北朝鮮によるミサイル発射と核実験に対して厳しく糾弾し意見を述べます。
日本共産党は、志位和夫委員長の談話・声明をこの間発表してきました。その内容にそって、意見表明いたします。
北朝鮮は9月2日、昨年9月に続く6回目の核実験を強行しました。「大陸間弾道ミサイル搭載の水素爆弾の実験を成功させた」と主張しています。
北朝鮮の核実験は、今年だけでも13回行った弾道ミサイル発射とともに、世界と地域の平和と安定にとって重大な脅威であり、累次の国連安保理決議、6カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙です。それは、国際社会が追求している「対話による解決」に逆行する行為であり、核兵器禁止条約の採択など「核兵器のない世界」を求める世界の大勢に逆らうものです。
私たちは、強い憤りをもって、この暴挙を糾弾し、抗議します。
いまの最大の危険は、米朝両国の軍事的緊張がエスカレートするもとで、当事者たちの意図にも反して、偶発的な事態や誤算などによって軍事衝突が引き起こされる現実の可能性が生まれ、強まっているということです。万が一にもそうした事態が引き起こされるならば、その被害は日本にも深刻な形で及びます。おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は、絶対に回避しなければなりません。
北朝鮮に対して、これ以上の軍事的な挑発を中止することを厳重に求めます。
米朝両国に対して、強く自制を求めるとともに、現在の危機を打開するために、直接対話に踏み出すことが特に重要です。
8月29日の国連安保理議長声明は「対話を通じた平和的で包括的な解決」を加盟国に呼びかけています。国際社会および日本政府に対して、米朝両国に直接対話をうながし、平和的・外交的な手段で核・ミサイル問題を解決するために、可能なあらゆる手立てをとることを強く要請します。
とくに日本政府が、「対話否定論」に固執する態度をあらため、「いまこそ対話に踏み切るべきだ」ということを米国政府に説くことを、強く求めるものです。
都議会議員選挙の結果について意見を述べます。
7月2日投・開票された都議選で、日本共産党は、2議席増の19議席に躍進しました。
港区では、染谷ふみ子さんが、短期間の選挙戦の取り組みにもかかわらず、議席には及びませんでしたが、11,434票を獲得し大善戦しました。ご支援をいただいた多くの方に感謝申し上げます。私たちは、今後ともかかげた公約実現のため奮闘する決意です。
今回の都議選で私たちは、(1)共産党の躍進で安倍政権の国政私物化と憲法壊しに厳しい審判を下す、(2)築地市場の豊洲移転を中止し、築地ブランドを守る、(3)超大型道路の無駄遣いをやめ、国保料(税)の1万円引き下げをはじめ、暮らし・福祉中心の都政をつくることを訴えてきました。
そして、選挙戦の対決構図が「自公対日本共産党」にあること、小池都政に対しては是々非々をつらぬき、日本共産党の躍進で都議会のチェック機能を強めることを訴えてきました。
選挙戦全体の最大の特徴は、自民党が歴史的大敗を喫し、過去最低の23議席となったことです。安倍政権がすすめる政策とその政治姿勢に対して、首都・東京の厳しい審判が下され、安倍政権に「レッドカード」を突きつけたものです。
今回の選挙は、全都各地で、野党共闘の広がりを土台に、他党他会派・無所属からの党候補への応援をいただきました。港区でも、野党と市民の共同が広がりました。政党を選択する政治選では、はじめて他の政党から支援を受けるという画期的な政治選となりました。
私たちは、躍進した党都議団の役割をいかんなく発揮し、都民要求実現のたたかいに全力をあげるとともに、今回の都議選の経験と教訓を最大限に生かし、首都・東京の野党共闘の発展と来たる解散・総選挙における勝利のために全力をあげる決意です。
1. 国土交通省が計画している、羽田新飛行ルート案について
私たちは、定例会ごとに一貫して質問してきました。
新飛行ルート案は、港区上空を約600メートルから400メートルの超低空で飛行する計画です。この計画案を知った区民は「こんな危険な計画は認められない」と怒りの声を上げています。港区民が生活する真上を超低空で飛行するのですから、騒音、落下物、万が一の墜落など被害に対して、不安や怒りがでてくるのは当然のことです。
特に落下物の被害では、着陸態勢に入る高度は600メートルから400メートルくらいだと、元パイロットも指摘しているとおりで、港区の上空で着陸するために車輪を出す可能性が高く、氷の塊や部品の落下などの危険が増すことになります。住宅密集地にもし落下すれば大変な被害となります。
9月5日11時5分ごろ羽田空港を離陸した日本航空の国際便がエンジンから出火した事故が起こりました。同機は正午過ぎに羽田に引き返し緊急着陸しました。日本航空によると、機体を軽くするため、千葉県の房総半島沖で燃料を海に投棄して羽田空港に引き返したといいます。
この事故を、新飛行ルートに当てはめると、同様のエンジントラブルが起きれば、機体を軽くするために燃料投棄するのは陸上となります。住宅密集地に燃料をばら撒くなどできるはずがありません。こうした新たな問題も浮かび上がったのです。私たちは改めて新飛行ルートの撤回を求めて運動を強化していきます。
前定例会で、区長に対して、
①港南地域での教室型説明会を引き続き開催すること。
②高輪、青山・赤坂地域でも教室型説明会を再開すること。
③未開催の麻布、芝地域で教室型説明会を開催すること。
④説明会にあたっては、区民等を参加対象とすること、質問には具体的に答えること。
⑤港区民の合意が得られないまま、国交省が計画をごり押ししないこと。
を国土交通省に求めるよう質問しました。
区長からは、質問内容にそって国土交通省に要請し、申し入れるという答弁でした。
しかし、国土交通省のその後の対応はどうかと、区の担当部署に聞いたところ、オープンハウス型の説明会を計画しているということでした。
区長から正式に要望し申し入れているのに、まともに対応を検討したとは到底いえません。港区民に真摯に説明する態度でもありません。
前定例会で区長から要請し、申し入れたことがらを国土交通省が確実に実行するよう、改めて強く求めるべきです。答弁を求めます。
【区長答弁】
最初に、国土交通省の羽田新飛行ルート案についてのお尋ねです。
まず、教室型説明会の各地での開催についてです。
区が、羽田空港の新飛行ルート案について、国土交通省に対し、教室型説明会の開催を強く求めた結果、高輪、赤坂・青山、港南地域の3か所において区民等を対象とした教室型説明会が実現いたしました。
今後も、既に実施した地域で再度開催することや、未実施の芝、麻布地区で開催することについて、改めて国土交通省へ強く要請してまいります。
次に、説明会における参加対象者と具体的な回答についてのお尋ねです。
これまで区内で開催された教室型説明会では、国は当初、参加対象者を地域住民に限定しておりましたが、区が国土交通省に要請を重ねた結果、地域外の区民等も参加できるようになりました。
説明会の開催にあたりましては、引き続き、在勤者や在学者も含む区民等を参加対象とするよう、また、質問に対しては、趣旨を捉え具体的に回答するよう、改めて国土交通省に申し入れてまいります。
次に、区民の合意を得ないで計画を進めないよう要請することについてのお尋ねです。
区はこれまでも、羽田空港の新飛行ルート案については、区民等へのきめ細かな情報提供を行い、十分に納得を得たうえで、検討を進めるよう国土交通省に強く要望してまいりました。
今後も引き続き、区民等のご意見を踏まえながら、申し入れをしてまいります。
2. 再開発により一時転居に伴う住所移動による不利益をなくすことについて
Aさんは、中学生の頃から港区で育ち、60年以上港区に住んでいる方です。ところが住んでいた地域が再開発になりそのため3年間、港区を離れ仮住まいになりました。
Aさんが長年在宅で介護してきた弟さんの特養ホームを申し込んだ際、居住年数が再開発ビルに戻ってきてからの居住年数(3年と数ヶ月)でしか点数化されていないことが分かり、入所順位が低く判定されてしまいました。
港区に長年住んできたのに、再開発のために区外に一時転居したらこれまでの港区での居住年数がとぎれてしまうことに不満を訴え、改善を求めています。
特養ホームは、半年ごとの申込者が毎回400人前後と多くの方が入所を希望されています。そのため区は独自の入所基準を作り、要介護度や介護者の状況、港区の居住期間等を点数化し入所の必要性の高い方から優先的に入所者を決めています。入所を希望する方にとって1点でも点数が高い方が入所順位が上がるので、今回のように再開発のために一時転居したらこれまでの居住年数が消えてしまうことには納得がいかないのは当然です。
ちなみに居住期間は最高が50年以上で7点、最低は3年未満で0点です。Aさんの場合、本来は7点のころが1点しかつかなかったことになります。
結局、弟さんは特養ホームに入所できないままなくなられました。
Aさんは、「いずれ自分たち夫婦も特養ホームを利用するようになるかもしれない。そのためにも是非改善してほしい」と求めています。
居住年数を要件にしている事業は、特養ホーム以外にも高齢者住宅や出産費用助成、保育園入所、奨学資金貸し付けなど8事業あります。
こうした事業の対象者も、再開発による一時転居による不利益がないよう全庁的に改善すべきです。答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、再開発による一時移転に伴う不利益をなくすことについてのお尋ねです。
再開発により区から移転した方が、区に戻られた場合の居住年数の要件の扱いにつきましては、全庁的な検討を進めてまいります。
《再質問1》
再開発による一時移転に伴う不利益をなくすことについて
《質問要旨》
再開発に伴い一時移転をされた方が、居住年数の継続の申し入れをできるためには、区民への制度の周知も必要だが、具体的にどのようにお考えか答弁をいただきたい。
《区長答弁要旨》
現在、住所要件がある区の事業は9事業ある。一時移転に伴う不在期間について、既に取扱いを決めている事業については、区民に対し適切に制度を利用していただけるよう徹底していていく。
その他の事業については、それぞれの事業の設立の背景や法的な要件、経緯等も踏まえ、検討を進めていく。
3. 町会・自治会支援の新たな取り組みについて
この間、私たちも提案し、他の会派からも町会支援の質問もありました。町会の運営は高齢化や町会員の減少、役員のなり手不足など深刻です。
特に、小規模・中規模の町会の運営は大変です。規模の大小にかかわらず、町会を運営するための資金が必要となります。制度を改善し小・中規模の町会・自治会を支援するべきです。答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、町会・自治会支援の新たな取組についてのお尋ねです。
区は現在、地域で活動されている方々や学識経験者などの専門的な見地からの意見を伺いながら、庁内組織である「港区協働推進会議」において、活動内容などに応じた補助金制度や有効な加入促進策などの検討を進めております。
来年度の実施に向け、今年度中に支援策を取りまとめる予定です。
小規模な町会・自治会などについても、その支援策の中で対応してまいります。
4. 国民健康保険制度の都道府県化について
来年度からの国保制度の都道府県化に向け、準備が進められていますが、その内容は区民には一切知らされていません。これまで我が党の質問にたいし都道府県化により保険料が高くなるとの予想が示されました。
厚生労働省は、昨年春に「納付金及び標準保険料率の算定方法についてのガイドライン」を明らかにし、これを受けて全都道府県が2回にわたって試算を行いました。東京都は、これまでの2回の試算結果については、都民にも各自治体にも公表していませんが、2回の試算結果、保険料が現行から1.3倍になるなど多くの自治体で大幅な負担増となることが明らかになっています。
こうした結果を受けて国は第3回試算方針を都道府県に通知し、8月31日までに報告を求めています。
3回試算の最大の特徴は、厚労省が制度移行に伴う「保険料負担の急変」を極力さける姿勢を明らかにし、都道府県化による保険料の大幅な値上げを抑制する方向を示したことです。
また法定外繰入については、「骨太方針2017」で、「市町村の法定外一般会計繰入れの計画的な削減・解消を促す」と従来の姿勢は変えていませんが、「可及的、速やかに」とか「段階的に」との表現は使っていません。
これは、私たちの反対の声などを無視できず、2回目の試算結果から是正を余儀なくされたものといえます。
今回の改訂ガイドラインでは、保険料負担抑制のための新たな財源措置などには触れておらず、これまで示されてきた財源の範囲内で大幅値上げを抑制する内容であり、今でも高すぎる国保料を引き下げるものにはなっていません。
国民健康保険料は毎年上がり続け、今でも3割近い人が払えない状況です。今年(H29年度)の保険料の通知を送付した後、住民から保険料が高いなどの問い合わせが1,982件も寄せられ、昨年より326件も増えています。 今でも高すぎる保険料に区民は苦しめられています。これ以上新たな負担を押しつけるべきではありません。
1 東京都に対し、これまでの3回実施した試算結果をすみやかに公表するよう要求すべきです。
2 都道府県化は、国保制度の大幅な改定となります。区民に説明することなく決定することは許されません。早急に説明会を開催すべきです。
3 今でも高すぎる保険料は、都道府県化で大幅に値上げとなります。区長は、区長会で保険料負担抑制のため、これまでどおり、一般財源からの繰り入れを行うよう主張するなど、あらゆる方策を駆使し値上げを回避すべきです。答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、国民健康保険制度の都道府県化についてのお尋ねです。
まず、東京都の保険料試算結果を公表するよう要望することについてです。
来年度から予定されている国保制度改革では、都道府県が財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等の役割を担い、区市町村は、制度改革後も引き続き資格管理や賦課・収納、保険給付等、地域におけるきめ細かい事業を担ってまいります。
9月20日に開催される東京都国民健康保険運営協議会では、制度改革の内容として東京都国民健康保険運営方針(素案)や保険料の試算等が示され、東京都が公表する予定です。
次に、説明会を開催することについてのお尋ねです。
国保制度改革後も、区は、東京都ともに国保の保険者として、運営に携わってまいります。
国保制度改革の内容が決まり次第、被保険者に対して、丁寧な説明をする機会を設けてまいります。
次に、保険料負担抑制への対応についてのお尋ねです。
これまで、特別区は統一基準により保険料を算定しており、区は保険料負担の軽減を図るため、一般財源を投入しております。
現在、特別区では、国保制度改革による保険料上昇緩和のための国の財源負担の影響や、特別区の保険料制度の在り方、保険料の算定等を検討しております。
また、区は保険料負担抑制のため、医療費適正化事業を実施し、また、国や東京都による財政支援等についても、特別区や市町村と連携し、引き続き要望してまいります。
5. 介護保険制度について
第7期の介護保険事業計画の見直しがおこなわれています。これまでも介護保険制度は見直しの度に「持続可能性の確保」の名の下に給付抑制と負担増が押しつけられてきました。
今回の「2017年改革」でも、現役並み所得者(単身者340万円、夫婦463万円/年間収入)の利用料の3割負担の導入、40才から64才の介護保険料の算定方法を「総報酬割り」に切り替える、介護サービス費(一般区分)の上限額を現行の37,200円から44,400円に引き上げ、給付の見直しでも生活援助を中心に訪問介護をおこなう場合の人員基準の緩和とそれに応じた介護報酬の見直しなどが盛り込まれています。
1号被保険者の負担割合も22%から23%に増えます
利用者にとっても事業者にとっても厳しい見直しです。
今でも高い保険料で区民からは高すぎるとの声が上がっています。
これ以上の負担増とならないよう保険者として保険料・利用料を引き下げるべきです。答弁を求めます。
介護給付費が増えれば介護保険料が増えるという制度自体に問題があります。特養ホーム100床にかかる給付費は約3.4億円(年)で、被保険者一人あたりの保険料に換算すると約140円。港区は南麻布4丁目の特養が整備されると829床になり、保険料に換算すると特養ホームの分だけでも1,160円になります。7月末の特養ホームの入所申し込み者は361人でした。特養ホームに入れない人は後を絶ちません。
高い保険料を払うか、特養ホームなどの入所をあきらめるか、介護サービスをあきらめるかの選択を迫ることになります。
給付費が増えれば介護保険料が増えるという制度自体の見直しが必要です。国に対し見直しを求めるべきです。答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、介護保険制度についてのお尋ねです。
まず、介護保険料及び利用料の引き下げについてです。
現在、区は、来年度からの第7期介護保険事業計画を策定中です。介護予防等重度化を防ぐ事業を充実させるなど介護給付費の抑制を図りながら、次期の要介護者数や介護給付費を推計し、介護保険料をお示しをしてまいります。
利用料については、介護保険制度の持続可能性や、費用負担の公平性の観点から、応分の負担を求めるものですが、区は、低所得者へ配慮するため、独自の介護保険料及び利用料の軽減を、引き続き実施してまいります。
次に、介護保険制度の見直しについてのお尋ねです。
介護保険制度は、安定的で持続可能な制度となるよう、給付費等介護サービスを賄う財源は、介護保険料と公費で負担することが定められております。
区は、本年6月、国に対し、都心区港区の実情を反映させた港区介護保険レポートを作成し、被保険者の保険料負担を軽減するため、調整交付金の確実な交付や長期的に介護人材を確保・定着させるための処遇改善、国による低所得者対策の実施などを要望しております。
今後も、区民が安心して利用できる介護保険制度の更なる充実について、国に要望してまいります。
6. 児童扶養手当の改善について
児童扶養手当は、両親の離婚や死亡などで、一方の親からしか養育を受けられない子がいる家庭に支給される手当です。
所得によって月額がきまっていて、今年4月からは児童1人の場合最大4万2,290円、2人目は最大9,990円、3人目以降に最大5,990円支給されます。2010年には父子家庭も対象となり、12年にはドメスティックバイオレンス(DV)で裁判所から保護命令が出された場合も支給が可能になりました。
児童扶養手当を受給しているのは全国で約104万世帯(2015年度)、港区では1,086世帯(2016年度)です。
現在は年3回の支給(4・8・12月)で、4カ月分を受け取る仕組みです。
こうした「まとめ支給」には、受給者から「やりくりが難しい」と、見直しを求める声が上がっています。
国は、国民の声に押され2カ月ごとに支給するための検討を始めたと報道されています。
せっかく受給者のために改善するのであれば、生活が大変な世帯への手当ですから、毎月支給にするべきです。
毎月支給にするよう国に要請すべきです。答弁を求めます。
兵庫県明石市では、受給者の生活の安定を図るため、毎月手当と同額を貸し付け、支給月に支給された4カ月分返済してもらう事業を始めました。先進的な取り組みです。
港区でも明石市と同様な貸付制度を行うべきです。
児童扶養手当は、1人目は最大4万2,290円、2人目最大9,990円、3人目以降は最大5,990円です。1人目だろうと、2人目だろうと、子育てにかかるお金に変わりはありません。同額にするよう、国に要請すべきです。
それぞれ答弁を求めます。
【区長答弁】
次に、児童扶養手当の改善についてのお尋ねです。
まず、児童扶養手当を毎月支給とするよう国に求めることについてです。
厚生労働省は、平成28年10月に全国の自治体を対象として、児童扶養手当の支給回数を変更した場合の人員体制への影響や、システム改修の費用等についての調査を行っており、現在、支給方法の見直しについて、検討を行っていると聞いております。
こうしたことから、区では、児童扶養手当を毎月支給とするよう国に求めることは、考えておりませんが、引き続き、国の動向を注視し、児童扶養手当の支給回数が変更となった場合は、適切に対応してまいります。
次に、児童扶養手当に相当する額の貸付制度の実施についてのお尋ねです。
ご質問にありました明石市では、平成29年度から、市内15世帯を対象として、児童扶養手当の1か月分相当額を毎月貸付金として社会福祉協議会が貸し付け、児童扶養手当の支給に合わせて返済してもらうモデル事業を実施しています。
港区においても、何らかのご事情で、次の児童扶養手当の支給までの間の生活費等が必要な場合には、港区社会福祉協議会の緊急小口資金の制度をご利用いただけます。
区としての貸付制度を実施することは、考えておりませんが、引き続き、国の児童扶養手当の支給方法見直しの検討の動向を注視し、適切に対応してまいります。
次に、第2子以降の手当額を第1子と同額とするよう国に求めることについてのお尋ねです。
児童扶養手当は、子育てと生計を一人で担わなければならないひとり親家庭の生活の安定と自立の促進を図るために、世帯を単位として家計を支援する制度です。
特に子どもが2人以上いるひとり親家庭は、より経済的に厳しい状況にあることから、子どもが多いことで家計に及ぶ影響を加算額として増額支給しています。
国は、昨年8月に、第2子に係る加算額を月額5,000円から最大で10,000円とするなど、第2子以降の加算額を大幅に増額し、子どもが2人以上いるひとり親家庭への支援を強化しております。
7. シルバーパスの改善について
第2回定例会でも質問しました。シルバーパスは高齢者が買い物や病院通いなど外に出るために大きな役割があります。シルバーパスは、所得が125万円以下の方は1,000円で購入できますが、所得が125万円を超えると、2万510円となります。一気に負担が増えるため、パスを利用する人が年々低下し、今では半分以下の高齢者しか購入していません。前定例会でも改善について区長に質問しました。区長の答えは、要望の趣旨を東京都に伝えるというものでした。
区長が本腰を入れて改善を東京都へ求めるべきです。
①より多くの高齢者が1,000円でパスを利用できるよう対象を拡大するとともに、所得の中間段階の高齢者へ新たに3,000円負担のシルバーパスをつくること。
②「新交通ゆりかもめ」「東京メトロ」にもシルバーパスを使えるようにすること。
答弁を求めます。
【区長答弁】
最後に、シルバーパスの改善についてのお尋ねです。
前定例会でご質問のありました要望の趣旨については、6月に東京都に伝えております。今回の要望の趣旨につきましても、東京都に伝えてまいります。
8. 就学援助制度の新入学児童・生徒学用品費(入学準備金)について
就学援助の入学準備金が小学生は2万470円から4万600円に中学生は2万3,550円から4万7,400円に引き上げられたことを受け、港区としても金額を引き上げるよう求めてきましたが、都区財政調整上の金額を根拠にしていることを理由に実施を拒んできました。
私たちの度重なる質問に対し教育委員会は「特別区学務課長会」や「特別区教育長会」で「必要性を主張し2018年度(H30年)の都区財政調整において金額の引き上げが実現できるよう取り組む」と答弁されました。
すでに2018年度(H30年度)都区財政調整協議に向けた検討も始まっており、国基準まで引き上げる方向で検討がされているとのことです。(9月5日行財政特別委員会)
港区は不交付団体であり、財調の結果を待つまでもなく、区として引き上げを決断すべきです。答弁を求めます。
小学生への支給時期を中学生と同様入学前の支給にすることについてです。
入学準備金が入学前に支給されず、後から支給されていた問題で、文部科学省も世論に押され、必要な時期に支給するようにとの通達をだしました。
この通達を受け、今年度から中学校、小学校ともに前倒し支給を決めた自治体、前倒し支給に前向きな検討を始めた自治体が増えています。
港区でも中学生については今年から2月支給が実現しました。小学校の前倒し支給については、「学校を通じて保護者に個別の案内ができない。」「保護者へ就学援助制度を正確に周知できない。」「世帯状況や所得額の確認、認定、支給のためのシステムに一定の期間がかかる」などを理由に入学前の支給は困難との答弁でした。
毎年新1年生には、10月から11月にかけて通学区域の小学校で「就学時健康診断」を受けるための通知が送られます。そのときに就学援助制度の通知を送付するなど方法はあります。
義務教育のスタートとして一歩を踏み出すすべての新1年生が希望を持って入学を迎えられるよう、入学準備金を準備に必要な時期に支給すべきです。
答弁を求めます。
【教育長答弁】
就学援助の新入学学用品・通学用品費についてのお尋ねです。
まず、支給額の引き上げについてです。
教育委員会では、新入学学用品・通学用品費の支給額は、都区財政調整の金額を根拠としております。
都区財政調整の金額の引き上げにつきましては、これまでも特別区学務課長会や特別区教育長会において、その必要性を指摘し、他区との情報共有を図ってまいりました。
さらに、平成30年度都区財政調整協議に向けた検討が開始される前の、6月6日の特別区学務課長会においても、都区財政調整の金額の引き上げを検討するよう、各区の財政担当部署へ要請することを提案いたしました。
現在、特別区財政課長会におきましては、都区財政調整の金額の引き上げの必要性について情報共有が図られ、都区財政調整協議に向けて検討を進めていると聞いております。
今後も、他区と連携を密にし、新入学学用品・通学用品費の金額の引き上げが実現できるよう取り組んでまいります。
最後に、小学校入学前の支給についてのお尋ねです。
小学校入学前の支給については、国の要綱改正が行われており、就学援助制度の趣旨からも、検討が必要であると考えております。
今後、入学前であることから、学校を通じた正確な就学援助制度などの個別案内が難しい保護者への周知方法の改善や、世帯状況や所得額等の確認、認定、支給までの就学援助システムの再構築のため、既に小学校入学前に支給をしている自治体や、検討を進めている自治体から情報収集し、小学校入学前の支給の実施に向けて具体的に検討してまいります。
《再質問2》
就学援助の新入学学用品・通学用品費について
《質問要旨》
都区財政調整の引き上げを待たずとも、新宿区は独自に国基準まで引き上げ、今年4月に入学した子どもたちについても差額分を支給する予定だが、区の姿勢についてお伺いしたい。
また、入学前の支給についても、新宿区は実施すると聞いているので、情報収集し実施に向けて取り組んでいただきたい。
《教育長答弁要旨》
5月10日の特別区学務課長会及び5月23日の特別区教育長会において、都区財政調整の金額の引き上げの必要性について説明をした。他区においても同様の課題を抱えていることから、できるだけ早く都区財政調整における金額の引き上げが実現できるよう努めていく。
また、新宿区を含め、他自治体の検討状況については、引き続き情報収集をしていく。