【熊田】 日本共産党区議団は8月9日に「熱中症に関する6項目の緊急対策の申し入れ」を行いました。
気象庁が「いのちに関わる危険な暑さ」「災害と認識」と述べている今年の猛暑によって熱中症の深刻な被害が広がっています。東京消防庁管内での熱中症による6月以降の救急搬送人数(速報値)は7月22日時点で3,317人に上ります。
東京都監察医務院がまとめたデータによれば、6月1日から7月26日までの特別区における熱中症による死亡者は85人ですが、そのうち71人が65歳以上です。屋内で死亡された68人の中で、23件はクーラーなし、クーラーがあった45件のうち43件は使用していませんでした。
港区内でも7月(7月1日~29日)だけで86人が救急搬送されています。港区はホームページで「熱中症に注意しましょう」との啓発記事を掲載し、「冷房と扇風機を上手に使いましょう」とエアコンの使用を呼びかけています。
1)6月27日の厚労省通知に該当する生活保護利用者に、その内容を周知徹底し、必要な対象世帯には可及的速やかにエアコンを設置すること。
2)4月以前の生活保護利用者にも、エアコン設置を認めるよう、国に対し緊急の要望を行うこと。 区として緊急事業として行うこと。
3)荒川区が行っている「酷暑から命を守る緊急対策」(65歳以上の高齢者世帯、障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳保持者、要介護4以上の認定を受けている方がいる世帯、就学前の子どもがいる世帯を参考にエアコン置助成事業を港区でも実施すること。4)社会福祉協議会が行っている「生活福祉資金」を生活保護利用者がエアコン
を設置する際の貸し付けがスムーズにすすむよう援助すること。
5)生活保護利用者の夏季のエアコン利用による電気代相当額を、港区独自の
法外援護費として支援すること。
6)エアコン未設置の学校体育館には、早急にエアコンを設置すること。
答弁を求めます。
(1)生活保護世帯への設置について
生活保護法による保護の実施要領の改正により、本年4月1日以降に保護を開始した高齢者等のうち、対象となるのは2世帯であり、すでにエアコン購入費用を支給しております。
(2)国に対する要望について
区は、これまで熱中症予防に配慮を必要とする方がいる生活保護世帯へのエアコン購入費用の支給について、東京都を通じ、平成26年度から国に要望しております。
区として、今回の生活保護の実施要領の改正により、支給対象とならなかった世帯に対し、エアコンを設置する緊急事業は考えておりませんが、社会福祉協議会の生活福祉資金が利用できることをあらためて周知し、エアコンの設置を支援してまいります。
(3)酷暑から命を守る緊急対策の実施について
区では、熱中症予防のために、区ホームページや広報みなと、緊急情報メール、防災行政無線、リーフレットなどさまざまな手段により、注意喚起を行っております。
また、高齢者、障害者、就学前の子どもがいる世帯への窓口対応や家庭訪問の際には、エアコン設置のほか、修理や買い替えなどの相談について、情報提供など丁寧に対応しております。
荒川区で実施したエアコン設置助成事業の取組につきましては、その実態や効果等について情報収集をしてまいります。
(4)生活福祉資金の申請援助について
区は、エアコンのない生活保護世帯に対し、社会福祉協議会で実施している生活福祉資金の活用ができることをご案内しております。
引き続き、生活福祉資金の申請の際には、必要な書類作成等を支援するとともに、速やかに対応するよう、社会福祉協議会に依頼してまいります。
(5)区の法外援護として、電気代相当額を支援することについて
電気代相当額を法外援護として給付した場合、給付額と同額が生活保護費から減額されるために、区が給付することは困難です。
区は、夏季加算の新設について、東京都を通じ、引き続き国に要望してまいります。
(6) 学校体育館へのエアコン設置について
現在、エアコンが未設置の学校は、小学校で6校、中学校で1校です。
これらの学校体育館につきましては、来年度から平成34年度までに、大規模改修及び改築に合わせ設置していく計画となっておりますが、この夏の猛暑を考慮し、熱中症を予防するという観点で、今年の2学期から未設置の学校につきましては、冷風機や大型扇風機を配備しております。
併せて、エアコンの設置につきましても計画の前倒しを視野に検討してまいります。