- 国家戦略特区について
- 高齢者への防災ラジオの支給について
- 消防団訓練、区立芝公園のより良い利用について
- 閑静な住宅地における飲食店等の深夜営業による騒音等の規制について
- 環境指導・環境アセスメント担当職員の増員について
- 受動喫煙対策について
- 手話言語法の制定、手話言語条例の制定について
- 精神障害者にも心身障害者福祉手当を支給することについて
- 高校生等の医療費の助成(無料化)について
- 安心して医療が受けられることについて
- 18歳までのインフルエンザの予防接種費用の助成について
- B型肝炎ワクチン接種助成について
- 建築紛争を未然に防ぐための対策について
- 雇用促進住宅は公的住宅として存続を求めることについて
- こども医療費助成等(無料化)への国のペナルティ(減額調整)の廃止と東京都の補てん措置について
- 教育委員会の安全衛生委員会開催について
- 原発再稼働の中止について
1. 国家戦略特区について
土木費の質疑の中で、国家戦略特区による街づくりによって、バリアフリーなど良好な環境がつくられ、区民の利便性が良くなった、というような答弁がありました。
国家戦略特区での巨大開発で本当に街が良くなったのでしょうか。現実をよく見ていただきたい。長らく住み続けてきた区民が立ち退きで転居、町会活動など街のコミュニティの中心を担ってきた商店が激減、町会も商店会も運営が困難になりました。町会運営の困難さは区も質疑の中で認めたではありませんか。
超高層ビルが次々と建てられ、風害やヒートアイランド現象など環境も悪化しています。昼間人口が増え続け、大震災が起こったときに大きな被害がでることも予測されます。巨大開発で喜んでいるのは、大企業と大手デベロッパーなどです。
長らく住んできた住民が減り、環境も悪化していることについて、区長はどのように認識しているのか。国家戦略特区はすべて良いことばかりと考えているのか。
答弁を求めます。
【区長答弁】
最初に、国家戦略特区についてのお尋ねです。
区内の国家戦略特区のプロジェクトにおいては、世界で一番ビジネスをしやすい環境の整備を目指し、進められております。
区は、これらのプロジェクトが、防災力の強化と、地域の課題解決につながるまちづくりとなるよう取り組んでまいります。
今後も、子育て支援施設や生活利便施設の充実、交通の利便性と歩行者ネットワークの向上など、区民が安全で安心、快適に住み続けられるまちづくりの実現に向け、開発事業者などを適正に指導・誘導してまいります。
2. 高齢者への防災ラジオの支給について
東日本大震災では宮城県だけでも74人の聴覚障害者が亡くなりました。
災害時の危険情報はラジオ、携帯電話、テレビなどで知らせますが、ほとんどの情報は音声です。停電すればファックスもテレビも使えません。
聴覚障害者は防災無線の音や火災や地震を伝えるサイレンなどが聞こえないために「災害が発生したこと自体がわからない」「避難行動が行えない」ことがあります。災害時には情報を得ることが非常に大切です。
今回、区が実施する聴覚障害者への文字表示付きの防災ラジオは情報提供の貴重な手段となります。聴覚障害者には日ごろラジオは利用できません。防災情報のためのラジオですから、すべての聴覚障害者に無料支給すべきです。
また、高齢になると耳が遠くなり「インターホンの音も聞こえない」「話していることがわからない」人が増えています。多くの高齢者はインターネットやSNSとは無縁です。
高齢者にも災害情報が提供できるよう、希望者に文字表示付き防災ラジオを支給すべきです。
それぞれ答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、防災ラジオの支給についてのお尋ねです。
まず、全ての聴覚障害者への無料支給についてです。
区では、聴覚障害者が利用できる災害時の情報伝達手段として、防災情報メール、防災アプリ、港区公式ホームページやSNSなどを整備しております。
防災ラジオについても、区内全域の聴覚障害者世帯向けの情報伝達手段の一つと位置付けており、希望する方に一定の自己負担を求めることとしたものです。
次に、希望者への文字表示付き防災ラジオの支給についてのお尋ねです。
今年度の文字表示付き防災ラジオの配布は、区内全域の身体障害者手帳をお持ちの聴覚障害者の方を対象として実施しております。
高齢者への配布につきましては、今後の検討課題とし、調査・研究してまいります。
3. 消防団訓練、区立芝公園のより良い利用について
土木費の質疑で、区立芝公園を利用して消防団の訓練がやりやすいように求める質問がありました。区の答弁は、「これまで同様に利用していただく。」旨の内容でした。消防団員のみなさんは、仕事を終えて夜間に訓練しています。区立芝公園での訓練時間、放水できる時間を1時間でも2時間でも早めるべきです。公園を利用する方には、火災や震災の時のために区民の安全を守るための、消防団の訓練であることを理解してもらい、テーブルや机は芝生のところに移動するなど工夫すれば、実現は可能です。消防団のみなさんが、安心して訓練できるようにすべきです。
答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、区立芝公園を活用した消防団の訓練についてのお尋ねです。
消防団が訓練を実施している管理事務所前は、公園利用者がテーブルとイスを利用して、無料でお茶などを飲みながら休憩する無料休憩スペースや、公園利用者が歩く園路と重なっております。
特に、消防団訓練が実施されている夏場は、来園者が多くいることから、公園利用者の利用状況に応じて無料休憩スペースの規模を縮小することや、テーブルなどの配置を工夫することで、放水訓練が安全に、少しでも早くできるよう、引き続き、柔軟に対応してまいります。
4. 閑静な住宅地における飲食店等の深夜営業による騒音等の規制について
今定例会で南青山5丁目の飲食店の騒音等による被害の実態を示し、事業所への指導を徹底し、早急に解決を図ると同時に、住宅地における飲食店の深夜営業を規制する対策を行うよう提案しました。
南青山5丁目についてはすでに1年半にわたって住民が被害を受けているのですから、庁内の関係部署が連携し、「環境確保条例(都民健康と安全を確保する環境に関する条例)」に基づく指導を徹底し、早急に解決するよう最大限の取り組みを行うこと。
改善策を行わない場合には、条例に基づき「勧告」を行い、勧告に従わない場合には「営業停止命令」を視野に入れた指導を行うべきです。
また、住宅地への飲食店の進出が区内あちこちで問題になっています。営業許可は保健所、騒音などは環境課では、区民の安全・安心は守れません。環境の悪化で住み慣れた所から転出ということになりかねません。
庁内での連携を強め、住宅地での飲食店の深夜営業を規制する対策(時間制限等々)を検討すべきです。
それぞれ答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、閑静な住宅地の飲食店の騒音についてのお尋ねです。
まず、南青山五丁目の深夜営業の騒音を早急に解決することについてです。
区は、当該飲食店の騒音については、東京都の「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に基づいて、指導をするとともに改善を強く求めてまいりました。
現在、飲食店からは具体的な改善案が示され、調整を続けております。
今後も近隣住民の理解が得られるよう、引き続き環境課が中心となり、みなと保健所や赤坂地区総合支所の各部門が連携を強めながら、解決を図ってまいります。
次に、勧告・停止命令を視野に入れた指導についてのお尋ねです。
「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」では「生活環境を守るため、必要な限度において、騒音の防止が必要な時間について当該営業の停止を命ずることができる」としています。
区は、今後も粘り強く指導を継続してまいりますが、改善の見込みがない場合には、勧告や停止命令も視野に対応してまいります。
次に、深夜営業を規制することについてのお尋ねです。
区は、区民が健康で安全かつ快適に生活ができるよう、必要な環境を確保するための指導を重ね、飲食店の深夜の騒音等について改善策を提案させるなど、解決に向け取り組んでまいりました。
今後も「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」や「食品衛生法施行条例」に基づき、環境課が中心となり、みなと保健所等と連携しながら、適切かつ強力に指導し、解決を図ってまいります。
5. 環境指導・環境アセスメント担当職員の増員について
環境指導・環境アセスメント担当は、ビルの解体工事、建設工事の騒音、アスベスト対策等々、区民からの相談への対応、今議会で紹介した南青山5丁目のような飲食店の深夜営業による被害への対応。現場の実態を調べるため深夜に現地に足を運ぶこともあります。建築現場での騒音問題が発生すれば駆けつける等々、大変です。これからは、「建築物石綿等含有建材調査者」の資格取得もあります。
オリンピック・パラリンピックを控え、ビルの解体、建設等々、住宅地への飲食店の進出への対応など、今まで以上に忙しくなります。
区民の安全・安心のため、大至急、職員の増員を行うべきです。
答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、環境指導・環境アセスメント担当の職員増員についてのお尋ねです。
現在、環境指導・環境アセスメント担当は、係長ほか4名の体制のもと、平成27年度においては約1700件の届出に対し、迅速かつ適切に現地調査や相談、指導を行ってまいりました。
今後も届出件数の推移等を見ながら、現在の体制のもと、業務の進め方の見直しや職員の専門性向上を図り、弾力的に業務の運営を進めてまいります。
6. 受動喫煙対策について
厚生労働省の喫煙の健康影響に関する検討会(祖父江友孝座長・大阪大学教授)が9月初めに報告者をまとめました。報告書によると、喫煙による年間死亡数は喫煙者本人(能動喫煙)が世界では約500万人。他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙では約60万人。日本ではそれぞれ13万人、1万5千人と推計されています。
肺がんと受動喫煙の関連について、国立がん研究センターの研究班は、受動喫煙によって肺がんになるリスクは約1.3倍上昇するというものです。
厚労省の国民健康・栄養調査によると「受動喫煙が月1回以上ある者の割合(20歳以上、現喫煙者を除く)」の第1位は飲食店、第2位は遊技場、第3位が路上となっています。
いま路上の喫煙所によるたばこの煙は、いやおうなしに通行人が吸うことになります。受動喫煙を放置しているのは問題です。ビル内の喫煙所の設置、路上の密封型の喫煙室を設置すべきです。
答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、受動喫煙対策についてのお尋ねです。
指定喫煙場所は、喫煙者を決められた場所に誘導し、公共の場所にいる人が煙を吸わされない環境を目指して設置しております。
屋内喫煙場所につきましては、設置費助成制度を周知し、民間施設内に喫煙場所を整備するよう積極的に取り組んでおります。
屋外における閉鎖型の喫煙場所の整備につきましては、屋根を設けることによる建築基準法の制約などの課題もあることから、今後も引き続き整備方法を研究してまいります。
7. 手話言語法の制定、手話言語条例の制定について
ろう者がいつでも安心して手話を使うことができ、積極的に社会参加できる環境をつくろうと、「手話を広める知事の会」が7月21日に設立されました。 33道府県の知事が会員となり、平井伸治鳥取県知事が会長になりました。
知事同士が連携し、障害の有無にかかわらず、だれもが手話を理解できるような取り組みを全国的に進めるほか、手話による情報提供を義務付ける「手話言語法」の制定を国に働きかけるという方針です。
6月8日には全国手話言語市区長会が設立され港区も加盟しました。
この会は、聴覚障害の自立と社会参加の実現のため、国に法整備を求めるとともに、全国の自治体で手話言語条例、情報コミュニケーション条例、障害者差別禁止条例の制定を求めています。
手話言語法の制定を求める意見書が全国すべての議会で議決されています。ここに至るまでは当事者をはじめ関係者の権利としての言語を求める並々ならぬ努力と運動がありました。
国に対して、早期に手話言語法の制定を求めるとともに、港区として手話言語条例の制定を急ぐべきです。
答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、手話言語法及び手話言語条例の制定についてのお尋ねです。
区は、平成26年から毎年、全国市長会を通じ、国に対し、手話言語法の早期制定に向け、積極的な措置を講じるよう要請しております。本年は、6月30日に「障害者福祉に関する提言」の中で制定を求めております。
また、手話言語条例の制定につきましては、本年6月8日に、港区も加入した全国手話言語市区長会の加入自治体と情報交換等を行うとともに、国における手話言語法制定の動向や、手話の普及に向けた区の責務、区民及び事業者の役割、財政上の措置などの課題について、引き続き検討してまいります。
8. 精神障害者にも心身障害者福祉手当を支給することについて
決算の質疑の中でも従来の答弁を一歩も出ないものです。
区長は7月の施政方針で、「本年4月には、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が、6月には、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律、いわゆるヘイトスピーチの対策法が施行されました。性別、年齢、障害の有無、国籍など、いかなる理由でも差別は決して許されるものではありません。」と述べられました。
障害者基本法では、障害者は「身体障害者、知的障害者、精神障害者、その他心身の機能の障害がある者」と広く定めています。心身障害者福祉手当の支給対象から精神障害者だけを除外することは間違っています。
厚生労働省の委員会は、医療費が助成される難病の追加の検討で3次分、24疾病を決めたとの報道がありました。
難病医療費助成が決まれば、「港区心身障害者福祉手当条例」の改正が提案されます。その際、長年の課題である「精神障害者」を条例に加えるべきです。
答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、精神障害者への心身障害者福祉手当の支給についてのお尋ねです。
現在、国は、全国的な制度のもとで、障害者に障害年金や特別障害者手当等の支給や、生活保護制度での加算措置等を行っております。
住民に身近な基礎自治体である港区としては、地域の実情に合わせて、障害の種別や重さ等に応じて、必要なサービスをきめ細かく提供することを施策の柱に据えております。
この心身障害者福祉手当は、23区においては各区が独自に対象者や金額を定めて実施しており、現在、港区を含む19区が精神障害者を対象としておりません。
また、この間、平成25年度に実施しました港区保健福祉基礎調査などでも、精神障害者の方からご意見をお聞きしております。
今後も、精神障害者の方が地域の中で安心して生活できるよう、障害をもつ方の自立や社会参加を図り、様々な取組を積極的に推進してまいります。
9. 高校生等の医療費の助成(無料化)について
いま高校生を育てる家庭は大変です。子どもの進路を保障する際に、家計を悩ませるのが学費です。大学の初年度納付金は国立大学でも80万円、私立大学では平均100万円以上です。
民主党政権は高校授業料を「無料化」する一方で、「子ども手当」創設に伴い、「年少扶養控除」を廃止しました。その後成立した第2次安倍政権は高校授業料「無償化」と「子ども手当」に所得制限を設けましたが、年少扶養控除は復活させませんでした。
この結果、住民税が高くなり、子ども手当が受けられない、高校授業料も「有償」とトリプルパンチです。
大学受験のための塾の費用、通学交通費等々、多額の費用がかかります。
お隣の千代田区では2011年(平成23年)4月1日より高校生までの医療費を無料にしました。北区も入院を無料にしました。全国に自治体でも高校生までの医療費無料化が広がっています。港区とゆかりの深い岐阜県郡上市でも18歳まで無料です。
区長は施政方針で「子育てするなら港区」といい、「中学生までの子どもの医療費助成や第2子の保育料無料化…など、全国に先駆けた施策を展開してきた」と述べました。
「全国に先駆けた施策」をいうなら、18歳までの医療費の無料化を実施すべきです。
答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、高校生等の医療費の無料化についてのお尋ねです。
子ども医療費助成は、子育て支援策の一環として、子どもの保健の向上と健やかな育成を図ることを目的とした制度であり、病気にかかりやすい義務教育就学期間までを対象としております。
義務教育終了後は、医療機関を受診する割合も低くなることから、助成対象を拡大することは現在のところ予定しておりませんが、今後も様々な施策を通じて、総合的な子育て支援に努めてまいります。
10. 安心して医療が受けられることについて
後期高齢者医療会計、国保会計の質疑で、医療費の抑制や保険料の収納率を上げるための区の取り組み等の質疑がありました。
医療費の抑制や収納率などの数字目標は、それを必要とする方たちを切り捨てることにつながり、福祉にはなじみません。
いずれも区民の健康やいのちに関わる問題です。高齢になればだれでも病気にかかりやすくなります。医療費がふくらむことが悪いような印象、医療にかかることをためらわせるような印象を高齢者に与え、肩身の狭い思いをさせるべきではありません。早期発見、早期治療に取り組み重症化を防ぐことが何よりも重要です。早期発見、早期治療への取り組みを強化すべきです。答弁を求めます。
国民健康保険の被保険者は、高齢者や自営業者、非正規の労働者などが主で、経済的に困難な区民も多く含まれます。収納率を上げるために、大変な人への保険料の徴収強化につながってはなりません。保険料を納めやすい仕組みづくり、保険料を払えない方への丁寧な納付相談をおこない、取り立ての強化にならないようすべきです。答弁を求めます。
東京都は、滞納に対して何件差し押さえをおこなったか、資格証の発行件数等に応じて特別調整交付金を交付し収納率向上の取り組に対する成績評価として特別調整交付金を交付しています。
港区は26年度8,080万、27年度7,125,7千円の交付金が出ています。東京都が取り立てを推奨していることにつながります。こうした交付金をやめるよう都に求めるべきです。答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、安心して医療を受けられる区の取組についてのお尋ねです。
まず、早期発見、早期治療への取組の強化についてです。
区は、生活習慣病やがんの早期発見、早期治療を目的とした特定健康診査やがん検診等を実施しております。
特定健康診査では、「広報みなと」や「国保だより」などでの周知、電話による直接の受診勧奨を行うとともに、医師会の協力を得て医院での特定健康診査やがん検診等の受診勧奨も行っていただいております。
今後も、引き続き、特定健康診査やがん検診等の受診を促すなど、生活習慣病をはじめとする病気の早期発見、早期治療につながる取組を進めてまいります。
次に、保険料徴収の強化につながらない取組についてのお尋ねです。
区では、国民健康保険料の納付が困難な世帯について、早期に納付相談していただくよう、「広報みなと」や「港区の国保」、「国保だより」などで周知するとともに、生活状況や納付が困難な理由などを聞き取り、個々の実情に即した納付につながるよう丁寧な納付相談を行っております。
それぞれの事情を踏まえ、納付期限、納付額や分割納付の回数などを区民の方が納得いただいた上で、決定しております。
今後も、引き続き、区民の方にとって納めやすい方法や仕組みを検討してまいります。
次に、東京都国民健康保険特別調整交付金についてのお尋ねです。
区は、経済的に困難な世帯については、丁寧な納付相談を実施し、納付の勧奨に努めております。一方で、経済力がありながら、保険料を納付しない世帯に対しては差押えなどにより徴収を強化しております。
東京都国民健康保険特別調整交付金は、国民健康保険事業の運営の健全化を維持するために、区が取り組んでいる差押えなどの収納率向上のための実績をはじめ、生活習慣改善指導事業、ジェネリック医薬品普及促進事業や、口座振替キャンペーン事業などの実績に基づき、交付されるものです。
このようなことから、東京都に対して、東京都国民健康保険特別調整交付金をやめるように求めることは考えておりません。
11. 18歳までのインフルエンザの予防接種費用の助成について
千代田区はこれまで中学生以下の接種1回当たり2160円(小学生以下は2回まで助成)を助成していましたが、今年10月1日からインフルエンザワクチン接種費用の全額助成を高校生(相当年齢)まで拡大しました。
生後6カ月から12歳まで…2回まで無料
13歳から18歳まで1回まで無料となりました。
千代田区のホームページによると、「幼児や小児がインフルエンザに罹患すると、まれに、インフルエンザ脳炎・脳症等が起きることがあります。インフルエンザワクチンを接種しておくと、重症化予防が期待できます。」から高校生までの予防接種を無料にするとのことです。
港区では65歳以上の区民のインフルエンザ予防接種を無料で受けられます。その理由も「流行前に予防接種を受けることで、インフルエンザにかからなかったり、かかったとしても重症化を防ぐことができます。」(港区ホームページより)としています。
千代田区と同じように、18歳までのインフルエンザワクチンを無料で接種できるようにすべきです。
答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、18歳までのインフルエンザワクチン接種費用の無料化についてのお尋ねです。
予防接種は重大な副反応を生じることがあります。
区は、感染症の重篤さ、感染リスクの大きさ、ワクチンの有効性等を勘案して、法定接種のほか、重篤な感染症の流行により区民の健康が脅かされている場合などに、予防接種の費用助成を行うこととしております。
インフルエンザワクチンは、子どもや若年者に対しての有効性が確立しておらず、自らの判断で接種を行う任意接種とされていることから、費用助成の対象外としているものです。
12. B型肝炎ワクチン接種助成について
B型肝炎を予防するため、ゼロ歳児に対するワクチンが、10月1日から定期接種となりました。
B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)の感染によっておきる肝臓の病気です。ウイルス(HBV)を保有する母体から新生児への母子感染のほか、ウイルス(HBV)を含む血液以外に尿や涙、汗など体液にも存在することから、家族や他の子どもからの思いがけない感染の対策が課題となっています。日常生活での感染を防ぐには正しい知識の普及に加えて、ワクチンで防ぐことが重要です。
成人が感染しても多くの場合は症状が出ませんが、約30%の人は急性肝炎として発病します。近年、B型肝炎が慢性化して肝硬変・肝臓がんに進行することが懸念されます。発症すると抗ウイルス薬を飲み続ける必要があります。
八王子市では、ゼロ歳児の定期接種化を受けて、キャリア化(持続感染)の危険が高い3歳未満児に接種を促進するため10月1日から市独自助成を始めました。
港区でも3歳未満児のワクチン接種助成を実施すべきです。
答弁を求めます
【区長答弁】
次に、B型肝炎ワクチン接種、3歳未満児への接種費用助成についてのお尋ねです。
このたび、新たに開始されたB型肝炎ワクチンの定期接種の対象は、1歳未満と定められました。現在、1歳以上の小児への接種は、その年齢における感染リスクが明らかでないことや、ワクチンの安定供給に懸念があることから、国の審議会での議論は結論に至っておりません。
このようなことから、区のB型肝炎ワクチンの接種費用の助成は、1歳未満としたものです。
13. 建築紛争を未然に防ぐための対策について
第2回定例会で、横浜市の取り組みを紹介し、区民にわかりやすいパンフレットの作成を提案しました。
住民向けに、「ゆずりあいで解決住みよいわがまち」、「みんなでつくろう住みよいよこはま」。建築主には「紛争予防条例」の概要版などがあります。また、住民説明会案内を事業者が配る際、「建築計画の説明を受ける住民の皆さんへ」もあります。
住民目線で、建築問題を理解するパンフです。港区でもこれらを参考に早急に作成すべきです。
答弁を求めます。
「隣に建つ建物の説明を聞いたけど、図面の見方がよくわからなかった…」、「法律的にはどう考えられているのだろう」、このように建築計画の説明を受けて、疑問や不安に思ったり、困った場合の相談は、市の建築課の中高層調整課で受けています。それでも疑問がある場合には、横浜市がお願いしている専門家団体(神奈川県弁護士会、横浜市建築士事務所協会)が相談に乗る仕組みがあります。
なかなか良い仕組みです。港区でもこれを参考に、区民が安心して相談できる体制をつくる必要があります。
答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、建築紛争をなくすための対策についてのお尋ねです。
まず、区民にわかりやすい建築問題のパンフレットの作成についてです。
区はこれまでも、パンフレットについて、適宜、加筆修正を重ねてまいりました。
現在は、説明を受ける区民にとっても、わかりやすいパンフレットとなるよう、修正作業を行っているところです。
今後も引き続き、区民の目線に立った、わかりやすく、建築計画の理解に役に立つパンフレットとなるよう努めてまいります。
次に、相談体制についてのお尋ねです。
建築紛争につきましては、技術的な質問や相談なども含めて、建築課で対応しており、さらに状況に応じて、区で話し合いの場を設けております。
また、プライバシーの問題など、民法に関する法律相談につきましては、区民法律相談での弁護士相談をご案内し、活用いただいているところです。
ご指摘にありますような、専門家による相談体制につきましては、調査研究してまいります。
14. 雇用促進住宅は公的住宅として存続を求めることについて
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構は、全国の雇用促進住宅等を東西二つに分け一般競争入札によって居住者がいるまま、大手不動産、ゼネコン、投資ファンドなど大企業に一括売却しようとしています。すでに、国会での議論もなく2007年に廃止を閣議決定し、2021年までに「すべて処理」すると決め大問題となっていたものです。
区内には119戸の雇用促進住宅があります。入札の付帯条件として①入居者のいる物件については引き渡し後10年間は転売できない②入居者が契約している家賃などの賃貸条件について引き渡し後10年は変更できないなどとしていますが、居住者からは「都心の物件は大もうけができるだけに、11年目以降は居住の保障があるのか」「契約条件が変更されるのでは」といった不安の声があがっています。居住者が公共住宅として安心して住み続けられるよう、
② 「高齢・障害・求職者雇用支援機構」に対して「サンコーポラス芝浦」を存続するよう要請すること
②閣議決定の撤回と入居者の一方的な追い出しをしないよう国や支援や機構に申し入れること。
答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、雇用促進住宅を公的住宅として存続させることについてのお尋ねです。
まず、「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」に対する「サンコーポラス芝浦」存続の要請についてです。
支援機構では、すでに本年9月から住宅として存続させることに向け、民間業者を募集していることから、存続を要請することは考えておりませんが、区は、引き続き、情報収集に努めてまいります。
次に、国と支援機構への申し入れについてのお尋ねです。
国は、雇用促進住宅の廃止を平成13年12月に閣議決定しております。
区といたしましては、国に対する閣議決定の撤回や、支援機構に対する入居者の一方的な追い出しを、しないようという申し入れることは考えてはおりませんが、居住者の相談については、区民向け住宅の案内をするなど、丁寧に対応してまいります。
15. こども医療費助成等(無料化)への国のペナルティ(減額調整)の廃止と東京都の補てん措置について
国は乳幼児・こども医療費の無料化(現物支給)を実施している区市町村に対して、国庫支出金の減額措置(ペナルティ)を行っています。決算委員会に提出された資料によると、港区の減額分は5198万1158円(平成27年度)にもなります。
本来国がやるべき事業を区市町村がやっているのですからペナルティなどとんでもありません。引き続き国に対し、ペナルティをやめるよう要請するようお願いします。
千葉県では国のペナルティによる減額分を、県が補てんする「療養給付費負担金減額措置」を定め、市町村への支援を実施しています。
東京都に対して、千葉県と同様、区市町村への支援(補てん)を行うよう要請すべきです。
答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、国民健康保険制度の国庫負担の減額措置及び東京都の補てん措置についてのお尋ねです。
まず、国民健康保険制度の国庫負担の減額措置についてです。
子どもの医療費助成制度を実施している地方自治体に対して行われている、国民健康保険制度の国庫負担の減額措置の廃止については、国に対し、平成14年から毎年、特別区長会として、全国市長会を通じ、要請しております。本年は、平成28年6月30日に「国民健康保険制度等に関する提言」の中で、廃止を求めております。
今後も、引き続き、他自治体とともに、国に対し、早急に減額措置を廃止するよう求めてまいります。
次に、東京都の補てん措置についてのお尋ねです。
区は、子どもの医療費助成制度に伴う、国民健康保険制度の国庫負担の減額措置について、国に対し、毎年、全国市長会を通じ、廃止を要望しており、まず、国における国庫負担の減額措置の廃止が必要であることから、東京都に補てん措置の要請をすることではなく、引き続き、国に対し廃止を要請してまいります。
16. 教育委員会の安全衛生委員会開催について
私たちは、昨年の決算委員会、今年の予算委員会で、教育委員会、安全衛生委員会の定期開催を求めてきました。また、この間では、学校でも教育委員会事務局でも心を病んで休業する方が出ている実態からも定期開催はとても大事になっています。
この間の安全衛生委員会の開催状況の資料をいただきました。今年度は4月と7月に開催され、ストレスチェック実施状況や教職員健康相談の実施など取り組まれています。一歩前進だと思います。委員会開催したことで、現状と課題などどのようにとらえているのか、認識を述べて頂きたい。
教育委員会の体制強化を含め、安全衛生委員会の更なる定期開催をすすめるべきです。
答弁を求めます。
【教育長答弁】
最初に、教職員安全衛生委員会についてのお尋ねです。
まず、現状と課題についてです。
今年度、既に4月と7月の2回開催した教職員安全衛生委員会は、教職員の健康管理や職場環境の改善について、学校長、教職員、教育委員会事務局の間で、職場の現状に関する情報を共有し、課題について検討を深める大切な機会と場となっております。
今後は、メンタルヘルス不調の未然防止など、教職員の健康の保持増進を図るため、委員会でより掘り下げた議論を行い、職場の環境改善につなげていくことが重要であると考えております。
最後に、定期開催についてのお尋ねです。
教職員安全衛生委員会は、教職員の健康障害の防止と健康の保持増進を図るため、教職員や産業医等を構成員として設置しております。
委員会は、熱中症や感染症などの予防対策、健康診断や健康相談などのスケジュールに合わせて、平成28年3月に年間の活動計画を策定し、今年度は年4回開催することとしております。
今後も、教職員が教育活動に専念できる労働環境の確保のため、適切に開催してまいります。
17. 原発再稼働の中止について
福島第一原発事故から5年半が経ちますが、8万8千人が避難生活を余儀なくされています。いまだに事故原因さえ究明されていません。そのうえ建屋内への地下水の抑制策の切り札とされた凍土壁は凍らず、破綻が明確となり、安倍首相の「完全にコントロールされている」という言い分も破綻しているのです。
「原発の電気は安い」という説明も破綻しています。福島第一原発の廃炉に必要な費用は、2013年の見積もり2兆円を大幅に超過、5,4兆円としていた賠償費用は6兆円を超え、2,5兆円と見込んでいた除染費用は3,3兆円にふくらんでいます。いまこの費用負担を国民に押しつけようとしているのです。
使用済み核燃料の最終処分場の見通しも立っておらず、原発の再稼働はゴミがたまり続ける「トイレ無きマンション」を拡大するという深刻な事態です。
そして何よりも記録的な猛暑となった今年の夏、原発が無くても電力は十分な余裕を保っていたのです。
どの世論調査でも原発再稼働反対は5割を超えています。
区長は、原発の再稼働を中止するよう国に申し入れるべきです。
答弁を求めます
【区長答弁】
最後に、原発再稼働の中止についてのお尋ねです。
我が国のエネルギー政策は、国民的議論を踏まえ、原子力発電のあり方も含め、国の責任において取り組むべきものです。
区として、原発再稼働の中止を国に求めることは考えておりませんが、引き続き、エネルギー基本計画に沿った国の動向を注視するとともに、区においては、エネルギー消費量の抑制や、再生可能エネルギーの利用促進を積極的に推進してまいります。