り活動に協力してもらう「ながら見守り連携事業」に関する包括協定を締結しました。
区は、この包括協定に基づき、区の実情を踏まえた各事業者と個別の協定締結に向けた検討を進めております。
また、子ども110番事業やライフライン事業者と締結している高齢者等の見守りに関する協定など、既に区が実施している安全・安心に関する事業との効果的な連携ができるよう取り組んでまいります。


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11. 服部時計の創業者、服部金太郎氏が所有していた大邸宅の保存方について

 白金2丁目にある服部金太郎氏の5000坪といわれる大邸宅が、シンガポールの大手不動産デベロッパーに売却されました。開発で服部邸がなくなる危険があります。
 金太郎氏はここで生活していたそうです。戦後はGHQに一時接収され、東京裁判の判決文や憲法草案がここで書かれたと言われています。
ここに建つ建物は、大正・昭和に活躍した建築家・高橋 貞太郎(たかはしていたろう)氏によるものです。高橋氏は、前田侯爵邸や服部邸など豪華な邸宅建設のほか、上高地ホテル、川奈ホテルなどホテル建設に秀作が多くあります。
 高橋氏が手がけた1928年建設の学士会館は登録有形文化財、同年建設の前田侯爵邸洋館は重要文化財に指定されています。
 服部邸については、雑誌や本の写真を見る限りは、文化財的な価値を強く感じる建物です。
 埋蔵文化財の試掘調査にあたって、事業者が近隣に挨拶に来た際、「建物は残す旨」の話をしているとの情報があります。
所有者の意向ぬきに調査はできませんが、専門家による建物の調査ができるよう、要請すること。
 また、貴重な建築物として、保存方を要請すべきです。
 答弁を求めます。

【教育長答弁】
最初に、旧服部邸の調査と保存を要請することについてのお尋ねです。
旧服部邸は、高橋貞太郎氏が設計し、竣工から80年を経過した、イギリス中世のチューダー様式をモダンにした特徴ある建物です。
これまで、建物調査が行われていないことから、現在、教育委員会が行う建物の現況調査について、所有者等に協力を依頼しております。
調査の結果、文化財的価値が高いと判断された場合には、所有者等の意向を伺いながら、建物の保存について理解を求めてまいります。


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12. どの子も教育を受ける権利を保障するため、給付制奨学金制度創設について

これまでも給付制奨学金の創設については、たびたび質問してきました。
日本は経済協力開発機構(OECD)の分類で「高授業料・低補助」に分類されています。同じ分類のチリでは、所得の低い世帯を対象に、国立・私立ともに授業料の無償化を決定。全学生の30%以上、約20万人に適用されます。韓国は2008年から生活保護受給者から低所得層・中所得層へと給付制奨学金制度を拡大しています。ドイツでは、半額給付・半額貸与が原則で総額140万円を超える分は返済が免除されます。日本とは大違いです。

足立区が来年度予算で子どもの貧困対策に本格的に着手し、経済的な理由で進学を断念したり、卒業後に返済に追われたりする若者を減らす為に貸した金額の半額を(最大で一人あたり100万円)免除。さまざまな奨学金を利用して保育士の資格を取得した若者を対象に、返済額の一部(最大30万円)を肩代わりし、区内の保育施設への就職を後押しする制度を新設します。世田谷区も養護施設出身者を対象に給付型奨学金(最大で年間38万円)を開始します。
長野県では、入学一時金に加え、給付型奨学金がはじまります。
港区の奨学資金貸付けの利用者は貸付け中の方が128人、返換中の方が581人です。今返済している方は「奨学金を返し終わるまでは、将来について考えられない」と必死です。
①港区としても、経済的理由で進学をあきらめざるを得ない若者がでないよう、給付型奨学金制度を早急に創設すべきです。

②港区の奨学資金を借りて高等学校等に入学した場合、2万円の入学祝い金が支給されます。大学生も同様に入学祝い金を支給すべきです。
 
③現在返済中の人については、収入状況や就労状況を勘案し、返済免除の適用を拡大すべきです。
 それぞれ答弁を求めます。

【教育長答弁】
次に、奨学金制度についてのお尋ねです。
まず、給付制奨学金制度の早急な創設についてです。
家庭の経済状況によって子どもたちの将来が閉ざされることがないよう、必要な環境を整備していくことは、重要な課題であると考えております。
奨学金制度については、国においても「高校生等奨学給付金制度」をはじめ、大学生の無利子奨学金事業の拡充など、充実が図られております。
区としては、現行の貸付制度を継続してまいりますが、給付制奨学金制度の創設については、国の動向や給付制を導入する他区の制度等を参考に、今後、研究してまいります。

次に、大学生への入学祝金支給についてのお尋ねです。
区の奨学金制度は、平成20年度から対象を大学生に拡大して実施しております。
大学生を対象とした奨学金制度を創設している自治体は23区中、港区を含め4区となっております。
大学生への入学祝金支給については、今後、区の奨学金制度全体の中で研究してまいります。

次に、返済免除の適用拡大についてのお尋ねです。
奨学金の返還免除については、収入だけではなく、就労状況、健康状態、連帯保証人や家族の状況などを勘案し、総合的に判断する必要があります。
具体的には個別に判断することになりますが、貸付者に対しては、返還方法の変更や返還の猶予について相談に応じるなど、引き続き、それぞれの生活状況に応じた柔軟できめ細かな対応に努めてまいります。


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13. 学校トイレの改善について

 今の子どもたちは洋式トイレで育っています。小学校に入るまで和式トイレを見たこともなかった、という子どももいます。
 学校に洋式トイレをもっと増やすと同時に、和式トイレのしゃがみ方、バランスのとり方など、楽しく伝えて、子どもたちがどちらのトイレでも安心して排泄できるようにすることが必要です。
 小学校低学年を対象にしたある調査によると、学校のトイレでうんちをしない(我慢する)子どもは41%もいます。
 子どもに便意を我慢させてしまうことはとてもよくないことです。小学校でトイレや排泄の大切さを教えるべきです。

 文部科学省の「トイレ発!明るく元気な学校づくり!!学校トイレ改善の取組事例集」では、世田谷区や葛飾区などの先進的な取り組みが紹介されています。
豊島区では、3年計画で小中学校のすべてのトイレを洋式に置き換えるための予算を計上しました。(2016年度/5億円、3年間/13億円)
これらを参考に、児童・生徒が安心して使えるトイレにするため、児童・生徒、教職員の意見も聞き、建て替え時や、大規模改修時などと改修を先送りせず、学校トイレ改善年次計画を立て改修に取り組むべきです。改修にあたっては、文科省の補助金も活用すべきです。
それぞれ答弁を求めます。

【教育長答弁】
次に、学校トイレの改善についてのお尋ねです。
まず、トイレや排泄に関する学習についてです。
現在、全ての小学校において1年生の入学当初から養護教諭と担任が連携し、トイレの使い方を含めた排泄の大切さについて、学級活動の時間を活用して学習を行っています。また、小学校3年生の保健の授業においても「1日の生活の仕方と健康」の中で、排泄の重要性について取り上げています。
さらに、学校独自の取組として、昨年7月、御田小学校において2年生を対象に学校支援地域本部の出前授業を活用した「おなか元気教室」を行い、腸の役割や排泄習慣の大切さについても学んでいる例などもあります。

次に、改修計画の策定と取組についてのお尋ねです。
学校トイレが、子どもたちにとって明るく使いやすい空間であることは重要なことであり、これまで学校の要望に基づき、小・中学校のトイレの改修を実施しております。
現在、学校トイレの約8割を和式から洋式へ改修しております。
今後も、学校と協議の上、計画的に改修を進めてまいります。
また、国庫補助金につきましては、これまでも補助要件に合致した場合には、活用してまいりました。今後も補助金の活用に努めてまいります。


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14. 学校プールへの温水シャワーの設置について

 昨年度の予算特別委員会での総括質問に対し、教育長は、「配管の更新など給湯設備の付帯工事を伴うことから、学校の改築や大規模改修時など授業への影響を考慮して実施してまいりました。今後さまざまな施工方法の可能性につきましても、学校と協議の上検討する」と答弁されました。
 授業に影響のでない対策は十分可能です。
温水シャワーがついていない学校は、小学校で18校中8校、中学校10校中2校と少数です。
プール始めの時期、終わりの時期などかなり冷えるときがあります。全ての学校の児童・生徒が安心してプールに入れるようにする責任があります。
早急に、学校の状況をよく調べ、学校の意見を良く聞き、学校の状況に見合うやり方で、設置をすすめるべきです。
答弁を求めます。

【教育長答弁】
最後に、学校プールへの温水シャワーの設置についてのお尋ねです。
温水シャワー機能のない小・中学校のプールは、屋外にあり、校庭や校舎の屋上に配置していることから、設置場所にはガス管の新設や給湯設備の設置場所を確保する必要があります。
給湯設備の設置場所等が確保可能な学校から、授業への影響も考慮しながら学校と十分協議の上、順次改修に向けて検討を進めてまいります。


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