総選挙結果について意見を述べます。
10月22日投票の総選挙で、日本共産党は、沖縄1区で赤嶺政賢氏が当選しました。「オール沖縄」の力を総結集した結果であり、大きな勝利です。
選挙結果は、12議席への後退と、残念な結果でした。ご支援いただいた多くの方々に心から感謝するとともに、次の国政選挙では必ず捲土重来を期す決意です。
今回の総選挙で日本共産党は、市民と野党の共闘を成功させることを、大方針にすえて奮闘しました。日本共産党、立憲民主党、社民党の3野党が、市民連合と政策合意を結び、協力・連携して選挙をたたかいました。立憲民主党が躍進し、市民と野党の共闘勢力が全体として大きく議席を増やしたことは、私たちにとっても大きな喜びです。
私たちは、総選挙直前に、民進党が希望の党へ合流するという重大な逆流が生まれたもとでも、市民と野党の共闘を揺るがず断固として追求しました。共闘勢力の一本化のために、全国67の小選挙区で予定候補者の立候補を取り下げました。この決断が、共闘勢力が全体として議席を伸ばすうえで、その貢献となったことは、選挙結果がはっきりと示しています。
東京1区では市民と野党の共同候補・海江田万里氏が見事当選しました。野党と市民がしっかりと連携・共同すれば与党に勝利できることを実践した画期的な共闘でした。
この選挙では、3野党と市民が連携・協力して選挙戦をたたかうなかで、全国のいたるところで「共闘の絆」「連帯の絆」がつくられました。日本共産党は、この財産を糧として、市民と野党の共闘の本格的発展のために引き続き力をつくすものです。
総選挙の結果、自民党・公明党で議席の3分の2を占めましたが、これは希望の党という自民党の新しい補完勢力が、野党共闘に分断と逆流をもちこんだ結果にほかなりません。自民党が得た比例得票は33%なのに、全議席の61%を得たのは、民意を歪める小選挙区制がもたらしたものであり、「虚構の多数」にすぎません。
総選挙で、日本共産党は、安倍暴走政治への審判を正面からよびかけるとともに、安倍政権を退場させた後にどんな日本をつくるのかについて、外交、経済、原発、憲法、核兵器、と5つの柱で日本改革ビジョンを訴えました。どの問題も、今日の日本が直面している焦眉の課題と切り結んで、安倍政治に対する真正面からの対案を示したものであり、わが党ならではの先駆的なものだったと確信しています。
新しい国会で、総選挙で掲げた公約を実現するために、市民と野党の共闘をさらに発展させ、憲法改悪阻止をはじめ、各分野の国民運動を前進させるために、全力をあげる決意を述べ質問に入ります。
1. 核兵器禁止条約について
7月に国連で採択された核兵器禁止条約は人類史上初めて核兵器を違法化する歴史的
意義をもちます。今年のノーベル平和賞が101カ国にまたがるNGOの連合体・核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)に授与されました。ICANは、「世界中の活動家と憂慮する市民たちの惜しみない努力への感謝の印」「広島、長崎の被爆者と、核実験の被害者への贈り物」と述べています。授賞式には被爆者と広島、長崎の両市長がICANからの要請を受けて出席します。
条約は、現在53カ国が署名、3カ国が批准しており、来年中の発効が見込まれています。この条約を批准する責任があるのに安倍首相は「署名・批准を行う考えはない」と、世界の流れに逆行しています。被爆者から「あなたはどこの国の総理ですか」との満身の怒りの声があがりました。
私は第3回定例会で、区長が国に対し核兵器禁止条約に署名・調印するよう要請することを求めましたが、区長は「今後とも、96、6%に当たる国内の加盟自治体とともに世界の恒久平和と核兵器廃絶の実現に取り組んでいく」として加盟自治体の一員としての態度表明にとどまっています。
ICANのノーベル平和賞受賞と、50カ国を超える署名など新たな前進の中で、あらためて質問します。
①ICANのノーベル平和賞受賞に対する認識を伺います。
②国に対し核兵器禁止条約に署名・批准するよう独自に要請すること。
答弁を求めます。
【区長答弁】
①区は、昭和60年、非核三原則を堅持し、広く核兵器の廃絶を訴える「平和都市宣言」を行い、平和に関する様々な取組を重ねてまいりました。
この度、国際的に核廃絶に取り組むICAN(アイキャン)が、ノーベル平和賞を受賞することは、区としても、喜ばしいことと受け止めております。
②核兵器禁止条約については、区が加盟する平和首長会議国内加盟都市会議として、国に要請を行っており、区が重ねて要請することは考えておりません。
引き続き、平和都市宣言をしている区として、平和首長会議に加盟する全世界の都市と連携し、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を訴えてまいります。
2. 羽田空港への新飛行経路案について
共産党議員団は、港区の上空を低空で飛行する案を撤回させるため、定例会ごとに質問しています。それは、新飛行経路案が、港区上空を600メートルから400メートルの低空で、2分に1機飛行する計画で、騒音、落下物、万が一の墜落の危険など、区民の不安や無謀な計画への怒りが広がっているからです。
9月に航空機からの落下物が相次ぎ、危険な実態についてマスコミでも大きく報道されました。これまで対策を取っていると説明してきた国土交通省は、あわてて整備基準や検査体制の強化の方針をまとめるようですが、落下物による被害に対する見舞金の支払制度を新たに作ることは落下物を無くすことができない証明です。
騒音被害についても、国交省は航空機の飛行経路と不動産価値の変動との間に直接的な因果関係がないとしてきましたが、先日のテレビ報道では、ロサンゼルス国際空港での不動産価値への影響を参考に試算しました。高層階ほど影響が大きいと述べ、白金高輪周辺では30%以上の下落になる予想です。価格1億円のマンションの場合7000万円に下がることになります。経済効果を上回る損失になるのでは、とのコメントがありました。
国交省は日本を訪れた外国人旅行者数が11月4日に過去最多を超えたことを明らかにしました。年間で2800万人に達する見込み(観光庁長官)とのこと。地方空港やクルーズ船を使って来日しており羽田空港の機能強化の必要性がない状況です。
こうしたこともあり、新飛行経路案は撤回すべきとの声が高まっています。
10月21日に、「みなとの空を守る会」がよびかけた、羽田低空飛行計画撤回パレードには、雨の中80人が参加、超高層マンションの管理組合理事長や町会長や町会の代表が計画の阻止や撤回を求めていくとの決意を述べました。共産党議員団も4名全員参加し、新飛行経路案を撤回させるまでたたかう決意を述べました
これまで区は「新飛行経路案を了承したとか合意したとかいうことはない」(平成27年度決算特別委員会)と答えていますが、10月21日の「広報みなと」に掲載された 「羽田空港の機能強化に関するお知らせ」では、「区は、これまで国に対して羽田空港の機能強化には理解する」と記述しています。これでは区の態度が変わったと誤解を与えるものとなります。 新飛行経路案に対する区の対応を明確にされるため質問します。
①これまで区が言ってきた「新飛行経路案を了承したとか合意したとかということはない」 という態度を再度明確にすべきです。
②落下物をゼロにすることは不可能であることが明らかになっていることに、区民の安全 を守るべき区長はどのように考えているのか。
③落下物、騒音・振動、マンションの資産価値低下など影響は極めて大きいことからも
国に新飛行経路案の再検討を求めること。
答弁を求めます
【区長答弁】
①国土交通省は、「羽田空港の新飛行経路案については、国が判断し決定するものであり、関係自治体に了承や合意を求めるという趣旨のものではない」としており、区としても、国の責任において区民等の十分な理解を得て進めるべきものと考えております。
②航空機からの落下物は、大きな事故につながる危険性があるため、区は国に対し、事故等を未然に防ぐ取組を進めるよう要請してまいりました。
国は、羽田空港の機能強化に際して、落下物事故の未然防止策を強化するため、航空会社が遵守すべき落下物防止対策基準を新たに策定するなど、様々な安全対策を検討しています。
区は、区民の安全と生活環境を守る立場から、国に対し、事故の未然防止の取組をより一層進めるとともに、丁寧な説明を尽くすよう、引き続き強く求めてまいります。
③国が考えております新たな飛行経路案については、国の責任において区民等に丁寧な説明を行い、十分な理解を得て、検討を進めるべきものと考えております。
区といたしましては、引き続き、区民の意見や要望等について、きめ細かな説明等を行うよう重ねて申し入れてまいります。
3. 来年度実施に向けた町会・自治会への支援強化策について
共産党議員団は、この間、町会支援を強める提案をしてきました。決算委員会でも具体的に質問しました。
町会の運営はどこでも厳しさが増していて、特に小規模、中規模の町会は、財政的にも深刻です。
9月の本会議での質問に対して区長は、「補助金制度や有効な加入促進策などの検討を進めており、来年度の実施に向け、今年度中に支援策を取りまとめる予定」と答えました。
決算委員会では、共産党議員団がこの間、条例提案をするために検討してきた具体的支援策を示して質問しました。小規模な町会に手厚く支援するもので、1人から150人の会員数の町会へ年間7万円をベースに支援。151人から300人までは6万円、301人から500人までは5万円という形で千人規模の町会まで支援する内容です。
こうした案も含めて、区が具体化の検討を進めるよう質問したところ、区は、「来年度に向け、とりまとめを進めている。(共産党の)提案の趣旨も踏まえ、小規模な町会・自治会に対しても、その支援策の中で対応していく」と答えました。
来年度に向けての支援強化策について、さらに具体化が進んでいると思いますが、答弁を求めます。
関連して、地域活動補償制度の周知についてです。
町会・自治会等の行事や清掃活動、防災・防犯・交通安全活動などの万が一の事故等に対応するために区として保険に入って地域活動を支援しています。
しかしこれが充分周知されていないため、年末・年始の防犯パトロールなどの際、何かあったら困ると、独自に保険に加入していた町会がありました。「町会・自治会ガイド」の冊子では説明がされていますが十分ではありません。機会ある毎に周知に努めるべきです。答弁を求めます。
【区長答弁】
区は今年度、地域で活動されている方々や学識経験者などの専門的な見地からの意見を伺いながら、町会・自治会の活動内容などに応じた補助金制度や有効な加入促進策などの検討を進めております。
現在、来年度予算に反映させるため、取りまとめを行っているところです。
今後とも、町会・自治会を取り巻く現状を踏まえ、効果的な支援策を実施し、町会・自治会活動が円滑に進められるよう、取り組んでまいります。
区は、ホームページの他、町会・自治会等に対して、パンフレットや毎年度発行している「港区町会・自治会ガイド」の中で、制度について周知しております。
改めて、各地区総合支所で開催している町会・自治会連絡会など、様々な会合、会議の場において、地域活動補償制度の内容や、事故の際の対応等についてわかりやすく説明し、町会・自治会が安心して地域活動ができるよう、取り組んでまいります。
4. 保育園の建設へ国公有地の活用について
保育園が足りず、保育園に入れない待機児童を解消するため、国公有地の取得を本腰を入れて取り組むべきです。
「東京新聞」10月14日付に市民団体の調査結果が報じられました。全国の政令市と南関東の主要な都市で、今年4月、認可保育施設に入所できた子どもの割合が平均74%だったことが判明しました。
港区は、認可保育施設を希望して希望通り入れた率が48.2%とワースト1位でした。
園庭のある認可保育所の割合も調査され、平均は76.1%。港区は24.1%でワースト2位でした。75.9%が港区の認可保育園で園庭がありません。この一年間でより悪化しました。
港区が把握している国公有地を見ると、約2000平米の広さの海岸一丁目の旧東京浜松町海員会館敷地や、白金4丁目や白金台4丁目などの適地があるのですから、早急に区が購入または、譲り受けたい旨の意思表示をすべきです。
そして、園庭がありプール遊びもできる認可保育園を設置していくべきです。それぞれ答弁を求めます、
【区長答弁】
区は、これまで、行政需要に対応するため区内の未利用都有地や国有地のうち、区施設の整備用地として適合性があると判断した用地を取得してまいりました。
平成28年度には、区立保育園用地として元麻布二丁目国有地を取得いたしました。
待機児童解消を目指し、新たな保育園整備に適した国公有地については、引き続き取得に向け、東京都や国に対し積極的に働きかけてまいります。
区は、私立認可保育園の誘致などにより、保育定員の拡大に積極的に取り組んでおりますが、区内で広い場所を確保することは大変困難な状態で、半数以上の私立認可保育園では、基準を満たす園庭が確保できない状況にあります。
そのため、区は園庭のない私立認可保育園や認証保育所に対し、区立認可保育園やスポーツセンター等を活用した夏のプール遊びや、外遊びの場所を提供しております。
今後も、全ての保育園等における保育環境の充実に向け、積極的に支援してまいります。
5. 斜面地(崖地)でのマンション建設を規制する条例制定について
今年の夏から11月まで、南麻布3丁目で「(仮称)南麻布三丁目計画新築工事」が事業者から提案され、説明会と話し合いが継続されてきました。
計画されていたマンションは、崖地に設計され地下3階、地上6階の建築物です。狭隘な道路に4トン車を通し、本村小学校のすぐ横を8トン車を通行させる無謀な計画です。しかも敷地面積ほぼいっぱいの計画でもありました。さらに本村貝塚の地にマンションを建築するというものでした。
条例にもとづく2回の説明会と港区建築課が介した2回の話し合いの場で、近隣住民は、「マンションを建築して利益だけを追求するようなやり方で良いのか。狭い地域を大型車両を通して、もともと住んでいる住民への配慮もせず、儲けだけの計画ではないかと思われても仕方が無い、そういう事業姿勢なのか」と、事業者を正しました。事業者は、「そのように思われるのならば、思われてもかまわない」というひどい発言をしました。
この間住民は、本来大型車両が通行できない狭い道路を通行するなど許せないと、麻布警察署へ、大型車両の通行許可を出さないよう要請しました。警察は、こうした要請を受けて通行許可はしない対応をしています。
区民文教常任委員会での質疑で、本村小学校からも、通学路の安全確保のため、同様の要請がされていることも明らかになりました。
11月11日の話し合いで、事業者は、警察から通行許可がでないのであれば、工事をすすめる事ができないので、引き取って今後の検討をしたいと、話し合いは中断しています。 もともと無謀な計画と言わざるを得ません。住民からは、他の自治体ですでに規制が行われているのに、港区が斜面地・崖地での地下マンション建築を防ぐ条例を制定していないのは、おかしいのではないかという指摘もありました。
11日の話し合いの席で、建築課長から斜面地の建築物規制の条例について、すでに実施している自治体の具体例と、仮に港区が条例を制定する場合に心配される問題点などが説明されました。
その心配の中に、既存建築物・マンションが建て替えられなくなるという説明がありました。
西宮市や大田区では、建築物の構造の制限に向けて条例を制定しています。
今回の崖地を利用した計画を提案してきた事業者は、斜面地でのマンション建築を得意とする事業者のようで、条例規制が無い自治体をターゲットに斜面地を取得し計画しています。港区として規制条例をすみやかに制定する必要があります。
既存建築物の建て替えにあたって、その妨げにならないような工夫をすることなどを前提に、早急に検討・具体化して条例を制定すべきです。答弁を求めます。
説明会の中などで住民から、港区としてこの斜面地を取得して文化財の保護などに活用することも有意義ではないかと、要望や指摘がありました。
貝塚についての追加の調査も行われるので、調査結果によっては、区が取得することも含めて検討してはいかがでしょうか。要望しておきます。
文化財の利活用以外でも、公園あるいは、保育園設置などのため港区が購入することも合わせて要望しておきます。
【区長答弁】
斜面地でのマンション建設を規制する条例は、建築基準法で定められたマンションの地下部分の容積緩和のみを制限するものであり、建築物の高さや形態を制限することにはつながりません。
区としては、絶対高さ制限を定める高度地区等、都市計画諸制度を活用することで、引き続き良好な居住環境と落ち着きある街並みの形成を図ってまいります。
6. 無電柱化の推進について
景観を台無しにする、災害時の救援活動を妨げる、安全な通行を妨げるとして、国では昨年12月に無電柱化推進法が施行され、東京都では今年9月から無電柱化推進条例を施行し、都道での電柱の新設を禁じ、2019年までに整備対象の100%を地中化する計画など国、都とも無電柱化の取り組みが進められています。
区でも、港区電線類地中化整備基本方針を2014年3月に第3次の改定をして進めているところですが、区道の電線類地中化は今年度末で22%の見込みというのが現状です。欧米やアジアの主要都市では80%台から100%で東京は大きく遅れています。
区道では歩道のないところや幅員が狭いところが多く、歩道幅員が2メートル未満が7割近くとなっていることが電線を埋設する場所や変圧器などの設置場所の確保が困難で遅れています。
しかし防災機能の強化には、こうしたところほど急がなければなりません。首都直下型地震の発生確率が高まっている中で電柱を放置すれば命に関わる問題です。阪神・淡路大震災や東日本大震災では電柱が倒壊し避難者の通行路を塞ぐだけでなく、緊急車両や救援車両の妨げとなりました。
先日、建設常任委員会として金沢市での無電柱化整備の取り組みを視察しました。細い道路を挟んでの歴史的なまちなみを生かした取り組み。ワークショップの開催やかわら版の発行など徹底した住民合意や住民発意にもとずく取り組みが知恵や工夫、住民の意欲を引き出し、裏配線・脇道配線や軒下配線など状況に応じて6つの手法ですすめる金沢方式無電柱化として進められていることを見ることができました。
そこで区として無電柱化を促進するため
①先駆的事例や、国や東京都が推奨する低コスト方式や新技術を活用し、いっそうの推 進を図ること。
②東京電力に対し、変圧器の小型化や安価な地中埋設型の開発・普及、及び事業費負担 増を求めること
③区有地を活用し、地上機器置き場を確保し集中配置を行うなどの工夫をすること
④地上機器設置場所の確保のため、事業所など民有地の利用への協力要請をすること。
答弁を求めます
【区長答弁】
①まず、新技術の活用についてです。
電線類の地中化を進める上では、限られた道路空間の中で地上機器などを設置し、地中に電線管を埋設する必要があります。
現在、国や東京都において、小型の地上機器や地中の浅い部分への管路埋設など新技術の検討が進められております。
これらの新技術を狭い歩道や歩道がない区間において積極的に活用し、電線類地中化を推進してまいります。
②次に、東京電力の技術開発と事業費負担増についてのお尋ねです。
小型の地上機器の開発は、国と東京電力などが連携して取り組んでおります。
事業費の負担につきましては、電線共同溝の整備に関する特別措置法施行令に基づき、建設負担金の標準単価が定められております。
このため、建設負担金を超える事業費の負担を求めることはできませんが、地中の浅い部分への管路埋設など新技術を導入することで、工事費全体の削減を図ってまいります。
③区は、これまでも三田図書館やサンサン赤坂において、区有地内に地上機器を設置し、電線類の地中化を図ってまいりました。
今後も、限られた道路空間の中で電線類の地中化を推進するため、区有地への地上機器の設置を検討してまいります。
④区は、これまでも六本木七丁目や元麻布三丁目などにおいて、民有地内に地上機器を設置し、電線類の地中化を図ってまいりました。
今後も、電線類の地中化を推進するため、民有地の利用への協力を要請してまいります。
7. 東京都が保険者となる国民健康保険制度について
来年度から都道府県が国民健康保険制度の保険者となりますが、大きな問題があります。
東京都が必要な費用を港区に「納付金」として割り当て、港区が住民に保険料を割り当て、徴収し、集めた保険料を東京都に「納付」する。東京都が、保険給付に必要な財源を港区に拠出する、という仕組みになります。
保険料の引き上げが心配されます。
決算委員会でも私たちは、国保加入者の構成が以前と比べて大きく変化し、1965年当時は、農林水産業と自営業が加入者の3分の2を占めていたのが、2014年度では、農林水産業と自営業が17%に激減し、非正規労働者と無職・年金生活者が78%に激増しました。一方、保険料は上がり続け、加入者の所得は激減しています。1984年を100とすると、2015年度は、保険料は、236%にあがり、所得は77%に減りました。
国の負担は、2005年度の27%から、2015年度19%まで減らされました。加入世帯の激変と保険料の連続値上げ、国の負担の大幅減が国保の財政的基盤を悪くしているわけです。
来年度から東京都が保険者になるわけですが、11月21日の国保運営協議会で運営方針を決定しました。その資料を見ると、納付金総額は4589億円におよびます。一人当たりの平均保険料は全都15万2511円で2016年度比1.3倍、約3万4000円もの値上げとなっています。私たちの試算によると、港区は23670円引き上げの165605円となります。これだけの値上げがされたら今でも高い保険料なのに納めることができなくなってしまいます。国保制度の破綻にもつながってしまいます。
まず、保険料がどのようになってしまうのか、正確な情報を取り寄せ、区民に知らせるべきです。そのため、すみやかに説明会を開催すること。
国庫負担を少なくとも2005年当時の27%に戻すなど大幅引き上げを求めること。
東京都に対して、あらゆる方策をとり保険料の引き上げにならないよう、強力に要求すべきです。
答弁を求めます。
議長に要望します。議会として東京都へ同様の意見書提出を求めます。
【区長答弁】
現在、東京都では国保制度改革後の運営に関する国保運営方針を本年12月末を目途に策定しており、今後、区はこの方針を踏まえ、保険料等について検討してまいります。
区は国保制度の内容等を決めた段階で、区のホームページや広報みなと等による周知とともに、説明会を開催し、被保険者へ丁寧に説明してまいります。
区は、国保制度改革に対して「医療費の増加に確実に対応できるよう、国による財政支援を拡充し、更なる国保財政基盤の強化を図る」よう、本年6月に全国市長会を通じ、国に要望しております。
国保制度が安定的な財政運営のもとで、持続可能な制度となるよう、特別区が一体となり、引き続き、様々な機会を捉えて国に要望してまいります。
区は、保険料の負担抑制のため、医療費適正化事業を拡充するなど、被保険者に対する働きかけを進めるとともに、国や東京都による財政支援等についても、特別区や市町村と連携して要望してまいりました。
国保の広域化は、都道府県に新たな負担を課すものではありませんが、財政運営の主体であり国保の保険者となる東京都に対し、制度の安定化に向けた財政支援の実施等について、引き続き要請してまいります。
8. 就学援助制度、入学準備金の引き上げについて
港区も、小学校の入学準備金支給を前倒しして、来年度から実施することになりました。今定例会に補正予算が計上されました。私たちの主張がやっと実現することになりました。
すでに実施を決めた新宿区以外にも、町田市は来年4月に小・中学校入学者に入学準備金を国基準に増額し、入学前の3月に前倒し支給するための補正予算を全会一致で可決(3定)したとのことです。
豊島区は来年4月入学の小・中学生から単価を国基準(小40,600円、中47,400)に引き上げることを決めました。
国が子どもの貧困対策として、実態に合わせ入学準備金を引き上げたことを受けて、区としても早急に引き上げるべきと何度質問しても、区は都区財政調整の金額を根拠としているからと、引き上げを拒んできました。
就学援助は言うまでもなく、経済的理由により就学困難な世帯に対し支援するものです。すでに国が基準額を引き上げているわけですから、財調から普通交付金が1円も入って来ない港区が財調の金額を根拠に引き上げないことは許されません。
①来年度の入学生から国基準に引き上げること。
②2017年度の対象者にも差額を支給すること。
答弁を求めます。
【区長答弁】
支給額については、都区財政調整の金額を根拠にしていることから、これまで、港区が主体的に都区財政調整の金額の引き上げの必要性について、他区との共通認識を図り、都区財政調整の金額の早期引き上げに取り組んでまいりました。
来年12月から平成30年度都区財政調整協議が始まる予定でございます。平成30年度の入学者の支給額につきましては、その協議の進捗状況を十分に踏まえ検討してまいります。
平成29年度の入学者には、平成29年度の都区財政調整の金額に基づき、既に新入学学用品・通学用品費を支給していることから差額支給をすることは、考えておりません。
よろしくご理解のほどお願いいたします。
9. 《再質問》羽田空港への新飛行経路案について
羽田空港の新飛行経路案について、区が了承・合意したことがないということを明確に述べていただきたい。
住民の側に立って新飛行経路案を白紙撤回し、再検討するよう国に求めていただきたい。
【区長答弁】
国は、新飛行経路案について、国が判断し決定するものであり、関係自治体に了承や合意を求めるものではないとしており、区としても、新飛行経路案について了承や合意をしたということはない。
これまでに出された区民からの意見や要望に対し、国が真摯に受け止め丁寧に説明するよう、国に重ねて申し入れていく。