2022年第4回定例会代表質問

2022年12月24日
風見利男

【質問】区民の暮らしを守るために、均等割のみの世帯へ区独自の支援金支給について。
40年ぶりの急激な物価上昇で区民の暮らしは大変です。国は、住民税非課税世帯に対し、1世帯あたり5万円の支給の支給を決めました。区は住民税非課税世帯約30,628世帯(想定)に5万円を支給します。
港区の2021年度末の課税者は154,068人、非課税者は45,999人、均等割のみは6,921人です。
国の給付金の対象外の均等割のみの世帯を対象に独自で給付金を支給する自治体が増えています。北区や新宿区、足立区など支給額に違いはありますが、暮らしへの影響が大きい、均等割のみの世帯に支援金を支給しています。
港区も均等割のみの世帯に支援金を支給すること。

【答弁】
令和4年度住民税均等割のみ課税世帯も含めた課税世帯が家計急変した場合に、港区電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援
給付金の支給対象となり、相談に応じています。また、生活・就労支援センターでの家計改善支援員による家計相談や、就労支援、港区社会福祉協議会の貸付金の紹介など、生活支援を行っています。区で独自に住民税均等割のみ課税世帯に支援金を支給することは考えていませんが、関係機関と連携して適切な支援につなげていきます。

【質問】年末年始の体制について
①異常な円安、異常な物価高騰によって、誰もが、窮地におちいる危険をはらんでいます。区民が緊急事態の時に頼るのは港区です。年末年始(休みの期間)に相談できる体制をとること。

②宿直、防災宿直だけでは対応できない。どのような体制でどのように取り組むのか明らかにすること。

【答弁】
①年末年始に食料や住まいにお困りの区民から相談を受けた場合には、区役所での緊急食料の配布や、東京都が実施する生活・居住支援事業等との連携を行い、支援していきます。
また、路上生活者については、東京都と特別区が共同して運営する自立支援センターへの入所など適切に対応していきます。

②年末年始に限らず、夜間・休日等は宿直や防災宿直として管理職が常時区役所に待機し様々な連絡を受けている。その際も緊急連絡体制をそれぞれの分野で整備し、事態に応じて即時対応している。年末年始に関しても生活に困窮された方が安心して生活できるよう、各地区総合支所区民課生活福祉係や生活就労支援センターにおいて一人ひとりに寄り添った丁寧な対応ができるよう、体制を整え活用していく。

【質問】学校を含む、全ての職員のサービス残業についての、全面的な調査について。
①11月18日の総務常任委員会に「労働基準監督署からの改善指導に関する区の対応について」の報告がありました。
これは青山保育園と白金保育園で2年間にわたり、58名の超過勤務手当2、874万円が未払い、サービス残業になっていたことの報告です。あってはならいことです。(超過勤務時間…1万908時間、平均188時間、平均約50万円)
徹底した原因の究明と併せ、学校を含むすべての職場について
サービス残業がないのか、全面的な調査を行い公表すること。
サービス残業が判明したら、直ちに超勤手当を支給すること。

②予算管理でなく、働いた分は正当に支払う仕組みにすること。

③職員のサービス残業について二つ問題が考えられ、一つは人員が不足していること、もう一つは予算管理のために予算を超えての申請がしづらいことです。
今回問題になった青山保育園の2年間の超過勤務手当の予算は、今回明らかになった超過勤務手当の4分の1ほどでした。そのため、まず予算管理を直さないと、安心して超過勤務を申請することができない。

【答弁】
①三田労働基準監督署からの改善指導に基づき、青山保育園及び白金保育園において実態調査を行い、原因について究明しました。
原因としては、所属長等による労働時間の把握・管理等が徹底されなかったことに加え、超過勤務手当を申請しづらい組織風土があったこと等が挙げられます。
今後は、所属長等が職員の労働時間について、適正に把握・管理するとともに、再発防止に取り組んでいきます。
今後、全ての職場において時間外労働に関する調査を実施し、実態の把握に努めその結果を公表していきます。
調査実施後超過勤務として認められるものについては、適正に超過勤務手当として支給していきます。

②職員の超過勤務については、原則臨時的・例外的に行うべきものとして労働時間の管理に努めていますが、所属長の命令に基づき超過勤務を行う必要があった場合には、その実績に応じて適正に超過勤務手当を支給しています。

③職員の時間外労働を含めた適正な労働時間の管理、超過が負担にならないようにすることは大変重要です。このような観点から今後も適正な勤務時間の管理に努め、必要な超過勤務についてはそれに要する手当を適正に支給していく。

【質問】移動スーパーの誘致について
ネットで、「今日は肉が食べたい!」と思っても、明治屋、リンコス(六本木ヒルズ)、プレッシェ(ミッドタウン)といった高級スーパーで生鮮食品を購入するのは少し敷居が高い。そんなときは六本木通りを少し下って西麻布1丁目にある「マルシェロッポンギ西麻布店」に行かれるのがよいかと思います。ところがこのお店が、ビルの建て替えで転出を余儀なくされ、近くで店舗に使える場所を探したが見つからず、閉店となりました。
港区民の多くは「買いもの難民」です。
各町会などの意見を聞き、必要な地域に生鮮3品・日用品などが購入できる移動スーパーの誘致を進めること。

【答弁】
区はこれまで青山地域において買い物弱者支援事業として、都営住宅北青山三丁目アパート敷地内で自治会や東京都、移動販売を行う事業者と調整し、青果店と鮮魚店がそれぞれ週2日移動販売をしています。
また、区内で大規模な開発等が計画される際は、必要な地域について生活利便施設として生鮮3品などが購入できるスーパーマーケットの誘致を要望しています。
引き続き各地区総合支所が中心となって、地域の要望等をお伺いしながら関係部署と連携し、移動販売をはじめ地域のニーズに合った買い物支援を検討していきます。

【質問】区民交通障害保険について
申込期間は2月1日から3月31日のため、年度途中での加入ができません。途中加入ができるよう再三質問してきました。担当部署の努力で6月1日から翌年1月31日までインターネットでの申し込みができるようになりました。ネットに弱い人もいるのですから、金融機関で途中加入ができるようにすること。

【答弁】
区民交通傷害保険は、本年6月1日からインターネット受付を開始し、今年度分の途中からの受付やキャッシュレス決済が可能となりました。
来年度分以降の受付については、令和5年2月1日以降に通年でインターネットでの受付が可能となります。
金融機関の窓口における年度途中の加入については、引き続き損害保険会社に対し要請していきます。

【質問】災害時の避難所の運営について
①食事の提供について、災害が発生した場合先ずは命を守ることが最優先されます。その後住民の健康を守り、気持ちを支えていくものの一つが食事です。しかし、被災された方の健康的な食事の支援は後回しにされがちです。菓子パン、おにぎり、カップラーメン等の偏りのある食事が続くことにより、カロリー過多栄養不足による体調不良、食欲不振等の健康被害が起こることがあります。
避難所での食事が元気の源になるようにすることが必要です。
「みんなの炊き出し研究所」や「食べる支援プロジェクト」など、避難時の炊き出しや避難時の食と栄養を研究する団体が増えていま
す。
海外を含め先進的に取り組んでいる団体の取り組みに大いに学ぶことが必要です。
暖かい食事の提供は、避難生活の大きな支えになります。
どんな時でも給食施設が利用できるような設備にしておくこと。

①キッチンカーの活用を検討することについて、すでにキッチンカー協会と災害時の協定を結んでいる自治体もあります。一般社団法人日本キッチンカー協会(東京支部は設立準備中)の協力を得ることができれば、創意ある食事の提供が可能です。
日本キッチンカー協会に協力を要請すること。

【答弁】
①食事の提供について避難所の給食施設は、被災や電気・ガスなどのライフラインの途絶により調理設備そのものが使用できなくなることがあるため、ガスバーナーを使用したかまどを配備することにより温かい食事の提供ができるようにしています。

②キッチンカーの活用については事業者から実施上の課題など聴取しており、今後区内にあるキッチンカー事業協同組合と意見交換を予定しています。引き続き、活用に向けて調査研究していきます。

【質問】避難所の二酸化炭素濃度の測定について
コロナの感染防止には換気が必要ですが、寒い時期は換気が大変になります。避難者の健康維持のため、避難所の二酸化炭素濃度を定期的に測定すること。

【答弁】
避難者の密集による新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、避難所となる小学校や中学校に配備されている二酸化炭素濃度測定器を活用するとともに、測定器のない避難所には配備していきます。

【質問】女性が安心して避難できる施設について。
(1)着替え用の場所を独立して確保(テントでも可)すること。
(2)洗濯場所、乾燥機、干し場を確保すること。
(3)生理用ショーツや十分な量の生理用品の用意をすること。

【答弁】
(1)女性の更衣室につきましては、専用のテントを全ての避難所向けに確保しています。
(2)洗濯場所、乾燥機、干し場につきましては、施設ごとに工夫して確保していきます。
(3)現在、生理用品は約2万枚を備蓄しています。女性が安心して避難生活を送ることができるようにするため、生理用ショーツやおりものシート、風呂敷型の授乳ケープなどについても、今年度中に追加配備していきます。

【質問】介護保険の改悪を許さないこと
3年に一度の制度改正に向け検討が始まっています。厚生労働省が10月31日の社会保障審議会に示した介護保険制度見直しの7つの論点はいずれも国民に負担増と給付減を押し付ける内容です。実施されたら史上最悪の改正になると関係者から声が上がっています。
その改悪内容は、
(1)要介護1、2を保険給付費から外し、市区町村が運営する「総合事業」に移行する。
(2)利用料の自己負担2割、3割の対象者を拡大する。
(3)保険料徴収を現在の40歳から年齢を引き下げる。サービスの利用年齢を引き上げる。
(4)介護老人保健施設(老健)などの多床室の部屋代の有料化
(5)ケアープランの有料化
(6)特養ホームなどに入所している低所得者の食費、居住費を減額、補足給付費の対象要件の見直し
(7)保険料負担を「高所得者」の負担を引き上げ、低所得者の負担を抑える見直し
など7項目に上がります。
年金が減らされる一方で、10月からは75歳以上の医療費の窓口負担2割が導入されました。加えて介護保険制度で負担増や給付減が導入されたら在宅介護を崩壊させる深刻な事態が起きることになります。
10月31日に開催された社会保障審議会介護保険部会では、要介護1、2の総合事業への移行に反対する意見が続出。全国老人福祉施設協議会など介護8団体も反対声明を出すなど、反発が広がってい
ます。
区民が安心して介護が受けられるよう、介護保険の改悪に反対するよう国に申し入れること。

【答弁】
区は、これまでも、国庫負担割合の引上げや制度の見直しに当たっては、関係者の意見を十分踏まえ、持続可能な制度を確立することなどについて、全国市長会や特別区長会を通じて国に要望してきました。
現在、国の社会保障審議会介護保険部会において、給付と負担の在り方など、多面的な議論が行われています。
介護保険制度の見直しへの反対を国に申し入れることは考えておりませんが、必要な取組や支援策について、今後も、特別区長会などを通じ国に要望していきます。

【質問】第9期の計画策定にあたり、港区独自での基金について
①介護給付費準備基金(準備基金)の適正な額について、準備基金は介護保険事業の財政の安定化のための仕組みで、給付の実績が計画よりも少なかった場合に積立、不足した時に取り崩して充当しま
す。これまで7期の計画策定時に準備基金6億円、8期の計画策定時に3.4億円を投入して保険料を据え置いてきました。2022年8月30日現在、準備基金の残額は約18.7億円です。(2022年度末で21億円になる見込みです。)
計画策定時に給付費を多めに積算していないか。適正な基金の額はいくらなのか。

②基金を活用して、第9期の保険料の引き下げを行うこと。

【答弁】
①準備基金は、想定を上回る給付費の増加や臨時的な負担増があった際にも、計画期間の3年間の保険料を変動させることなく安定的な制度を維持するために設置しています。
区はこれまでの間、計画期間の初年度に給付予定額の約1%から2.4%の準備基金を積み立てることで保険料の大幅な上昇を抑える等、効果的に基金を活用してきました。
準備基金の適正額を金額などで一律に捉えることは困難ですが、引き続き、保険料の基準額や給付額の見込みな
どを十分考慮し、確実な制度運用に向け、過去の例も参考に準備基金の積み立てを行っていきます。

②介護保険制度では、安定的で持続可能な制度となるよう、介護サービスの財源について、保険料と公費を一定の割合で負担することが求められています。
令和6年4月から令和9年3月までの3年間を適用期間とする次期計画における介護保険料額の決定に当っては、今後、国が示すとされている低所得者対策の方針を踏まえつつ、現行の基金残高や今後の給付費の増加を適正に見込んだ上で、丁寧に検討していきます。

【質問】港区が独自で行っている保険料の軽減について、要件の見直しを行うことについて
保険料の所得段階が2段階、3段階の人を対象に、年間収入一人世帯は140万円以下、預貯金額が一人世帯300万円以下、住民税の課税者に扶養されていないことなど5つの要件に全て該当することが条件で、保険料が第1段階に引き下げられます。しかし、軽減を受けられた人は、2020年度(令和2年)50人、2021年度(令和3年)46人とごく少数です。
対象要件は、介護保険制度がスタートした2000年度、20年以上も前に決めたものです。2000年度の老齢基礎年金額は67,017円、2021年度の年金額は65,741円と1,276円も下がっています。
年金が減らされる中、一生懸命にためた貯金が300万円を超えると保険料の軽減が受けられず、高い保険料を払わなければなりません。
預金300万円は他区を参考にしたとのことですが、港区は、家賃が高額であることを理由に、港区独自に家賃・地代は年間97万円まで控除を認めています。物価の高い港区ですから、預貯金の300万円を引き上げること。

【答弁】
介護保険料の所得段階が第2又は第3段階の被保険者を第1段階へ軽減する要件については、軽減制度を開始した平成13年度に、他区の状況を踏まえ、設定したものです。
その後、区は、被保険者の所得段階に応じた介護保険料をきめ細かく設定するなど、区独自の更なる低所得者対策の充実に取り組んできました。
現在、区が軽減の要件としている預貯金額300万円の妥当性については、引き続き、他自治体の情報を収集していきます。

【質問】国民健康保険の子どもの均等割の廃止について
他の健康保険にはない均等割が国民健康保険料を高くしています。今年4月からは就学前の子どもの均等割が半額になりました。それでも一人当たり27,650円です。
国民の世論と運動で、就学前子どもの均等割の軽減が実現しましたが、長い期間かかりました。国に要望すると同時に、各保険者が独自に均等割をなくすことが国を動かすことにつながります。港区独自で子どもの均等割を廃止すべきです。

【答弁】
国は、子育て世帯の負担軽減を図るため、本年4月から全国一律に未就学児の均等割保険料の5割減免を実施しました。
国民健康保険は、法に基づく国の制度ですから、自治体がそれぞれの判断で独自に子どもの均等割を廃止することは適当でないと考えています。
引き続き、特別区長会や全国市長会を通じ、子どもの均等割軽減の対象年齢や軽減割合の拡大など、保険料の負担軽減に向けた必要な措置を講じるよう国に要望していきます。

【質問】終活、エンディングサポートについて
(一人暮らしの65歳以上の区民…8403人)
身寄りのいない高齢者は「自分にもしものことがあったらどうしよう」と、不安に感じている方の相談が増えています。超高齢社会を迎えた今、人生の終わりに向き合いよりよい人生を過ごす終活サポートに力を入れる自治体が増えています。
終活サポートは、一人暮らし高齢者の孤立死を防ぎ、終末期の人生を有意義に過ごすことにあります。終活サポートを利用することで、葬儀や納骨など、死後の問題について元気なうちに解決しておくことで心配事がひとつ減り、毎日をいきいきと過ごすことができます。
横須賀市で始まった終活サポートは、全国各地に広がっています。先進的に取り組んでいる自治体を参考に、港区にふさわしい、終活サポート事業に取り組むこと。

【答弁】
区では各地区の高齢者相談センターにおいて港区社会福祉協議会と連携し、高齢者からの葬儀や相続などに関する相談に応じるとともに、終活をテーマとした区民向け講座も実施しています。
講座では、弁護士や公証人が必要な死後事務やご自身が望む葬儀の在り方なども紹介しており、参加者も多く受講後のアンケート結果も好評です。
今後も、港区社会福祉協議会や関係機関との連携をより一層強化し、高齢者一人ひとりの状況や要望に応じた丁寧な相談や支援に努めていきます。

【質問】小学生以下の子どものインフルエンザワクチン接種費用の助成の拡大について
東京都は、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行を想定し、高齢者の重症化による医療負担を軽減する観点から、高齢者のインフルエンザワクチン接種費用の助成を行うとの報道がありました。
港区への助成額はおおよそ6550万円です。この助成金を有効に活用し、子育て支援策の一環として、2回接種が必要な小学生以下の子どもへの助成額を増やすこと。

【答弁】
区は子どものインフルエンザ予防接種事業について、発症及び重篤化の予防効果や回避できる社会的損失等を勘案した上で助成額を決定しており、実質的に無料での接種が可能であるため助成額は妥当なものであると考えています。

【質問】エレベーターに「地震時最寄階停止装置」設置費助成について
港区は、シティハイツ竹芝での高校生の死亡事故を受け、戸開走行保護装置の設置費助成を始めました。地震時最寄階停止装置を一緒にやれば設置費を助成する仕組みです。
遺族を中心にした運動の結果、2009年9月28日以降のエレベーターには、戸開走行保護装置と地震時最寄階停止装置の設置が義務化されましたが、既設のエレベーターは除外されているだけに、港区の助成制度は重要です。
地震時最寄階停止装置のみの改修工事も助成すること。

【答弁】
区は、日常的に危険性のある戸開走行の防止を最優先に考え、戸開走行保護装置の設置を助成しています。さらに、より安全性を確保するため、地震の際に最寄階に停止する地震時管制運転装置も併せて助成対象としています。
エレベーターの安全確保のためには、戸開走行事故と地震時の閉じ込めの両方の安全性を高めることが、区民の安全・安心につながると考えています。
引き続き、区の制度の趣旨や内容を丁寧に説明し、エレベーター改修の機会を捉えて、戸開走行保護装置と地震時管制運転装置の両方の設置が進むよう働きかけていきます。

【質問】学校給食費の無償化について
①コロナ禍で職を失ったり、給料が増えないなど区民生活は深刻です。子どもの貧困が7人に1人といわれる中、港区を含め多くの自治体が、地方創生臨時交付金を活用して学校給食費の値上げを抑えています。さらに、多くの自治体が無償化を進めています。東京都内では、すでに1町4村が学校給食費を無償にしており、来年4月からは葛飾区が無償化に踏み出します。
港区は、物価も高い、家賃も高い、日本一大変な中で子育てしながら頑張っているのです。本来であれば、港区が真っ先に無償化に踏み出すべきことです。
4月から学校給食の無償に踏み出すこと。

②学校給食の運営は、異常な物価高騰によって大変な状況です。
学校給食は児童・生徒の健康と成長にとって極めて重要です。
給食の運営に支障が出ないよう、資金援助すること。

③現在、約40年ぶりの経験したことのないような急激な物価の上昇で、とりわけ子育て世帯の負担増は深刻です。区には区民の共有財産である1,889億円の積立金があり、その一部を取り崩すだけで学校給食費の無償化は実現する。子育てするなら港区、教育の港区が率先して無償化に取り組むべきと考えます。

【答弁】
①学校給食費の無償化について、学校給食の食材費は学校給食法において保護者負担とされている中、教育委員会では商店街とのコラボメニュー食材や特別栽培農産物等の購入費用の一部公費負担、就学援助での給食費全額助成など、様々な保護者負担軽減策を実施しています。
引き続き国の責任において学校給食費の無償化を実施するよう要望していくとともに、これまでの区立小・中学校への様々な支援を踏まえ教育費の保護者負担の在り方について検討していきます。

②教育委員会では、食材費が高騰する中、本年6月から学校給食で使用する全ての白米を公費負担とし、学校給食費の保護者負担額を据え置いています。
また、引き続く食材費の高騰を受け、10月からは、保護者負担額の約4%に当たる、給食1食当たり約10.7円分の追加支援も実施し、保護者負担額を据え置きながらも確実に学校給食を提供しています。
引き続き、子どもたちに喜ばれる質の高い学校給食の安定的な提供に努めてまいります。

③教育委員会は、物価高騰等に対応し給食で使用する白米の全額公費負担など、様々な支援により保護者負担額を据置き給食を提供している。引き続き安定した学校給食を子どもたちに提供していくとともに、教育の港区を更に推進するため子どもたちの教育の質を向上させるための効果的な支援策について、現在検討を進めている。

【質問】鉄道開業150周年記念講演会&シンポジウム(以下「シンポジウム」)と5・6街区の高輪築堤の完全保存と公開について
①11月6日、シンポジウム「高輪築堤から考える日本の鉄道」が開かれました。
定員170人に対し、322人が申し込みました。関心が高いということです。中身の濃いシンポジウムでした。抽選に外れてしまった人や、関心がある人にシンポジウムの内容が分かる動画や、冊子を作るなど、記録にし、希望者に頒布すること。

②シンポジウムの最後に発言した谷川章雄先生は、「5・6街区については試掘が行われ、鉄道遺構は比較的よく残っていると思う」、「日本考古学協会をはじめとする学会であるとか、イコモスのヘリテージ・アラートが発出されたり非常に注目度が高い」、谷川先生が委員長の「高輪築堤の調査・保存等検討委員会(以下「検討委員会」という。)では、「築堤の現地保存を考慮した開発計画を要望している」と述べました。
この間の検討委員会では、発掘された高輪築堤が一部しか保存できなかったことに苦渋の思いを述べ、委員の先生、文化庁の役人も「5・6街区は現地保存したい」との意見が述べられています。
港区教育委員も、昨年5月に5・6街区について、「現地保存を考慮した開発計画とするよう」要請しています。
シンポジウムも成功裏に終わった新たな段階です。文化庁や東京都教育委員会等、関係機関と相談し、共同して、JR東日本に「5・6街区の完全保存・公開」を要請すること。

【答弁】
①今月、11月6日に開催した鉄道開業150周年記念講演会とシンポジウムには、当日135人が参加しました。
この場では自由な議論を行えるよう、登壇者の希望に応じた、公開を前提としない資料を多く使用しています。
このため、これらの資料を基に、動画や冊子等の記録を作成し、配布することは予定していませんが、講演会とシンポジウムの概要をまとめて、来月には区ホームページで公開し広く周知していきます。

②教育委員会では昨年5月に高輪築堤跡の現地保存を考慮した開発計画を策定するよう、JR東日本に要望書を発出するとともに、文化庁、東京都教育委員会等とこれまでも協力して取り組んでいます。
改めてJR東日本に5・6街区の完全保存・公開を要請することは予定していませんが、引き続き区民の貴重な財産である高輪築堤跡を後世に継承していくため、文化庁、東京都教育委員会等の関係機関と連携して取り組んでいきます。

【質問】神宮外苑の再開発について
今、イチョウ並木は葉が色づき、陽光に映えて金色に輝いています。連日観光客が訪れ、土日はラッシュ状態です。
このイチョウに異変が起きていることを、日本イコモス国内委員会が11月10日、都庁で記者会見し、一部が枯れるなど生育状況に問題があるとの調査結果を公表しました。日本イコモス理事の石川幹子中央大学研究開発機構教授が10月~11月、樹木医の濱野周泰(ちかやす)東京農大客員教授と共同でイチョウ並木146本を調査した結果です。
調査によると6本のうち1本は4段階で最低のD「著しい枯損」と評価。残り5本はC「要注意」と評価されました。Dと評価されたイチョウ(高さ23メートル、幹回り2メートル83センチ、枝張り10メートル)は、黄色い葉を輝かせる周囲のイチョウとは対照的に、上半分ほどの葉が全て落ちて幹や枝がむき出しになっています。
6本すべてが4列の並木のうち、飲食店やテニス場が接近する西側の一列に集中しています。
浜野教授は、再開発で新神宮球場がつくられた場合、8メートルしか離れていないことから「変化がより大きくなる可能性がある」と懸念を示しています。
石川教授らは都環境影響評価審議会で示されなかった、再開発に伴う樹木の検証可能な「毎木調査」のデーター提示を事業者に求めました。その結果公表されたのは、2018年12月~19年1月に行われた4年前のもの。9割以上を「健全」とするA評価で、残りも「比較的良好」のB評価。今回問題が指摘された6本はいずれもA評価です。
イコモスは事業者に対し、現地での共同調査を求めています。イチョウ並木、明治神宮外苑の樹木、緑、景観、環境を守るためにも、共同調査を実施するよう、事業者に要請すること。

【答弁】
一般社団法人日本イコモス国内委員会は、本年10月3日付けの提言において、事業者に対して、神宮外苑の樹木の共同調査を求めています。
区は、この提言を、港区の優れた景観である銀杏並木を保全し、緑豊かな風格ある都市景観への配慮を求める貴重な提言と受け止めていることから、事業者に対して、共同調査への対応を求めていきます。