【風見議員】 昨年9月大阪市内で、パネルが落下し乗用車を直撃したことや、成田空港からの離陸機によるパネル落下。1月には政府専用機のパネル紛失事故などが相次いだことから、都心上空を低空飛行する計画が、NHKをはじめテレビ、新聞、雑誌など多くのマスコミで取り上げられ、落下物のみならず騒音、大気汚染、万が一の墜落、高層マンションの資産価値低下などを招く、無謀とも言える計画に、不安や怒りの声が一層広がっています。
安倍首相は、施政方針演説で「飛行経路の見直しに向けた騒音対策を進め、地元の理解を得て、2020年までに8万回の発着枠拡大を実現します」と述べました。一方で国交省航空局の来年度の予算決定概要では、羽田空港の飛行経路の見直し等により2020年までに空港処理能力を約3,9万回拡大する取り組みを進めているとして、飛行経路の見直しに必要な施設整備に、都心上空からA滑走路、C滑走路に着陸するための進入灯整備や誘導路新設の費用、環境対策事業に係る調査費用などが計上されています。
飛行経路に関係する地域からの「教室型」説明会開催要求に耳を貸さず、オープンハウス型の「説明会」や一方的な「情報提供」によって騒音対策や安全対策を取っていることを周知したとして、強引に実施するようなことがあってはなりません。
このため
①区内全域で教室型説明会を開くこと。開催に当たっては広報や全戸配布などで周知すること。参加者に見合う会場の確保と民主的運営に努めることなどを要請すること。
②住民の理解が得られないまま新飛行経路の実施を行わないよう強く申入れること。
③都心上空を飛行する新飛行経路案は撤回、見直しするよう要請すること
④区としても新飛行経路案の危険性、問題点などを広報などで、繰り返し区民に知らせること。
それぞれ答弁を求めます。
(1) 区内全域での説明会の開催を国に要請することについて
【区長】 区が、羽田空港の新飛行経路案について、国に対し、教室型説明会の開催を強く求めた結果、区内の3地域において区民等を対象とした教室型説明会が実現いたしました。
今後も、地域からの要望等を踏まえ、国へ開催を要請してまいります。
また、説明会の開催に際しては、区は、開催する地区の町会等を通じてチラシを配付し周知してまいりましたが、今後、より多くの方が参加できるよう、広報等を含めた周知の工夫や適切な会場の確保に努めるとともに、国に対しては、分かりやすい説明を行うことを要請してまいります。
( 2) 住民の理解を得られないままで実施しないよう国に申し入れることについて
【区長】 区はこれまでも、羽田空港の新飛行経路案については、区民等へのきめ細かな情報提供を行い、十分に納得を得たうえで検討を進めるよう、文書等により国に強く申し入れてまいりました。今後も引き続き、区民等のご意見を踏まえながら、申し入れてまいります。
(3) 新飛行経路案の撤回・見直しを国に要請することについて
【区長】 羽田空港の機能強化に関する計画については、国の責任において区民等に丁寧な説明を行い、十分な理解を得て、検討を進めるべきものと考えております。
計画の撤回や見直しを国に求めることは考えておりませんが、今後とも区民の安全と生活環境を守る立場から、区民へのきめ細かな情報提供を行うことなど、引き続き国へ要請してまいります。
(4) 新飛行経路案に関する区民への周知について
【区長】 区は、新飛行経路案など羽田空港の機能強化に関する取組について、国が作成したリーフレットやニュースレター等を各地区総合支所や図書館等で配付しております。
また、落下物の危険性や対応策など、国から新たな検討状況が示された際には、広報みなとやホームページ等を通じて、迅速な周知に努めております。
今後も、国との情報共有を密に行い、羽田空港の機能強化に係わる情報を積極的に周知してまいります。