日本共産党 港区議団
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2017年第2回定例会 日本共産党港区議団の代表質問


質問者 いのくま正一

  1. 築地市場の豊洲新市場への移転は中止し、築地市場の再整備に本格的に踏み出すことについて
  2. 2020年東京オリンピック・パラリンピックについて
  3. 認可保育園等について
  4. 園庭やプールがある区立保育園の増設について
  5. 特別養護老人ホームなどの施設の充実について
  6. 「子どもの貧困」対策を抜本的に強化を
  7. シルバーパスの改善について
  8. 一者入札を改めることについて
  9. 入札監視委員会設置について
  10. ブラック企業対策および就職氷河期世代の就職支援を強化することについて
  11. 家賃への助成事業を創設について
  12. 給付型の奨学金制度の実施について
  13. 都営住宅を大幅に増やすことについて
  14. 最低賃金の引き上げについて
  15. 35人学級を早期に広げることについて
  16. 国土交通省の羽田新飛行経路案について
  17. 消防団の訓練場所の確保について

 2017年港区議会第2回定例会にあたり、日本共産党港区議員団を代表し質問します。
 7月2日投票で都議会議員選挙が行われます。
 この都議選は、今後の東京を決める重要な政治選であると同時に、国政にも大きな影響を与える選挙となります。
 私たちは、日本共産党を伸ばして、都民の利益を第一にする都議会をつくること、安倍政権の暴走政治に対して首都東京から厳しい審判を下し、暴走政治にストップをかけるために、染谷ふみ子さんを先頭に奮闘する決意です。
 安倍首相は、5月3日の改憲派集会へのメッセージの中で、憲法9条に自衛隊を明記した新憲法を2020年に施行したいと表明しました。改憲の時期と内容を示し大きく踏み込んだ発言です。自衛隊を9条に書き込むことは、「戦争放棄」の1項や「戦力不保持」の2項と矛盾するもので、従来の「歯止め」をなくし、海外での武力行使を無制限にすることにつながり、9条の基本精神が根本から壊されてしまいます。
 安倍自公政権には二つの大問題があります。第一に、安保法制=戦争法の強行を境に、暴走政治に全く歯止めがなくなってしまっています。何を考え、何を合意したかを処罰の対象とする、「心の中」を処罰する「現代の治安維持法」=共謀罪の強硬姿勢。沖縄県名護市辺野古の新基地建設の無法なごり押し。「法治国家」とは到底いえないやり方です。
 第二に、モラル崩壊のボロボロの姿になっています。8億円もの国有地の値引きがおこなわれた「森友」疑惑では、首相夫人付き職員に全責任を負わせ、自分は保身に走っています。続いて発覚した加計学園の特区認定問題でも、安倍首相自身の関わりが重大な疑惑として浮上しています。
 稲田防衛大臣は、南スーダンに派兵された自衛隊の「日報」をめぐる虚偽答弁や、「森友」問題でも「法律的な相談を受けたことはない」という虚偽答弁を重ねてきました。今村復興大臣は、東日本大震災で被災したのが「東北でよかった」などと暴言をはき辞任に追い込まれました。
 安倍政権が「教育勅語」を学校教材として活用を否定しないと閣議決定したことは、モラル崩壊の極みです。「教育勅語」は、国民に対して〝国の非常時には命を投げ出せ〟と命令したもので、日本国憲法の国民主権と相いれません。だからこそ、戦後、衆参両院で排除、失効決議が採択されたのです。

 今回の都議選は、都政改革を前に進めるのか、くらし・福祉に冷たい都政を許すのかが対決軸です。
 都議選の最大の争点は、豊洲新市場への移転を強行するか、築地市場の本格的再整備に踏み出すかです。
 政府・農林水産省は、土壌汚染対策法にかかわって、「東京都が汚染の除去の措置を行わず、盛土等のみを行った状態で卸売市場の用地とすることについて想定し得ない」(山本有二農林水産大臣、2017年4月10日参院決算委員会)としています。
 豊洲新市場の土地は、東京ガスの工場で、1956年から32年間にわたって石炭・原油からガスの製造がおこなわれてきました。大量のタールがうみ出され、地面に直接流して作業をしていました。タールの中には発がん性物質のベンゼンが溶けています。これまで一定の土壌汚染対策をしたものの、敷地全体にわたり地下深く浸みこんだ汚染は、取りきることはできません。
 今年3月19日には、「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」による再調査で、環境基準の100倍のベンゼン、環境基準を上回るヒ素、シアンなどが、27の再調査地点のうち25地点で検出したと発表し、4月の調査でも同様の結果でした。
 小池都知事も先日の都議会本会議で、汚染土壌の除去ができていないことを都民にお詫びしました。汚染を取り去ることができない土地への市場移転など、とんでもありません。
 昨年9月、日本共産党都議団の調査によって、豊洲新市場の主な建物の下には、盛土がされておらず、地下空間があることが判明しました。東京都が約束していた、汚染土壌の完全除去、盛土して安全確保は、両方とも果たされませんでした。
 東京都の専門家会議も、「将来想定されるリスク」として、地下空間には「気化した水銀、ベンゼン、シアン化合物を含むガスの地下ピット内への侵入が発生する」「1階床面のコンクリートひび割れ等が生じて…1階部分への空気の侵入・拡散が発生する」と指摘しているのです。
 自民党などは、「築地市場も汚染されている」「老朽化している」などと攻撃しています。しかし、猛毒の土壌汚染地の東京ガス工場跡地と築地市場を同列に論ずること自体、ごまかしであり、都民を欺くものです。築地市場は80年の間、有害物質による食品汚染など一度も起きていません。安全性は一貫して証明され、「築地ブランド」として世界に誇れるのです。老朽化については、自民党・公明党都政が、整備に必要な予算をつけなかったことが原因であり、改修をすればよいことです。
 東京都の市場問題プロジェクトチームの小島座長は、築地市場の改修は可能と試算しています。改修案は、施設を段階的に移転・更新し、調査に1年半、各施設の移転改築に5年半かければ可能としています。豊洲新市場を開場すれば年間の赤字は約140億円ですが、築地市場を改修する場合は、改修費は約734億円で、赤字額は20億円程度としています。築地での再整備が、費用面からも一番の選択なのです。
 それでも自民党は、まったく無反省のまま、政府・農水省や専門家会議の指摘にも反して「豊洲市場の安全は証明された」と都民を欺き、「豊洲市場への早期移転」を最大公約に掲げています。公明党も「豊洲移転に向け、着実かつ確実な前進にとりかかるべき」と主張し、小池知事にたいして早期決断を迫っています。
 「都民ファーストの会」は、豊洲移転問題についてどう考えるか、都議選政策で、態度を明らかにしていません。同時に、「都民ファーストの会」は、豊洲移転推進の公明党と選挙協力を行っています。豊洲移転問題という都議選の最大争点について、方針を示せないのは、都政に責任ある態度とは言えません。都民に白紙委任状を渡せというのは、あまりにも無責任です。
 日本共産党は、豊洲新市場への移転をきっぱり中止するよう強く求めます。

 日本共産党都議団は、この4年間に16の条例提案をおこない、都民要求実現に大きな力を発揮しています。認可保育園増設のために用地費を補助する条例案を提出。また、都有地の活用を一貫して提案し続けました。条例案は、自民党・公明党などが否決しましたが、用地費補助はその後、一部実現しました。また、活用可能な都有地を具体的に示す中で、東京都としても都有地活用の新たな取り組みもスタートさせました。港区内でも活用に向かっています。
 党都議団は、特別養護老人ホームの増設へ、この4年間で10回の代表質問で取り上げ、土地確保策や介護職員宿舎の借り上げなどの提案もおこなってきました。その結果、東京都は、2025年末までに6万人分、増やす目標を設定するようになりました。
 また、高校生の学費負担軽減を求め、この4年間で20回にわたる質問を行なってきました。小池知事が「都独自の給付型奨学金」を公約したことに着目し、節々で質問してきました。
 今年度の予算で、私立高校生の3割を占める年収760万円未満の世帯に対し授業料無償化が拡大され、都立高校生への給付型奨学金も創設されました。こうした日本共産党の提案が実を結んだものです。

 都議会改革では、議員報酬とは別に議会に出るたびに1日1万円から1万2,000円支給されてきた費用弁償が廃止されました。2015年3月の都議会で、共産党都議団が他会派とともに、廃止の条例案を提案。2年間にわたって否決されてきましたが、ついに今年3月の議会で廃止が決まりました。

石原・猪瀬・舛添の3代の都知事のもとで、都民の税金の使い方は大きく変えられました。石原都政の前年の1998年度決算と2015年度決算を比較すると、東京都の民生費の割合は、全国47都道府県で3位から32位に転落しました。なかでも、老人福祉費は、2位から42位に転落しました。一方、土木費の割合は40位から21位にアップしています。
関越道から東名高速までの間の16キロを結ぶ東京外かく環状道路の建設工事が始まっています。多数の住民の立ち退き、環境破壊をもたらす高速道路です。16キロの整備費は1兆6,000億円、1メートルあたり1億円にもなります。
 自民党・公明党などの都議会議員がつくる「外かく環状道路建設促進議員連盟」は、この外環道の延伸を求め、「東名高速から湾岸道路までの区間について、早期に計画の具体化を図ること」と、要望書を提出しています。
 都議会で自民党議員の質問に対して、小池知事は、「東名から湾岸道路間におきましても、計画の早期具体化にとりくんでいく」と答弁しました。この問題では小池知事は自民党・公明党と同じ立場に立っています。

 以上の都政の実態と、厳しさを増す区民の生活実態をふまえ、具体的に質問します。


1. 築地市場の豊洲新市場への移転は中止し、築地市場の再整備に本格的に踏み出すことについて

 築地市場の豊洲新市場への移転はキッパリ中止し、築地市場の再整備に本格的に踏み出すことが、食の安全面からも、維持管理費用の面からも明確になってきたと思います。そうした立場で、武井区長から東京都に対して要望すべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 最初に、築地市場の移転中止を東京都へ求めることについてのお尋ねです。
 築地市場から豊洲市場への移転につきましては、設置主体である東京都が、本年4月に「市場のあり方戦略本部」を設置し、物流面、機能面、土壌・地下水の安全性、ランニングコスト、築地市場現在地再整備など様々な観点から検討を行っております。
 このため、東京都に対し、移転中止の申し入れを行うことは考えておりませんが、区民や区内事業者に対する影響については引き続き注視してまいります。


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2. 2020年東京オリンピック・パラリンピックについて

 2020年東京オリンピック・パラリンピック協議大会を、くらし・環境と調和した国際平和と友好を促進する大会として成功させることが特に重要です。
 この間の報道を見ても、東京都は、決まっている競技場整備費負担以外に6,000億円を超える負担が強いられることになりかねません。IOC基準を大きく超える競技施設の見直しなど、競技場整備費の節減が必要です。費用の内訳や検討過程を透明化し、都民参加でチェック、削減するよう組織委員会と東京都に要望するべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、東京2020(ニーゼロニーゼロ)オリンピック・パラリンピック競技大会の経費節減等を東京都等へ要望することについてのお尋ねです。
 東京2020(ニーゼロニーゼロ)大会の開催準備及び運営については、国、IOCとの協議を踏まえ、東京都及び東京2020(ニーゼロニーゼロ)組織委員会の責任において検討が進められております。
 関係団体によるコスト管理を適切に行うため、新たに、組織委員会の中に、組織横断的な「(仮称)共同実施事業管理委員会」が設置されることになりました。
 こうしたことから、東京都等に対し、大会の経費節減等の申し入れを行うことは考えておりませんが、区民が納めた都税の使われ方について、引き続き、注視してまいります。


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3. 認可保育園等について

 東京都内で認可保育園等を希望しても、一次選考で不承諾等になった子どもたちは28,000人を超えています。土地の確保、保育士の処遇改善をすすめるよう東京都に要望すべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、待機児童対策推進のための東京都への要望についてのお尋ねです。
 区は、これまで東京都に対し、特別区長会を通じて、保育所整備のための未利用都有地の積極的な提供や、保育士の人材の安定確保のための取組を要望してまいりました。
 さらに、本年4月に開催された小池都知事と都内区市町村長との「待機児童解消に向けた緊急対策会議」においても、都有地の積極的な提供とともに、民間の建物を保育所整備のために賃貸した場合の固定資産税等の減免措置の拡充について、私自ら要望いたしました。
 今後も、区の待機児童対策への支援について、東京都に要望してまいります。


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4. 園庭やプールがある区立保育園の増設について

 港区内の保育環境の改善のため、園庭やプールがある区立保育園の増設を行うべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、園庭やプールのある区立保育園の増設についてのお尋ねです。
 現在、元麻布二丁目において、平成32年1月の開設に向け、園庭を確保した区立認可保育園の開設を進めております。
 この園庭は、近隣の私立保育園などにも、外遊びやプール遊びの場所として活用してもらうことを予定しております。


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5. 特別養護老人ホームなどの施設の充実について

 2015年度の都の高齢者の生活実態調査では、高齢者に対する必要な施策や支援の要望のトップが、特別養護老人ホームなどの施設の充実です。介護人材の賃金引き上げへ、東京都独自の助成制度をつくるよう要望すべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、介護人材の賃金引き上げに関する東京都独自の助成制度に関する要望についてのお尋ねです。
 国は、本年4月から、介護人材を確保するため、介護報酬を改定し、介護職員処遇改善加算の拡充を行っております。
 このため、東京都に対して、独自の助成制度に関する要望をすることは考えておりませんが、都心区である港区の実情を反映させた「港区介護保険レポート」により、引き続き、介護人材の処遇改善を国に提言してまいります。


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6. 「子どもの貧困」対策を抜本的に強化を

 「子どもの貧困」対策を抜本的に強化するため、ひとり親家庭等への児童育成手当を増額すること。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、子どもの貧困対策の強化についてのお尋ねです。
 区では、ひとり親家庭の支援のために、本定例会において、年収約360万円未満の、ひとり親世帯等の第1子について、保育園、幼稚園等の保育料を無料化する条例改正案を提出いたしました。
 児童育成手当の改定は予定しておりませんが、今後も、ひとり親家庭への経済的安定の支援を含め、子どもの未来応援施策を、全庁を挙げて推進してまいります。


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7. シルバーパスの改善について

 シルバーパスは高齢者の社会参加の促進に大切な役割を発揮してきました。ところが、所得が125万円以下の方は1,000円でパスを受け取ることができますが、125万円を超えると、いきなり2万510円へと負担が跳ね上がります。そのため、パスを利用する人の割合は年々低下し、今では半分以下の高齢者しか使えていません。
 区長からシルバーパスの改善について、次の2点について、東京都へ要望すること。
 ①より多くの高齢者が1,000円でパスを利用してもらえるようにするとともに、所得の中間段階の高齢者へ新たに3,000円負担のシルバーパスをつくること。②「新交通ゆりかもめ」にもシルバーパスを使えるようにすること。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、シルバーパスの改善についてのお尋ねです。
 ご質問にありました要望の趣旨は、引き続き、東京都に伝えてまいります。


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8. 一者入札を改めることについて

 豊洲新市場の主な3つの施設の建設工事は、スーパーゼネコン3社を中心とする3つの企業グループが、それぞれ競争なしの「一者入札」で、落札率平均99.87%という高値で落札しています。党都議団の追及を受けて、東京都は、一者入札を排除する制度改革に踏み出しました。
 港区でも一者しか入札がない場合がありますが、そのまま入札や見積もり合わせで行われています。一者入札を改めるべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、一者入札を改めることについてのお尋ねです。
 区では、現在、入札・契約手続の競争性、公正性及び透明性を確保するため、電子入札により、入札参加希望者が他者の入札参加状況を知り得ない中で、一定の資格を有する希望者を入札に参加させ、最も有利な条件を提示した入札者と契約を締結することができる制限付一般競争入札を実施しております。
 このため、現行制度を維持しながら、引き続き、公正性、透明性の高い入札・契約制度の改善に努めてまいります。


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9. 入札監視委員会設置について

 関連して入札監視委員会設置についてです。
 東京都は、2002年(平成14年)に「東京都が行う入札及び契約手続きの公正性・透明性を確保する」ことを目的に、「入札監視委員会」を設置してきました。
 しかし、東京都が第三者機関として設置している有識者らの監視委員会が、落札率が99.9%となった豊洲市場の施設建設工事を審議対象にしていなかったことが、日本共産党都議団の質問で明らかになりました。
 入札契約適正法にもとづいて設置されている入札監視委員会の歴代委員長が、都財務局幹部のOBであり、当時は、市場当局トップの中央卸市場長だった都OBが委員長を務め、審議する入札案件も委員長と都側が選んでいたことも判明しました。
 現在、委員長は辞任し大学教授と弁護士で構成しています。
 港区でも、契約手続きの公正性・透明性を確保するために、入札契約適正化法に定める、第三者機関による入札監視委員会を設置すべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、入札監視委員会の設置についてのお尋ねです。
 区では、現在、電子入札による制限付一般競争入札を実施し、入札・契約手続の競争性・公正性・透明性の確保に努め、予定価格の事前公表や区内事業者限定による入札の実施、労働者の最低賃金水準額の設定など、入札・契約制度の改善に積極的に取り組んでまいりました。
 今後、入札及び契約手続の公正性・透明性をより一層確保するため、他自治体の実施状況を把握するなど、入札監視委員会の設置について、調査・研究してまいります。



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10. ブラック企業対策および就職氷河期世代の就職支援を強化することについて

 若者を使い捨てるブラック企業対策や、就職氷河期世代の就職支援を強化するよう東京都へ要望すること。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、就職支援を強化するよう東京都へ要望することについてのお尋ねです。
 区は、東京都と連携して作成した冊子「ポケット労働法」の発行を通じて、区内企業に対する法令遵守の啓発に努めております。
 また、若年者向けの「就職応援セミナー」などにおいても、東京都と連携することにより就職支援の強化に取り組んでおります。
 こうしたことから、東京都に対し、若者を使い捨てるブラック企業対策など就職支援を強化することについての要望は考えておりませんが、今後も、東京都などの関係機関との連携や就職支援の充実を図ってまいります。 



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11. 家賃への助成事業を創設について

 若者・子育て世代の大きな負担となっている家賃への助成事業を創設するよう東京都へ要望すること。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、若者・子育て世代の家賃助成制度についてのお尋ねです。
 東京都における若者・子育て世帯に対する新たな家賃助成制度創設のご要望についてですが、現在、区として考えておりませんが、国や東京都と連携をしながら、若者や子育て世帯の支援を充実させてまいります。



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12. 給付型の奨学金制度の実施について

 区として、給付型の奨学金制度を実施すること。答弁を求めます。

【教育長答弁】
 最初に、給付型奨学金の実施についてのお尋ねです。
 学業に意欲を持ちながらも、家庭の経済的事情により、進学を断念せざるを得ない方を支援するため、国は、新たに大学生向けの給付型奨学金を創設し、平成29年度から一部先行実施しております。
 また東京都では、国が授業料の一部を充てる費用として学校に支給する就学支援金とは別に、私立高校生への給付型奨学金を拡充しております。
 区としての給付型奨学金制度の創設につきましては、このような国や東京都の新たな制度導入後の効果や課題などを踏まえ、他の自治体の動向なども参考にしながら引き続き研究してまいります。


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13. 都営住宅を大幅に増やすことについて

 17年間凍結されている都営住宅の新規建設を再開し、当面、2,000戸を急いで建設するとともに、民間賃貸住宅やUR住宅の空き家を「借り上げ型都営住宅」にするなどして、都営住宅を大幅に増やすよう、東京都へ要望すべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、都営住宅等を大幅に増やすよう東京都に要望することについてのお尋ねです。
 区は、これまでも都営住宅の建替えの際に区内にある都営住宅の従前戸数を維持するよう東京都に要望してまいりました。
 また、都営住宅の地元割当戸数の増加についても要望してまいります。
 東京都に新規建設を求めることにつきましては、このような要望をすることで現在は考えておりません。


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14. 最低賃金の引き上げについて

 大企業の内部留保が300兆円を超える一方、非正規労働者の増加と実質賃金の目減りが続いています。現在の最低賃金は、東京でも932円にしかなりません。1日8時間、月20日間働いても15万円程度で、健康で文化的な最低限度の生活すら営むことはできません。中小企業支援策と一体に、最低賃金をただちに時給1,000円以上に引き上げるとともに、1,500円をめざすよう国に要望すべきです。答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、最低賃金の引き上げについてのお尋ねです。
 最低賃金は、最低賃金法に基づき、学識経験者などの公益の代表者や労使双方の代表者を委員とする最低賃金審議会において、賃金の実態調査結果などを参考にしながら、審議を行い決定されております。
 このため、区が、国に対して、最低賃金の引き上げを要望するということは考えておりませんが、指定管理者制度導入の施設や工事請負契約などの労働者の人件費に対して、区が定める最低賃金水準額を適用するなど、今後も労働環境の改善に努めてまいります。


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15. 35人学級を早期に広げることについて

 どの子ものびる教育をめざし、35人学級を早期に全学年にひろげるよう、教育長として国へ要望すべきです。答弁を求めます。

【教育長答弁】
 最後に、35人学級の全学年での実施を国へ要望することについてのお尋ねです。
 35人学級を全学年に拡大することにつきましては、昨年度も、全国都市教育長協議会を通じて、国に対し、少人数学級の早期実現に向けた法整備を要望しております。
 また、特別区教育長会といたしましても、小学校第1学年と同様に第2学年以降、段階的に35人学級となるよう「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」の改正を国に要望するよう、東京都に申し入れております。
 今年度も、引き続き国及び東京都に対して、要望してまいります。


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16. 国土交通省の羽田新飛行経路案について

 この問題は、定例会ごとに質問してきました。新飛行経路案を知った区民は「住宅の真上を低空で飛ぶななんて認められない」との声が広がっています。港区の上を約600メートルから400メートルの低空で飛ぶことで、騒音、落下物、万が一の墜落など被害があることです。落下物は、着陸態勢に入る高度は600メートルから400メートルくらいだと、元パイロットも指摘しています。港区の上で車輪を出す可能性もあり、落下物の危険性はより増すことになります。
 この間、区や議会からの要請によって、教室型の説明会が高輪、青山・赤坂、港南地域で開かれました。5月29日の港南地域の説明会では、国交省は、説明会の案内で「港南地域の町会・自治会の皆様を対象」と、極端に参加対象を狭め、「港南地域以外の方の参加はご遠慮ください」と念を押す始末です。説明会の進め方も、これまでの取り組み報告、パネル展示による情報提供だけで、質疑を行わない方式を明示していました。
 港区からも区民を参加対象にすることや、質問を受け付けてそれに回答するよう、要請がされ、その結果、区民は対象にする。質問があれば受け付けて回答する、という設定になっていました。
 しかし、当日の説明会では、港南地域の方が、着陸準備での車輪の出し方、外国から飛行してくるので、本当に事前のコントロールが可能なのか、新聞報道で同時着陸の2機がニアミス情報が出る可能性指摘、等々の質問がでました。これに対して国交省からは、具体的な回答はありませんでした。質問者から、「大事な点になると曖昧で抽象的なことしか言わない。そんなことでいいのか」と厳しく指摘されました。
 司会者が「そろそろ残りの時間もあるので、パネル展示にて説明します」と質疑を打ち切ってしまったのです。
 パネル展示は、これまでの説明会資料と同じで、新しい資料は一つもありませんでした。20時には、パネル展示を見る方がほぼいなくなったので、参加者が「もとの全体質疑を続けてほしい」と要請し、国交省は対応したくないようでしたが、20時15分ごろからマイクを使って、全体の質疑が再開されました。終了時間の20時30分となり、説明会は終了しました。
 結局、参加者の質問には、具体的に焦点をあてた回答は不十分でした。
 質問します。国土交通省に対して、以下を強く要請すること。
①港南地域での教室型説明会を引き続き開催すること。
②高輪、青山・赤坂地域でも教室型説明会を再開すること。
③未開催の麻布、芝地域で教室型説明会を開催すること。
④説明会にあたっては、区民等を参加対象とすること、質問には具体的に答えること。
⑤港区民の合意が得られないまま、国交省が計画をごり押ししないこと。
答弁を求めます。

【区長答弁】
 次に、国土交通省の羽田新飛行経路案についてのお尋ねです。
 まず、教室型説明会の各地での開催についてです。
 区は、これまでも国土交通省に対し、羽田空港の新飛行経路案について、区民等の疑問や不安の声を受け止め、丁寧な説明を行うよう求めてまいりました。
 教室型説明会につきましては、既に実施した高輪、赤坂・青山、港南地域において再度開催することや、未実施の芝、麻布地区で開催することについて、地域からの要望等も踏まえ、引き続き国土交通省へ強く要請してまいります。

 次に、説明会における参加対象者と具体的な回答についてのお尋ねです。
 5月29日に開催された港南地域での説明会では、国は当初、参加対象者を地域住民に限定しておりましたが、区が国土交通省に要請を重ねた結果、地域外の区民等も参加できるようになりました。
 今後も説明会の開催にあたりましては、在勤者や在学者を含む区民等を参加対象とするよう、また、区民からの質問に対しては、趣旨を捉え具体的に回答するよう、引き続き国土交通省に申し入れてまいります。

 次に、区民の合意を得ないで計画を進めないよう要請することについてのお尋ねです。
 区はこれまでも、羽田空港の新飛行経路案については、区民等へのきめ細かな情報提供を行い、十分な理解を得たうえで計画を進めるよう、国土交通省に強く要請してまいりました。
 今後も引き続き、区民等のご意見を踏まえながら申し入れてまいります。


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17. 消防団の訓練場所の確保について

 5月21日、28日に行われた、区内各消防団のポンプ操法大会では、各分団の日頃の訓練の成果が発揮され、参加した区議会議員や町会・自治会役員からも歓声があがりました。大会にむけて各分団が深夜にまで訓練していますが、その訓練場所がなかなか確保できていません。
 芝消防団長は大会の閉会にあたっての謝辞で、各分団の訓練場所は、歩道であったり、企業の空地で行っているが、通行人や住民から、「うるさい」などと苦情があちこちででており、本当に苦労して訓練している状況を話し、港区や関係機関のご尽力をお願いしたいと呼びかけました。
 この呼びかけには、行政も議会も関係機関もなんとかして、訓練ができるように知恵をひねり出す必要があると思います。
 港区の土木関係部署や民間企業の場所提供など、あらゆる知恵を発揮して、訓練場所の確保へ取り組んでいただきたい。私たちも、協力はおしみません。答弁を求めます。

【区長答弁】
 最後に、消防団の訓練場所確保についてのお尋ねです。
 消防団を所管する各消防署では、交通量の少ない区道や都有地、民間企業の敷地の借用など、訓練場所の確保に努めております。
 また、区でも、区立芝公園、港南緑水公園、みなとパーク芝浦に消防団の訓練場所を確保してまいりました。更に、三田三・四丁目地区の再開発において訓練場所の確保を開発事業者に促すなど、大規模開発の際に、空地等を利用できるよう働きかけております。
 今後も、消防団が活発に活動できるよう、東京消防庁とも連携しながら、積極的に訓練場所の確保に努めてまいります。

《再質問》
 消防団の訓練場所の確保について

《質問要旨》
 開発の動向に合わせての確保ということだったが、歩道で活動している消防団については、早急に場所を確保していただきたい。

《区長答弁要旨》
 公園等で整備したものは十分な訓練ができるよう、直線で100メートルの距離を取るなど大規模なもののため、すぐに整備するのは困難であり、一定の期間を要する。
 訓練内容によって訓練場所も異なるとは思うが、引き続き積極的な訓練場所の確保に努める。


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区民アンケート

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icon-pdf.gif 2014年区民アンケート報告.pdf