2021年第4回定例会一般質問

2021年11月26日

2021年11月26日
日本共産党 風見 利男

1 職員のメンタルヘルス問題の対策について
病気休暇の多くが、メンタルの不調によるものです。2020年度のメンタルの不調により病気休暇を取得した職員の要因分析の結果は、業務量の負荷が最大です。そして若い方が多いのにビックリします。
定数管理で人員が減らされ続けていることに大きな原因があるのではないでしょうか。

  1. 定数管理にとらわれず、大幅に人員を増やすこと。
  2. 大規模災害が発生したときに、区民の安全安心を保障するのも職員の仕事です。その点からも人員増が必要です。

【区長答弁】

  1. 区は、毎年度、所属長へのヒアリングなどを行った上で、業務量に応じた人員を適正に配置しております。また、緊急的・臨時的な対応が必要な場合には、年度途中の人事異動や関係部門からの応援、専門知識等を有する人材派遣や会計年度任用職員により柔軟に対応してまいりました。今後も、多様な人材を活用しながら業務量に応じた必要な執行体制を確保し、職員にとって働きやすい職場を実現してまいります。
  2. 大規模な震災等の発生時においては、ライフラインやインフラの維持等の業務に優先的に着手することが重要であるため、区では、清掃作業や土木作業に従事する職員について、緊急時に必要な職員数を定めた上で、計画的に職員を採用しております。
    また、港区業務継続計画に基づき、通常業務の一部を休止・抑制し、緊急時優先業務に人員を集中的に配置するとともに、地域防災協議会や災害時協力協定を締結している民間事業者などの関係機関とも連携を図ることで、区民の生命や財産等を守ることを最優先に対応してまいります。

2 羽田の都心低空飛行ルートの使用をやめ、海上ルートを利用することについて
オリンピックによる訪日外国人旅行者の増加、インバウンドのため、国際競争力強化のために増便が必要と、都心上空を低空で飛ぶルート(A滑走路、C滑走路)を、住民の反対を押し切って強行しました。
羽田の着陸枠は、年間24万3千便です。

1.2020年4月から2021年3月までの1年間、羽田空港への着陸は11万2990便ですから、港区上空を飛ぶ必要はありません。(都心上空を飛んだのは8727便に過ぎません)
そういう認識をお持ちですか。

国は、「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」で、導入するまでに要する時間が短く、騒音軽減効果が大きい2つの飛行方式に絞りこみ、今後は安全性の評価など、導入の具体的な取組を実施していく」としています。
しかし、どう経路を動かしてみても都心上空…港区上空を低空で飛行することに変わりはありません。
騒音だけではありません。落下物、ジェット燃料による環境汚染、身体への影響、墜落の危険等々、だから区民は都心低空飛行はやめて、全面的に海上ルートの活用を求めているのです。

2.南風時の午後3時から7時までの都心上空低空飛行はやめ、海上ルートの利用を国に要求すべきです。

【区長答弁】

  1. 令和2年度は、コロナ禍に伴う航空機の減便により、羽田空港での着陸便数は減少いたしましたが、その間も、区民から騒音や落下物などに対する不安の声が多く寄せられております。
    このようなことから、私は、運行状況にかかわらず、引き続き、国に対し、海上ルートの活用や地方空港の活用などによる飛行ルートの分散化などにより、固定化回避の検討を強く求めていくべきと考えております。
  2. 国は、本年8月に開催された「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」において、導入までに要する期間が短く、騒音軽減効果が大きい2つの飛行方式を示しました。
    これらの飛行方式における具体的な飛行ルート案については、現時点では示されておりませんが、区は、引き続き国に対し、海上ルートの活用や、地方空港の活用による飛行ルートの分散化などの検討を加速するよう、強く要請してまいります。

3 災害バンダナの作成、支給について
外見から分かりにくい聴覚障害者らに災害時、必要な情報や支援を届けるための取り組みが各地で進んでいます。
岐阜県関市は、四隅に「耳が不自由です」「目が不自由です」「私は手話ができます」「避難に支援が必要です」と、4種類のメッセージを記したバンダナを作製、2018年11月から障害者らに配布しています。名古屋市瑞穂区では今年3月から避難所に用意し、自由に使えるようにしています。
町田市では、ホームページで「災害時等障害者支援バンダナを配布します」とのお知らせと併せて、「災害時に、このバンダナを身につけている方を見かけたら、積極的にお声掛けいただき、支援にご協力ください」と、支援を呼び掛けています。バンダナをつけていれば、声をかけやすくなります。

全国各地の先進的な取り組みを参考に、港区でもバンダナをつくり、配布すべきです。

【区長答弁】
区は、災害時においても障害者が円滑に意思疎通できるように、区民避難所に聴覚障害者用の筆談ボードを配備し、また、障害者が災害時に日常生活で支援が必要であることを周囲に認識してもらう方法としてヘルプカードやヘルプカードホルダーを配付しております。
今後、災害バンダナなど他自治体の取組事例や区内の障害者団体、手話通訳の支援者など当事者のご意見やニーズを伺いながら、災害時においても障害者の円滑な意思疎通を支援し、必要とする支援が認識されやすい効果的な方法を研究してまいります。

4 公衆電話をまちから消さないことについて
総務大臣の諮問機関の情報審議会は、7月7日、公衆電話の設置基準の緩和に関する答申をまとめました。現在は市街地で約500メートル四方、その他は1キロメートル四方に1台が設置基準ですが、それを1キロメートル四方、2キロメートル四方にするのです。これにより、NTT東日本、NTT西日本が運営する第一種公衆電話は、現在の10万9千台から2万7千台と4分の1に激減します。
携帯電話が普及していますが、いざ災害が発生したら、通話制限され、使いものになりませんし、電池切れで使えなくなることも考えられます。
港区は、東日本大震災を契機に、公衆電話回線を利用して屋外Wi-Fiを設置しています。

災害の時に役立つのは公衆電話です。
 これ以上公衆電話を減らさないように、国に要請すること。

【区長答弁】
区は、災害時に区民等の安否確認や情報手段を確立するため、全ての区民避難所への特設災害時公衆電話の設置や、全ての避難所にWi-Fiルーター及び移動系防災行政無線の配備を行っております。
公衆電話の設置基準を緩和することについては、区として、国や通信事業者に対し、災害時などで不特定多数が集まる地域について設置台数を削減しないよう申し入れております。
引き続き、災害時の安全確保のため、情報手段の充実に取り組んでまいります。

5 区有施設のネット環境の充実について
区は2018年に「区有施設における公衆無線LANの整備方針」を策定し、ICT活用のためにも速やかに環境整備を行うことを決めました。
現在、区民センター・いきいきプラザ・区民斎場・図書館など97施設において公衆無線LANを設置していますが、一施設一か所のみ、フリースペースやロビー、エントランスホールへの設置で、各部屋までは届きません。
地下ホールでのオンライン配信は難しいと相談がありました。
港区は対応策としてモバイルルーターの貸し出しをしていますが、利用者には知らされていません。

  1. いつでもどこでもネットを使うのが当たり前の時代です。施設内のすべての部屋でWi-Fi環境を整えること。
  2. ミナトシティWi-Fiを利用するにはまず登録をしなければなりません。各施設でWi-Fi利用についてのレクチャーをすること。
  3. モバイルルーターの貸し出し数を増やし、受付に貼り出すなどして周知を徹底すること。

【区長答弁】

  1. 区では、デジタル化の取組を加速させる中、多数の利用者が行政手続や活動を行う各地区総合支所、区民センター、いきいきプラザなどの区有施設内のあらゆる場所で、誰もがインターネットを利用できるよう、Wi-Fiの通信環境を充実してまいります。
  2. 区が整備しているMinato City Wi-Fiを初めて利用する場合は、メールアドレスもしくはSNSのアカウントを登録する必要があります。
    現行の利用登録のマニュアルは、利用者にとって、難しく感じられる場合もあることから、今後、より分かりやすいマニュアルを作成し、各施設の窓口で配布するとともに、施設の職員が丁寧に説明を行い、多くの利用者に登録していただけるよう取り組んでまいります。
  3. 現在、区民センターなど区有施設27か所において、貸室利用者がインターネット環境を必要とする場合に、モバイルルータの貸出しを行っております。今後、利用状況に対して不足する状況が生じる場合には、追加の配備など適切に対応してまいります。
    利用者への周知については、改めて区ホームページに掲載するほか、各施設の受付や貸室などにポスターを掲示してまいります。

6 子どものインフルエンザワクチン接種費用の全額助成と、高校生まで拡大することについて
子どものインフルエンザワクチン接種費用助成については、わが党だけでなく、多くの会派から質問がされてきました。その結果、区は「一定の発症予防効果と子育て世帯の経済的負担の軽減のため、生後6か月から中学3年生までの子どもを対象に」1回3000円の助成を始めました。これ自体は歓迎すべきことです。
千代田区は高校生まで全額助成、渋谷区は中学3年生まで全額助成。新宿区は、13歳~64歳未満の生活保護世帯は全額助成しています。昭島市は1500円の自己負担はありますが、高校生まで助成。桧原村は高校生までと生活保護世帯は無料。奥多摩町は生後6か月から19歳未満(高校3年生相当)まで2000円助成しています。

  1. 家庭の経済状況でインフルエンザワクチン接種をしないことがないよう、千代田区などのように、対象を高校生まで拡大するとともに、全額助成すること。
  2. 生活保護世帯は、無料でワクチン接種ができるようにすること。

【区長答弁】

  1. まず、対象を高校生まで拡大するとともに全額助成とすることについてです。
    国の厚生科学審議会は、高齢者及び乳児から小学校低学年までの小児を、新型コロナウイルス感染症の流行下におけるインフルエンザワクチンの優先的な接種対象者としています。区は、一定の発症予防効果と子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため、優先接種対象を区独自に中学3年生まで拡大し、費用の一部を助成しております。
    高校生までの拡大については、他自治体の状況や接種の効果を調査してまいります。
  2. インフルエンザワクチンの定期予防接種については、高齢者の肺炎による重症化予防を目的に、65歳以上又は60歳以上で指定の基礎疾患のある優先接種者に対し、区独自に無料で実施しております。さらに、小児への接種については、優先接種者である小学校低学年までの小児及び、子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため中学生までを対象に費用の一部を助成しております。
    対象につきましては、今後とも重症化予防の観点から助成の必要性を判断してまいります。

7 神宮外苑の市街地再開発について
この計画は、神宮外苑の景観、環境、文化、貴重な緑等を根底から破壊し、神宮外苑としての歴史的成り立ち、文化的価値もないがしろにする計画です。
ここは、文教地区、風致地区であり、超高層ビルは建てられない地域です。
この間、説明会や意見公募が行われましたが、賛成する人は誰ひとりとしていませんでした。
港区は、神宮外苑銀杏並木周辺を景観形成特別地区に指定し、景観を何よりも大切に守る地域としています。そして、『景観重要公共施設』として神宮外苑銀杏並木を位置づけ、「神宮外苑銀杏並木は、明治神宮外苑の造成に先立つ1972年(大正12年)に植樹が行われた由緒ある並木道です。聖徳記念絵画館をアイストップとして、銀杏並木が創り出す典型的なヴィスタ景は、首都・東京を代表する風格ある眺望の一つです。このような風格ある眺望を将来にわたって保全することができるよう、銀杏並木を適切に管理します」としています。イチョウ並木を中心とした神宮外苑の景観を破壊する計画を許してなりません。
外苑のイチョウ並木は、観光名所として、紅葉の時期には多くの人びとが訪れる、都心の貴重な憩いの場所です。ところが今回の計画では、高さ60メートルのホテル付の野球場が、イチョウ並木に迫って建設。190メートル、185メートル、70メートルの超高層ビルが建ち、景観が大きく損なわれることになります。今でも、少しでも風がある日は大変です。伊藤忠ビルの前と、墓地へ向かう通りはすごい風が吹きます。
計画では、約90メートルの伊藤忠ビルを190メートルに建て替え、近くに185メートルの複合ビルが計画されており、間を抜ける風が予想されます。今まで以上に広範囲に耐え難い風の影響がでます。
超高層ビルの建設によって、青山通りの景観が破壊される。
東京都が2018年11月に発表した「東京2020大会後の神宮外苑地区のまちづくり指針」によれば、「青山通りにふさわしい気品と魅力ある複合市街地を形成する」、「現在の沿道建築物等との高さの調和に配慮する」としているが、190メートル、185メートルの超高層ビルは、青山通りにはありません。東京都の指針にも反しています。
神宮外苑は、都心での貴重なスポーツ施設が数多くあるスポーツのメッカです。スポーツ愛好者を追い出すもので許されません。(軟式野球場6面、室内練習場、バッティングセンター、ピッチングセー、テニスコート、フットサル場)

スケジュールありきではなく、近隣住民の合意と納得なしには進めないこと。

【区長答弁】
区は、これまで、神宮外苑の銀杏並木と景観の保全に加え、青山通りの風格ある街並みを形成する観点から、事業者に、絵画館前の特徴的な洋式広場の再生や青山通りに面した景観広場の設置など、緑豊かな風格ある都市景観に配慮することを求めてまいりました。
また、地域の皆さんのご理解を得るため、事業全体の計画について、丁寧な説明に努めるよう指導しております。
今後も、地域の景観との調和や周辺環境への配慮など、継続的に指導してまいります。

8 高輪築堤の全面保存と現地見学会の開催、第5・6街区の全面保存について
10月14日付で、日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員長の藤沢敦氏から教育長あてに、「高輪築堤跡の一般公開拡充を求める要望書」が提出されました。
要望書は、高輪築堤跡については、日本の近代化を具体的に物語る存在であり、世界史的に見てもアジアの近代化の過程を示すうえで欠くことのできないまことに重要な遺跡です。これまで日本考古学協会では、埋蔵文化財保護対策委員会の要望書を皮切りに、2回の会長声明と、3回にわたる会長コメント、日本歴史学協会との共同要望を発出し、一貫して築堤の全面保存を求めてまいりました。しかしきわめて遺憾ながら、一部保存・一部移設・大半は記録保存して破壊という方針のもと、記録保存にともなう調査が進んでいます。
JR東日本は、歴史上まれにみる貴重な鉄道遺構の大半を記録保存という名で破壊しようとしています。
コロナ禍で、今までのような新自由主義に基づく企業の利益優先のやり方が見直されてきています。リニア新幹線も経路の住民や自治体からの反対で予定通り進む見通しが立っていません。
世界的に貴重な鉄道遺跡、高輪築堤は全面保存に向けて、一度立ち止まって開発を見直すことが求められています。

  1. 全面保存を要請すること。
  2. 見学を希望した人の多くが現地を見ていません。現地見学会の開催を要請すること。
  3. 開発がこれからの5街区、6街区については、全面完全保存するよう、要請すること。

【教育長答弁】

  1. 本年9月17日、国は、高輪築堤跡を、旧新橋停車場ていしゃじょう跡に追加し、名称を旧新橋停車場ていしゃじょう跡及び高輪築堤跡に変更し、国史跡に指定しました。
    教育委員会は、指定範囲の遺構について万全の保護を図るとともに範囲外の遺構についても極力保護するよう求めております。
    また、可能な限りの保存を求める要望書をJR東日本に繰り返し提出していることから、改めて全面保存を要請することは予定しておりませんが、今後も遺構の保存に向け働きかけを行ってまいります。
  2. 教育委員会は、JR東日本と連携して、本年1月から9月にかけて見学会を開催し、1,103名が、また5月の小・中学生向けの見学会では3日間で764名が参加いたしました。
    教育委員会が引き続きJR東日本に現地見学会の開催について要請をした結果、新型コロナウイルス感染症対策や現場の安全管理に留意しながら、来年2月に開催する方向で調整を進めております。
    一人でも多くの方が見学できるよう工夫してまいります。
  3. 5・6街区につきましては、これから事業者による開発計画が立案される予定と聞いております。
    教育委員会は、既に、高輪築堤跡の現地保存を考慮した開発計画を策定するようJR東日本に要望しております。
    改めて要請することは予定しておりませんが、区民の貴重な財産である高輪築堤跡を後世に継承していくため、事業者、関係機関と連携して取り組んでまいります。

《再質問1》
インフルエンザワクチン接種対象の高校生まで拡大と接種費用の全額助成について

《質問要旨》
児童福祉法で児童・子どもは、ゼロ歳から18歳。経済的に大変なのは高校生を抱える家庭なので、実施自治体の調査をするまでもなく、千代田区は既に実施している。インフルエンザワクチン接種の助成対象を高校生まで拡大し、全額助成すべき。

《区長答弁要旨》
区で独自に助成している対象については、重症化を防ぐ効果などを検討し、
対象を定める。

《再質問2》
神宮外苑の市街地再開発について

《質問要旨》
地域住民が反対しているのに、なぜ都市計画決定を急ぐのか。また、事業者に忖度する理由があるのか。

《区長答弁要旨》
区は、事業者に対して、周辺住民の理解が得られるよう、説明会に限らず個別の問合せなど、機会を捉えて丁寧な説明を行うように、今後も指導し、要請していく。

《再質問3》
羽田の都心低空飛行ルートの使用をやめ、海上ルートを利用することについて

《質問要旨》
コロナ禍に伴い航空機は減便されたが、コロナ後も減便されたままなのだから、従来の羽田空港の海上ルートで着陸枠は十分に足りている。今後、区民の意見も寄せられるので、区として国に更に強く要請すべき。

《区長答弁要旨》
航空機は減便しているが、区民の皆さんからは、その頻度に関わらず、騒音や落下物などに対する不安の声や改善を求める声が寄せられている。引き続き、区としても区民の声を捉え、国に対して要望する。

 

 


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第4回定例区議会で、区長、教育長に質問~風見利男区議会議員

2020年12月03日

11月26日、代表質問と答弁を掲載します。ご一読ください。

1 核兵器禁止条約への署名、批准するよう、国に申し入れることについて

10月25日未明(日本時間)核兵器禁止条約の批准国が50に達し、1月22日に発効します。

広島・長崎の被爆者をはじめ「核兵器のない世界」を求める世界の圧倒的多数の政府と市民社会が共同した、壮大なとりくみの歴史的な到達です。日本共産党は、核兵器廃絶を戦後一貫して訴え、その実現のために行動してきた党として、心から歓迎するものです。

区長は、核兵器禁止条約の発効について、どうお考えか、お答えいただきたい。

核兵器禁止条約が発効すれば、核兵器を違法化する歴史上初の国際規範となります。前文で「ヒバクシャの許容しがたい苦しみと被害に留意」し、「核兵器のいかなる使用も人道の原則に反する」と明記しました。

同条約は核兵器の開発、実験、生産、製造、所有、使用または使用の威嚇、配備の許可などを全面的に禁止しています。

(核兵器を違法なものとして、その禁止と廃絶を迫る法的な根拠が確立したといえます。)

長年核廃絶の運動を進めてきた被爆者はじめ、日本原水爆被害者協議会、原水爆禁止日本協議会など様々な団体は、禁止条約の発効を大歓迎し、唯一の戦争被爆国の日本政府が真っ先に禁止条約に署名・批准すべきと訴えています。世界からも日本政府への批判が広がっています。

いま、池辺晋一郎(作曲家)さん、池谷薫(映画監督・被爆2世)さん、海老名香葉子(エッセイスト)さん、坂本龍一(音楽家)さん、瀬戸内寂聴(作家)さんら134人(11月7日現在)が呼びかけ人になって「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」が始まりました。

いま全国の自治体が日本政府に、「核兵器禁止条約への署名・批准せよ」と迫ることが求められています。

①非核平和都市宣言をしている港区の代表として、平和市長会とは別に、国に核兵器禁止条約への署名・批准を要請すべきです。

②区議会としても「日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求める意見書」を提出すべきです。

 

【区長答弁】

①区が平成22年4月から加盟している平和首長会議が、本年10月に発出した公開書簡にもあるとおり、この度、核兵器禁止条約の批准国が50か国に達し、発効が確実になったことを、心より歓迎しております。

②平和首長会議の国内加盟都市会議は、平成30年11月、昨年11月の要請に続き、今月20日に、日本政府に対し、核兵器禁止条約の締約国になるよう、強く要請しております。

引き続き、平和首長会議に加盟する都市と連携し、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を訴えてまいります。

 

2 戦災樹木の周知と、保存への支援について

今から75年前、東京の下町一帯が米軍の焼夷弾で焼き尽くされ、およそ10万人が犠牲となった東京大空襲。その被害の傷跡を残し、悲惨な記憶を今に伝えるのが、「戦災樹木」です。

このことを調べたのが、菅野博貢(かんの ひろつぐ)明治大学農学部准教授です。

6年にわたって地道な調査の結果、東京23区に202本の「戦災樹木」の存在が明らかになりました。その一方、焦げ跡などがあっても「戦災樹木」と判断できない木も150本に上りました。証言が得られないためです。

港区内にも5か所、9本の「戦災樹木」があります。

戦災樹木には、国や自治体による認定や保護の制度はありません。その管理は所有者にゆだねられています。

空襲の傷跡によって、強風などによる倒懐の危険がありますが、診断やせん定などの費用は所有者が負担しなければなりません。

①所有者の承諾が必要ですが、「戦災樹木」とわかる案内板の設置、「港区平和関連史跡MAP」に掲載するなどして、区民に「戦災樹木」の存在を知らせること。

②維持管理経費の支援を行うこと。

 

【区長答弁】

①戦災樹木については、定義等が明確でないことから、区が発行する港区平和関連史跡MAP(まっぷ)では、戦災樹木という表現ではありませんが、「東京大空襲で被害を受けた」等の表現により、芝(しば)東照宮(とうしょうぐう)や赤坂(あかさか)氷川(ひかわ)神社(じんじゃ)、麻布(あざぶ)善福寺(ぜんぷくじ)にあるイチョウを紹介しております。

今後、その他の樹木も含め、所有者に承諾をいただいた上で、MAP(まっぷ)や、例年開催している平和展のパネル展示で紹介するなど、広く区民に知っていただく方法を検討してまいります。

また、案内板の設置につきましても、所有者とご相談してまいります。

②今後、実態等を把握する中で、保存への支援の方法について、検討してまいります。

 

3 公契約条例の制定について

港区は「港区が発注する契約に係る業務に従事する労働者等の労働環境確保の促進に関する要綱」(2016年4月施行)を定めています。

建築に関わる労働者等から、公契約条例の制定を求める声が多く寄せられています。

23区で公契約条例を制定している区は千代田区や新宿区、世田谷区など6区です。

これらの区では、区長の責務を「公契約の履行課程の全般における施策の総合的な推進に努めなければならない」「公契約の履行課程において適正な労働条件が確保されるために必要となる施策を講じるよう努める」ことなどを明確に定めています。

又、条例に基づいて事業者や労働者、学識経験者などで構成する区長の付属機関を設置し、区長の諮問に応じ、条例の解釈及び運用に関することなど制度の議論や現場の改善等が審議され、改善につながっているとのことです。

区は要綱で最低賃金水準額や労働環境チェックシートを提出させることで労働環境の確認を行っています。

区が発注する契約に係る業務に従事する労働者は非常に多いです。一人一人の労働環境を守るためにも今できることとして、

①2次下請け3次下請け労働者へ賃金がきちんと支払われているか、区として

確認するために現場の実態調査を行うこと。

②専門家や労働者の意見を聞く審議会を設置すること。

③公契約条例を制定すること。

 

【区長答弁】

①区の契約に従事する労働者に、区が定める最低賃金水準以上の金額が支給されていることにつきましては、契約締結後に受注者から提出される賃金状況シートにより確認しております。

②区は、平成27年度に、区の契約に従事する労働者の良好な環境を確保するために、「港区が発注する契約に係る業務に従事する労働者等の労働環境確保の促進に関する要綱」を制定いたしました。

要綱制定後におきましても、労働者団体の皆様との意見交換を定期的に実施し、いただいたご意見を踏まえ、迅速に、入札・契約制度を改善しております。

審議会という形式ではございませんが、今後も労働者団体の皆さんとの意見交換を積極的に図り、制度の充実を図ってまいります。

③区は、要綱において、区の契約に従事する労働者の最低賃金水準額を規定し、受注者に労働環境チェックシート等の提出を義務付け、労働環境が確保されていることについて、確認しております。 

また、労働環境や賃金支給額に疑義がある場合は、専門家による調査を実施し、必要に応じて、受注者に改善の指示をすることとしており、労働環境の確保に必要な機能を十分に満たしていると考えております。

今後も引き続き、要綱に基づき、労働環境確保策の取組を進めてまいります。

 

4 コロナ禍における区有施設の使用料の軽減について

新型コロナウイス感染症対策として、密を防ぐため、区民センターや、いきいきプラザなどの部屋の利用を半分以下に制限しています。

利用者から、「人数が半分なのに費用は今まで通りはおかしい」「広い部屋がなかなか取れなく困っている」「(広い部屋を借りるため)会費不足になる」等、様々な声が寄せられています。

密を防ぐための対策とはいえ、半分以下の人数で正規料金を払うというのは不条理です。

コロナ対策による利用人数制限をする以上、使用料金は引き下げるべきです。

 

【区長答弁】

区は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、貸室については収容人員の50パーセント以下での利用をお願いしており、利用者によっては普段よりも定員の多い貸室を利用せざるを得ず、普段以上に使用料を負担いただいている場合もあります。

今後、施設の利用実態等を早急に調査してまいります。

 

5 マイボトルの利用促進と給水スポットの設置について

区内の家庭から出るペットボトルを500ミリリットルのボトルに換算すると、年間8331万本にもなります。

持続可能な社会のため、プラスチックを少しでも減らすことを考えたら、個人でできることはペットボトル飲料の購入を控え、マイボトルの利用は取り組みやすい方法です。

本庁舎をはじめ区有施設にマイボトルへの給水と飲み水用がセットになった給水スポットを設置すべきです。

 

【区長答弁】

区は、区役所本庁舎やスポーツセンターなど、様々な区有施設で利用者向けに給水スポットを設置しております。

また、本年2月に定めた「港区役所『使い捨てプラスチック』削減方針」に基づき、今月から、白金台いきいきプラザに、マイボトルに対応した給水スポットを試験的に設置し、飲料水の提供を開始しております。

今後もマイボトルの利用促進を図ってまいります。

 

6 音響式信号機の設置促進と早朝・夜間の時間延長について

警視庁は目が不自由な人向けにスマートホンで信号の色や振動を伝え道路横断を支援する「歩行者等支援情報通信システム(高度化PICS)」を設置する方針を決めたとの報道がありました。

今年3月現在、宮城、千葉、静岡の三県74カ所に設置されています。

実際体験した視覚障害者団体や視覚障害者は、支援機器が設置された信号機の手前からスマホを握り、白杖をつきながら近づくと、振動とともに「小学校方向の信号が赤、盲学校方向の信号が青になりました」と音声が聞こえました。しかし、土地勘がないと進行方向がわからず、音声案内が役に立ちません。「白杖とスマホで両手がふさがり雨の日は傘も持てない」「スマホの音声を聞くために立ち止まった時に方向を見失いそうになる」などの声が出ています。

また、「慣れた音響式の方がいいという声もある上、スマホ操作が難しい視覚障害者も多い。操作方法の説明とスマホの給付、貸与も検討してほしい」と要望しています。

①港区の視覚障害者団体、視覚障害者の意見をよく聞き、警視庁に改善を要請すること。

②音響式信号機は視覚障害者が横断歩道を渡るための命綱です。しかし、近隣への配慮から夜間や早朝に誘導音が出ないようにしているため、死亡事故が発生しています。

音響式信号機を夜間や早朝でも利用できるように、音量調整を行うなど、区としても近隣住民の理解を得られるような取り組みを行うとともに、警視庁に働きかけること。

③また、通行時だけ音を出せるシグナルエイド対応の信号機の設置を警視庁に要請すること。

④シグナルエイドの対象者に案内を送るなど、普及を図る取り組みを行うこと。

 

【区長答弁】

①歩行者等支援情報通信システムは、近距離無線通信規格であるブルートゥースを活用し、スマートフォン等に対応して歩行者用信号情報を送信するとともに、青信号の延長を可能とするシステムです。警視庁からは、現在、社会実験中であると聞いております。

区といたしましては、その社会実験の状況を注視するとともに、港区視覚障害者福祉協会にも意見を聞いてまいります。

②区は、音響式信号機の設置促進に取り組んでおり、港区バリアフリー基本構想推進協議会を通じて、港区視覚障害者福祉協会から音響式信号機の設置や稼働時間の延長について意見を伺い、警視庁と連携し、近隣住民の理解を求めながら具体的に協議を進めております。

また、本年8月には、港区視覚障害者福祉協会会長と「音響式信号機の24時間作動についての要望書」を区内所轄警察署6署と警視庁本部に提出いたしました。

今後も、音響式信号機が夜間や早朝でも利用できるよう、音量の調整についても、引き続き、警視庁に要請してまいります。

③音響式信号機は、区内の154か所に設置されており、そのうち、通行時だけ音を出せる音響案内装置、いわゆるシグナルエイド対応の信号機は、129か所と警視庁から聞いております。

区は、シグナルエイド対応の信号機の設置につきましても、引き続き、警視庁と協議してまいります。

④区は、視覚障害に係る手帳の等級が1級又は2級の方に、音響案内装置を日常生活用具として給付しておりますが、装置の利用方法や設置場所がわからないなどの理由で、普及が進んでいない状況です。

 今後、利用対象者には、音響案内装置の活用事例や、設置場所などを示した案内を個別に発送し、音響案内装置の理解を促してまいります。

また、視覚障害者の相談支援事業者に対して、音響案内装置の体験利用の機会を設けるなどの工夫により、音響案内装置の更なる普及に努めてまいります。

 

7 保健所の体制強化について

11月18日に国内感染者が初めて2,000人を超えました。専門家からも「第3波」の感染が広がっていると指摘され、最大限の警戒が呼びかけられています。

日本共産党はすでに感染拡大の第3波に見舞われているという現実を直視し、感染の爆発的拡大を抑止するために12日に「3つの提言」を発表しました。

①大規模・地域集中的検査、社会的検査を政府の大方針にすえ推進することを求める。

②感染追跡を専門に行うトレーサを確保し、保健所の体制を抜本的に強化する。③医療崩壊を絶対に起こさないために、医療機関の減収補てん、宿泊療養施設の確保、の3点です。港区もこの提言を参考にしていただきたいと思います。

私たちもこの提言の実現のために力を合わせ、一日も早く収束させるために頑張る決意です。

感染が始まった初期の段階では、保健所の職員をはじめ応援の職員など本当に大変な状況でした。

これから冬に向かっての感染拡大に対応するために、検査の充実と無症状者も含めた感染者をできるだけ早く見つけ、治療等につなげていくことが求められます。

感染実態を把握のためにもどこで感染したか、濃厚接触者の範囲などの地道な調査を保健所が行っています。そのためにも保健師等の専門職の確保が最重要課題です。11月16日現在の保健予防課の体制は、153人ですが、事務職が東京都派遣職員と人材派遣あわせて18名、看護師・保健師は派遣職員13名を確保していますが、残りは兼務職員です。

支所の保健師は地域の保健指導を担う役割があり、地域住民に責任を持つ立場です。それに加え、コロナの長期化により、区民の精神的・身体的な影響も多く、支所の保健師の役割も大きくなっています。再び応援で地域の保健業務が滞ることがあってはなりません。

また長期化による、保健所の職員は疲弊しています。これまでのように応援態勢で乗り切ることはできません。

冬に向かって、感染拡大に備え、専門職を確保し保健所の体制を強化すべきです。

 

【区長答弁】

区は、感染者数の状況や昼間人口が多いという港区の特性を踏まえて、みなと保健所の体制を強化してまいりました。

専門職については、各地区総合支所及び支援部からの保健師26名のほか、感染症対策を支援する医師や感染症専門アドバイザー、人材派遣の保健師・看護師を配置しております。

保健師については、人材派遣業者との協議を行い、更なる増員の準備を整えております。

今後も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況などを踏まえた上で、新規採用職員の繰上げ採用も視野に入れ、感染状況に的確に対応できる執行体制を確保してまいります。

 

 

8 生活保護世帯への法外援護の拡大について

今年10月から食費や水光熱費など日常生活にあてられる「生活扶助費」が減額されました。

生活保護費は削減が続いています。

安倍政権は2013年8月から3年かけて生活扶助費を約670億円削減しました。

今回の削減は、安倍政権が18年10月から3年かけて160億円カットする3年目の削減です。この実施により減額されたのは、利用世帯全体の67%。港区では80%にもなりました。

すでにギリギリの生活をしている利用者には、感染防止のためのマスクや消毒液などの出費が重くのしかかっています。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で生活に困窮する人が増える中、「なぜいま減額なのか」「死ねというのか」など、怒りの声が沸き起こっています。

私たちの提案もあり、生活保護世帯を含む65歳以上で非課税世帯へのエアコン設置助成が始まります。

エアコンは設置したけれど電気代が心配で使わない、命にかかわります。

①港区が法外援護で実施している夏季、冬季の7000円の見舞金を大幅に引き上げること。

②自治体が実施する見舞金等に対する収入認定基準額(8000円)は実態にあっていません。大幅引き上げを国に要請すること。

③夏季加算の創設を要請すること。

 

【区長答弁】

①区では、生活保護世帯に対して、家族が集まる機会が多い時期の家計負担を軽減するため、毎年8月と12月に、単身世帯に5,000円、複数世帯に7,000円を見舞金として支給しております。

港区以外の22区が、見舞金を廃止している中、独自に支給を行っているものであり、適正な水準であると考えておりますが、今後も生活保護世帯の生活の実態に注視してまいります。

②収入認定基準額は、国が定めた全国一律の基準であり、国の責任において総合的に判断して決定されたものであることから、収入認定基準額の引上げを、国に対して要望することは、考えておりません。

③区は、これまでも冷房機器の使用による電気料金の増加など、夏季の特別な需要に対応するため、東京都を通じ、国に対して、生活保護費に夏季加算を新設するよう求めてまいりました。

今後も引き続き、夏季加算の新設につきましては、国に対して要望してまいります。

 

9 止水板設置費用の助成制度について

地球温暖化による大型台風、集中豪雨による思いもよらない浸水が起きています。

この間の古川地下調節池などによって従来のような浸水騒ぎは減っていますが、短時間の集中豪雨による浸水が心配されます。

マンションや地下駐車場、事務所ビルの半地下への浸水を防ぐための止水板設置と関連工事費用を助成する自治体が増えています。

港区も、止水板設置費用、関連工事費用の助成を行うこと。

 

【区長答弁】

区では、高層マンションで結成された防災組織に対し、浸水対策として止水(しすい)パネルや水(すい)のう袋などの資機材の助成を行っております。

あわせて、「港区浸水ハザードマップ」により浸水が予想される地域やその深さなどの情報提供に努めるとともに、建物所有者に対し、プランターやレジャーシートによる止水(しすい)工法など具体的に浸水対策が講じられるよう有効な対策の周知にも努めてまいります。

 

10 インフルエンザワクチン接種費用助成の拡大について

世論と運動の結果、東京都が65歳以上(60歳~64歳で基礎疾患がある人を含む)のインフルエンザワクチン接種費用の助成を行います。

港区の昨年度の実績を基に試算すると、港区への助成金は約6500万円です。この助成金を活用して、インフルエンザワクチン接種費用助成事業の拡大を行うべきです。

 

【区長答弁】

区は、東京都の補助金の対象者である65歳以上の方と、60歳から64歳までの方で基礎疾患のある方を対象に無料の予防接種事業を実施しております。加えて、一定の発症予防効果と子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため、生後6か月から中学3年生までの子どもを対象に接種費用の一部助成を昨年度から実施しております。

今季は、新型コロナウイルス感染症流行下において接種者の大幅な増加が見込まれております。接種が推奨される方のうち、希望される方々が円滑に接種を受けられるためにも、それ以外の方への費用助成の拡大は予定しておりません。

 

11 小学校の児童、幼稚園児、保育園児の通学・通園時の安全対策について

スクールゾーンやイメージハンプなどで児童や園児の交通安全対策を行っています。

アイスランドでは、路上に描かれたトリックアートによって、横断歩道での交通事故がなくなったそうです。

「3D横断歩道」といわれ、横断歩道の白線部分が浮き上がって見え、ドライバーが速度を制御せざるを得ないトリックです。

学校や保育園周辺で車の通行が多い場所で、テストをしてはいかがですか。

 

【区長答弁】

区は、運転者の錯覚を利用した交通安全対策として、これまで路面上に突起のように見せるイメージハンプを7か所、道路の幅員を狭く見せる区画線を多数設置し、減速を促す路面標示を行ってまいりました。

運転者から横断歩道が立体に見えるトリックアートによる路面標示については、警視庁管内で導入した事例がないため、交通管理者である警視庁から関係法令による規制も含めた情報収集を行い、効果などについて調査、研究の上、協議してまいります。

 

12 少人数学級の実現について

現在、国会では来年度の予算編成に向けての審議が行われています。11月13日の衆院文部科学委員会で日本共産党の畑野君江委員は少人数学級の実現は待ったなしと迫りました。萩生田文科大臣は「30人が望ましいと私は思う。皆さんと協力しながら頑張りたい」と答えました。

また、少人数学級の実現を国に求める地方議会の意見書は16道県を含む534議会で採択されています。

①今がチャンスです。再度、国の責任で「少人数学級の実施」を要請すること。

②港区でも少人数学級を早期に実現すること。

 

【教育長答弁】

①今月12日に、全国都市教育長協議会をはじめ全国の小学校長会や中学校長会など、教育関係23団体で構成する「子どもたちの豊かな育ちと学びを支援する教育関係団体連絡会」が、全国集会を開催し、少人数学級の実現を国に求めました。

引き続き、少人数学級の実現に向けた国の動向等を注視してまいります。

②学級編制につきましては、国の義務標準法に基づき、東京都によって基準が定められており、区独自での少人数学級を実施することは予定しておりませんが、教育委員会では、小学校算数でのコース別指導や中学校理科の学力向上などを目的に区費講師を活用した少人数指導を実施しております。

今後も少人数によるきめ細かな指導の充実を図ってまいります。

 

 

13 高輪築堤の遺構保存と見学会の開催について

「1872(明治5)年の鉄道開通時をほうふつとさせる「高輪築堤」の遺構が、JR駅「高輪ゲートウェイ」の直近から出土した。整然と積まれた石垣の一部は着工から150年を経ても健在で、東京名所として錦絵に描かれた当時の雰囲気を今に伝えている。」と、東京新聞に大きく報道されました。夢のある話です。

早稲田大学の谷川章雄(あきお)教授(考古学)は、「国指定史跡になっている旧新橋停車場跡につながる鉄道遺跡で、文化的な価値が非常に高い」。老川善喜(おいかわ・よしのぶ)立教大名誉教授(鉄道史)は、「日本の鉄道の出発点を示しつつ、周囲を埋め立てて新しい線路を敷設していった経過や石垣の積み方や変遷も分かる重層的な遺跡だ。保存は重要。鉄道史上の宝物であり、観光資源にもなるのではないか」。と語っています。

歴史的・文化的価値のある「高輪築堤」、ここにしかない遺構です。しかるべき時期に現地見学会の開催、遺構の保存を図るよう、JR東日本に要請すること。

【教育長答弁】

高輪築堤の遺構は、汐留の国指定史跡との関連性も高く、区にとっても極めて重要な文化財であると考えております。

そのため、教育委員会は、本年8月26日付けで遺構の保存を求める要望書を事業者にお渡ししました。

現在、事業者は、区や東京都のほか、有識者の見解も伺いながら、遺構の調査、保存等について検討を進めております。

見学会の開催につきましては、工事現場の中であるため、広く一般公開することは、安全上難しいと聞いておりますが、何らかの方法で公開するよう事業者に働きかけてまいります。

 

 

《再質問1》

高輪築堤の遺構の保存と見学会の開催について

 

《質問要旨》

29年前には、汐留開発に伴う発掘調査により、旧新橋駅ホームなどが発見された際は、大規模な現地見学が何度も行われた。全国的な運動の結果、駅舎は復元され、博物館にもなっている。

高輪築堤は、貴重な文化財であることからも、JR東日本に、高輪築堤の遺構の保存と見学会の開催について強く要請すべき。

 

《教育長答弁要旨》

高輪築堤の遺構は、貴重な文化財という認識であるため、改めて保存について事業者に要請していく。

また、見学会の開催についても、事業者と様々な方法を検討し、実現できるよう要請していく。

 

 

 

 

 

14 青山地域に生鮮3品をはじめ生活用品が購入できる店の誘致について

北青山3丁目の都営住宅跡地の民活ビルに、生鮮3品、生活必需品(以下、「生鮮3品等」と言う。)のお店の誘致を事業者に要請していますが、いまだに実現していません。

①引き続き、生鮮3品等のお店の誘致を要請すること。

②青山には比較的大きな都営住宅が、北青山3丁目、北青山1丁目、南青山1丁目にあります。南青山の住宅には毎週魚屋さんが来ていましたが、築地市場が豊洲に移転したことから廃業してしまいました。今は3団地とも八百屋さんが来るだけです。

3つの団地を巡回する魚屋さんの誘致を働きかけること。

 

【区長答弁】

①区は、北青山三丁目地区まちづくりプロジェクトの実施当初から、生鮮3品等を含む店舗の誘致を事業者に要望してまいりました。                   

 しかしながら、施設内の店舗の誘致につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による、その大半が未入居の状況です。事業者からは引き続き、生鮮3品等を含む店舗の誘致活動を行っていると聞いております。                   

 今後も地域の方が安心して買い物ができる                   

生鮮3品等を含む店舗の誘致について、粘り強く事業者に対し、働きかけてまいります。

②区は、豊洲市場の鮮魚卸売業者と、北青山3丁目都営住宅の移動販売について調整し、本年6月下旬から、卸売業者が、北青山3丁目都営住宅向けに鮮魚チラシをポスティングし、都営住宅前で受け渡しをする販売を開始しております。鮮魚卸売業者は、移動販売について前向きに検討し、保冷車の購入を決定したと聞いております。納車後に東京都や保健所等との手続を行うとのことですが、区も引き続き、地域の方の意見や情報を収集し、早期に実現できるよう調整してまいります。

 

 


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9月14日、区長に2021年度予算に対する要望書提出ー地区委員会と党区議団

2020年09月16日

9月14日武井雅昭港区長に「2021年度当初予算に対する重点要望書」を提出しました。小柳出 明副区長が対応しました。

要望書は、この間区民などから寄せられた要望・意見をまとめたものです。17分類、240項目です。

今回の要望書では、コロナから区民と中小企業、商店などを守る要望を特別枠で要望しています。(全文の目次を掲載します。)

 

 

    港区長 武 井 雅 昭  様

 

    2021度当初予算に対する重点要望書

               2020年 9月14日

日本共産党港地区委員

委員長   千  葉   一   成

 

日本共産党港区議員団 

熊  田  ち づ 子

風  見  利    男

福  島   宏   子

 

2021年度当初予算に対する重点要望書の提出にあたって

政府は、2020年7月30日に、2012年12月に始まった景気拡大は2018年10月までで終了していたと認定しました。そのような経済状況の中、多くの国民からの反対があったにもかかわらず、政府は、消費税10%への増税を強行しました。消費税増税で弱体化していた日本経済に、新型コロナウイルス感染症拡大が追い打ちをかけました。

昨年末に確認された新型コロナウイルスは、瞬く間に世界中に広がり、9月9日現在、感染者数は2757万人を、死者は89万人を超えています。感染は今なお広がり続け、9月8日までに新型コロナウイルスの影響で倒産した企業が全国で500件に達しました、その約8割は負債総額5億円未満の中小零細企業です。倒産だけではなく、休廃業・解散の増加も危惧されており、東京商工リサーチの見込みでは2019年の43,348件を大きく超え、2020年は5万件を突破すると報じられています。(「東京」7/26付など)

内閣府が9月8日に発表した2020年4月~6月期のGDP速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前年比7.9%減、この成長が1年続いた場合の年率換算で28.1%減となりました。そして、厚生労働省調査では、今年に入って解雇や雇止めが非正規労働者を中心に拡大しており、その数は7月末には4万人を超えています。

このような経済状況の中で、奪われた雇用、所得、消費を取り戻すことは容易ではありません。国民の暮らしは、厳しくなるばかりです。

そうした国民が厳しいコロナ対応を強いられている中、自民党が敵基地攻撃能力の保有について早急な検討と結論を求める提言をまとめ、安倍首相に提出しました。「敵基地攻撃能力」という言葉は使わなかったものの、その保有を実質的に促し、憲法の平和原則を破壊する安倍政権の暴走をいっそう後押ししようとする極めて危険な動きです。

今、平和・民主主義にとっても重大な局面を迎えています。

こうした中で編成される来年度予算では、区民の暮らし、営業、福祉をより一層応援するとともに、平和で安全な港区に確実にして行かなくてはなりません。

日本共産党港地区委員会と港区議員団は、区民の切実な要望を聞き取り、各団体との懇談会などで出された切実な要望を集約し、2021年度予算の重点要望としてまとめました。

新型コロナウイルス感染症対策については、項目を別建てとし、まとめて要望しています。

一つ一つの項目について、真摯に受けとめ、予算案に反映するよう強く求めます。

尚、来年度予算編成前に具体化できる施策については、速やかな実施を求めます。

回答にあたっては、各項目について具体的に示されるようお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目  次

 

【1】新型コロナウイルス感染症から区民生活を守るために・・・・・・・・・・・・1ページ

 

【2】区民のための区政運営をすすめるために          ・・・・・・・・・・・・5ページ

 

【3】区内各地の巨大開発を抜本的に見直し、大企業の利益優先、住民追い出しをやめ、住民が安心して住み続けられるまちづくりを  ・・・・・・・・・・・・6ページ

 

【4】地球環境を守るために                          ・・・・・・・・・・・・8ページ

 

【5】高齢者の暮らし・福祉を守るために               ・・・・・・・・・・・・8ページ

 

【6】誰もが安心して生活できるための生活福祉施策の充実を ・・・・・・・10ページ

 

【7】すべての子どもたちが健やかに育つための施策の充実を ・・・・・・・11ページ

 

【8】障害のある人が、身近な地域で働き生活できるよう、障害者福祉を充実させること                                        ・・・・・・・・・11ページ

 

【9】安心して学べる学校・施設等の改善のために       ・・・・・・・・・・12ページ

 

【10】区民の生命と健康を守るために                  ・・・・・・・・・・13ページ

 

【11】中小企業の営業とくらしを守るために             ・・・・・・・・・13ページ

 

【12】安定した雇用の場を確保するために              ・・・・・・・・・・14ページ

 

【13】平和な港区にするために                       ・・・・・・・・・・・15ページ

 

【14】財源確保策について                           ・・・・・・・・・・・17ページ

 

【15】東日本大震災や全国各地の災害を教訓に、区民のいのちと財産を守るた

めに                                ・・・・・・・・・・17ページ

 

【16】東日本大震災をはじめとする被災地への支援対策について

・・・・・・・・・・20ページ

 

【17】原発から撤退し、自然エネルギーへの転換をすすめるために

・・・・・・・・・・20ページ


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