安倍政権は経済危機を言い立て、自らの経済政策を「アベノミクス」とし、「強い経済」のため「三本の矢」なるものを持ち出してきました。そのねらいは、金融緩和と公共事業で見せかけの「経済成長」を演出し消費税大増税を予定通り強行しようとするものです。しかし、中味を見れば異常な金融緩和にしろ、公共事業の拡大にせよ破綻した対策の寄せ集めで、デフレ不況の原因となっている国民所得の落ち込みを打開するものではありません。安倍政権と日本銀行の共同声明で2%の物価上昇率を中期的な目標として打ち出しましたが、マスコミ各紙も「物価が2%上がると賃金も上がらなければ生活苦しく」「物価だけが目標に向かって先行して上昇し、給料などが増えなければ暮らしへの影響は深刻だ」などの警告を発しています。こうしたなかで、予定通り消費税率を来年4月に8%、再来年10月に10%に引き上げるなら消費をさらに冷え込ませ、デフレ脱却に逆行し、地域経済はもちろん国の財政をさらなる危機に陥れます。今ですら消費税を価格に転嫁できない商店や中小企業はたちゆかなくなることは明らかです。最近の世論調査でも毎日新聞52%、朝日新聞53%が反対と国民の過半数が消費税増税に反対しています。区内の業界、団体の新年会でも「景気の回復が見込めないのに消費税増税の追い打ちは困る」「国民の収入が減っている中で消費税増税されたら、お客さんが来なくなる」との声が上がっています。今必要なことは内需を拡大することです。デフレ脱却と財政危機打開のためには賃金の引き上げ、社会保障の拡充、富裕層や大企業など負担能力のあるところに力相応の社会的責任を果たして貰うなど国民の所得を増して経済を立て直す、消費税に頼らない「別の道」を進むべきです。 区民の暮らしと商店・中小企業の営業を守るために,これまでのように「国の動向を注視していく」と言う態度を改め、消費税増税の実施中止を国に求めるべきです。 (13 1定 大滝議員)
中小企業金融円滑化法は、2008年9月のリーマン・ショック後の資金繰り悪化を受け、2009年に施行されました。金融機関に対し、運転資金の返済が困難になった中小企業や住宅ローンの借り手から返済猶予などを要請された場合、応じるように求めたものです。当初は、11年3月までの時限立法でしたが、2度にわたって延長され、この3月末で期限切れになります。金融庁によると、昨年9月までに適用を受けた中小企業は推定30万~40万社、延べ344万件。住宅ローンでは、法人、個人合わせて約23万件、総額約3兆6千億円に上りました。3月末で打ち切られた影響について、東京商工会議所の調査によると、「経営に影響がある」と答えた金融機関は60%。「連鎖を含め倒産が増加」(信用金庫)することなどを懸念。帝国データバンクの調査でも企業倒産が増加すると見込む金融機関が6割を占めています。政府は、「金融機関に対し、貸し付け条件の変更や円滑な資金供給に努めるよう促していく」としていますが、円滑化法に反対だった金融機関が、報告義務がなくなれば、不良債権を抱えたくないと、回収に走ることは目に見えています。中小企業の経営を守ること、住宅ローンの返済に苦しむ人たちを守るため、さらには、連帯保証人を守るためにも、国に対して、中小企業金融円滑化法の延長を要請すること。議会として、延長を求める意見書のとりまとめを議長にお願いします。建設業では4割の企業が主に資金繰りの悪化やデフレの影響を受けています。区の取組だけでなく国に要請すべきです。 (13 1定 大滝議員)
ハローワーク品川および東京商工会議所港支部との共催により実施している「就職面接会」は、すでに9回開かれてきました。昨年の決算特別委員会での私の質問に、これまでの実績を「平均で参加企業数35社、参加求職者数は約520人、採用数約20人程度」と答弁され雇用拡大に貴重な成果を上げているものと評価します。今春卒業予定の大学生の就職内定率は75%で、最低に落ち込んだ2年前から連続で改善しているとはいえ内定を得ていない大学生が、約11万人に上るなど厳しさは変わっていません。総務省の労働力調査によると、昨年12月の完全失業者は278万人と増加しました。また、製造業の就業者数が51年ぶりに1000万人を割ったと発表されました。電機メーカー大手で強行されている大リストラなど企業が海外進出する一方、国内で工場閉鎖や人員削減を推進していることによるものです。安さを求め海外進出を進めていけば日本が優位性を持っていた技術が海外に流れ、日本企業は衰退してしまいます。ある信用金庫では、「安さを競うのでなく他にない製品・サービスを生み出して新しい需要をつくることが日本の生きる道」として、お金を貸すだけでなく、ビジネスの提案や、求職中の人と中小企業との出会いの場を設け就業あっせんをすすめています。区では、今後の就職面接会について「景気の動向や雇用情勢の把握、分析に努めながら関係機関と協議」するとしていますが、現在の厳しい雇用情勢から、引き続き就職面接会を早期に開催し雇用の拡大を図るべきです。 (13 1定 大滝議員)
住宅リフォームを地元業者に発注した住民に、費用の一部を助成する制度は、助成を受けた住民が喜ぶだけでなく、地元業者も仕事確保につながり、地域の活性化になると、私たちは、今までにも何回か質問してきました。いままでの区長の答弁は「建物の耐震化、高齢者住宅のバリアフリー化、地球温暖化対策機器の設置などで既に助成をしている。これらは建築関係事業者の活性化につながっている。だから住宅リフォーム助成はやらない。」と述べています。さらに、昨年の決算総括での答弁は、「住宅リフォーム制度を設けている自治体を見ると、木造住宅の多い地域で主に活用されている」と、理由にならない理由を述べています。既に区が行っているという「高齢者住宅のバリアフリー化」では、65歳以上の年齢制限があり、高齢化に備えてバリアフリーをしたいと思っても、65歳以上にならなければ、その制度は利用できません。実施自治体は、この1年間で95増え、東京でも、渋谷区、目黒区、品川区など12自治体が実施しています。区長は、建設関係の新年会で、「中小企業活性化のために力をつくしたい」と挨拶されています。仕事確保につながり、地域活性化につながる住宅リフォーム助成制度を早急に実施すべきです。 (13 1定 熊田議員)
安倍首相は国会答弁で、わが党がすでに6年前に「巨大地震の発生で全電源喪失となった場合の検討」を求めたのに対し「安全の確保に万全を期している」と答弁していたことを指摘したところ、「安全神話に陥て、複合災害の視点が欠如していた」と「反省」を口にしました。また、野田政権の事故収束宣言を事実上否定したように、今日も放射能汚染は拡散続けており、福島県内外に避難している15万人余もの方々が夢や希望を、そして職場や農場だけでなく故郷までも奪われているのです。都内に避難していた人の孤独死という悲惨な事態も発生しています。しかし、野田政権の「2030年代原発稼働ゼロ」方針について「ゼロベースで見直し、責任あるエネルギー政策を構築」するとして再稼働を推進し、新増設を進めていく無反省な姿勢を示しました。「事故当初、放射性物資の飛散の情報を開示しなかった国の基準は信用できない」「子どもたちを放射能被害から守ろう」と行動する若い母親たちも少なくなく、給食の代わりに弁当を持参する子どもたちが、都内の保育園、幼稚園、小中学校で800人以上と推計され、港区内でも30人近くになっています。また、断層の再調査により大飯、敦賀、東通そして柏崎刈羽原発の敷地内や施設直下にある断層が活断層であるとほぼ断定されており、廃炉の決断が迫られるなど地震国日本に安全な原発はありません。「少なくとも過半の国民は原発に依存しない社会の実現を望んでいる」ということが国民意識を分析した政府の認識であって、政権が交代しても変わることはありません。最近のマスコミ調査でも原発からの撤退を求める人が7割を超えています。昨年3月に始まった毎週金曜日の首相官邸前や国会周辺で「再稼働反対」「原発からの撤退」を求める集会は今日も続いているだけでなく、連帯した行動が全国でも広く行われています。区長は所信表明で「区民の生命・財産を守り、区民の誰もが安心して暮らせる港区をつくることを最優先の使命とし、全力で取り組む」と述べました。 今こそ、国に対してただちに原発からの撤退を強く求めるべきです。 (13 1定 大滝議員)
政府は生活保護費のうち生活費に当たる生活扶助を3年間で段階的に引き下げることを決めました。生活保護受給者の96%の世帯が引き下げられ、中でも子どもの多い世帯が一番の打撃を受けることになります。日本は生活保護水準以下の世帯で生活保護を利用しているのはわずか15%で、ヨーロッパ諸国に比べ低くなっています。保護基準以下で生活せざるを得ない人が多い状況をそのままにして、保護基準を引き下げればますます貧困が拡大することになります。厚労省の社会保障審議会の委員からも引き下げには慎重であるべきとの意見が出されました。生活保護基準は、労働者の最低賃金や就学援助などを決める基準にもなっています。港区でも保護費を算定基準としている制度は修学援助や成年後見審判申し立てにかかる費用の免除、保育料の減免など16事業にも及んでいます。保護基準が下がれば、就学援助を受けられない世帯や、軽減措置を受けられない世帯が増え、生活保護世帯以外の貧困を拡大することになります。長引く不況や、非正規労働者の増加など貧困を生む社会構造や原因をそのままにして、受給者の増加や財源の増加だけを問題にして、弱者にしわ寄せするやり方は止めるべきです。生活保護基準の引き下げを行わないよう国に申しいれるべきです。 (13 1定 熊田議員)