2022年第4回定例会代表質問

2022年12月24日
風見利男

【質問】区民の暮らしを守るために、均等割のみの世帯へ区独自の支援金支給について。
40年ぶりの急激な物価上昇で区民の暮らしは大変です。国は、住民税非課税世帯に対し、1世帯あたり5万円の支給の支給を決めました。区は住民税非課税世帯約30,628世帯(想定)に5万円を支給します。
港区の2021年度末の課税者は154,068人、非課税者は45,999人、均等割のみは6,921人です。
国の給付金の対象外の均等割のみの世帯を対象に独自で給付金を支給する自治体が増えています。北区や新宿区、足立区など支給額に違いはありますが、暮らしへの影響が大きい、均等割のみの世帯に支援金を支給しています。
港区も均等割のみの世帯に支援金を支給すること。

【答弁】
令和4年度住民税均等割のみ課税世帯も含めた課税世帯が家計急変した場合に、港区電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援
給付金の支給対象となり、相談に応じています。また、生活・就労支援センターでの家計改善支援員による家計相談や、就労支援、港区社会福祉協議会の貸付金の紹介など、生活支援を行っています。区で独自に住民税均等割のみ課税世帯に支援金を支給することは考えていませんが、関係機関と連携して適切な支援につなげていきます。

【質問】年末年始の体制について
①異常な円安、異常な物価高騰によって、誰もが、窮地におちいる危険をはらんでいます。区民が緊急事態の時に頼るのは港区です。年末年始(休みの期間)に相談できる体制をとること。

②宿直、防災宿直だけでは対応できない。どのような体制でどのように取り組むのか明らかにすること。

【答弁】
①年末年始に食料や住まいにお困りの区民から相談を受けた場合には、区役所での緊急食料の配布や、東京都が実施する生活・居住支援事業等との連携を行い、支援していきます。
また、路上生活者については、東京都と特別区が共同して運営する自立支援センターへの入所など適切に対応していきます。

②年末年始に限らず、夜間・休日等は宿直や防災宿直として管理職が常時区役所に待機し様々な連絡を受けている。その際も緊急連絡体制をそれぞれの分野で整備し、事態に応じて即時対応している。年末年始に関しても生活に困窮された方が安心して生活できるよう、各地区総合支所区民課生活福祉係や生活就労支援センターにおいて一人ひとりに寄り添った丁寧な対応ができるよう、体制を整え活用していく。

【質問】学校を含む、全ての職員のサービス残業についての、全面的な調査について。
①11月18日の総務常任委員会に「労働基準監督署からの改善指導に関する区の対応について」の報告がありました。
これは青山保育園と白金保育園で2年間にわたり、58名の超過勤務手当2、874万円が未払い、サービス残業になっていたことの報告です。あってはならいことです。(超過勤務時間…1万908時間、平均188時間、平均約50万円)
徹底した原因の究明と併せ、学校を含むすべての職場について
サービス残業がないのか、全面的な調査を行い公表すること。
サービス残業が判明したら、直ちに超勤手当を支給すること。

②予算管理でなく、働いた分は正当に支払う仕組みにすること。

③職員のサービス残業について二つ問題が考えられ、一つは人員が不足していること、もう一つは予算管理のために予算を超えての申請がしづらいことです。
今回問題になった青山保育園の2年間の超過勤務手当の予算は、今回明らかになった超過勤務手当の4分の1ほどでした。そのため、まず予算管理を直さないと、安心して超過勤務を申請することができない。

【答弁】
①三田労働基準監督署からの改善指導に基づき、青山保育園及び白金保育園において実態調査を行い、原因について究明しました。
原因としては、所属長等による労働時間の把握・管理等が徹底されなかったことに加え、超過勤務手当を申請しづらい組織風土があったこと等が挙げられます。
今後は、所属長等が職員の労働時間について、適正に把握・管理するとともに、再発防止に取り組んでいきます。
今後、全ての職場において時間外労働に関する調査を実施し、実態の把握に努めその結果を公表していきます。
調査実施後超過勤務として認められるものについては、適正に超過勤務手当として支給していきます。

②職員の超過勤務については、原則臨時的・例外的に行うべきものとして労働時間の管理に努めていますが、所属長の命令に基づき超過勤務を行う必要があった場合には、その実績に応じて適正に超過勤務手当を支給しています。

③職員の時間外労働を含めた適正な労働時間の管理、超過が負担にならないようにすることは大変重要です。このような観点から今後も適正な勤務時間の管理に努め、必要な超過勤務についてはそれに要する手当を適正に支給していく。

【質問】移動スーパーの誘致について
ネットで、「今日は肉が食べたい!」と思っても、明治屋、リンコス(六本木ヒルズ)、プレッシェ(ミッドタウン)といった高級スーパーで生鮮食品を購入するのは少し敷居が高い。そんなときは六本木通りを少し下って西麻布1丁目にある「マルシェロッポンギ西麻布店」に行かれるのがよいかと思います。ところがこのお店が、ビルの建て替えで転出を余儀なくされ、近くで店舗に使える場所を探したが見つからず、閉店となりました。
港区民の多くは「買いもの難民」です。
各町会などの意見を聞き、必要な地域に生鮮3品・日用品などが購入できる移動スーパーの誘致を進めること。

【答弁】
区はこれまで青山地域において買い物弱者支援事業として、都営住宅北青山三丁目アパート敷地内で自治会や東京都、移動販売を行う事業者と調整し、青果店と鮮魚店がそれぞれ週2日移動販売をしています。
また、区内で大規模な開発等が計画される際は、必要な地域について生活利便施設として生鮮3品などが購入できるスーパーマーケットの誘致を要望しています。
引き続き各地区総合支所が中心となって、地域の要望等をお伺いしながら関係部署と連携し、移動販売をはじめ地域のニーズに合った買い物支援を検討していきます。

【質問】区民交通障害保険について
申込期間は2月1日から3月31日のため、年度途中での加入ができません。途中加入ができるよう再三質問してきました。担当部署の努力で6月1日から翌年1月31日までインターネットでの申し込みができるようになりました。ネットに弱い人もいるのですから、金融機関で途中加入ができるようにすること。

【答弁】
区民交通傷害保険は、本年6月1日からインターネット受付を開始し、今年度分の途中からの受付やキャッシュレス決済が可能となりました。
来年度分以降の受付については、令和5年2月1日以降に通年でインターネットでの受付が可能となります。
金融機関の窓口における年度途中の加入については、引き続き損害保険会社に対し要請していきます。

【質問】災害時の避難所の運営について
①食事の提供について、災害が発生した場合先ずは命を守ることが最優先されます。その後住民の健康を守り、気持ちを支えていくものの一つが食事です。しかし、被災された方の健康的な食事の支援は後回しにされがちです。菓子パン、おにぎり、カップラーメン等の偏りのある食事が続くことにより、カロリー過多栄養不足による体調不良、食欲不振等の健康被害が起こることがあります。
避難所での食事が元気の源になるようにすることが必要です。
「みんなの炊き出し研究所」や「食べる支援プロジェクト」など、避難時の炊き出しや避難時の食と栄養を研究する団体が増えていま
す。
海外を含め先進的に取り組んでいる団体の取り組みに大いに学ぶことが必要です。
暖かい食事の提供は、避難生活の大きな支えになります。
どんな時でも給食施設が利用できるような設備にしておくこと。

①キッチンカーの活用を検討することについて、すでにキッチンカー協会と災害時の協定を結んでいる自治体もあります。一般社団法人日本キッチンカー協会(東京支部は設立準備中)の協力を得ることができれば、創意ある食事の提供が可能です。
日本キッチンカー協会に協力を要請すること。

【答弁】
①食事の提供について避難所の給食施設は、被災や電気・ガスなどのライフラインの途絶により調理設備そのものが使用できなくなることがあるため、ガスバーナーを使用したかまどを配備することにより温かい食事の提供ができるようにしています。

②キッチンカーの活用については事業者から実施上の課題など聴取しており、今後区内にあるキッチンカー事業協同組合と意見交換を予定しています。引き続き、活用に向けて調査研究していきます。

【質問】避難所の二酸化炭素濃度の測定について
コロナの感染防止には換気が必要ですが、寒い時期は換気が大変になります。避難者の健康維持のため、避難所の二酸化炭素濃度を定期的に測定すること。

【答弁】
避難者の密集による新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、避難所となる小学校や中学校に配備されている二酸化炭素濃度測定器を活用するとともに、測定器のない避難所には配備していきます。

【質問】女性が安心して避難できる施設について。
(1)着替え用の場所を独立して確保(テントでも可)すること。
(2)洗濯場所、乾燥機、干し場を確保すること。
(3)生理用ショーツや十分な量の生理用品の用意をすること。

【答弁】
(1)女性の更衣室につきましては、専用のテントを全ての避難所向けに確保しています。
(2)洗濯場所、乾燥機、干し場につきましては、施設ごとに工夫して確保していきます。
(3)現在、生理用品は約2万枚を備蓄しています。女性が安心して避難生活を送ることができるようにするため、生理用ショーツやおりものシート、風呂敷型の授乳ケープなどについても、今年度中に追加配備していきます。

【質問】介護保険の改悪を許さないこと
3年に一度の制度改正に向け検討が始まっています。厚生労働省が10月31日の社会保障審議会に示した介護保険制度見直しの7つの論点はいずれも国民に負担増と給付減を押し付ける内容です。実施されたら史上最悪の改正になると関係者から声が上がっています。
その改悪内容は、
(1)要介護1、2を保険給付費から外し、市区町村が運営する「総合事業」に移行する。
(2)利用料の自己負担2割、3割の対象者を拡大する。
(3)保険料徴収を現在の40歳から年齢を引き下げる。サービスの利用年齢を引き上げる。
(4)介護老人保健施設(老健)などの多床室の部屋代の有料化
(5)ケアープランの有料化
(6)特養ホームなどに入所している低所得者の食費、居住費を減額、補足給付費の対象要件の見直し
(7)保険料負担を「高所得者」の負担を引き上げ、低所得者の負担を抑える見直し
など7項目に上がります。
年金が減らされる一方で、10月からは75歳以上の医療費の窓口負担2割が導入されました。加えて介護保険制度で負担増や給付減が導入されたら在宅介護を崩壊させる深刻な事態が起きることになります。
10月31日に開催された社会保障審議会介護保険部会では、要介護1、2の総合事業への移行に反対する意見が続出。全国老人福祉施設協議会など介護8団体も反対声明を出すなど、反発が広がってい
ます。
区民が安心して介護が受けられるよう、介護保険の改悪に反対するよう国に申し入れること。

【答弁】
区は、これまでも、国庫負担割合の引上げや制度の見直しに当たっては、関係者の意見を十分踏まえ、持続可能な制度を確立することなどについて、全国市長会や特別区長会を通じて国に要望してきました。
現在、国の社会保障審議会介護保険部会において、給付と負担の在り方など、多面的な議論が行われています。
介護保険制度の見直しへの反対を国に申し入れることは考えておりませんが、必要な取組や支援策について、今後も、特別区長会などを通じ国に要望していきます。

【質問】第9期の計画策定にあたり、港区独自での基金について
①介護給付費準備基金(準備基金)の適正な額について、準備基金は介護保険事業の財政の安定化のための仕組みで、給付の実績が計画よりも少なかった場合に積立、不足した時に取り崩して充当しま
す。これまで7期の計画策定時に準備基金6億円、8期の計画策定時に3.4億円を投入して保険料を据え置いてきました。2022年8月30日現在、準備基金の残額は約18.7億円です。(2022年度末で21億円になる見込みです。)
計画策定時に給付費を多めに積算していないか。適正な基金の額はいくらなのか。

②基金を活用して、第9期の保険料の引き下げを行うこと。

【答弁】
①準備基金は、想定を上回る給付費の増加や臨時的な負担増があった際にも、計画期間の3年間の保険料を変動させることなく安定的な制度を維持するために設置しています。
区はこれまでの間、計画期間の初年度に給付予定額の約1%から2.4%の準備基金を積み立てることで保険料の大幅な上昇を抑える等、効果的に基金を活用してきました。
準備基金の適正額を金額などで一律に捉えることは困難ですが、引き続き、保険料の基準額や給付額の見込みな
どを十分考慮し、確実な制度運用に向け、過去の例も参考に準備基金の積み立てを行っていきます。

②介護保険制度では、安定的で持続可能な制度となるよう、介護サービスの財源について、保険料と公費を一定の割合で負担することが求められています。
令和6年4月から令和9年3月までの3年間を適用期間とする次期計画における介護保険料額の決定に当っては、今後、国が示すとされている低所得者対策の方針を踏まえつつ、現行の基金残高や今後の給付費の増加を適正に見込んだ上で、丁寧に検討していきます。

【質問】港区が独自で行っている保険料の軽減について、要件の見直しを行うことについて
保険料の所得段階が2段階、3段階の人を対象に、年間収入一人世帯は140万円以下、預貯金額が一人世帯300万円以下、住民税の課税者に扶養されていないことなど5つの要件に全て該当することが条件で、保険料が第1段階に引き下げられます。しかし、軽減を受けられた人は、2020年度(令和2年)50人、2021年度(令和3年)46人とごく少数です。
対象要件は、介護保険制度がスタートした2000年度、20年以上も前に決めたものです。2000年度の老齢基礎年金額は67,017円、2021年度の年金額は65,741円と1,276円も下がっています。
年金が減らされる中、一生懸命にためた貯金が300万円を超えると保険料の軽減が受けられず、高い保険料を払わなければなりません。
預金300万円は他区を参考にしたとのことですが、港区は、家賃が高額であることを理由に、港区独自に家賃・地代は年間97万円まで控除を認めています。物価の高い港区ですから、預貯金の300万円を引き上げること。

【答弁】
介護保険料の所得段階が第2又は第3段階の被保険者を第1段階へ軽減する要件については、軽減制度を開始した平成13年度に、他区の状況を踏まえ、設定したものです。
その後、区は、被保険者の所得段階に応じた介護保険料をきめ細かく設定するなど、区独自の更なる低所得者対策の充実に取り組んできました。
現在、区が軽減の要件としている預貯金額300万円の妥当性については、引き続き、他自治体の情報を収集していきます。

【質問】国民健康保険の子どもの均等割の廃止について
他の健康保険にはない均等割が国民健康保険料を高くしています。今年4月からは就学前の子どもの均等割が半額になりました。それでも一人当たり27,650円です。
国民の世論と運動で、就学前子どもの均等割の軽減が実現しましたが、長い期間かかりました。国に要望すると同時に、各保険者が独自に均等割をなくすことが国を動かすことにつながります。港区独自で子どもの均等割を廃止すべきです。

【答弁】
国は、子育て世帯の負担軽減を図るため、本年4月から全国一律に未就学児の均等割保険料の5割減免を実施しました。
国民健康保険は、法に基づく国の制度ですから、自治体がそれぞれの判断で独自に子どもの均等割を廃止することは適当でないと考えています。
引き続き、特別区長会や全国市長会を通じ、子どもの均等割軽減の対象年齢や軽減割合の拡大など、保険料の負担軽減に向けた必要な措置を講じるよう国に要望していきます。

【質問】終活、エンディングサポートについて
(一人暮らしの65歳以上の区民…8403人)
身寄りのいない高齢者は「自分にもしものことがあったらどうしよう」と、不安に感じている方の相談が増えています。超高齢社会を迎えた今、人生の終わりに向き合いよりよい人生を過ごす終活サポートに力を入れる自治体が増えています。
終活サポートは、一人暮らし高齢者の孤立死を防ぎ、終末期の人生を有意義に過ごすことにあります。終活サポートを利用することで、葬儀や納骨など、死後の問題について元気なうちに解決しておくことで心配事がひとつ減り、毎日をいきいきと過ごすことができます。
横須賀市で始まった終活サポートは、全国各地に広がっています。先進的に取り組んでいる自治体を参考に、港区にふさわしい、終活サポート事業に取り組むこと。

【答弁】
区では各地区の高齢者相談センターにおいて港区社会福祉協議会と連携し、高齢者からの葬儀や相続などに関する相談に応じるとともに、終活をテーマとした区民向け講座も実施しています。
講座では、弁護士や公証人が必要な死後事務やご自身が望む葬儀の在り方なども紹介しており、参加者も多く受講後のアンケート結果も好評です。
今後も、港区社会福祉協議会や関係機関との連携をより一層強化し、高齢者一人ひとりの状況や要望に応じた丁寧な相談や支援に努めていきます。

【質問】小学生以下の子どものインフルエンザワクチン接種費用の助成の拡大について
東京都は、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行を想定し、高齢者の重症化による医療負担を軽減する観点から、高齢者のインフルエンザワクチン接種費用の助成を行うとの報道がありました。
港区への助成額はおおよそ6550万円です。この助成金を有効に活用し、子育て支援策の一環として、2回接種が必要な小学生以下の子どもへの助成額を増やすこと。

【答弁】
区は子どものインフルエンザ予防接種事業について、発症及び重篤化の予防効果や回避できる社会的損失等を勘案した上で助成額を決定しており、実質的に無料での接種が可能であるため助成額は妥当なものであると考えています。

【質問】エレベーターに「地震時最寄階停止装置」設置費助成について
港区は、シティハイツ竹芝での高校生の死亡事故を受け、戸開走行保護装置の設置費助成を始めました。地震時最寄階停止装置を一緒にやれば設置費を助成する仕組みです。
遺族を中心にした運動の結果、2009年9月28日以降のエレベーターには、戸開走行保護装置と地震時最寄階停止装置の設置が義務化されましたが、既設のエレベーターは除外されているだけに、港区の助成制度は重要です。
地震時最寄階停止装置のみの改修工事も助成すること。

【答弁】
区は、日常的に危険性のある戸開走行の防止を最優先に考え、戸開走行保護装置の設置を助成しています。さらに、より安全性を確保するため、地震の際に最寄階に停止する地震時管制運転装置も併せて助成対象としています。
エレベーターの安全確保のためには、戸開走行事故と地震時の閉じ込めの両方の安全性を高めることが、区民の安全・安心につながると考えています。
引き続き、区の制度の趣旨や内容を丁寧に説明し、エレベーター改修の機会を捉えて、戸開走行保護装置と地震時管制運転装置の両方の設置が進むよう働きかけていきます。

【質問】学校給食費の無償化について
①コロナ禍で職を失ったり、給料が増えないなど区民生活は深刻です。子どもの貧困が7人に1人といわれる中、港区を含め多くの自治体が、地方創生臨時交付金を活用して学校給食費の値上げを抑えています。さらに、多くの自治体が無償化を進めています。東京都内では、すでに1町4村が学校給食費を無償にしており、来年4月からは葛飾区が無償化に踏み出します。
港区は、物価も高い、家賃も高い、日本一大変な中で子育てしながら頑張っているのです。本来であれば、港区が真っ先に無償化に踏み出すべきことです。
4月から学校給食の無償に踏み出すこと。

②学校給食の運営は、異常な物価高騰によって大変な状況です。
学校給食は児童・生徒の健康と成長にとって極めて重要です。
給食の運営に支障が出ないよう、資金援助すること。

③現在、約40年ぶりの経験したことのないような急激な物価の上昇で、とりわけ子育て世帯の負担増は深刻です。区には区民の共有財産である1,889億円の積立金があり、その一部を取り崩すだけで学校給食費の無償化は実現する。子育てするなら港区、教育の港区が率先して無償化に取り組むべきと考えます。

【答弁】
①学校給食費の無償化について、学校給食の食材費は学校給食法において保護者負担とされている中、教育委員会では商店街とのコラボメニュー食材や特別栽培農産物等の購入費用の一部公費負担、就学援助での給食費全額助成など、様々な保護者負担軽減策を実施しています。
引き続き国の責任において学校給食費の無償化を実施するよう要望していくとともに、これまでの区立小・中学校への様々な支援を踏まえ教育費の保護者負担の在り方について検討していきます。

②教育委員会では、食材費が高騰する中、本年6月から学校給食で使用する全ての白米を公費負担とし、学校給食費の保護者負担額を据え置いています。
また、引き続く食材費の高騰を受け、10月からは、保護者負担額の約4%に当たる、給食1食当たり約10.7円分の追加支援も実施し、保護者負担額を据え置きながらも確実に学校給食を提供しています。
引き続き、子どもたちに喜ばれる質の高い学校給食の安定的な提供に努めてまいります。

③教育委員会は、物価高騰等に対応し給食で使用する白米の全額公費負担など、様々な支援により保護者負担額を据置き給食を提供している。引き続き安定した学校給食を子どもたちに提供していくとともに、教育の港区を更に推進するため子どもたちの教育の質を向上させるための効果的な支援策について、現在検討を進めている。

【質問】鉄道開業150周年記念講演会&シンポジウム(以下「シンポジウム」)と5・6街区の高輪築堤の完全保存と公開について
①11月6日、シンポジウム「高輪築堤から考える日本の鉄道」が開かれました。
定員170人に対し、322人が申し込みました。関心が高いということです。中身の濃いシンポジウムでした。抽選に外れてしまった人や、関心がある人にシンポジウムの内容が分かる動画や、冊子を作るなど、記録にし、希望者に頒布すること。

②シンポジウムの最後に発言した谷川章雄先生は、「5・6街区については試掘が行われ、鉄道遺構は比較的よく残っていると思う」、「日本考古学協会をはじめとする学会であるとか、イコモスのヘリテージ・アラートが発出されたり非常に注目度が高い」、谷川先生が委員長の「高輪築堤の調査・保存等検討委員会(以下「検討委員会」という。)では、「築堤の現地保存を考慮した開発計画を要望している」と述べました。
この間の検討委員会では、発掘された高輪築堤が一部しか保存できなかったことに苦渋の思いを述べ、委員の先生、文化庁の役人も「5・6街区は現地保存したい」との意見が述べられています。
港区教育委員も、昨年5月に5・6街区について、「現地保存を考慮した開発計画とするよう」要請しています。
シンポジウムも成功裏に終わった新たな段階です。文化庁や東京都教育委員会等、関係機関と相談し、共同して、JR東日本に「5・6街区の完全保存・公開」を要請すること。

【答弁】
①今月、11月6日に開催した鉄道開業150周年記念講演会とシンポジウムには、当日135人が参加しました。
この場では自由な議論を行えるよう、登壇者の希望に応じた、公開を前提としない資料を多く使用しています。
このため、これらの資料を基に、動画や冊子等の記録を作成し、配布することは予定していませんが、講演会とシンポジウムの概要をまとめて、来月には区ホームページで公開し広く周知していきます。

②教育委員会では昨年5月に高輪築堤跡の現地保存を考慮した開発計画を策定するよう、JR東日本に要望書を発出するとともに、文化庁、東京都教育委員会等とこれまでも協力して取り組んでいます。
改めてJR東日本に5・6街区の完全保存・公開を要請することは予定していませんが、引き続き区民の貴重な財産である高輪築堤跡を後世に継承していくため、文化庁、東京都教育委員会等の関係機関と連携して取り組んでいきます。

【質問】神宮外苑の再開発について
今、イチョウ並木は葉が色づき、陽光に映えて金色に輝いています。連日観光客が訪れ、土日はラッシュ状態です。
このイチョウに異変が起きていることを、日本イコモス国内委員会が11月10日、都庁で記者会見し、一部が枯れるなど生育状況に問題があるとの調査結果を公表しました。日本イコモス理事の石川幹子中央大学研究開発機構教授が10月~11月、樹木医の濱野周泰(ちかやす)東京農大客員教授と共同でイチョウ並木146本を調査した結果です。
調査によると6本のうち1本は4段階で最低のD「著しい枯損」と評価。残り5本はC「要注意」と評価されました。Dと評価されたイチョウ(高さ23メートル、幹回り2メートル83センチ、枝張り10メートル)は、黄色い葉を輝かせる周囲のイチョウとは対照的に、上半分ほどの葉が全て落ちて幹や枝がむき出しになっています。
6本すべてが4列の並木のうち、飲食店やテニス場が接近する西側の一列に集中しています。
浜野教授は、再開発で新神宮球場がつくられた場合、8メートルしか離れていないことから「変化がより大きくなる可能性がある」と懸念を示しています。
石川教授らは都環境影響評価審議会で示されなかった、再開発に伴う樹木の検証可能な「毎木調査」のデーター提示を事業者に求めました。その結果公表されたのは、2018年12月~19年1月に行われた4年前のもの。9割以上を「健全」とするA評価で、残りも「比較的良好」のB評価。今回問題が指摘された6本はいずれもA評価です。
イコモスは事業者に対し、現地での共同調査を求めています。イチョウ並木、明治神宮外苑の樹木、緑、景観、環境を守るためにも、共同調査を実施するよう、事業者に要請すること。

【答弁】
一般社団法人日本イコモス国内委員会は、本年10月3日付けの提言において、事業者に対して、神宮外苑の樹木の共同調査を求めています。
区は、この提言を、港区の優れた景観である銀杏並木を保全し、緑豊かな風格ある都市景観への配慮を求める貴重な提言と受け止めていることから、事業者に対して、共同調査への対応を求めていきます。

 

2022年第3回定例会一般質問・答弁

【1】新型コロナウイルス感染症から区民の命を守る対策について

8月23日の新型コロナによる死者数が340人を超えて過去最多を更新。世界保健機構(WHO)の集計で日本の新規感染者数が世界最多となり、死者数も世界第2位となっています。政府の無為無策の結果です。
デルタ株が主流だった第5波と比べると第7波の感染者数は10倍、死者は4倍にもなっています。テレビ等でも報道されていますが、「第7波」大爆発で医療体制が崩壊状態となり、高齢者など基礎疾患のあるコロナ患者が入院できないまま自宅(救急車の中で)で亡くなる方が増えています。また、10歳未満の児童の死亡も増えています。
1 入院が必要な方がすべて受け入れられるよう、国・都の責任で医療、機関への財政・人員体制への支援を強化するよう要請すること。

【答弁】
まず、入院が必要な方が全て受け入れられるよう、国・東京都の責任で医療機関への財政・人員体制への支援を強化するよう要請することについてです。
区では、現在、発生届を受理した当日又は翌日には入院の必要な患者の多くを区内の医療機関に入院させることができております。また、入院適用ではない高齢者等については、みなと保健所を通じて東京都高齢者等医療支援型施設への入所調整を行い、安心して療養できるよう取り組んでおります。
引き続き、入院が必要な方への速やかな療養先の調整を行うとともに、国や東京都の医療機関への財政、人員体制の支援に関する情報については、港区医師会と連携し、区内の医療機関等へ積極的に周知してまいります。

2 独立行政法人東京都立病院機構の病院は独立行政法人化前の都立・公社病院と同様の迅速・積極的な対応を行うよう都に要請すること。

【答弁】
東京都立病院機構の病院は、区民に対する質の高い医療サービスの提供や災害医療の拠点としての役割を担うとともに、新型コロナウイルス感染症患者を積極的に受け入れていただいております。
感染症対策等における必要な医療体制については、地方独立行政法人化後も同様の対応をしていただいていると受け止めておりますが、区民へのサービスが低下することがないよう、引き続き機会を捉えて要請してまいります。

3 無料PCR検査の実施場所を増やし、区内のどこでもいつでも予約なしに身近な場所で受けられるようにするとともに、コロナの収束まで継続するよう、都に要請すること。

【答弁】
区は、区民がより身近な場所で無料のPCR等検査を受けられるよう、事業の実施主体である東京都に対し、検査場所の地域偏在の解消について働きかけを行い、本日現在、区内には79か所設置されています。また、区有地や区有施設を貸し出すなどの協力も行ってまいりました。
今後も、感染に不安を感じる区民が安心して検査を受けられるよう、事業の継続などについて東京都へ働きかけてまいります。

4 自宅療養者に対しては、病状の悪化を招かないような対応をとること。特に一人暮らし高齢者については、保健所への相談の段階で、懇切丁寧に説明し、支援策が受けられないことがないようにすること。

【答弁】
区では、高齢者や基礎疾患等により重症化リスクのある方の積極的疫学調査を優先的に実施し、必要な療養につなげております。
特にリスクの高い高齢者で、医療機関による健康観察を受けていない方については、迅速に電話による状況確認を行っております。
また、一人暮らしで自宅療養を希望する高齢者には、配食サービスやパルスオキシメーターの手配を案内するとともに、東京都自宅療養者フォローアップセンターや医療機関等の健康観察につなげ、急変時も迅速に対応できるようにしております。今後も区民が安心して療養できるよう取り組んでまいります。

5 希望する人が4回目のワクチン接種を受けられるよう国に要請すること。

【答弁】
今月中にも接種が開始される予定のオミクロン株対応のワクチンは、これまで従来株のワクチンで4回目接種の対象ではなかった人でも接種できる見込みです。
区では、今後、オミクロン株対応ワクチンの接種を早期に開始できるよう体制を整えるとともに、丁寧な周知に努めてまいります。

6 国に対し、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを2類相当から変更しないよう要請すること。

【答弁】
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けを現在の2類相当から変更することに関しては、国の責任において、国内外から収集した科学的知見に基づき判断すべきものと考えております。
区は、国に対し、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けを2類相当から変更しないように要請することは考えておりませんが、引き続き、国の動向を注視し、情報収集を行うとともに、区民に対して迅速な情報発信や対策を講じてまいります。

7 みなと保健所の体制を強化するよう国、都への要請と、港区独自でも体制強化を図ること。

【答弁】
区では、現在、兼務職員も含め、みなと保健所の感染症対策部門で、約180名の体制を構築し、発生届の受理や積極的疫学調査の業務などを滞りなく行っております。
また、区独自に開発した疫学調査フォームや陽性者管理システムを活用し、業務の効率化を図り、第7波においても重症化リスクの高い患者へ迅速な対応ができております。
今後も、引き続き、国、東京都の保健所支援に関する動向を注視し、区民が安心して療養ができるよう、即応性のある体制の整備を一層推進してまいります。

【2】神宮外苑の自然・環境・景観・樹木を守ることについて

都環境影響評価審議会は8月18日、事業者が提出した神宮外苑地区の開発事業の環境影響評価案について、小池百合子知事に認める答申をしました。樹齢100年超を含む1000本近い樹木を伐採する同事業をめぐっては、都民から計画の見直しを求める声が広がり、評価書案についても前回審議会(5月)で外苑のシンボルであるイチョウ並木の保全への強い懸念が示され、異例の継続となっていました。答申ではそうした経緯を反映し、事業者への環境保全の徹底や積極的な情報公開を求めました。一方、専門家からは前回審議会で出た懸念に答える新しいデーターは提示されず、確実な保全が担保されていないなどと、厳しい指摘が出ています。
開発地内の樹木1381本のうち971本の伐採計画は都民の大きな批判を招き、ユネスコの諮問機関の国内委員会からは、伐採を2本に見直す案が提示されました。新建築家技術者集団東京都支部からは野球場も秩父宮ラクビー場も現在地の建て替えが環境への負荷をかけずにすむことも明らかにしています。
事業者は伐採樹木を971本から556本に削減するといいます。しかし、伐採削減数415本の内訳をみると、工事期間中に枯れる可能性があるとして伐採を保留する311本、反対が強かったラクビー場前のイチョウ並木を困難とされる移植から「検討」に変更19本を含み8割を占めています。
イチョウ並木ギリギリに野球場が計画されていることで、イチョウの根に大きな影響が出て、イチョウ並木への大きな影響が危惧されています。
中央大学研究開発機構の石川幹子教授は「新宿御苑下にトンネルを通した結果、トンネルに近い樹木ほど大きな影響を受けたことを調査し、この結果をイチョウ並木の保全に生かすべきだと述べています。
地球温暖化による異常気象が大問題になっている今、貴重な樹木を伐採する、超高層ビルを建設することを抜本的に見直す時です。
事業者の計画を強引に進めるのではなく、100年かけて作り上げた神宮外苑の自然・環境・景観・樹木を守るために、国民・都民の英知を結集して検討すべきです。
事業者、東京都に対し、計画をストップするよう要請すること。

【答弁】
区はこれまで、港区の優れた景観である、銀杏並木を保全し、緑豊かな風格ある都市景観に配慮することを事業者に求めてまいりました。
神宮外苑の再開発計画では、銀杏並木を確実に保全するため、新たに建設する建物を銀杏並木から離すなどの工夫に加え、新たに整備する中央広場と絵画館前広場をつなぐエリアにおいて、移植樹木を中心とした季節感のある緑を整備するとしています。
今後も、銀杏並木の保全について、更なる工夫を検討するよう事業者を指導してまいります。

【3】救急通報システムの12時間対応について

1 救急通報システムは、急病などで緊急に助けを求めたいとき、センサーにより一定時間人の動きが感じられないときなどに通報が行き、専門の警備員が出動し、安否確認や救助活動を行います。現在1075世帯が利用しています。
一人暮らし高齢者や高齢者世帯の命を守るうえで、重要な施策です。
ドアの開閉を感知するライフリズムセンサーは12時間と24時間を選択できることになっていますが、港区に何の相談もなく、警備会社が勝手に24時間設定にしていたことが、党区議団の調査で分かりました。
この12時間というのは命にかかわる重大問題です。
警備会社に厳重に抗議するとともに、12時間選択ができるようにすること。

【答弁】
救急通報システムのライフリズムセンサーの設定時間が、区に事前協議なく、新規設置時に12時間の設定が出来なくなっていたことに対し、警備会社に厳重注意いたしました。
現在は、必要な方が12時間の設定を選択できるようにしております。
なお、ライフリズムセンサーは正しく外出設定が行われず、誤報が多く発生していることから、利用者に対し、長時間の外出時は外出ボタンを押す必要があることなど、利用方法を丁寧に説明してまいります。

2 区は、緊急通報システムだけでなく、高齢者の施策を事業者任せにせず、高齢者の自宅を訪問し、機械や身体の調子を確認すべき。

【答弁】
本事業だけでなく、区民が利用している制度の利用状況や実態などを区で把握し、改善に努めることは必要と考えている。今後も、区民が利用しやすいサービス提供となるよう努めていく。

【4】男性トイレへのサニタリーボックスの増設について

前立腺がんの手術、膀胱がんの手術などで尿漏れパットや、オムツを利用する人が、外出の際に男性用の個室トイレに汚物入れがあると良いとの声が広がり、全国各地でサニタリーボックスを設置する自治体が増えています。
共産党区議団は今年の予算の総括質問で、男性のトイレにサニタリーボックスの設置を提案しました。6月28日に、来庁者が多い区役所本庁舎の1階、2階、11階のトイレに設置されました。
2 3区では、設置予定を含めると20区(設置は13区)になります。江戸川区は、53施設、285カ所の男性用トイレに設置、さらに拡大するとしています。足立区は8月から43カ所に設置しました。
当面、本庁舎の各階、総合支所や図書館、いきいきプラザなど、設置可能なトイレには、早急に設置を進めること。

【答弁】
本年6月28日、来庁者の利用の多い、本庁舎の1階、2階、11階の男性用トイレにサニタリーボックスを設置し、設置後の2か月間で、計5回の利用がありました。
ほかの区有施設への設置につきましても、引き続き、検討してまいります。

【5】75歳以上の医療費窓口負担2倍化をやめることについて

1 自公政権は、2016年度~21年度の6年間で社会保障費の「自然増」を計8300億円も抑制してきました。
コロナ禍で高齢者の受診控えによる健康悪化が懸念される中、政府は22年10月から75歳以上の医療費窓口負担2倍化を強行しようとしています。対象は約370万人です。
高齢になるほど収入は低下し、一方で医療にかかる機会は増え、治療も長期におよぶため、高齢者の医療費窓口負担は原則1割の今でも現役世代に比べて重くなっています。
窓口負担はさらなる受診抑制をまねき、高齢者の健康を守る上で大きな影響を及ぼします。
高齢者の命と健康を守るために、75歳以上の医療費窓口負担2倍化をやめるよう、国に要請すること。

【答弁】
次に、後期高齢者医療の窓口負担の見直しを行わないよう国に要請することについてのお尋ねです。
国は、団塊の世代が75歳以上となることを受け、後期高齢者の医療費の増加に伴う現役世代の負担上昇を抑えるため、本年10月から一定以上の所得がある被保険者の窓口負担を1割から2割に見直します。
対象となる被保険者に対しては、見直しから3年間は、1か月の負担増を最大でも3千円とする配慮措置も講じられており、区は、窓口負担の見直しを行わないよう国に要請することは考えておりませんが、引き続き、適切な制度運営に努めてまいります。

2 国は、激減緩和で毎月3千円以内に抑える配慮措置を講じているが、年金は減り、コロナ禍による今までにない出費や異常に物価が高騰している中で、介護保険料を払う必要がある。
高齢になれば、病院にかかる回数も増える。現役世代の負担軽減のためと言うが、高齢者と現役世代を敵対させるような方法は許されない。
高齢者の命に関わることのため、国に中止を求めるべき。

【答弁】
コロナ禍で一定の収入減があった方には、保険料の減免制度の適用もある。これらも含めて引き続き、適切な制度運用に努めていく。

【6】新型コロナウイルスに関連する持続化給付金等を区民向け住宅の家賃算定から除外することについて

この間、日本共産党山添拓参院議員の質問主意書に対し、4月22日に政府が「公営住宅の家賃算定にあたり、コロナ関連の給付金等の額を除外することは、各自治体の判断で可能」との答弁書が提出されました。
兵庫県では、日本共産党県議団の質問を受け、検討を約束。その結果、県営住宅の家賃算定にあっては、「入居者から持続化給付金等(持続化給付金、家賃支援給付金、雇用調整助成等)が一時的な収入であることが確認できる場合は、「家賃算定における収入から除外することは可能」との通知を、県営住宅各指定管理者にだしました。
兵庫県は、答弁書を受け、入居者の立場にたって検討した結果です。
自治体のあるべき姿勢です。
港区も、質問主意書の答弁、兵庫県を参考に、住宅家賃収入から給付金等を除くこと。
参考:「公営住宅法施行令第1条第3号の収入の特例」(昭和36年住発第56号)…「36年通知」

【答弁】
最後に、新型コロナウイルス感染症に関連する持続化給付金等を区民向け住宅の家賃算定から除外することについてのお尋ねです。
区民向け住宅の使用料の算定における収入は、各住宅の条例により、所得税法の例に準じて算出した所得金額と定めており、これに従い、子育て世帯への臨時特別給付金など、一時所得として非課税となるものについては、収入算定から除外しております。一方、持続化給付金等の収入を補填する性質のもので課税対象となる所得については、一時所得ではなく、収入算定に含めることとしております。

【7】小学校における体育用紅白帽の熱中症対対策について

小学校の体育で使われる「赤白帽(紅白帽)」について、赤色は表面温度が上がり、熱中症の危険が高まるとの研究結果を昨年まとめた武蔵野美術大学の研究者が、屋外で子どもに赤白帽をかぶってもらい、帽子内部の温度を調べる実験を行ったことが、新聞報道されました。報道によると、実験には5歳と10歳の男児2人が参加。7月3日、10日に武蔵野美大で実施。両日とも実験時間は体育の授業を想定した45分で行った結果、白帽子よりも赤帽子の方が40.7度と4度も高い結果が出ています。
この調査結果は熱中症を防ぐ上で重要です。
暑い日の屋外での体育については、赤帽子の利用は見合わせること。

【答弁】
区立小学校では、体育学習時の熱中症予防や、頭部を保護する目的で、児童に対して体育用紅白帽を着用することを推奨しております。
また、夏季の屋外での体育授業に参加する際は、熱中症予防の観点から原則、紅白帽を白帽子にして着用するよう指導しております。
今後、指導を徹底するため、改めて生活指導主任会及び保健主任会で周知してまいります。

【8】ジェンダーレス水着について

学校の水泳授業向けに、男女同じデザインの「ジェンダーレス水着」を水泳・介護用品メーカーが開発しました。生まれた時の性別と自認する性が異なるトランスジェスターの人への配慮のほか、「体形や肌を見せたくない」といった悩みにも応えるスクール水着として話題を集めています。
思春期になると、露出の多い水着は歓迎されません。また、体形や肌が見えてしまうのは恥ずかしい、という思いがあるといいます。メーカーの担当者は「アトピーや傷痕、体毛などさまざまな悩みで水着を着ることに抵抗がある人の役に立てるはず。水泳の授業に楽しく前向きに参加できるよう、選択肢の一つに取り入れてもらえたら」と話しています。
「男女同じデザインの水着(ジェンダーレス水着)」の活用について、学校現場、とりわけ実際に利用することになる、児童・生徒の意見を聞き、検討すること。
併せて、ラッシュガードの利用については、柔軟に対応すること。

【答弁】
現在、各学校では、児童・生徒や保護者の希望に応じて、ジェンダーレス水着を含めた水泳学習にふさわしい水着を着用することを認めております。
また、児童・生徒の日焼け防止等の観点から、水泳学習に影響があるフード付きなどを除きラッシュガードの着用についても個別に対応しております。
引き続き、トランスジェンダーへの配慮や、体形や肌を見せたくないといった児童・生徒の悩みに寄り添い柔軟に対応するよう、学校を指導してまいります。

【9】高輪築堤の5・6街区の完全保存・公開について

1.1872年10月14日、日本で初めて新橋、横浜間に鉄道が走りました。それから150年を前に、高輪築堤が発見されました。
多くの国民や団体は、日本だけでなく、世界的にも貴重な鉄道遺構として、完全保存と公開を求めました。しかし、JR東日本は多くの声に耳を傾けることなく、一部の現地保存だけでほとんどを記録保存として解体をしてしまいました。
あれほど貴重な鉄道遺構を、再び見る機会がなくなったことは残念でなりません。国民の共有財産が一部企業のもうけのために消えてしまうことがあってはなりません。
5・6街区での鉄道遺跡がどうなっているのか、大きな関心事です。この間発見された高輪築堤を見たときに、5街区、6街区にもある可能性が大です。開発優先でなく、50年先、100年先を見据えたまちづくりを考えるべきです。先人が築いた貴重な鉄道遺構が発見されたら完全保存、公開するようJR東日本、国などに要請すること。

【答弁】
5・6街区について、教育委員会は昨年5月に、高輪築堤跡の現地保存を考慮した開発計画を策定するよう、JR東日本に要望書を発出しております。
また、文化庁とは、高輪築堤跡の保存・公開について、これまでも協力して取り組んでいることから、国への要請は考えておりませんが、引き続き、区民の貴重な財産である高輪築堤跡を後世に継承していくため、文化庁、東京都教育委員会等の関係機関と連携して取り組んでまいります。
よろしくご理解のほどお願いいたします。

2.本年3月、港区教育委員会は「概説高輪築堤」を刊行した。ここには、高輪築堤跡は港区ばかりでなく、日本の歴史を語る文化遺産として長く保存していくことが必要と記載されており、完全保存を求める意見を聞かず、記録保存に留めて実質解体したJR東日本への学芸員の無念さが感じられる。
1月17日開催の第13回高輪築堤調査・保存検討委員会において、区が行った5・6街区の事前発掘調査では、貴重な物が見つかっている。
事業者と国に対し、保存するよう強く要請すべき。

【答弁】
5・6街区の開発については、これから立案されると聞いている。引き続き、区民の貴重な財産である高輪築堤後を後世に継承していくため、事業者であるJR東日本、文化庁、東京都教育委員会等の関係機関と連携して取り組んでいく。

 

2022年第1回定例会代表質問

2022年2月17日
日本共産党 風見 利男

1 新型コロナウイルス対策についてです。

新型コロナウイルスの「オミクロン株」の感染が急拡大するなか、国内では5日、新たなに10万2333人が確認され、過去2番目の多さとなりました。厚労省によると、重傷者は前日より57人多い、1099人。死者は116人と急増しています。東京都は、重症化リスクが低い濃厚接触者について「感染した本人から濃厚接触者とみられる人に連絡する」といった対応になりました。感染拡大に体制が追い付かないからと、素人判断で「濃厚接触者」とすることで混乱を招きかねない。本当は「濃厚接触者」なのに連絡が漏れて、家庭内感染にとどまらず市中感染拡大につながる危険を考えると、保健所での疫学調査は必要不可欠ではありませんか。
答弁を求めます。

さらに、16歳以上~39歳以下の陽性者について、「療養終了日及び療養時の相談先等を連絡し、積極的疫学調査を省略の上、自宅療養者として取り扱う」とのことです。また、宿泊療養施設に入れるのは、65歳未満で、高齢者の行き場はありません。

オミクロン株の感染拡大の特徴として、北海道では1月の重傷者がゼロだったのに死者が27人に上っているなど、重傷者に比べて死者が多いことを注視しなければなりません。2月2日の全国のデーターでは、重傷者886人に対し死者は88人に達しており、第5波のピークと比較すると重症者数は3分の1なのに同水準の死者が出ていることを重視しなければなりません。
陽性になった場合には、年齢を問わず、宿泊施設、病院への入院を基本にし、自宅療養が可能である場合のみとすべきです。
答弁を求めます。

オミクロン株の感染拡大は、予想を上回るスピードで、保健所の体制が追い付かない状況です。
マンパワーの活用、庁内各部署からの支援体制を抜本的に強化すること。
答弁を求めます。

いつでも、どこでも、誰でもが、何度でもPCR検査を受けられる体制についてです。
東京都は、PCR検査を無料で受けられる施設を開設しました。港区内には24カ所(2月14日現在)ありますが、場所が偏っています。
港区として、西麻布地域、青山地域に設置すること。
答弁を求めます。

【区長答弁】
区では、新型コロナウイルス感染症患者が急増していることを踏まえて、国及び東京都の事務連絡に基づき、本年1月から重症化リスクの高い患者の積極的疫学調査を優先的に実施しております。また、電話による積極的疫学調査に加え、全ての陽性者にSMSを用いた調査を行い、自身の濃厚接触者への対応など必要な情報を届けております。
引き続き、感染状況を踏まえ、迅速な調査を行ってまいります。

次に、陽性者の療養方法についてのお尋ねです。
区では、現在、50歳以上の方や基礎疾患等により重症化リスクのある方を優先的に対応し、必要に応じて迅速な入院につなげております。また、65歳未満の軽症又は無症状者で、宿泊療養を希望する方は、保健所の連絡を待たずに、東京都の宿泊療養施設に直接申込みできる体制が構築されており、宿泊療養しやすい状況となっております。
引き続き、速やかな入院や宿泊療養の調整を行うとともに、自宅療養となった場合も東京都の自宅療養者フォローアップセンターや医療機関、保健所の健康観察につなげるなど、区民が安心して療養できるよう、取り組んでまいります。

次に、みなと保健所の体制強化についてのお尋ねです。
区は、これまで新型コロナウイルス感染症の状況に応じて、本務職員を増員するほか、各部門からの応援職員、保健師・看護師等の人材派遣等を活用してまいりました。
今般のオミクロン株の感染拡大を受けて、みなと保健所での問合せ対応や、勤務時間終了後に本庁舎から保健所に出張してHER-SYSの入力業務等を行う職員を1日10名程度迅速に配置し、令和4年2月時点では、ワクチン接種対応を含め全体で約250名に体制を強化しております。
今後も、全庁協力体制の下、必要な体制を柔軟に確保し、感染拡大やワクチン接種に迅速かつ的確に対応してまいります。

次に、区独自のPCR等検査場所の設置についてのお尋ねです。
国が定める新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針において、感染に不安を感じる無症状者などを対象としたPCR等検査は、都道府県が実施し、国が検査費用を無料とできるよう支援を行うこととしています。
東京都では、昨年12月から無料のPCR等検査を開始し、区内の実施場所は当初2か所でしたが、現在は24か所まで増え、今後も拡大していく予定です。
こうしたことから、区が独自に無料のPCR等の検査場所を設置することは考えておりませんが、区民がより身近な場所で検査を受けられるよう検査場所の地域偏在の解消について、東京都へ働きかけてまいります。

学校での感染が広がっています。もともと子どもにウイルスを感染させるのはおとなですが、子どもが感染して学校・教育施設等での感染が拡大すると、それらの施設でウイルスが増幅し、インフルエンザのように社会の中心的な感染源となる可能性があります。専門家は、学校の感染拡大を防止するには、感
染が出てからでなく、学校で定期的な検査をこども、教職員を含むスタッフ(給食調理・警備員を含め)、親などに強めることが重要と指摘しています。マスク、CO2センサー設置、換気、手洗い、手指の消毒等基本対策の徹底も重要です。
全教職員、児童・生徒への定期的な検査の実施、児童・生徒用の消毒設備の設置、学校規模に見合うCO2センサーの設置、温水設備の設置を進めること。
答弁を求めます。

【教育長答弁】
児童・生徒等への定期的な検査については予定しておりませんが、教職員については、希望者に対し、東京都が実施する抗原検査を来週以降、申込みが完了した学校から順次実施してまいります。
また、各学校には、既に消毒剤、非接触型体温計、CO2センサー等を配布し、活用しておりますが、各学校の状況に応じて設置数の追加等を行ってまいります。温水設備については、改修工事の際、学校とその必要性について検討してまいります。

2 核兵器禁止条約の署名・批准、締結国会議へのオブザーバー参加を国に求めることについて

核兵器禁止条約が発効してから1月22日で1周年になりました。核兵器禁止条約の批准国は59カ国になり、核兵器禁止条約の締結国会議が今年半ばに開催されます。
岸田首相は広島出身をアピールしながら、被爆者の願いである核兵器廃絶に向けた禁止条約に背を向けたままです。
NATO(北大西洋条約機構)加盟のドイツとノルウェーがオブザーバー参加を表明する中、唯一の戦争被爆国である日本政府は参加を拒否しています。
締結国会議への参加は核兵器の非人道性を国際社会に訴えるチャンスです。核兵器禁止条約に参加して世界の国々や市民とともに、核兵器保有国に核廃絶を迫ることこそ、唯一の戦争被爆国の政府として被爆地出身の首相としての責務ではないでしょうか。
核廃絶を求める声は全世界に広がっています。アメリカでは昨年(2021年8月)開催された1400を超える首長が参加する全米市長会議で米国政府に対し、核兵器禁止条約を歓迎するよう求める決議が採択されました。平和都市宣言をしている区長として、

①核兵器禁止条約への署名・批准を政府に求めること。
②締結国会議にオブザーバー参加するよう、国に求めること。
答弁を求めます。

【区長答弁】
①政府に署名・批准を求めることについてです。港区の首長として加盟する平和首長会議の国内加盟都市会議は、これまでも日本政府に対し、核兵器禁止条約に署名・批准し、締約国となるよう継続して要請しております。

②国に締約国会議へのオブザーバー参加を求めることについてのお尋ねです。令和4年3月に核兵器禁止条約第1回締約国会議の開催が予定されていたことから、平和首長会議の国内加盟都市会議は、日本政府に対し、締約国会議にオブザーバーとして参加し、核兵器廃絶のためにリーダーシップを発揮することについての要請文を昨年11月に提出いたしました。
引き続き、区は、平和首長会議に加盟する都市と連携し、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を訴えてまいります。

3 羽田空港都心上空低空飛行はやめ、海上ルートの利用を求めることについてです。
羽田新飛行経路、都心上空の低空飛行の目的は、国際競争力強化、オリンピックの開催、インバウンドのためということです。
日本政府観光局(JNTO)が発表した2021年の訪日外国人旅行者数(推計値)は24万5900人です。コロナ以前の2019年(3188万2049人)と比べると、99.2%減。2020年(411万5828人)比でも94.0%減です。
わざわざ都心上空を飛ぶ必要はありません。従来通り、海上ルートを活用するよう、国に要請すること。
答弁を求めます。

【区長答弁】
令和3年11月から区民意見募集を実施いたしまして、この募集によりましても、騒音や新飛行ルートについて、多くのご意見をいただいております。
区は、引き続き、国に対し、海上ルートの活用や地方空港の活用による飛行ルートの分散化などにより、固定化回避の検討を加速するよう、強く求めてまいります。

4 都立広尾病院の独立行政法人化に反対することについて

東京都は7月にも8都立病院と6公社病院の独立行政法人化する都立病院廃止条例案を2月議会に提出しました。
都立病院はコロナ対応にも迅速に対応し、都内のコロナ対応病床の3割を担い、コロナ医療の先頭に立ってきました。
コロナ禍の今、なぜ廃止なのか、関係者や多くの住民の声です。
都立広尾病院は多くの港区民が利用する病院です。区民の命を守る立場の区長として、都立病院の独立行政法人化はやめるよう、東京都に申し入れること。
答弁を求めます。

【区長答弁】
都立病院、とりわけ港区に隣接する広尾病院は、区民にとっても質の高い医療サービスを提供し、災害医療の拠点としての役割を担うとともに、新型コロナウイルス感染症患者を積極的に受け入れていただいております。
独立行政法人化をやめるよう東京都に申し入れる予定はありませんが、感染症対策等における必要な医療体制については、区民へのサービスが低下することがないよう、昨年10月の特別区保健衛生主管部長会において、東京都に要請いたしました。
今後も、引き続き機会を捉えて要請してまいります。

5  行政文書から性別記入欄を原則廃止することについて

LGBTなど性的マイノリティの人々に対する社会の理解はまだ十分にすすんでいません。多くの当事者が日常生活において様々な生きづらさを感じています。
自分の性別に違和感を持つ人の中には、各種申請書等に性別記載欄があった場合、どう記載したらいいのかを悩んだり、男女のみから選択することへの抵抗感があったりして、精神的苦痛を感じる方もいます。
どこでも、国や東京都が法令で定める場合を除き原則廃止とし、性別記入欄を廃止するか任意の記入にするかの検討を行い、順次廃止をしています。
港区でも、必要のない性別記入欄は廃止してきました。さらに廃止を拡大すること。

愛媛県では、「性の多様性に関する手引き」を作成し、行政サービスを提供する公務員として知っておくべき基礎的な知識や日常の業務における心構え、留意事項を掲載して職員に徹底しています。港区でも「手引き」作成を検討すること。
それぞれ答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、行政文書の性別記入欄の廃止についてのお尋ねです。
まず、区における廃止の拡大についてです。
区は、平成16年に申請書等の性別記載欄の見直しを行い、国民健康保険や介護保険関係の申請書等、法令による定めがある場合や、事務処理上、性別の把握が必要な場合を除き、順次、性別欄の削除を進めてまいりました。
現在、性別等の記載を要する申請書等は
32件あり、そのうち法令で規定されている12件を除く20件については、引き続き、性別欄削除の取組を進めてまいります。

次に、区における手引の作成についてのお尋ねです。
区は、令和2年3月に、港区職員のための人権ハンドブック「みんな笑顔で!」を改訂し、性的マイノリティの人々に対する窓口や職場での対応事例を具体的に記載し、全職員に配付いたしました。
引き続き、人権ハンドブックを活用するとともに、職員や指定管理者を対象にSOGIE研修を実施し、職員等の意識向上に努めてまいります。

6 18歳までの医療費無料化についてです。

わが党区議団は機会ある毎に、18歳までの医療費無料化を求めてきました。区は、「高校生は、医療機関を受診する割合が低い」ので「助成は考えていない」との答弁です。
各年齢別に医療費がいくらかかっているのか、医療費総額を年齢別被保険者(5歳区分)全体で割ると「15歳から18歳」は、一人当たりの医療費は高くはありません。区が言うように、高校生全体では医療機関にかかる割合は低くなっています。しかし、医療費を医療機関にかかった人数(レセプト数)で割ると、(5歳区分)15歳~19歳が1万8990円と高く、高校生世代の医療費負担は大変なのです。
東京都は2023年度から、子どもの医療費助成の対象を18歳までに拡大する方針を明らかにしました。
東京都の実施を待つのでなく、この4月から18歳までの医療費無料化に踏みだすこと。
答弁を求めます。

【区長答弁】
東京都は、令和4年度予算案において、高校生相当年齢への医療費助成の準備経費を予算計上しましたが、制度の詳細については示されておりません。今後の進め方を含め、東京都と意見交換して、情報収集してまいります。

7 子どもへの10万円給付金についてです。

国は18歳以下の子どもへの10万円相当の給付が、昨年9月以降に離婚したひとり親に届いていない問題で、2月28日時点で子どもを養育している親に給付する方針を発表しました。制度の不備は給付の閣議決定(2021年11月)直後から指摘されており、世論に押されてようやく動いた形です。NPO法人「しんぐるまざぁず・ふぉーらむ」などをはじめ、日本共産党はじめ各党からも是正を求める声が上がっていました。
市区町村の窓口での申請になります。対象者には申請漏れがないように支援すること。

児童手当受給者が対象のため、年収960万円(扶養家族の人数に応じて)は超えるが、受給世帯より収入が少なくても支給されない世帯がでるという矛盾が起きています。港区では給付対象外は56%になるとの調査結果が発表されています。
子育てはどの世帯でも大変です。今回、対象外になった世帯への臨時給付金を支給すること。
それぞれ、答弁を求めます。

【区長答弁】
まず、離婚などで給付金を受け取れなかった方への支援についてです。
令和3年9月以降の離婚等によって、現在、児童を養育しているものの給付金
を受け取っていない方を対象に、国から子育て世帯への臨時特別給付を支援給付金として支給することが示されました。
区は、既に把握している該当者に対して支給の手続を進めております。また、電話などで問合せがあった方にも、申請書を郵送し、速やかに対応しております。

次に、国の制度の対象外となる世帯への臨時特別給付金の支給についてのお尋ねです。
区は、国の令和3年度子育て世帯等臨時特別事業に基づき、令和3年9月分の児童手当受給者等に対して、令和3年度港区子育て世帯への臨時特別給付金の支給に取り組んでおります。
対象外になった世帯への給付は予定しておりませんが、国の基準に準じて速やかな支給に努めてまいります。

8 国民健康保険料の値上げを許さないことについてです。

東京都は9日、都内の国民健康保険料が2022年度、一般会計からの独自繰り入れを行わない場合、21年度に比べ1人当たり96691円(6.16%)もの大幅値上げになる算定結果を都国保運営協議会に示しました。22年度の加入者総数を3.1%減の267万4千人、医療給費総額を21年度から0.1%減(1人当たり3.1%増)の7865億円と算定。
加入者1人当たりの保険料を、自治体独自の一般会繰り入れを行わない場合は16万7042円(21年度比6.16%増)としました。18年4月の国保都道府県化以降で最大の値上げ幅です。
年金や医療、介護など社会保障改悪と消費税増税のもとで、貧困と格差が拡大し区民の暮らしは大変になっています。その上、新型コロナウイルスの感染拡大は区民の暮らし営業を窮地に追い込んでいます。このような中で保険料の引き上げは、深刻な事態を招くことになります。
国保加入者の7割は所得の低い非正規労働者や年金生活者、コロナの影響を大きく受けている個人事業主の方たちです。こうした人にさらなる負担を強いるなど許されません。
特別区長会も昨年末、国と東京都に対して財政措置を求める緊急要望を行っています。特別区長会も指摘しているように、今回の値上げの要因の医療費増は、感染拡大に伴う検査・診療数の増加や診療報酬上の臨時的な取り扱いなど、新型コロナウイルス感染症によるものです。非常事態の特殊な影響を被保険者に負担させるべきではありません。

①被保険者には何の責任もない非常事態に伴う医療費増については、国や東京都に財政支援を求めること。
②区民にとって一番身近な自治体として、区独自の財政負担も含め、あらゆる努力をして保険料の値上げをやめ、軽減に踏み出すべきです。
それぞれ答弁を求めます。

【区長答弁】
①特別区長会は、昨年12月、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による医療費の増を、被保険者に保険料として転嫁することを防ぎ、国民健康保険制度の安定的かつ持続可能な運営を行うため、必要な財政措置を特例的に講じるよう、厚生労働省と東京都に対して緊急要望いたしました。

②区は、同じ所得・世帯構成であれば同一の保険料となる特別区の共通基準に基づき、保険料を算定しております。
現在、特別区において来年度の保険料率の算定作業を進めておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が継続している状況を鑑み、保険料の上昇を抑えることも考慮した検討を行っております。

9 放課後児童支援員の処遇改善特例事業についてです。

学童保育指導員の処遇改善のため国から補助金が支給される「放課後児童支援員等処遇改善臨時特例事業」が2月から実施されています。
これは、放課後児童健全育成事業を行う事業所、学童クラブや放課GO→クラブに勤務する職員(指導員)の処遇改善、収入の3%程度(月額9000円)の引き上げのため、国が全額支援する(2月~9月まで)事業です。2月中に事業者からの申請が必要です。もれなく申請し、賃金引き上げが行われるように指導すること。
また、10月以降は、国、東京都、港区が3分の1づつ負担する仕組みです。10月以降も国の責任で処遇改善を継続するよう要請すること。国が実施しない場合は、継続のための必要な予算を確保すること。
それぞれ答弁を求めます。

【区長答弁】
まず、事業者への周知についてです。
区は、国からの通知に基づき、区内31か所の学童クラブ運営事業者に対して、本事業の概要や手続方法などを周知いたしました。
既に、全ての事業者から交付申請に必要な書類の提出を受け、速やかに国への交付申請を行っております。

次に、国に事業の継続を要請することについてのお尋ねです。
国は、放課後児童支援員等処遇改善臨時特例事業について、今月から9月まで国の全額補助による措置としています。
区は、国に対して、10月以降も国による10分の10の全額補助を継続するよう要請することは考えておりませんが、引き続き、国の動向を注視してまいります。

今回の処遇改善は、民間だけでなく港区で働く会計年度任用職員も対象となります。
区直営の保育園や学童クラブでは、多くの会計年度任用職員が働いています。(保育園…311名、児童館…196名)
総務省の通知に基づいて、保育園や学童クラブで働く会計年度任用職員の報酬を改正すること。
併せて、他の職場で働く会計年度任用職員の報酬も引き上げること。
それぞれ答弁を求めます。

【区長答弁】
次に、事業継続のための予算措置についてのお尋ねです。
国は、10月以降の予算措置については、子ども・子育て支援交付金を活用し、国、東京都、区がそれぞれ3分の1を負担することで、同様の措置を講じ、事業として継続し、制度として保障しています。
区は、国の動向を注視し、適切に対応してまいります。
次に、保育園や学童クラブの会計年度任用職員の処遇改善についてのお尋ねです。
総務省通知では、公的部門における保育士等の会計年度任用職員の処遇改善として、民間の給与水準等が考慮された給料表の設定や再度任用時の経験加算に係る上限設定などの見直しを検討するよう、求めております。
保育士などの会計年度任用職員の報酬については、民間の賃金水準を反映した常勤職員と同じ給料表を適用し、職責や勤務時間に応じた報酬額を決定しており、平均的な賃金水準を下回るものではないと考えております。
今後、保育士等の会計年度任用職員の再度任用時の経験加算など処遇の見直しについて、検討してまいります。

次に、保育園や学童クラブ以外の会計年度任用職員の報酬を引き上げることについてのお尋ねです。
保育園や学童クラブ以外の会計年度任用職員の報酬については、常勤職員の
給与や民間・他団体の同種の職の報酬を踏まえ、決定しており、民間の賃金水準を反映したものとなっております。
今後も、常勤職員の給与や、国・他団体の会計年度任用職員の報酬との均衡を図り、職務・職責に見合った報酬水準を確保してまいります。

10 ヤングケアラーについてです。

家庭で、両親や祖父母、きょうだいの世話や介護などをしている子どもは「ヤングケアラー」と呼ばれ、厚生労働省、文部科学省は、実態調査を行いました。「世話をしている家族がいる」という生徒の割合は、中学生が5.7%でおよそ17人に1人、全日制の高校生が4.1%でおよそ24人に1人でした。
内容は、食事の世話や準備などの家事が多く、他にも、きょうだいを保育園に送迎したり、祖父母の介護や見守りしたりと多岐にわたっています。
世話にかけている時間は、平日1日の平均で、中学生が4時間、高校生は3時間でした。
ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム(プロジェクトチームという)報告書は、「子どもらしい暮らしができずに辛い思いをしているヤングケアラーにとって青春は一度きりであり、スピード感を持って取り組む。」としています。先進的に取り組んでいる埼玉県では、「ケアラー支援条例」を制定し、条例に基づき「ケアラー支援計画」を策定し、ヤングケアラーへの支援をすすめています。また、小学生向け、中学生向け、高校生向けのパンフレットを作成し、配布しています。
先進的に取り組んでいる自治体を参考に、条例制定をめざし、ヤングケアラーの啓発パンフの作成、実態調査を行うべきです。
答弁を求めます。

【区長答弁】
区は、ヤングケアラーについて、区ホームページや広報みなとで、広く周知するとともに、昨年8月に、小・中学生向けに作成したリーフレットを学校や
児童館等で配布し、家族や兄弟の世話を任されている子どもが自分の状況に気づき、気軽に相談できる体制を整えております。
また、日頃から、港区要保護児童対策地域協議会の関係機関と情報を共有し、生育環境に課題のある家庭を直接訪問して、実態を把握し、適切な支援につなげております。
今後も、ヤングケアラーを早期に発見し、子どもが孤立しないよう、地域全体で支援する取組を推進してまいります。

11 区施設に給水スポットの設置・自販機からペットボトルなくすことについて

区内の家庭から出るペットボトルを500ミリリットルのボトルな換算すると、年間8331万本にもなります。持続可能な社会のためプラスチックを少しでも減らすことを考えたら、ペットボトル飲料の購入を控え、マイボトルの活用は取り組みやすい方法です。
杉並区では、事業者と協定を結び、給水スタンドを区役所に4台設置しました。区では今後2年かけて区立施設に順次設置する計画です。(水道と直結する浄水器の販売を手がける「ウォータースタンド」(さいたま市)と協定を結び)

港区でも白金台いきいきプラザだけでなく、設置可能な区施設に、給水スタンドを設置すること。

日本科学未来館では、管内のすべての自販機を刷新し、ペットボトル飲料の販売をなくすために新しい自販機に置き換えました。スチール缶やアルミ缶、ガラス瓶など、再資源化率の高い飲料に換えました。
区施設内の自販機は、プラスチック容器飲料のない、自販機にすること。
それぞれ答弁を求めます。

【区長答弁】
まず、給水スポットへの給水スタンドの設置についてです。
白金台いきいきプラザでは、給水スポットにボトルディスペンサー型の給水機を設置しておりますが、マイボトルを持ち合わせていない方は、利用できないことから、通常の冷水機と併設しております。
一方で通常の冷水機は、マイボトルへの給水も可能です。
このようなことから、区有施設へのボトルディスペンサー型の給水機の設置については、今後も研究してまいります。

最後に、プラスチック容器飲料のない自動販売機の設置についてのお尋ねです。
区は、「港区役所『使い捨てプラスチック』削減方針」に基づき、区有施設の自動販売機のペットボトル飲料を、缶飲料などへ順次切り替えてまいりました。
一方で、障害のある方には持ちやすさの点で、ペットボトル飲料が欠かせないというご意見もいただいております。
今後は、こうした点にも配慮し、自動販売機のペットボトル飲料の取扱いを、一定程度残しつつ、缶飲料への切替えを進めてまいります。

12 高輪築堤の完全保存と公開についてです。

今年は、新橋~横浜間に鉄道が走って150年という記念すべき年です。「陸蒸気」の開通は、日本の近代化への第一歩でした。
鉄道を走らせるために、わざわざイギリスから技術者などを招いてのことです。
当時、西郷隆盛らは「軍備増強を最優先すべき」と、鉄道建設
は猛反対。さらに、藩邸や兵部省(ひょうぶしょう)の海軍操練所などがあり、土地の買収ができないことなどから、鉄道建設をすすめたい大隈重信は、海の中に土手を築いて鉄道を走らせる指示をしたといわれています。
海の中に土手を築き、その上を鉄道が走るのは、世界の鉄道史に残る極めて
貴重なものです。
今、開発のために一部保存し、残りは記録保存の方向で進んでいます。貴重な鉄道遺跡、一度壊したら二度と再現は望めません。
現在はJR東日本の所有ですが、元は日本国有鉄道、国民共有の財産です。

①一度立ち止まり、完全保存、公開の方策を検討すべきです。
②5街区、6街区にも築堤が埋まっている可能性があります。ここはまだ開発計画はありません。
試掘で築堤跡が発見されたら、完全保存にむけた方策を検討すべきです。
それぞれ答弁を求めます。

【教育長答弁】
①現在、1~4街区の高輪築堤跡は、高輪大木戸付近の一部を残して現場での記録保存調査がほぼ終了し、国史跡「旧新橋停車場跡及び高輪築堤跡」に指定された部分は保存を図るため一旦埋め戻し、その他は解体、撤去、移築等が進んでいます。教育委員会は、現地保存される遺構について万全の保護が図られるよう取り組んでまいります。
公開については、これまで一般向け見学会に延べ11日間で約1,900人が参加し、さらに2月20日には、感染症対策を講じた上で、全国から約300人が参加する見学会を予定しております。

②5・6街区については、昨年5月に、教育委員会から高輪築堤跡の現地保存を考慮した開発計画を策定するようJR東日本に要望書を発出しております。
引き続き、区民の貴重な財産である高輪築堤跡を後世に継承していくため、事業者、文化庁、東京都教育委員会等の関係機関と連携して取り組んでまいります。

以下、再質問

《再質問1》
高校生等への医療費助成について

《質問要旨》
厚生労働省の調査によると、1,741区市町村全てが子どもの医療費助成を実施している。
そのうち、18歳の年度末まで実施しているのは通院で659区市町村、入院で715区市町村となっている。
「子育てするなら港区」を掲げるのであれば、全国をけん引する施策を実施するべき。4月から港区独自で実施を決断すべき。

《区長答弁要旨》
東京都が予算計上した内容と今後の進め方については、区市町村と意見交換の上、詳細な説明がされる。
現在のところ、独自で助成対象を拡大する予定はないが、今後も様々な施策を通じて、高校生世代を含めた総合的な子育て支援に努めていく。

《再質問2》
羽田都心上空低空飛行はやめ、海上ルートを利用するよう、国に要請することについて

《質問要旨》
区長は、所信表明で固定化回避に向けた検討を一層加速すると述べた。羽田都心上空低空飛行をやめなければ、区民の不安を取り除くことはできない。
先日、成田空港の滑走路で部品の落下があった。住民が日々生活する上空であったら大惨事となっていた。
都心上空を低空飛行すれば、部品落下事故が起きる可能性がある。区民の安全を守るために、南風の時も海上ルートを利用するよう、国に強く申し入れるべき。

《区長答弁要旨》
先般、成田空港で部品の欠落があった。区では、かねてから落下物への懸念や騒音問題について、国に対して区民からの声を届け、求めてきた。今般の件についても、重ねて国に対して求めていく。

《再質問3》
令和3年度子育て世帯への臨時特別給付金について

《質問要旨》
給付に当たっての所得制限の仕組みに矛盾がある。対象外となった世帯に対して区が助成をすべき。

《区長答弁要旨》
区は、国が10分の10の負担をするという制度に基づき、対象となる方に対して事業を進めている。
対象外となった世帯への給付は予定していないが、対象となる方への迅速な支給に努めていく。

《再質問4》
都立広尾病院の独立行政法人化をやめるよう東京都に申し入れることについて

《質問要旨》
区として申し入れは行わないとのことだが、独立行政法人化されると、差額ベッド代や入院補償金を払わなければ入院できない事態が発生する。
また、病院で働く職員が公務員でなくなり、労働者にとっても患者にとっても、問題であるから独立行政法人化をやめるよう東京都に申し入れるべき。

《区長答弁要旨》
都立病院の経営形態移管については、東京都に申し入れる予定はないが、必要な医療体制の整備や現在、都立病院が果たしている役割を今後も果たしてもらえるよう、今後も東京都に要請していく。

《再質問5》
陽性者の療養方法について

《質問要旨》
新型コロナウイルス感染症に感染した場合、宿泊療養所での療養は64歳未満しか対象とならない。症状や家庭の事情に応じて誰でも療養できる仕組みにすべき。

《区長答弁要旨》
65歳以上を療養できる宿泊施設の開設については、東京都に伝えていく。
現在、50歳以上の方や基礎疾患等により重症化リスクのある方は優先的に必要な入院につなげている。高齢の方は、特に速やかに入院できるよう対応しており、現在、当日又は翌日には確実に入院できる状況となっている。
引き続き、区民の皆さんの療養が安心してできるよう取り組んでいく。

2021年第4回定例会一般質問

2021年11月26日
日本共産党 風見 利男

1 職員のメンタルヘルス問題の対策について
病気休暇の多くが、メンタルの不調によるものです。2020年度のメンタルの不調により病気休暇を取得した職員の要因分析の結果は、業務量の負荷が最大です。そして若い方が多いのにビックリします。
定数管理で人員が減らされ続けていることに大きな原因があるのではないでしょうか。

  1. 定数管理にとらわれず、大幅に人員を増やすこと。
  2. 大規模災害が発生したときに、区民の安全安心を保障するのも職員の仕事です。その点からも人員増が必要です。

【区長答弁】

  1. 区は、毎年度、所属長へのヒアリングなどを行った上で、業務量に応じた人員を適正に配置しております。また、緊急的・臨時的な対応が必要な場合には、年度途中の人事異動や関係部門からの応援、専門知識等を有する人材派遣や会計年度任用職員により柔軟に対応してまいりました。今後も、多様な人材を活用しながら業務量に応じた必要な執行体制を確保し、職員にとって働きやすい職場を実現してまいります。
  2. 大規模な震災等の発生時においては、ライフラインやインフラの維持等の業務に優先的に着手することが重要であるため、区では、清掃作業や土木作業に従事する職員について、緊急時に必要な職員数を定めた上で、計画的に職員を採用しております。
    また、港区業務継続計画に基づき、通常業務の一部を休止・抑制し、緊急時優先業務に人員を集中的に配置するとともに、地域防災協議会や災害時協力協定を締結している民間事業者などの関係機関とも連携を図ることで、区民の生命や財産等を守ることを最優先に対応してまいります。

2 羽田の都心低空飛行ルートの使用をやめ、海上ルートを利用することについて
オリンピックによる訪日外国人旅行者の増加、インバウンドのため、国際競争力強化のために増便が必要と、都心上空を低空で飛ぶルート(A滑走路、C滑走路)を、住民の反対を押し切って強行しました。
羽田の着陸枠は、年間24万3千便です。

1.2020年4月から2021年3月までの1年間、羽田空港への着陸は11万2990便ですから、港区上空を飛ぶ必要はありません。(都心上空を飛んだのは8727便に過ぎません)
そういう認識をお持ちですか。

国は、「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」で、導入するまでに要する時間が短く、騒音軽減効果が大きい2つの飛行方式に絞りこみ、今後は安全性の評価など、導入の具体的な取組を実施していく」としています。
しかし、どう経路を動かしてみても都心上空…港区上空を低空で飛行することに変わりはありません。
騒音だけではありません。落下物、ジェット燃料による環境汚染、身体への影響、墜落の危険等々、だから区民は都心低空飛行はやめて、全面的に海上ルートの活用を求めているのです。

2.南風時の午後3時から7時までの都心上空低空飛行はやめ、海上ルートの利用を国に要求すべきです。

【区長答弁】

  1. 令和2年度は、コロナ禍に伴う航空機の減便により、羽田空港での着陸便数は減少いたしましたが、その間も、区民から騒音や落下物などに対する不安の声が多く寄せられております。
    このようなことから、私は、運行状況にかかわらず、引き続き、国に対し、海上ルートの活用や地方空港の活用などによる飛行ルートの分散化などにより、固定化回避の検討を強く求めていくべきと考えております。
  2. 国は、本年8月に開催された「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」において、導入までに要する期間が短く、騒音軽減効果が大きい2つの飛行方式を示しました。
    これらの飛行方式における具体的な飛行ルート案については、現時点では示されておりませんが、区は、引き続き国に対し、海上ルートの活用や、地方空港の活用による飛行ルートの分散化などの検討を加速するよう、強く要請してまいります。

3 災害バンダナの作成、支給について
外見から分かりにくい聴覚障害者らに災害時、必要な情報や支援を届けるための取り組みが各地で進んでいます。
岐阜県関市は、四隅に「耳が不自由です」「目が不自由です」「私は手話ができます」「避難に支援が必要です」と、4種類のメッセージを記したバンダナを作製、2018年11月から障害者らに配布しています。名古屋市瑞穂区では今年3月から避難所に用意し、自由に使えるようにしています。
町田市では、ホームページで「災害時等障害者支援バンダナを配布します」とのお知らせと併せて、「災害時に、このバンダナを身につけている方を見かけたら、積極的にお声掛けいただき、支援にご協力ください」と、支援を呼び掛けています。バンダナをつけていれば、声をかけやすくなります。

全国各地の先進的な取り組みを参考に、港区でもバンダナをつくり、配布すべきです。

【区長答弁】
区は、災害時においても障害者が円滑に意思疎通できるように、区民避難所に聴覚障害者用の筆談ボードを配備し、また、障害者が災害時に日常生活で支援が必要であることを周囲に認識してもらう方法としてヘルプカードやヘルプカードホルダーを配付しております。
今後、災害バンダナなど他自治体の取組事例や区内の障害者団体、手話通訳の支援者など当事者のご意見やニーズを伺いながら、災害時においても障害者の円滑な意思疎通を支援し、必要とする支援が認識されやすい効果的な方法を研究してまいります。

4 公衆電話をまちから消さないことについて
総務大臣の諮問機関の情報審議会は、7月7日、公衆電話の設置基準の緩和に関する答申をまとめました。現在は市街地で約500メートル四方、その他は1キロメートル四方に1台が設置基準ですが、それを1キロメートル四方、2キロメートル四方にするのです。これにより、NTT東日本、NTT西日本が運営する第一種公衆電話は、現在の10万9千台から2万7千台と4分の1に激減します。
携帯電話が普及していますが、いざ災害が発生したら、通話制限され、使いものになりませんし、電池切れで使えなくなることも考えられます。
港区は、東日本大震災を契機に、公衆電話回線を利用して屋外Wi-Fiを設置しています。

災害の時に役立つのは公衆電話です。
 これ以上公衆電話を減らさないように、国に要請すること。

【区長答弁】
区は、災害時に区民等の安否確認や情報手段を確立するため、全ての区民避難所への特設災害時公衆電話の設置や、全ての避難所にWi-Fiルーター及び移動系防災行政無線の配備を行っております。
公衆電話の設置基準を緩和することについては、区として、国や通信事業者に対し、災害時などで不特定多数が集まる地域について設置台数を削減しないよう申し入れております。
引き続き、災害時の安全確保のため、情報手段の充実に取り組んでまいります。

5 区有施設のネット環境の充実について
区は2018年に「区有施設における公衆無線LANの整備方針」を策定し、ICT活用のためにも速やかに環境整備を行うことを決めました。
現在、区民センター・いきいきプラザ・区民斎場・図書館など97施設において公衆無線LANを設置していますが、一施設一か所のみ、フリースペースやロビー、エントランスホールへの設置で、各部屋までは届きません。
地下ホールでのオンライン配信は難しいと相談がありました。
港区は対応策としてモバイルルーターの貸し出しをしていますが、利用者には知らされていません。

  1. いつでもどこでもネットを使うのが当たり前の時代です。施設内のすべての部屋でWi-Fi環境を整えること。
  2. ミナトシティWi-Fiを利用するにはまず登録をしなければなりません。各施設でWi-Fi利用についてのレクチャーをすること。
  3. モバイルルーターの貸し出し数を増やし、受付に貼り出すなどして周知を徹底すること。

【区長答弁】

  1. 区では、デジタル化の取組を加速させる中、多数の利用者が行政手続や活動を行う各地区総合支所、区民センター、いきいきプラザなどの区有施設内のあらゆる場所で、誰もがインターネットを利用できるよう、Wi-Fiの通信環境を充実してまいります。
  2. 区が整備しているMinato City Wi-Fiを初めて利用する場合は、メールアドレスもしくはSNSのアカウントを登録する必要があります。
    現行の利用登録のマニュアルは、利用者にとって、難しく感じられる場合もあることから、今後、より分かりやすいマニュアルを作成し、各施設の窓口で配布するとともに、施設の職員が丁寧に説明を行い、多くの利用者に登録していただけるよう取り組んでまいります。
  3. 現在、区民センターなど区有施設27か所において、貸室利用者がインターネット環境を必要とする場合に、モバイルルータの貸出しを行っております。今後、利用状況に対して不足する状況が生じる場合には、追加の配備など適切に対応してまいります。
    利用者への周知については、改めて区ホームページに掲載するほか、各施設の受付や貸室などにポスターを掲示してまいります。

6 子どものインフルエンザワクチン接種費用の全額助成と、高校生まで拡大することについて
子どものインフルエンザワクチン接種費用助成については、わが党だけでなく、多くの会派から質問がされてきました。その結果、区は「一定の発症予防効果と子育て世帯の経済的負担の軽減のため、生後6か月から中学3年生までの子どもを対象に」1回3000円の助成を始めました。これ自体は歓迎すべきことです。
千代田区は高校生まで全額助成、渋谷区は中学3年生まで全額助成。新宿区は、13歳~64歳未満の生活保護世帯は全額助成しています。昭島市は1500円の自己負担はありますが、高校生まで助成。桧原村は高校生までと生活保護世帯は無料。奥多摩町は生後6か月から19歳未満(高校3年生相当)まで2000円助成しています。

  1. 家庭の経済状況でインフルエンザワクチン接種をしないことがないよう、千代田区などのように、対象を高校生まで拡大するとともに、全額助成すること。
  2. 生活保護世帯は、無料でワクチン接種ができるようにすること。

【区長答弁】

  1. まず、対象を高校生まで拡大するとともに全額助成とすることについてです。
    国の厚生科学審議会は、高齢者及び乳児から小学校低学年までの小児を、新型コロナウイルス感染症の流行下におけるインフルエンザワクチンの優先的な接種対象者としています。区は、一定の発症予防効果と子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため、優先接種対象を区独自に中学3年生まで拡大し、費用の一部を助成しております。
    高校生までの拡大については、他自治体の状況や接種の効果を調査してまいります。
  2. インフルエンザワクチンの定期予防接種については、高齢者の肺炎による重症化予防を目的に、65歳以上又は60歳以上で指定の基礎疾患のある優先接種者に対し、区独自に無料で実施しております。さらに、小児への接種については、優先接種者である小学校低学年までの小児及び、子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため中学生までを対象に費用の一部を助成しております。
    対象につきましては、今後とも重症化予防の観点から助成の必要性を判断してまいります。

7 神宮外苑の市街地再開発について
この計画は、神宮外苑の景観、環境、文化、貴重な緑等を根底から破壊し、神宮外苑としての歴史的成り立ち、文化的価値もないがしろにする計画です。
ここは、文教地区、風致地区であり、超高層ビルは建てられない地域です。
この間、説明会や意見公募が行われましたが、賛成する人は誰ひとりとしていませんでした。
港区は、神宮外苑銀杏並木周辺を景観形成特別地区に指定し、景観を何よりも大切に守る地域としています。そして、『景観重要公共施設』として神宮外苑銀杏並木を位置づけ、「神宮外苑銀杏並木は、明治神宮外苑の造成に先立つ1972年(大正12年)に植樹が行われた由緒ある並木道です。聖徳記念絵画館をアイストップとして、銀杏並木が創り出す典型的なヴィスタ景は、首都・東京を代表する風格ある眺望の一つです。このような風格ある眺望を将来にわたって保全することができるよう、銀杏並木を適切に管理します」としています。イチョウ並木を中心とした神宮外苑の景観を破壊する計画を許してなりません。
外苑のイチョウ並木は、観光名所として、紅葉の時期には多くの人びとが訪れる、都心の貴重な憩いの場所です。ところが今回の計画では、高さ60メートルのホテル付の野球場が、イチョウ並木に迫って建設。190メートル、185メートル、70メートルの超高層ビルが建ち、景観が大きく損なわれることになります。今でも、少しでも風がある日は大変です。伊藤忠ビルの前と、墓地へ向かう通りはすごい風が吹きます。
計画では、約90メートルの伊藤忠ビルを190メートルに建て替え、近くに185メートルの複合ビルが計画されており、間を抜ける風が予想されます。今まで以上に広範囲に耐え難い風の影響がでます。
超高層ビルの建設によって、青山通りの景観が破壊される。
東京都が2018年11月に発表した「東京2020大会後の神宮外苑地区のまちづくり指針」によれば、「青山通りにふさわしい気品と魅力ある複合市街地を形成する」、「現在の沿道建築物等との高さの調和に配慮する」としているが、190メートル、185メートルの超高層ビルは、青山通りにはありません。東京都の指針にも反しています。
神宮外苑は、都心での貴重なスポーツ施設が数多くあるスポーツのメッカです。スポーツ愛好者を追い出すもので許されません。(軟式野球場6面、室内練習場、バッティングセンター、ピッチングセー、テニスコート、フットサル場)

スケジュールありきではなく、近隣住民の合意と納得なしには進めないこと。

【区長答弁】
区は、これまで、神宮外苑の銀杏並木と景観の保全に加え、青山通りの風格ある街並みを形成する観点から、事業者に、絵画館前の特徴的な洋式広場の再生や青山通りに面した景観広場の設置など、緑豊かな風格ある都市景観に配慮することを求めてまいりました。
また、地域の皆さんのご理解を得るため、事業全体の計画について、丁寧な説明に努めるよう指導しております。
今後も、地域の景観との調和や周辺環境への配慮など、継続的に指導してまいります。

8 高輪築堤の全面保存と現地見学会の開催、第5・6街区の全面保存について
10月14日付で、日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員長の藤沢敦氏から教育長あてに、「高輪築堤跡の一般公開拡充を求める要望書」が提出されました。
要望書は、高輪築堤跡については、日本の近代化を具体的に物語る存在であり、世界史的に見てもアジアの近代化の過程を示すうえで欠くことのできないまことに重要な遺跡です。これまで日本考古学協会では、埋蔵文化財保護対策委員会の要望書を皮切りに、2回の会長声明と、3回にわたる会長コメント、日本歴史学協会との共同要望を発出し、一貫して築堤の全面保存を求めてまいりました。しかしきわめて遺憾ながら、一部保存・一部移設・大半は記録保存して破壊という方針のもと、記録保存にともなう調査が進んでいます。
JR東日本は、歴史上まれにみる貴重な鉄道遺構の大半を記録保存という名で破壊しようとしています。
コロナ禍で、今までのような新自由主義に基づく企業の利益優先のやり方が見直されてきています。リニア新幹線も経路の住民や自治体からの反対で予定通り進む見通しが立っていません。
世界的に貴重な鉄道遺跡、高輪築堤は全面保存に向けて、一度立ち止まって開発を見直すことが求められています。

  1. 全面保存を要請すること。
  2. 見学を希望した人の多くが現地を見ていません。現地見学会の開催を要請すること。
  3. 開発がこれからの5街区、6街区については、全面完全保存するよう、要請すること。

【教育長答弁】

  1. 本年9月17日、国は、高輪築堤跡を、旧新橋停車場ていしゃじょう跡に追加し、名称を旧新橋停車場ていしゃじょう跡及び高輪築堤跡に変更し、国史跡に指定しました。
    教育委員会は、指定範囲の遺構について万全の保護を図るとともに範囲外の遺構についても極力保護するよう求めております。
    また、可能な限りの保存を求める要望書をJR東日本に繰り返し提出していることから、改めて全面保存を要請することは予定しておりませんが、今後も遺構の保存に向け働きかけを行ってまいります。
  2. 教育委員会は、JR東日本と連携して、本年1月から9月にかけて見学会を開催し、1,103名が、また5月の小・中学生向けの見学会では3日間で764名が参加いたしました。
    教育委員会が引き続きJR東日本に現地見学会の開催について要請をした結果、新型コロナウイルス感染症対策や現場の安全管理に留意しながら、来年2月に開催する方向で調整を進めております。
    一人でも多くの方が見学できるよう工夫してまいります。
  3. 5・6街区につきましては、これから事業者による開発計画が立案される予定と聞いております。
    教育委員会は、既に、高輪築堤跡の現地保存を考慮した開発計画を策定するようJR東日本に要望しております。
    改めて要請することは予定しておりませんが、区民の貴重な財産である高輪築堤跡を後世に継承していくため、事業者、関係機関と連携して取り組んでまいります。

《再質問1》
インフルエンザワクチン接種対象の高校生まで拡大と接種費用の全額助成について

《質問要旨》
児童福祉法で児童・子どもは、ゼロ歳から18歳。経済的に大変なのは高校生を抱える家庭なので、実施自治体の調査をするまでもなく、千代田区は既に実施している。インフルエンザワクチン接種の助成対象を高校生まで拡大し、全額助成すべき。

《区長答弁要旨》
区で独自に助成している対象については、重症化を防ぐ効果などを検討し、
対象を定める。

《再質問2》
神宮外苑の市街地再開発について

《質問要旨》
地域住民が反対しているのに、なぜ都市計画決定を急ぐのか。また、事業者に忖度する理由があるのか。

《区長答弁要旨》
区は、事業者に対して、周辺住民の理解が得られるよう、説明会に限らず個別の問合せなど、機会を捉えて丁寧な説明を行うように、今後も指導し、要請していく。

《再質問3》
羽田の都心低空飛行ルートの使用をやめ、海上ルートを利用することについて

《質問要旨》
コロナ禍に伴い航空機は減便されたが、コロナ後も減便されたままなのだから、従来の羽田空港の海上ルートで着陸枠は十分に足りている。今後、区民の意見も寄せられるので、区として国に更に強く要請すべき。

《区長答弁要旨》
航空機は減便しているが、区民の皆さんからは、その頻度に関わらず、騒音や落下物などに対する不安の声や改善を求める声が寄せられている。引き続き、区としても区民の声を捉え、国に対して要望する。

 

 

第4回定例区議会で、区長、教育長に質問~風見利男区議会議員

11月26日、代表質問と答弁を掲載します。ご一読ください。

1 核兵器禁止条約への署名、批准するよう、国に申し入れることについて

10月25日未明(日本時間)核兵器禁止条約の批准国が50に達し、1月22日に発効します。

広島・長崎の被爆者をはじめ「核兵器のない世界」を求める世界の圧倒的多数の政府と市民社会が共同した、壮大なとりくみの歴史的な到達です。日本共産党は、核兵器廃絶を戦後一貫して訴え、その実現のために行動してきた党として、心から歓迎するものです。

区長は、核兵器禁止条約の発効について、どうお考えか、お答えいただきたい。

核兵器禁止条約が発効すれば、核兵器を違法化する歴史上初の国際規範となります。前文で「ヒバクシャの許容しがたい苦しみと被害に留意」し、「核兵器のいかなる使用も人道の原則に反する」と明記しました。

同条約は核兵器の開発、実験、生産、製造、所有、使用または使用の威嚇、配備の許可などを全面的に禁止しています。

(核兵器を違法なものとして、その禁止と廃絶を迫る法的な根拠が確立したといえます。)

長年核廃絶の運動を進めてきた被爆者はじめ、日本原水爆被害者協議会、原水爆禁止日本協議会など様々な団体は、禁止条約の発効を大歓迎し、唯一の戦争被爆国の日本政府が真っ先に禁止条約に署名・批准すべきと訴えています。世界からも日本政府への批判が広がっています。

いま、池辺晋一郎(作曲家)さん、池谷薫(映画監督・被爆2世)さん、海老名香葉子(エッセイスト)さん、坂本龍一(音楽家)さん、瀬戸内寂聴(作家)さんら134人(11月7日現在)が呼びかけ人になって「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」が始まりました。

いま全国の自治体が日本政府に、「核兵器禁止条約への署名・批准せよ」と迫ることが求められています。

①非核平和都市宣言をしている港区の代表として、平和市長会とは別に、国に核兵器禁止条約への署名・批准を要請すべきです。

②区議会としても「日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求める意見書」を提出すべきです。

 

【区長答弁】

①区が平成22年4月から加盟している平和首長会議が、本年10月に発出した公開書簡にもあるとおり、この度、核兵器禁止条約の批准国が50か国に達し、発効が確実になったことを、心より歓迎しております。

②平和首長会議の国内加盟都市会議は、平成30年11月、昨年11月の要請に続き、今月20日に、日本政府に対し、核兵器禁止条約の締約国になるよう、強く要請しております。

引き続き、平和首長会議に加盟する都市と連携し、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を訴えてまいります。

 

2 戦災樹木の周知と、保存への支援について

今から75年前、東京の下町一帯が米軍の焼夷弾で焼き尽くされ、およそ10万人が犠牲となった東京大空襲。その被害の傷跡を残し、悲惨な記憶を今に伝えるのが、「戦災樹木」です。

このことを調べたのが、菅野博貢(かんの ひろつぐ)明治大学農学部准教授です。

6年にわたって地道な調査の結果、東京23区に202本の「戦災樹木」の存在が明らかになりました。その一方、焦げ跡などがあっても「戦災樹木」と判断できない木も150本に上りました。証言が得られないためです。

港区内にも5か所、9本の「戦災樹木」があります。

戦災樹木には、国や自治体による認定や保護の制度はありません。その管理は所有者にゆだねられています。

空襲の傷跡によって、強風などによる倒懐の危険がありますが、診断やせん定などの費用は所有者が負担しなければなりません。

①所有者の承諾が必要ですが、「戦災樹木」とわかる案内板の設置、「港区平和関連史跡MAP」に掲載するなどして、区民に「戦災樹木」の存在を知らせること。

②維持管理経費の支援を行うこと。

 

【区長答弁】

①戦災樹木については、定義等が明確でないことから、区が発行する港区平和関連史跡MAP(まっぷ)では、戦災樹木という表現ではありませんが、「東京大空襲で被害を受けた」等の表現により、芝(しば)東照宮(とうしょうぐう)や赤坂(あかさか)氷川(ひかわ)神社(じんじゃ)、麻布(あざぶ)善福寺(ぜんぷくじ)にあるイチョウを紹介しております。

今後、その他の樹木も含め、所有者に承諾をいただいた上で、MAP(まっぷ)や、例年開催している平和展のパネル展示で紹介するなど、広く区民に知っていただく方法を検討してまいります。

また、案内板の設置につきましても、所有者とご相談してまいります。

②今後、実態等を把握する中で、保存への支援の方法について、検討してまいります。

 

3 公契約条例の制定について

港区は「港区が発注する契約に係る業務に従事する労働者等の労働環境確保の促進に関する要綱」(2016年4月施行)を定めています。

建築に関わる労働者等から、公契約条例の制定を求める声が多く寄せられています。

23区で公契約条例を制定している区は千代田区や新宿区、世田谷区など6区です。

これらの区では、区長の責務を「公契約の履行課程の全般における施策の総合的な推進に努めなければならない」「公契約の履行課程において適正な労働条件が確保されるために必要となる施策を講じるよう努める」ことなどを明確に定めています。

又、条例に基づいて事業者や労働者、学識経験者などで構成する区長の付属機関を設置し、区長の諮問に応じ、条例の解釈及び運用に関することなど制度の議論や現場の改善等が審議され、改善につながっているとのことです。

区は要綱で最低賃金水準額や労働環境チェックシートを提出させることで労働環境の確認を行っています。

区が発注する契約に係る業務に従事する労働者は非常に多いです。一人一人の労働環境を守るためにも今できることとして、

①2次下請け3次下請け労働者へ賃金がきちんと支払われているか、区として

確認するために現場の実態調査を行うこと。

②専門家や労働者の意見を聞く審議会を設置すること。

③公契約条例を制定すること。

 

【区長答弁】

①区の契約に従事する労働者に、区が定める最低賃金水準以上の金額が支給されていることにつきましては、契約締結後に受注者から提出される賃金状況シートにより確認しております。

②区は、平成27年度に、区の契約に従事する労働者の良好な環境を確保するために、「港区が発注する契約に係る業務に従事する労働者等の労働環境確保の促進に関する要綱」を制定いたしました。

要綱制定後におきましても、労働者団体の皆様との意見交換を定期的に実施し、いただいたご意見を踏まえ、迅速に、入札・契約制度を改善しております。

審議会という形式ではございませんが、今後も労働者団体の皆さんとの意見交換を積極的に図り、制度の充実を図ってまいります。

③区は、要綱において、区の契約に従事する労働者の最低賃金水準額を規定し、受注者に労働環境チェックシート等の提出を義務付け、労働環境が確保されていることについて、確認しております。 

また、労働環境や賃金支給額に疑義がある場合は、専門家による調査を実施し、必要に応じて、受注者に改善の指示をすることとしており、労働環境の確保に必要な機能を十分に満たしていると考えております。

今後も引き続き、要綱に基づき、労働環境確保策の取組を進めてまいります。

 

4 コロナ禍における区有施設の使用料の軽減について

新型コロナウイス感染症対策として、密を防ぐため、区民センターや、いきいきプラザなどの部屋の利用を半分以下に制限しています。

利用者から、「人数が半分なのに費用は今まで通りはおかしい」「広い部屋がなかなか取れなく困っている」「(広い部屋を借りるため)会費不足になる」等、様々な声が寄せられています。

密を防ぐための対策とはいえ、半分以下の人数で正規料金を払うというのは不条理です。

コロナ対策による利用人数制限をする以上、使用料金は引き下げるべきです。

 

【区長答弁】

区は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、貸室については収容人員の50パーセント以下での利用をお願いしており、利用者によっては普段よりも定員の多い貸室を利用せざるを得ず、普段以上に使用料を負担いただいている場合もあります。

今後、施設の利用実態等を早急に調査してまいります。

 

5 マイボトルの利用促進と給水スポットの設置について

区内の家庭から出るペットボトルを500ミリリットルのボトルに換算すると、年間8331万本にもなります。

持続可能な社会のため、プラスチックを少しでも減らすことを考えたら、個人でできることはペットボトル飲料の購入を控え、マイボトルの利用は取り組みやすい方法です。

本庁舎をはじめ区有施設にマイボトルへの給水と飲み水用がセットになった給水スポットを設置すべきです。

 

【区長答弁】

区は、区役所本庁舎やスポーツセンターなど、様々な区有施設で利用者向けに給水スポットを設置しております。

また、本年2月に定めた「港区役所『使い捨てプラスチック』削減方針」に基づき、今月から、白金台いきいきプラザに、マイボトルに対応した給水スポットを試験的に設置し、飲料水の提供を開始しております。

今後もマイボトルの利用促進を図ってまいります。

 

6 音響式信号機の設置促進と早朝・夜間の時間延長について

警視庁は目が不自由な人向けにスマートホンで信号の色や振動を伝え道路横断を支援する「歩行者等支援情報通信システム(高度化PICS)」を設置する方針を決めたとの報道がありました。

今年3月現在、宮城、千葉、静岡の三県74カ所に設置されています。

実際体験した視覚障害者団体や視覚障害者は、支援機器が設置された信号機の手前からスマホを握り、白杖をつきながら近づくと、振動とともに「小学校方向の信号が赤、盲学校方向の信号が青になりました」と音声が聞こえました。しかし、土地勘がないと進行方向がわからず、音声案内が役に立ちません。「白杖とスマホで両手がふさがり雨の日は傘も持てない」「スマホの音声を聞くために立ち止まった時に方向を見失いそうになる」などの声が出ています。

また、「慣れた音響式の方がいいという声もある上、スマホ操作が難しい視覚障害者も多い。操作方法の説明とスマホの給付、貸与も検討してほしい」と要望しています。

①港区の視覚障害者団体、視覚障害者の意見をよく聞き、警視庁に改善を要請すること。

②音響式信号機は視覚障害者が横断歩道を渡るための命綱です。しかし、近隣への配慮から夜間や早朝に誘導音が出ないようにしているため、死亡事故が発生しています。

音響式信号機を夜間や早朝でも利用できるように、音量調整を行うなど、区としても近隣住民の理解を得られるような取り組みを行うとともに、警視庁に働きかけること。

③また、通行時だけ音を出せるシグナルエイド対応の信号機の設置を警視庁に要請すること。

④シグナルエイドの対象者に案内を送るなど、普及を図る取り組みを行うこと。

 

【区長答弁】

①歩行者等支援情報通信システムは、近距離無線通信規格であるブルートゥースを活用し、スマートフォン等に対応して歩行者用信号情報を送信するとともに、青信号の延長を可能とするシステムです。警視庁からは、現在、社会実験中であると聞いております。

区といたしましては、その社会実験の状況を注視するとともに、港区視覚障害者福祉協会にも意見を聞いてまいります。

②区は、音響式信号機の設置促進に取り組んでおり、港区バリアフリー基本構想推進協議会を通じて、港区視覚障害者福祉協会から音響式信号機の設置や稼働時間の延長について意見を伺い、警視庁と連携し、近隣住民の理解を求めながら具体的に協議を進めております。

また、本年8月には、港区視覚障害者福祉協会会長と「音響式信号機の24時間作動についての要望書」を区内所轄警察署6署と警視庁本部に提出いたしました。

今後も、音響式信号機が夜間や早朝でも利用できるよう、音量の調整についても、引き続き、警視庁に要請してまいります。

③音響式信号機は、区内の154か所に設置されており、そのうち、通行時だけ音を出せる音響案内装置、いわゆるシグナルエイド対応の信号機は、129か所と警視庁から聞いております。

区は、シグナルエイド対応の信号機の設置につきましても、引き続き、警視庁と協議してまいります。

④区は、視覚障害に係る手帳の等級が1級又は2級の方に、音響案内装置を日常生活用具として給付しておりますが、装置の利用方法や設置場所がわからないなどの理由で、普及が進んでいない状況です。

 今後、利用対象者には、音響案内装置の活用事例や、設置場所などを示した案内を個別に発送し、音響案内装置の理解を促してまいります。

また、視覚障害者の相談支援事業者に対して、音響案内装置の体験利用の機会を設けるなどの工夫により、音響案内装置の更なる普及に努めてまいります。

 

7 保健所の体制強化について

11月18日に国内感染者が初めて2,000人を超えました。専門家からも「第3波」の感染が広がっていると指摘され、最大限の警戒が呼びかけられています。

日本共産党はすでに感染拡大の第3波に見舞われているという現実を直視し、感染の爆発的拡大を抑止するために12日に「3つの提言」を発表しました。

①大規模・地域集中的検査、社会的検査を政府の大方針にすえ推進することを求める。

②感染追跡を専門に行うトレーサを確保し、保健所の体制を抜本的に強化する。③医療崩壊を絶対に起こさないために、医療機関の減収補てん、宿泊療養施設の確保、の3点です。港区もこの提言を参考にしていただきたいと思います。

私たちもこの提言の実現のために力を合わせ、一日も早く収束させるために頑張る決意です。

感染が始まった初期の段階では、保健所の職員をはじめ応援の職員など本当に大変な状況でした。

これから冬に向かっての感染拡大に対応するために、検査の充実と無症状者も含めた感染者をできるだけ早く見つけ、治療等につなげていくことが求められます。

感染実態を把握のためにもどこで感染したか、濃厚接触者の範囲などの地道な調査を保健所が行っています。そのためにも保健師等の専門職の確保が最重要課題です。11月16日現在の保健予防課の体制は、153人ですが、事務職が東京都派遣職員と人材派遣あわせて18名、看護師・保健師は派遣職員13名を確保していますが、残りは兼務職員です。

支所の保健師は地域の保健指導を担う役割があり、地域住民に責任を持つ立場です。それに加え、コロナの長期化により、区民の精神的・身体的な影響も多く、支所の保健師の役割も大きくなっています。再び応援で地域の保健業務が滞ることがあってはなりません。

また長期化による、保健所の職員は疲弊しています。これまでのように応援態勢で乗り切ることはできません。

冬に向かって、感染拡大に備え、専門職を確保し保健所の体制を強化すべきです。

 

【区長答弁】

区は、感染者数の状況や昼間人口が多いという港区の特性を踏まえて、みなと保健所の体制を強化してまいりました。

専門職については、各地区総合支所及び支援部からの保健師26名のほか、感染症対策を支援する医師や感染症専門アドバイザー、人材派遣の保健師・看護師を配置しております。

保健師については、人材派遣業者との協議を行い、更なる増員の準備を整えております。

今後も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況などを踏まえた上で、新規採用職員の繰上げ採用も視野に入れ、感染状況に的確に対応できる執行体制を確保してまいります。

 

 

8 生活保護世帯への法外援護の拡大について

今年10月から食費や水光熱費など日常生活にあてられる「生活扶助費」が減額されました。

生活保護費は削減が続いています。

安倍政権は2013年8月から3年かけて生活扶助費を約670億円削減しました。

今回の削減は、安倍政権が18年10月から3年かけて160億円カットする3年目の削減です。この実施により減額されたのは、利用世帯全体の67%。港区では80%にもなりました。

すでにギリギリの生活をしている利用者には、感染防止のためのマスクや消毒液などの出費が重くのしかかっています。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で生活に困窮する人が増える中、「なぜいま減額なのか」「死ねというのか」など、怒りの声が沸き起こっています。

私たちの提案もあり、生活保護世帯を含む65歳以上で非課税世帯へのエアコン設置助成が始まります。

エアコンは設置したけれど電気代が心配で使わない、命にかかわります。

①港区が法外援護で実施している夏季、冬季の7000円の見舞金を大幅に引き上げること。

②自治体が実施する見舞金等に対する収入認定基準額(8000円)は実態にあっていません。大幅引き上げを国に要請すること。

③夏季加算の創設を要請すること。

 

【区長答弁】

①区では、生活保護世帯に対して、家族が集まる機会が多い時期の家計負担を軽減するため、毎年8月と12月に、単身世帯に5,000円、複数世帯に7,000円を見舞金として支給しております。

港区以外の22区が、見舞金を廃止している中、独自に支給を行っているものであり、適正な水準であると考えておりますが、今後も生活保護世帯の生活の実態に注視してまいります。

②収入認定基準額は、国が定めた全国一律の基準であり、国の責任において総合的に判断して決定されたものであることから、収入認定基準額の引上げを、国に対して要望することは、考えておりません。

③区は、これまでも冷房機器の使用による電気料金の増加など、夏季の特別な需要に対応するため、東京都を通じ、国に対して、生活保護費に夏季加算を新設するよう求めてまいりました。

今後も引き続き、夏季加算の新設につきましては、国に対して要望してまいります。

 

9 止水板設置費用の助成制度について

地球温暖化による大型台風、集中豪雨による思いもよらない浸水が起きています。

この間の古川地下調節池などによって従来のような浸水騒ぎは減っていますが、短時間の集中豪雨による浸水が心配されます。

マンションや地下駐車場、事務所ビルの半地下への浸水を防ぐための止水板設置と関連工事費用を助成する自治体が増えています。

港区も、止水板設置費用、関連工事費用の助成を行うこと。

 

【区長答弁】

区では、高層マンションで結成された防災組織に対し、浸水対策として止水(しすい)パネルや水(すい)のう袋などの資機材の助成を行っております。

あわせて、「港区浸水ハザードマップ」により浸水が予想される地域やその深さなどの情報提供に努めるとともに、建物所有者に対し、プランターやレジャーシートによる止水(しすい)工法など具体的に浸水対策が講じられるよう有効な対策の周知にも努めてまいります。

 

10 インフルエンザワクチン接種費用助成の拡大について

世論と運動の結果、東京都が65歳以上(60歳~64歳で基礎疾患がある人を含む)のインフルエンザワクチン接種費用の助成を行います。

港区の昨年度の実績を基に試算すると、港区への助成金は約6500万円です。この助成金を活用して、インフルエンザワクチン接種費用助成事業の拡大を行うべきです。

 

【区長答弁】

区は、東京都の補助金の対象者である65歳以上の方と、60歳から64歳までの方で基礎疾患のある方を対象に無料の予防接種事業を実施しております。加えて、一定の発症予防効果と子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため、生後6か月から中学3年生までの子どもを対象に接種費用の一部助成を昨年度から実施しております。

今季は、新型コロナウイルス感染症流行下において接種者の大幅な増加が見込まれております。接種が推奨される方のうち、希望される方々が円滑に接種を受けられるためにも、それ以外の方への費用助成の拡大は予定しておりません。

 

11 小学校の児童、幼稚園児、保育園児の通学・通園時の安全対策について

スクールゾーンやイメージハンプなどで児童や園児の交通安全対策を行っています。

アイスランドでは、路上に描かれたトリックアートによって、横断歩道での交通事故がなくなったそうです。

「3D横断歩道」といわれ、横断歩道の白線部分が浮き上がって見え、ドライバーが速度を制御せざるを得ないトリックです。

学校や保育園周辺で車の通行が多い場所で、テストをしてはいかがですか。

 

【区長答弁】

区は、運転者の錯覚を利用した交通安全対策として、これまで路面上に突起のように見せるイメージハンプを7か所、道路の幅員を狭く見せる区画線を多数設置し、減速を促す路面標示を行ってまいりました。

運転者から横断歩道が立体に見えるトリックアートによる路面標示については、警視庁管内で導入した事例がないため、交通管理者である警視庁から関係法令による規制も含めた情報収集を行い、効果などについて調査、研究の上、協議してまいります。

 

12 少人数学級の実現について

現在、国会では来年度の予算編成に向けての審議が行われています。11月13日の衆院文部科学委員会で日本共産党の畑野君江委員は少人数学級の実現は待ったなしと迫りました。萩生田文科大臣は「30人が望ましいと私は思う。皆さんと協力しながら頑張りたい」と答えました。

また、少人数学級の実現を国に求める地方議会の意見書は16道県を含む534議会で採択されています。

①今がチャンスです。再度、国の責任で「少人数学級の実施」を要請すること。

②港区でも少人数学級を早期に実現すること。

 

【教育長答弁】

①今月12日に、全国都市教育長協議会をはじめ全国の小学校長会や中学校長会など、教育関係23団体で構成する「子どもたちの豊かな育ちと学びを支援する教育関係団体連絡会」が、全国集会を開催し、少人数学級の実現を国に求めました。

引き続き、少人数学級の実現に向けた国の動向等を注視してまいります。

②学級編制につきましては、国の義務標準法に基づき、東京都によって基準が定められており、区独自での少人数学級を実施することは予定しておりませんが、教育委員会では、小学校算数でのコース別指導や中学校理科の学力向上などを目的に区費講師を活用した少人数指導を実施しております。

今後も少人数によるきめ細かな指導の充実を図ってまいります。

 

 

13 高輪築堤の遺構保存と見学会の開催について

「1872(明治5)年の鉄道開通時をほうふつとさせる「高輪築堤」の遺構が、JR駅「高輪ゲートウェイ」の直近から出土した。整然と積まれた石垣の一部は着工から150年を経ても健在で、東京名所として錦絵に描かれた当時の雰囲気を今に伝えている。」と、東京新聞に大きく報道されました。夢のある話です。

早稲田大学の谷川章雄(あきお)教授(考古学)は、「国指定史跡になっている旧新橋停車場跡につながる鉄道遺跡で、文化的な価値が非常に高い」。老川善喜(おいかわ・よしのぶ)立教大名誉教授(鉄道史)は、「日本の鉄道の出発点を示しつつ、周囲を埋め立てて新しい線路を敷設していった経過や石垣の積み方や変遷も分かる重層的な遺跡だ。保存は重要。鉄道史上の宝物であり、観光資源にもなるのではないか」。と語っています。

歴史的・文化的価値のある「高輪築堤」、ここにしかない遺構です。しかるべき時期に現地見学会の開催、遺構の保存を図るよう、JR東日本に要請すること。

【教育長答弁】

高輪築堤の遺構は、汐留の国指定史跡との関連性も高く、区にとっても極めて重要な文化財であると考えております。

そのため、教育委員会は、本年8月26日付けで遺構の保存を求める要望書を事業者にお渡ししました。

現在、事業者は、区や東京都のほか、有識者の見解も伺いながら、遺構の調査、保存等について検討を進めております。

見学会の開催につきましては、工事現場の中であるため、広く一般公開することは、安全上難しいと聞いておりますが、何らかの方法で公開するよう事業者に働きかけてまいります。

 

 

《再質問1》

高輪築堤の遺構の保存と見学会の開催について

 

《質問要旨》

29年前には、汐留開発に伴う発掘調査により、旧新橋駅ホームなどが発見された際は、大規模な現地見学が何度も行われた。全国的な運動の結果、駅舎は復元され、博物館にもなっている。

高輪築堤は、貴重な文化財であることからも、JR東日本に、高輪築堤の遺構の保存と見学会の開催について強く要請すべき。

 

《教育長答弁要旨》

高輪築堤の遺構は、貴重な文化財という認識であるため、改めて保存について事業者に要請していく。

また、見学会の開催についても、事業者と様々な方法を検討し、実現できるよう要請していく。

 

 

 

 

 

14 青山地域に生鮮3品をはじめ生活用品が購入できる店の誘致について

北青山3丁目の都営住宅跡地の民活ビルに、生鮮3品、生活必需品(以下、「生鮮3品等」と言う。)のお店の誘致を事業者に要請していますが、いまだに実現していません。

①引き続き、生鮮3品等のお店の誘致を要請すること。

②青山には比較的大きな都営住宅が、北青山3丁目、北青山1丁目、南青山1丁目にあります。南青山の住宅には毎週魚屋さんが来ていましたが、築地市場が豊洲に移転したことから廃業してしまいました。今は3団地とも八百屋さんが来るだけです。

3つの団地を巡回する魚屋さんの誘致を働きかけること。

 

【区長答弁】

①区は、北青山三丁目地区まちづくりプロジェクトの実施当初から、生鮮3品等を含む店舗の誘致を事業者に要望してまいりました。                   

 しかしながら、施設内の店舗の誘致につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による、その大半が未入居の状況です。事業者からは引き続き、生鮮3品等を含む店舗の誘致活動を行っていると聞いております。                   

 今後も地域の方が安心して買い物ができる                   

生鮮3品等を含む店舗の誘致について、粘り強く事業者に対し、働きかけてまいります。

②区は、豊洲市場の鮮魚卸売業者と、北青山3丁目都営住宅の移動販売について調整し、本年6月下旬から、卸売業者が、北青山3丁目都営住宅向けに鮮魚チラシをポスティングし、都営住宅前で受け渡しをする販売を開始しております。鮮魚卸売業者は、移動販売について前向きに検討し、保冷車の購入を決定したと聞いております。納車後に東京都や保健所等との手続を行うとのことですが、区も引き続き、地域の方の意見や情報を収集し、早期に実現できるよう調整してまいります。

 

 

9月14日、区長に2021年度予算に対する要望書提出ー地区委員会と党区議団

9月14日武井雅昭港区長に「2021年度当初予算に対する重点要望書」を提出しました。小柳出 明副区長が対応しました。

要望書は、この間区民などから寄せられた要望・意見をまとめたものです。17分類、240項目です。

今回の要望書では、コロナから区民と中小企業、商店などを守る要望を特別枠で要望しています。(全文の目次を掲載します。)

 

 

    港区長 武 井 雅 昭  様

 

    2021度当初予算に対する重点要望書

               2020年 9月14日

日本共産党港地区委員

委員長   千  葉   一   成

 

日本共産党港区議員団 

熊  田  ち づ 子

風  見  利    男

福  島   宏   子

 

2021年度当初予算に対する重点要望書の提出にあたって

政府は、2020年7月30日に、2012年12月に始まった景気拡大は2018年10月までで終了していたと認定しました。そのような経済状況の中、多くの国民からの反対があったにもかかわらず、政府は、消費税10%への増税を強行しました。消費税増税で弱体化していた日本経済に、新型コロナウイルス感染症拡大が追い打ちをかけました。

昨年末に確認された新型コロナウイルスは、瞬く間に世界中に広がり、9月9日現在、感染者数は2757万人を、死者は89万人を超えています。感染は今なお広がり続け、9月8日までに新型コロナウイルスの影響で倒産した企業が全国で500件に達しました、その約8割は負債総額5億円未満の中小零細企業です。倒産だけではなく、休廃業・解散の増加も危惧されており、東京商工リサーチの見込みでは2019年の43,348件を大きく超え、2020年は5万件を突破すると報じられています。(「東京」7/26付など)

内閣府が9月8日に発表した2020年4月~6月期のGDP速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前年比7.9%減、この成長が1年続いた場合の年率換算で28.1%減となりました。そして、厚生労働省調査では、今年に入って解雇や雇止めが非正規労働者を中心に拡大しており、その数は7月末には4万人を超えています。

このような経済状況の中で、奪われた雇用、所得、消費を取り戻すことは容易ではありません。国民の暮らしは、厳しくなるばかりです。

そうした国民が厳しいコロナ対応を強いられている中、自民党が敵基地攻撃能力の保有について早急な検討と結論を求める提言をまとめ、安倍首相に提出しました。「敵基地攻撃能力」という言葉は使わなかったものの、その保有を実質的に促し、憲法の平和原則を破壊する安倍政権の暴走をいっそう後押ししようとする極めて危険な動きです。

今、平和・民主主義にとっても重大な局面を迎えています。

こうした中で編成される来年度予算では、区民の暮らし、営業、福祉をより一層応援するとともに、平和で安全な港区に確実にして行かなくてはなりません。

日本共産党港地区委員会と港区議員団は、区民の切実な要望を聞き取り、各団体との懇談会などで出された切実な要望を集約し、2021年度予算の重点要望としてまとめました。

新型コロナウイルス感染症対策については、項目を別建てとし、まとめて要望しています。

一つ一つの項目について、真摯に受けとめ、予算案に反映するよう強く求めます。

尚、来年度予算編成前に具体化できる施策については、速やかな実施を求めます。

回答にあたっては、各項目について具体的に示されるようお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目  次

 

【1】新型コロナウイルス感染症から区民生活を守るために・・・・・・・・・・・・1ページ

 

【2】区民のための区政運営をすすめるために          ・・・・・・・・・・・・5ページ

 

【3】区内各地の巨大開発を抜本的に見直し、大企業の利益優先、住民追い出しをやめ、住民が安心して住み続けられるまちづくりを  ・・・・・・・・・・・・6ページ

 

【4】地球環境を守るために                          ・・・・・・・・・・・・8ページ

 

【5】高齢者の暮らし・福祉を守るために               ・・・・・・・・・・・・8ページ

 

【6】誰もが安心して生活できるための生活福祉施策の充実を ・・・・・・・10ページ

 

【7】すべての子どもたちが健やかに育つための施策の充実を ・・・・・・・11ページ

 

【8】障害のある人が、身近な地域で働き生活できるよう、障害者福祉を充実させること                                        ・・・・・・・・・11ページ

 

【9】安心して学べる学校・施設等の改善のために       ・・・・・・・・・・12ページ

 

【10】区民の生命と健康を守るために                  ・・・・・・・・・・13ページ

 

【11】中小企業の営業とくらしを守るために             ・・・・・・・・・13ページ

 

【12】安定した雇用の場を確保するために              ・・・・・・・・・・14ページ

 

【13】平和な港区にするために                       ・・・・・・・・・・・15ページ

 

【14】財源確保策について                           ・・・・・・・・・・・17ページ

 

【15】東日本大震災や全国各地の災害を教訓に、区民のいのちと財産を守るた

めに                                ・・・・・・・・・・17ページ

 

【16】東日本大震災をはじめとする被災地への支援対策について

・・・・・・・・・・20ページ

 

【17】原発から撤退し、自然エネルギーへの転換をすすめるために

・・・・・・・・・・20ページ

第3回定例区議会で代表・一般質問ー共産党区議団(熊田・風見)

10日の熊田ちづ子区議の代表質問

核兵器禁止条約の批准を国に申し入れることについてです。

今年は、広島、長崎の被爆から75年を迎えました。新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大したことにより、5月予定の原水禁世界大会inニューヨークや毎年、芝公園からスタートしていた平和行進も中止。8月の原水禁世界大会in広島はオンラインによる大会が行われ、私も視聴しました。

2017年に国連で採択された核兵器禁止条約は、8月6日にアイルランド、ナイジェリア、ニウエ、9日にセントクリストファ・ネイビスが批准、批准国は44カ国になり、条約発効まで6カ国と迫っています。被爆者の方達をはじめ、世界の運動と世論が条約発効を推し進める大きな力になっています。しかし残念ながら、唯一の戦争被爆国である、日本政府は核兵器禁止条約に後ろ向きです。

被爆者の平均年齢は83歳を超え、「自分たちが生きている間に核兵器をなくしてほしい」「原爆で苦しむのは自分たちで最後にしてほしい」という思いを受け止め、日本政府に核兵器禁止条約を批准するよう働きかけるべきです。

答弁を求めます。

 

新型コロナウイルス感染症から区民の命を守ることについてです。

コロナ感染症が急拡大し、深刻な事態が続いています。全国一斉休校、アベノマスク、「GO TO トラベル」など政府の対応も混乱と不安を招きました。港区の感染者数は8日時点で1,071人に達しており、いつ感染するか、自分が知らない間に感染させるのではないかとの住民の不安は続いています。自粛などによって、区内の飲食店やカラオケ店などあらゆる事業所に大きな影響が出ています。いつまで営業を続けられるかわからないといった不安が広がっています。一日も早い収束と日常を取り戻すことを願っています。

日本共産党は7月28日に安倍首相に対し、コロナ感染症拡大を抑えるためにPCR検査の拡大などを求める緊急申し入れを行いました。コロナ対策の最も重要な点は、感染ケースの4割を占める無症状感染者からの感染をいかに防ぐかです。緊急事態制限で、あらゆる社会活動を再び止めてしまうことはなんとしてもさけなければなりません。そのためにも

①感染震源地(エピセンター)を明確にし、その地域の住民や事業所の在勤者の全体に対して、網羅的大規模なPCR検査を実施すること。

②東京都では、新規感染者数とともに、検査数、陽性率を何らかの形で明らかにしている自治体は、新宿区や中野区、千代田区、世田谷区など14区市にとどまっています。港区としても新規感染者数とともに、検査数、陽性率など感染状況を公表すること。

③港区でも、保育園や介護事業所などでの感染が広がっており、関係者に不安が広がっています。医療機関や介護施設、福祉施設、保育園、幼稚園、学校など感染リスクの高い施設に勤務する職員などへの定期的なPCR等検査を行うこと。

④特養ホームなどの入所施設は、高齢者や障害者など感染リスクがたかい施設です。新規に施設に入所する方のPCR検査を行い、感染拡大を防ぐことが重要です。特養ホーム等の施設に新規に入所する方のPCR検査を区の責任で行うこと。

(目黒区1件あたり30,000円、千代田区、目黒区実施)

4点について答弁を求めます。

熱中症予防対策についてです。

今年はコロナ感染症拡大で、外出自粛が求められ、自宅で過ごすことが増えました。7月は雨の日が多く、8月に入ってから酷暑が続き、連日のように防災無線から、「こまめな水分摂取とエアコンの利用を」勧める注意喚起がされました。

8月の23区の熱中症死は195人と過去最多です。うち184人が屋内で発見され、その内の165人がエアコンがないか、あっても使用していなかったことがわかっています。(東京新聞9月8日)

昨年の3定でも、エアコンのない生活保護利用世帯にもエアコン購入費用を認めることと荒川区が実施している生活保護世帯に準じる高齢者世帯等への購入費用助成を求めましたが、生活保護利用世帯への独自助成はしない。各いきいきプラザ等に夕涼みコーナを設置するなど熱中症予防に努めている。購入などの相談には社会福祉協議会が行っている生活福祉資金の案内を行っているとの冷たい答弁でした。災害級といわれる暑さの中、エアコンがあれば救える命です。命を守るためにもエアコンは必需品です。

①エアコンがない、若しくはエアコンが壊れて使えない生活保護利用世帯へのエアコン設置費助成を区として行うこと。

②国に対してエアコン助成の対象拡大を働きかけること。

③生活保護利用世帯に準じる高齢者世帯等へのエアコン設置費用助成を区として行うこと。

答弁をもとめます。

インフルエンザの予防接種の対象拡大についてです。

秋から冬にかけてインフルエンザの流行時期を迎えます。インフルエンザも新型コロナウイルス感染症も同じような症状のため、医療機関が今以上に大変な状況になると予測されており、今年はインフルエンザが流行する前から、予防接種を受けるように勧められています。

千葉市は8月21日にインフルエンザの予防接種費用助成拡大を発表。

多くの市民が予防接種を受けることで発熱患者を減らし、医療機関の負担軽減を図るために全市民を助成対象にするとのことです。

これまでもインフルエンザの予防接種助成の対象年齢を拡大するよう求めてきましたが、今年は、コロナ感染症との関係でも、インフルエンザの予防接種が求められます。

区民の命と医療機関の負担を軽減するためにも、現在対象になっていない18歳から64歳までの区民を対象にインフルエンザの予防接種費用助成を行うこと。

答弁を求めます。

リーブラのセンター長の交代についてです。

リーブラは2019年4月から、新たに(株)明日葉が指定管理者になりました。

リーブラは今年40周年という節目の年でもあります。毎年リーブラの大きな行事であるリーブラフェスタ2020はコロナ感染症の拡大によって、初めて開催が延期されることになり、実行委員会はオンライン会議で開催日の延期や講演者の日程調整等々大変混乱をしていた時期でもあります。そうした状況下で6月に突然センター長が交代、利用者の多くは大変戸惑っています。

新センター長は2020年5月入社したばかりで、採用されてわずか1カ月でセンター長に就任したことになります。

明日葉は指定管理事業者になった2019年4月から2020年3月までの1年間で退職者8名、移動者3名と、20名中11名が変わっています。(2019年4月の職員数20名)

指定管理を受けたばかりで、わずか1年でこれだけの職員の退職や移動は異常です。

利用者からは「職員の入れ替わりが激しい」、「やっと顔を覚えたのにいなくなっている」「自分の担当の仕事でないとわかりませんと言われる。」「職場内で仕事の内容が共有されていないのでは」といった声が寄せられています。

センター長が1年で交代したことに対する利用者への説明がなく、ある人は人づてに、ある団体にはメールで退職のあいさつがあったとのことです。

有志が8月4日に、区に説明を求める申し入れを文書で行い2回目の説明会が9月3日に行われました。

これからリーブラにとっては、40周年記念行事、リーブラフェスタ2020など、大きな行事を成功させなければなりません。事業者とリーブラ利用者団体、区民が力を合わせなければ成功させることはできません。リーブラが婦人会館といわれていたころから活動されてきた方が「これまではリーブラ職員に敬意を持ってきました」との言葉は重く受け止めなければなりません。一日も早い信頼関係の構築が必要です

①センター長は指定期間中、責任をもって運営に当たるべきです。わずか1年でセンター長が交代した理由について納得いく説明を求めます。

②1年の間、多くの職員がやめています。指定管理制度の問題点の一つが明らか になっています。区の施設で働く職員が安心して働けるよう区としてもっと踏み込んだ指導すべきです。

③利用者の方たちは今回勇気をもって区に改善を求めています。指定管理事業者任せにせず、区として事業の運営に積極的にかかわり、問題点の早期発見、問題点の改善を行うこと。

答弁を求めます。

介護費用の上乗せをやめさせることについてです。

 厚生労働省は新型コロナ感染症拡大による減収対策として介護保険のデイサービスやショートステイ事業者に対し介護報酬の上乗せを認める「特例処置」を通知しました。

事業者が利用者から事前の同意を得ることを条件に提供サービス時間より2段階高い介護報酬を月4回まで算定できることになります。特例措置を算定すると利用者は受けていない時間分の利用料を払うことになります。関係者からも撤回を求める声が上がっています。

港区のデイサービスでも27施設中18施設、ショートステイは12施設中10施設で「特例処置」を算定しており、利用者に負担を上乗せしています。

長野県飯田市は利用者の負担増なく介護事業者を支援するために「特例措置」を算定しない事業者に介護報酬の上乗せ額に相当する補助金を交付することを決定したと報道されました。デイサービスとショートステイ87事業所を対象に7月から来年3月分のサービス提供分が対象です。

コロナによって介護事業者は利用者が減り収入が減少しています。介護事業所の減収分については利用者に負担を押し付けるやり方ではなく、公費負担すべきです。

①国に対して改善を求めること。

②港区としても「特例措置」の算定をやめさせ、減収している介護事業所に対 し独自の補助を行うこと。

③上乗せ分を負担した区民に対し、上乗せ分を助成(還付)すること

答弁を求めます。

私立認可保育園の指導のあり方についてです。

待機児解消のため私立の認可保育園が増えています。2020年4月1日現在で区立保育園は20園(うち5園は指定管理)、認定子ども園1園、港区保育室13園、私立保育園53園、小規模保育事業所12園、事業所内保育施設1園と区立園以外が79%。保育定員でも64.7%を区立園以外が担っています。

 

私立園の職員の方から、メールで「残業は30分からしかつけられない」「人手不足で仕事が間に合わず、休憩が30分しかとれなかった。それでも1時間とったことにするよう言われた。」など労働問題についての相談が寄せられました。

園長や保育士が安心して働ける環境をつくることが、安定した保育につながります。

昨年(2019年)の第2回定例会でも園長不在を取り上げ、具体的な対応を求めました。区長は「定期的な訪問や巡回指導、現場職員の声を受ける仕組みなど、日頃から状況を把握し、区が責任をもって保育現場の安定と子どもと保護者の安全・安心の確保につとめる」と答弁しています。

私立園が増える中で、株式会社経営の保育園も増えています。私立園で園長や保育士が安心して働ける環境でなければ、継続して働くことはできません。子どもの保育にも影響を与えることになります。来年度は、東京都が行っている私立園の認可権や認可外保育施設などの立ち入り検査なども区の事務として移管予定です。現状は区立保育園の園長経験者など3人で指導検査や訪問指導、巡回指導に当たっています。今後の仕事量が増えることを考えると不充分です。

  • 巡回指導に当たる職員を増やすこと。
  • 私立園の指導について、保育士が長く働けるよう労働条件、労働環境、処遇についても指導を行うこと。
  • 私立園の労働者が安心して相談できる体制を区に作ること。

答弁を求めます。

私立認可保育園の安定した運営についてです。

待機児解消のために、区は園庭の無い認可保育園をたくさん作りました。現在私立園では580名の定員割れが起きています。私立の定員割れを補助する『私立保育所特別助成』を見直し(2018年2月保健福祉常任委員会)、助成対象を開設後5年までの保育園に限定しました。区内に12か所作られた乳児のみ受け入れる小規模保育事業所は、定数に対しての充足率が0歳児で4割、1、2歳児で5割です。園の運営に支障をきたすことは明らかです。

区は待機児解消のために役割を担ってきた私立認可保育園を守る責任があります。いつでも安心して子どもを預けられるためには、一定の空きは必要です。

定員割れに伴う特別助成の開設5年以下の規定を削除すること。

答弁を求めます

 今年はコロナ禍のもとで自粛され、延長保育の利用人数も減っています。実績に基づいて算定される延長保育事業への区費補助に影響します。

今年度の延長保育事業への区費補助については、コロナ禍の4,5月の実績を参考にするのではなく、前年度と同額の金額を補助すること。

答弁を求めます

安心・安全の学校づくりについてです。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、小・中学校では6月の学校再開時に分散登校が実施され、ほんの束の間、悲願の「少人数学級」が実現しました。日ごろ最大40人の学級を担任している教師たちが少人数学級を体験し、心地よさを実感してしまったのです。「一人一人の机を回り、ノートを見て理解しているか確かめられた」「それぞれのペースに合わせられる」「早く!と言わなくてよくなり、子どもは焦らなくてよくなる」と、子どもと教員のゆとりの好循環が生まれ、日々の丁寧な対応に繋がりました。

 

文科省は中央教育審議会の中間まとめで「少人数学級を可能とするための指導体制や施設整備を図る」ことを盛り込み、全国知事会など3団体は「少人数編成を可能とする教員の確保」を盛り込んだ提言を発表。

さらに、政府の骨太方針でも「安全・安心な教育環境を確保しつつ、学びを止めない重要性」が強調され、少人数指導によるきめ細かな指導体制の構築が明文化されました。今、社会は少人数学級へと動いています。港区として、少人数学級を実現すること。

答弁を求めます。

日本教育学会は学びの遅れや学力の格差拡大、子どものストレスに応えるケアの体制をつくることが必要だとし、教職員を思い切って増やすことを提言しています。港区として、教職員を増員すること。

答弁を求めます。

ソーシャルディスタンスが叫ばれる中、40人学級では1mの距離をとることは不可能です。(8メートル四方の教室に40人の子どもが座ると、机と机の通路の幅は30センチと言われています。)港区教育委員会が6月24日に出した「学校運営に関するガイドライン」ではソーシャルディスタンスについて全く触れられていません。大問題です。現在、18校ある小学校は全部で302学級あります。41人学級1、40人学級2、35人以上が94、30人以上は121で、70%以上が30人以上の密状態の中で授業を受けています。これでは子どもたちの安全は守られません。

私たち共産党議員団は、7月27日に教育長と懇談し、学校での感染対策の拡充を求めました。

懇談の中で、「コロナ感染予防対策は、学校任せではなく港区教育委員会主導でやるべき」「それぞれの学校の対策をもっと共有すべき」と提案したところ、8月24日に「幼稚園、小・中学校における特徴的な感染症対策」として各学校の取り組みをまとめ、情報提供されました。

①港区のガイドラインに密を避ける対策、距離をとる対策を明記すること。

②港区として、教室数を増やすこと。プレハブ建設も含めて検討すること。また、空いている教室の有効利用を積極的に検討すること。

答弁を求めます

学校によっては、コロナ禍のもとで1コマ30分授業を一日8コマこなしている所もあります。これでは内容の濃い授業は出来ず、次の授業の準備すらできません。政府の「学校再開ガイドライン」にも「児童生徒の負担が過重とならないように配慮する」とあり、学習指導要領の弾力化を認めています。

教育課程や授業時数の見直しは、児童生徒や教職員にとって無理を強いる時間割や授業日数の設定などは行わないこと。

答弁を求めます。

11日の風見分区議の一般質問

都心低空飛行ルートの中止を国に求めることについてです。

8月22日、「みなとの空を守る会」が高輪警察前で都心低空飛行ルート中止を求める宣伝行動を行いました。地元の町会長は「町会として新飛行ルート撤回まで頑張る」と力強い発言。通りかかった住民は「(隣の)スーパーの上に住んでいるが、手を伸ばせば飛行機に届きそう。本当に怖い。」と切実な訴え。国土交通大臣あての「低空飛行中止を求める署名」を集めていると、「自分の周りの人にも訴えたい」と署名用紙を50枚持ち帰る人もいました。航路下の住民の怒りは我慢の限界です。

ジェット燃料を使用する航空機の排出ガスが人体に及ぼす影響について訴えがあり「大型機一機分の排出ガスは乗用車2500台分に相当する。」「航空機の排ガスは粒子が細かく肺や気管支に入りやすい」というショッキングなものでした。アメリカのマサチューセッツ工科大学の研究でも明らかで、航空機の排ガスは二酸化硫黄や窒素酸化物といった汚染物質を何種類も含んでおり、特に小さい「粒子状物質」が人体に悪影響を及ぼす。肺の奥深くまで入り込み、血流まで到達するというものです。WHOによると、大気汚染による最も一般的な死因は肺がんなど呼吸器や心臓血管の疾患だといわれてます。

だからこそ人が暮らす町の上空に飛行機を飛ばしてはならないのです。区民の命を守るべき区長として、都心低空飛行ルートの中止を国に求めること。答弁を求めます

港区独自で5月25日から6月23日まで、本村小学校と高陵中学校で騒音測定を実施した結果を見ると最高値は77.5㏈です。換気のために窓を開けることが当たり前になり、自宅でのテレワークが増えている中、航路下では「キ~ンという金属音が耳から離れず、ノイローゼになりそうだ」と、健康被害の一歩手前で深刻な現状です。この間、港区には214件もの苦情や問い合わせがきています。国土交通省が高輪台小学校の屋上に騒音計を設置し騒音測定していますが、公表は2カ月に1回、2カ月遅れの上に、平均値しか発表しません。

 

1 今後も港区独自で騒音測定を継続すること。

2 国に対して高輪台小学校の騒音測定の結果の公表を、タイムラグなく直ちに行うこと。平均値のみではなく最大値を公表するよう要請すること。それぞれ答弁を求めます

異常気象から生命と地球環境を守ることについてです。

8月18日、アメリカ・カリフォルニア州デス・ヴァリー国立公園で気温54.4度が観測され、日本でも8月17日静岡県浜松市で41.1度が観測され、全国各地で猛暑、熱帯夜が続くという異常気象が続いています。(台風10号の異常な大きさが気候変動の象徴です。)

昨年12月に開催されたCOP25(国連気候変動枠組み条約第25回締結国会議)は、温室効果ガス削減目標の引き上げを促す決議には合意したものの、「パリ協定」の運用ルールの決定が先送りされ、世界の人々を失望させる結果となりました。

地球規模の気候変動をめぐって、もはや問題の先送りは許されない非常事態――文字通りの「気候危機」に人類は直面しています。

昨年12月に発表された国連環境計画(UNEP)報告では、現在各国から出されている目標通りに削減したとしても、世界の平均気温は産業革命前に比べて、今世紀中に3・2度上昇し、現在の排出ペースが続けば、3.2~3.9度上昇すると予測され、地球は破局的事態に陥ります。

産業革命前に比べて世界の平均気温上昇を「1.5度以内」に抑えることは、人類共通の死活的な急務となっています。

仮に有効な対策を取らなかったらどうなるのか。環境省は、2019年7月8日、「このまま有効な対策を執らずに地球温暖化が進行すると、2000年頃からの平均気温が最大4.8度上昇すると予測されています」として、「産業革命以前からの気温上昇を1.5度に抑える目標を達成した2100年と、目標を達成できなかった2100年の天気予報」を、それぞれの夏、冬について作成しています。

「1.5度未達成…最大4.8度上昇した場合の天気予報」です。NHKの天気予報と同じ格好で書いてあります。

夏の最高気温は、東京43.3度、札幌40.5度、名古屋市44.1度、大阪42.7度、福岡41.9度、沖縄以外の日本列島はまるごと40度以上となっています。これではとても生きていけません。熱中症など熱ストレスによる国内死亡者が1万5千人を超えるという予測も出しています。

中心気圧870ヘクトパスカル、最大瞬間風速90m/sの「スパー台風」が発生するとしています。

異常気象が続く中、2050年CO2排出実質ゼロ(ゼロカーボンシティ)にするために、世界で「気候非常事態宣言」をする自治体が増えています。日本では長野県や神奈川県、長崎県壱岐市など全国で2県、36地方自治体が宣言をしています。世界では、2019年10月現在20カ国1200の自治体が「気候非常事態宣言」しています。区民、事業者に極めて深刻な異常気象を知ってもらうために、港区も「気候非常事態宣言」を行うべきです。

答弁を求めます。

子どもたちを受動喫煙から守る対策についてです。

東京都は、「子どもを受動喫煙から守る条例」を制定し、2018年4月1日から施行しています。

条例は、子どもは「自らの意思で受動喫煙を避けることが困難であり、保護の必要性が高い」として、「子どもを受動喫煙から守るための措置を講ずる」としています。

港区は「みなとタバコルール」で公共の場所での喫煙は禁止ですが、指定喫煙場所での喫煙は容認しています。

子どもを受動喫煙から守るのは行政の責任です。現在通学路にある4カ所の指定喫煙場所は大至急閉鎖すべきです。

答弁を求めます。

都営青山北町アパート(通称:北3団地)の跡地の開発についてです。

第2回定例会でURが計画する都営住宅跡地(14号棟~24号棟)と青山通りとの一体開発問題を取り上げました。

区長は「都有地を提供しないことや、計画の撤回を要請することは考えていない」と答弁しました。

今年の港区内の都営住宅の空き家募集を見ると、263倍、149倍、134倍と高倍率です。都営住宅への入居希望者は増え続けています。

ところが小池都知事は、新規建設は一切しないばかりか、建て替えにあたっては高層化・集約化したのに、従前の戸数より減らしています。そこで生み出した土地を民間開発に提供しています。

北3団地の場合、完成した都営住宅は従来の戸数を半分に削減、半分の都有地を民間に提供しました。東京建物株式会社、三井不動産株式会社や青山共創株式会社が計画してできた建物は25階建ての高級マンション(229戸)、サービス付き高齢者向け住宅(49戸)、店舗などです。

超高級マンションの家賃は、専有面積38.07㎡で月額29万9千円、142.21㎡で月額140万円です。

「サービス付き高齢者住宅(ツクイ・ののあおやま)の利用料は、月額(1人部屋の場合)居室料55万5千円~60万円、管理費13万7500円、共益費3万5千円、生活支援サービス費9万3500円と、食事なしで月額76万1千円と超高額です。どんな人が住むというのでしょうか。

北3団地の建て替えに伴って生み出した土地を民間に提供した結果です。区長は第2回定例会で、こういう実態を知ったうえで答弁されたのか、明らかにしていただきたい。URが計画する都営住宅跡地の開発も、今紹介した「クラス青山」と同様な開発が予想されます。都有地は都民のために使う、当たり前の活用を要請すべきです。

それぞれ答弁を求めます。

学校給食費の無償化についてです。

私たちは、国の責任で学校給食は無償にすべきと考えています。しかし、国が実施するのを待つのではなく、各地方自治体で実施し、国に実施を迫っていくことも重要と考えています。

いま、日本の実に7人に1人の子どもが貧困状態にあるといわれています。

学校に支払う費用のなかで給食費は高額です。給食費を無償にすることで子育て世帯への大きな支援策になります。学校関係者の事務負担の軽減にもなります。学校給食費を無償にすべきです。

答弁を求めます。

学校給食費の公会計化についてです。

文部科学省は、2019年7月31日、「学校給食費等の徴収に関する公会計化等の推進について」との通知を、各都道府県知事や指定都市市長、教育委員会に行いました。

別添資料として「学校給食費徴収・管理に関するガイドライン」を作成しています。そこでは、①教員の負担軽減、②保護者の利便性の向上、③徴収・管理業務の向上、④透明性の向上、不正の防止、⑤公平性の確保、⑥給食費の安定的な実施・充実 が図られるとしています。特に、公会計化が実現すれば、一会計年度の食材調達費の所要額は、地方公共団体の予算の中で適切に確保されます。生鮮食材の価格が高騰した場合においても、同じく予算での対応が可能となり、安定的に学校給食を実施できます。としています。

今、教育現場は、児童・生徒の安全を確保するため、新型コロナウイルス感染症に注意しながらの毎日。コロナによる影響から児童生徒の精神的な支え・相談にのるなど、多忙な毎日で、先生方の負担軽減は待ったなしの課題です。 学校給食費の公会計化を急ぐべきです。 答弁を求めます

三田一丁目にある旧東京簡易保険支局の保存と、港区指定有形文化財の指定についてです。

真ん中のエントランス部分を残して解体が終わっています。

先日、環境影響調査書案の説明会で配られた資料によると、「既存建築物のエントランス付近のファサードを一部保存・再生することにより、綱町三井倶楽部と対をなす街並みを保存継承し、…」とされています。

党区議団の提案と教育委員会の働きかけの成果だと思いますが、事業者任せにせず、どういう形で保存・再生されるのか、一般社団法人日本建築学会など専門家の意見を聞き、区として必要な意見・助言を行うべきです。また、港区指定有形文化財の指定ができないのかも検討すること。

それぞれ答弁を求めます。

 

10日熊田ちづ子区議が代表質問、11日風見利男区議が一般質問

第3回港区議会定例会が始まります。

7日に赤坂大輔議員の辞職勧告決議を議決

10日、熊田ちづ子区議会議員が代表質問

1.核兵器禁止条約の批准を国に要請すること。

2.新型コロナウイルス感染症から区民の命を守るために

3.熱中症予防対策について

4.インフルエンザワクチン接種費用助成の拡大について

5.少人数学級について

6.私立保育園の定員割れ対策について 等について質問します。

11日、風見利男区議が一般質問

1.羽田新飛行ルートの撤回を国に求めよ

2.異常気象から区民の生命と地球環境を守るために

3.子どもたちを受動喫煙から守る対策について

4.清掃の収集など、外で仕事をする職員に冷感グッズを

5.学校給食を無料に

6.学校給食の公会計化について

7.東京簡易保険支局の保存を  等について質問します。

傍聴をお願いします。質問開始時刻は、区議団控室(3578-2945)にお問い合わせください。

 

 

「特別定額給付金」の申請書、22日に発送

10万円の「特別定額給付金」の申請書が22日に発送します

記入にあたってわからないことは、お気軽に相談して下さい。

安倍自民・公明政権は、所得の低い世帯に30万円支給するとの予算を組みましたが、多くの国民からすべてに国民に支給するべき。野党も国民に分断を持ち込むやり方でなく、一律10万円の支給を主張し続けた結果、すべでの人に一律10万円の支給が決まりました。申請書類は22日に発送する予定で準備が進んでいます。

保険証や預金通帳のコピーが必要です。わからないことがあれば連絡ください。

共産党区議団控室:3578-2945

風見利男:3400-5015 携帯090-2417-9768