建設委員会では、請願の採択にむけ、論戦を行い、決算委員会では、別の角度から、歴史的な史跡と景観を守る立場から質問しました。
決算等審査意見書(監査委員への質問)2014年9月24日
(風見)海外の人たちは、とりわけ日本の歴史的価値のある寺社仏閣等に関心が強いといわれています。増上寺や泉岳寺には平日でも多くの外国の観光客が訪れています。
歴史的に大変貴重な港区の史跡文化財である泉岳寺の中門に、いま、大変な事態が起こっています。
この中門のすぐ隣に8階建て23メートルものマンション計画があり、泉岳寺の歴史的景観を守れと、泉岳寺や近隣住民が立ち上がっています。建築主は聞く耳持たず強行しようとしています。もしも、このままマンションが建設されるようなことになれば、国内外、特に海外からわざわざ泉岳寺を訪れた観光客に失望と落胆を与えることになり、日本と港区の景観行政への批判がおき、泉岳寺いや、港区を訪れる人が激減することになりかねません。
「訪れる人々に港区の魅力を体感していただけるように...」するためには、泉岳寺の文化財を守る、景観を守るため、あらゆる手立てを尽くすべきだと考えますが、監査委員のご意見をお聞かせください。
(監査委員)泉岳寺は、国指定の史跡で、赤穂藩浅野家の菩提寺であり、浅野家また赤穂47士の墓所がある貴重な史跡と認識しています。
歴史・文化的資源と都市型観光資源の双方を生かしながら、区民が愛直を持ち、訪れる人が魅力を感じる良好な景観づくりが重要です。
泉岳寺に隣接して建設予定のマンションについては、区民の皆さんに納得していただけるよう、区として、必要な指導を事業者に続けるよう期待しています。
決算委員会:教育費での質問 2014年10月3日
(風見)泉岳寺の史跡、文化財、景観を守るための質問です。
貴重な史跡であり、文化財である泉岳寺中門の隣りに、8階建て、23メートルものマンションが建てられようとしています。
教育委員会に「高輪泉岳寺の歴史的文化財景観に関する請願書」が提出されています。
泉岳寺の歴史的、文化的価値について教えていただきたい。
(図書文化財課長)泉岳寺は、江戸時代には、曹洞宗江戸三ケ寺の一つとして重要な位置にありました。また、元禄15年にかけて起きた赤穂事件に際して、浅野長矩及び義士の墓所が造成された後は多くの参詣者が集うようになりました。
現在、国指定史跡が1件、また8件の区指定文化財、6件の区登録文化財などの豊富な文化財を所蔵するなど、創建後の経緯などとともに、高い歴史的、文化的価値を有する、日本に名を知られた、区を代表する名刹の一つと言えます。
(風見)請願書は最後に「当山の文化財の価値とその景観を守るためにも、この8階建てマンション建設計画を泉岳寺の歴史的価値にそぐうものへの変更を求めるものであります。なにとぞご配慮賜わり、お力添え、ご協力をお願い申し上げます。」と、教育委員会としての力の発揮を求めています。
先ほど答弁いただいたように、貴重な文化財である泉岳寺を守るために、教育委員会としてできうる限りの取り組みをすべきです。
(図書文化財課長)国指定史跡、区登録文化財のいずれも、文化財自体に手が加えられることがない限り、法規に基づき規制等を加えることは難しいと考えております。
教育委員会といたしましては、文化財保護の視点から、必要に応じて計画者・施工者対して指導していただくよう、担当部・課に伝えてまいります。
(風見)現在、登録文化財になっている中門、山門、浅野長矩及び赤穂義士墓所門を、指定文化財とすべきと思いますが、いかがですか。
(図書文化財課長)教育委員会が「区文化財総合目録」に登載した時点で、登録文化財は文化財の候補となったと認識しております。しかしながら、これらの登録文化財につきましては、十分な調査が進んでおらず、直ちに指定文化財とすることは困難と考えております。今後、所有者である泉岳寺さんの意向を確認しながら、より詳細な調査の実施などを検討してまいります。